Kさん と Nちゃん  68

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■ 人間も犬も頑張ります ■

外野というものは恐ろしいものです。
K家がどれだけ大変なのか、分っているつもりなのに今回も
「温かい時間が流れることを陰ながら願っています」などと
能天気なことを書いてしまっています。

それでも、K家の人も犬も頑張ります。
この、頑張っているという表現も能天気な外野の見方なのかもしれません。
するべき当然のことをしているだけなのでしょう。
そして本人たちにしか分らない気づきがあり、幸せに似た何かがあることでしょう。

Kさん と Nちゃん  登場人物


15.09.13  HPの公開の件      弓削

その後は如何でしょうか。
特に連絡がないということは、変わらずと思っていますが。

SNS上で、ラケットバッグに入った(閉められた)N ちゃんの
写真、今更見つけました。
今いる猫、おばまは、このようなことが出来なくて残念です。





15.09.17  数日前にメールしましたが      弓削

最近のNちゃんは、どうですか。
ご家族で頑張っていらっしゃいますか。
K家として温かい時間が流れることを陰ながら
願っています。






15.09.18   お返事遅れてすみません。       Kさん

弓削さんこんにちは。
何度もメールをいただいていたのに、お返事が大変お遅れてしまい
すみません。


その後の N、なのですが…。
一時期、食事も飲み物も受け付けず、このまま衰弱してしまうのかも
と心配した日がありました。
翌日、病院で皮下点滴をしていただいたら、急に食欲が出て元気も
回復、このまま小康状態かな、一安心という矢先…。


私が仕事に出かけてすぐに主人からメールがあり、「N がベッドか
ら落ちて右前脚肘を脱臼」したとのこと。
職場に着いて間もなくだったので、本当にびっくりしました。
主人が病院へ連れて行くとのことだったので、任せていたのですが、
かかりつけの先生には何もできないと言われたそうで、大学病院での
処置になるというメールを受けました。

仕事から帰ってみると、N だけが寝かされていて主人はおらず。
連絡を取ってみると、
「大学病院は10日先の予約しか取れなかった。
 かかりつけの先生はレントゲンを撮っただけで、処置は何もしてく
 れなかった。
 仕事があるので出かけた。」
です。

仕事があるのは分かっていたけれど、もう少し詳しく状況を説明して
もらえたら、私がやることをもう少し考えられたのに。
病院の先生も主人も、10日先まで脱臼したままで N を放っておけと
いうことでしょうか?

すぐに先日休日診療で診てもらった F動物病院へ電話し、そこでも
やはり手におえないと言われましたが、知り合いの良い病院があるから
とZ動物病院を紹介していただきそちらへ連絡。
Z病院ほ院長先生は脱臼は専門らしく、そちらで診てもらえれば間違い
ないとのことでした。
…というところでZ病院が休診日というのに気づき、その病院の分院
A医院(車で1時間くらい)を紹介していただきました。

A医院に電話で状況を伝えていると主人が戻り、代わって状況を説明
してもらいながら用意を進めていると、今日は応急処置くらいしかで
きないとのこと。
結局時間も遅いし(その時点で午後6時半頃)、翌日にZ動物病院の
医院長先生に直接見てもらった方がよいといわれ、そうすることにしま
した。

翌日、Z病院へ行き診ていただいたのですが、犬の脱臼というのは人間の
とはだいぶ違うみたいですね。
T がまだ保育園に通っていたころ、肩を脱臼したことがあったのですが、
引っ張って入れてもらってハイおしまいでした。
痛みも全くなくなり、すぐに通常の生活です。

犬の場合は麻酔をかけて直し、その後ボルトで固定の手術が必要とか。
それを聞いたときはどうなることかと気が遠くなりました。

ただ、N の健康状態と高齢であることを加味すると、ボルトで固定
の手術までする必要があるのか。そこは早急に決めなくても良いので
はということで、まず外れてしまったのを元に戻す処置だけするという
ことになりました。

その処置でも麻酔が必要なので、それは大丈夫なのかと聞くと、心臓の
様子も見ていただき、少し雑音はあるが大丈夫でしょうとのこと。
即入院、当日夜に処置ということになりました。

N を置いて病院を離れ、午後から仕事へ。
また N にとって新たな負担が出来てしまいましたが、少しずつですが
私たちにできることはやれたかと思っていたところ、Z病院から連絡があり、
「これから処置、麻酔をというところでいろいろ触りながら様子を見ていたら、
暴れた拍子に脱臼が治ってしまった」
〜そうです!!

N ってやつは〜!!

翌日包帯とテーピングで肘をサポートされ、両前脚をテープでゆるく
固定されたNとご対面。
本当に、N ってやつは、、、。
「誰も治してくれないから、自分で治したよ!」てか?


かかりつけの病院に連絡したところ、「良かったですね」で終わり。

今回のかかりつけ病院の対応に、がっかりしました。
そして、Z病院の対応の違いに感心しました。

ふがいない飼い主でした。
後から聞いたのですが、N が脱臼で行ったとき、他に医院長先生もいた
らしいのですが、その先生も脱臼は治せないと言って、レントゲンを撮った
だけで全く触ろうともしなかったそうです。

Z病院の先生は、N を診て私たちと話をしながら色々体を触り、さらっと
爪切りまで済ましていました。
次に行ったときは耳掃除をしながらお話しです。
そして次の日はまた爪切り。

脱臼の経過を診ていただくのもありましたし、初めから N の様子をすぐに
きちんと理解してくださり、主人も私も信頼がおけると判断しましたので
病院を変えることにしました。


心臓のほうはそれ程心配するような状態ではないので、薬はいらない、
血液検査の結果も特に悪いところはないので他に薬を飲むべきものはない
でしょうとのこと。
今までの先生は、膀胱炎についてあまり気に留めている様子がなく、
私たちが指摘するとお薬を出してくれていたのですが、Z病院の先生は
膀胱炎と、出血のことを気にかけてくれてそのためのお薬を出してくれ
ました。
骨が溶けてきているのを少し抑えるような処置もあるようでそれも検討に
加えても良いのではとのこと。
それから、お尻の腫瘍は手術でとることができるそうです。
ただ、転移があること、高齢であることを考えるとあまり現実的ではない
かもしれないとお話ししました。

前の先生と私たちの見方に隔たりを感じていたところでした。
弓削さんが先生としっかり相談をしてと言ってくださったことも、
今一つはっきり指導していただけなくて。
N の最期を任せるのに、このままで良いのかと。


水曜日に包帯とテーピングが取れて、両前脚も自由になり前脚だけの
歩行が出来るようになりました。
今回、主人はいいとこなしでしたが、N のために後ろ脚を吊って歩ける
ように歩行器をつくってくれました。家の中でだけ使っていますが、
まあ使えます。…というか、本当はとても助かっています。

先週は食が細くなってしまいましたが、また点滴をしてもらい元気が
戻ってきて食欲も出てきました。
健康な時は10.5sだった体重が一時は、9sを切ってしまったことも
ありましたが、少し回復し9sを超えました。
まだ増えそうな食べっぷりです。


今日は家の周りの一画を一周(200m位かな)お散歩してきました。
N の介護はもちろん大変なんですが、やっぱり子育ての経験が生き
ますね。夜中に何度も起こされたり、おしっこやうんちの始末、ご飯を
食べたとか足りないとか。T の頃より体力はかなり落ちていますけど、
何とか頑張れてます。
雨続きで脱臼のこともあり、外に出ることもなかなかできないでいましたが、
今日のお散歩では N にエネルギーを感じました。

毎日、睡眠と食欲と排せつがうまくいきますようにと過ごしています。
前日より元気だったとか、たくさん食べたとか、うんちが固まって来た
とか。そんな話題ばかりです。

脱臼で凝りましたので、必ず誰かがそばにいるようにしました。
T は4年生で、就活もなし。こんな時期に具合が悪くなるなんて、
N は何かをわかっている?
T は「この日は俺がいた方がいい?外出しても大丈夫?」と聞いて
くれて、皆でスケジュールを突き合わせています。
うんちの始末なども、本当はやりたくないでしょうが、なにも文句を
言わず手伝ってくれています。
外出もままならないですが、交代でお世話。介護で息切れしないように
お互い気使って気分転換できる日を作れるようにしています。

幸い、この生活は長く続きそうな気がしてきました。
おむつを替えたときに、N がしっぽを振ってたよとか、寝ているとき
は吠えるんだね、とか。そんなことで喜びを感じることができてます。
N はしんどいでしょうが、明るく接してあげることが N の活力を高める
ことにもなるのかなと。

今回アップされる頁を読んで、またエネルギーがわいてきました。
N と過ごしてきた日を振り返れて、やっぱり N っていいやつだワッ
て思えてます。

全く、飼い主失格のドタバタで恥ずかしい限りです。
あきれちゃいますよね。
許してください、、、<(_ _)>


お返事も遅れてすみませんでした。
許してください、、、<(_ _)>






15.09.19   Re: お返事遅れてすみません。       弓削

K さん、こんにちは。

Nちゃん、復活したのですね。
良 かったです。


肘の脱臼ですが、肘に限らず犬の脱臼は厄介なものが多いです。
膝になると専門医以外に診てもらうと取り返しのつかないことになる
ケースもあります。
犬の肘は体重の多くを支えていますので、しっかり治療をしないと
ならないということもあるのでしょう。
一般的によくある治療ではありませんので、慎重になることは理解して
あげてください。
最もよくない獣医は、分からないのに検査し処置・治療してしまう先生です。
獣医として分からないこと、出来ないことをはっきり言うことは、最低限の
マナーだと思います。
今まで通っていた病院は、今の N ちゃんに必要な知識・経験がなかった
だけだと思ってください。獣医さんは人間でいえば総合病院です。対応
しきれないことがあっても仕方ないことです。その判断は飼い主がして
病院を変えるしかないと思います。


そうそう、自分で立てなくなるくらいになると爪も伸びますね。
それも関節によくないし。

色々ありましたが、脱臼騒動でいい先生に巡り合えました。
N ちゃんが K 家の飼い主としての成長を導いているようですね。

やはり、N ちゃんは特別な犬だと思います。




最後のメール、どうおもわれますか。
K 家では、全員が睡眠不足で N ちゃんの最期の時間に向き合っています。
そんなときに、このような内容。

感情として、まだまだ頑張ってほしいと願っていた気持ちから書きましたが
ご家族には意味のないメールだったとおもいます。

安楽死が一般的ではない日本に於いて、最期の時間に向き合うことは
覚悟がいることだとおもいます。

そのことをこのような形で、多くの人に知っていただく機会をもってくださり
K 家に感謝しています。




・このようなタイミングのことではなく、一般論として・

獣医師先生のことですが、総合病院であることに加え、
犬は人間以上に個体差がありますから、人間の医師よりも判断が
難しいことが多いです。
ある犬にとっては良い先生でも、別の犬にとってはそうではない先生もいます。

人間の医療の最終判断は本人がするものでありすが、犬の場合は飼い主です。
獣医師ではありません。
飼い主の意思を確認せず、治療の効果が予想出来ないにも関わらず
治療をしてしまうのは問題外ですが、そうとしか思えない話を以前はよく聞きました。
最近は少なくなってきたようです。
それは飼い主さんの知識が上がってきたからだとおもいます。

日々、犬と付き合い、疑問があれば他人に聞いたり調べたり。
その積み重ねが、いい獣医さんとの出会いに繋がるとおもいます。
獣医さんだけでなく、他の専門家も同様だと思います。



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