道
2001/7 LOVIN さん より
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あの犬と爺さんが亡くなってどの位経つだろう?
爺さんも犬もお互いにイイ年でなんとなくお互いを
いたわりながら毎日歩いていた。
爺さんは粋な人だった。
犬もなかなかの風貌を持っていた。
犬はすれ違いざまにも「強さ」を感じさせる奴だった。
きっとその犬は、どんな犬とすれ違っても無視して
悠然と歩いているだろうと思えたが、爺さんは自分の
犬とよその犬がすれ違う時、いつも決まってどちらの
犬を見るでもなく「関係なし」と声をかけていた。
爺さんの言葉に犬も「そうだな」と応えるように
悠然とついて歩いていた。
爺さんと犬は人嫌いでも犬嫌いでもなかった。
「こんにちは」と声をかければ爺さんも犬も
笑顔で応えてくれた。
クサイ表現かもしれないが、見送る後ろ姿には
誰も入り込めない絆のようなものが見えた。
「あぁ、なんかいいなぁ」いつも思っていた。
ある夏の日その犬が亡くなったと聞いた。
なんとなく爺さんが心配だった。
秋になって爺さんが亡くなったと聞いた。
爺さんと犬の関係はずっと続いているのだろう。
いつもの道を歩きながら思った。

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