ウニ(殻)の臭いを堪能する。(海中公園にて)

 北海道旅行記
   1999
 
     9月21日(火)
 
 礼文島 ニ日目
   昼食後 〜
     鉄府、西上泊 〜

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昼食後お土産やさんをのぞいても、時間はまだ正午前。午後は島の北西に位置する鉄府、西上泊の辺りを歩くことにした。昨日、教えていただいたコースだ。
途中、海中公園でうーにーの水を汲み、そのまま車を走らせ鉄府と西上泊の分岐点まで来た。ちょうどここに車をとめられる場所があったので車を止め、ここからは歩きだ。まだ12:20、歩くには充分な時間だ。




鉄府方面に歩き始めると、道端に大きなクローバーが目に付いた。こんなに大きなクローバーの四葉を見つけられたら、と思ったら、簡単に見つけることが出来た。それをうーにーに見せたら、、、パクパクと食べてしまった。葉っぱの数なんてどうでもいいんだよね、。

ここでも昆布を食べる。
味を覚えたらしい。

鉄府にはこの島では珍しい砂浜があるが、昆布でゴミゴミしている。うーにーはここでも海に入らなかった。(入るお許しをもらえなかった、というのが正しい。)

船から魚をあげている漁師さん達がいたが、それ以外は静かなところだ。漁師さんと猫に会っただけで他には誰にも会わなかった。

キツイ登りが続く。
登りきると素敵な景色が待ってた。


鉄府の通りぬけると、その先はハイキングコースのような道になるのだが、これがいきなりキツイ上り坂。(一応階段になっている。そうでもしないと登れないような斜面だ。)どこまで続くか分からないキツイ上り坂を上り始めたときは、暗い気分になったが、少し登ると見晴らしがよく暗い気分も吹き飛んだ。登りきると西上泊が見える。鉄府や西上泊の海はとても綺麗で山の上からもその透明さはよく分かる。

急な上り坂を登り見晴らしのいい高い所にでたら、すぐに急な下り坂だ。これを下れば西上泊。今までの疲れもあって転げるように下りていった。

私がトイレから出てきたらこの状態。
どんどん人の数は増えていった。

ここには澄海岬という観光スポットがある。ちなみに「澄海」と書いて、スカイと読む。ここの駐車場(ここも観光バスがやってくる)にあるトイレに私は入った。妻とうーにーは外で待っていた。トイレから出てくると妻とうーにーの周りに人だかりができている。観光バスのお客さんや添乗員さんまでもうーにーを可愛がってくれていた。
岬からバスに戻ってくる人達が次から次へと可愛がってくれた。バスの出発時には、乗務員さんが「お前も乗って行くか?」とまでいってくれた。バスが動き出すと、うーにーはオスワリをし、私達は手を振った。窓側に乗っている人のほとんどが、微笑み、手を振ってくれた。

バスが去ると、駐車場に隣接したお店の人以外は誰もいなくなってしまった。静まり返った澄海岬をゆっくりと見物することが出来る。とても綺麗で不思議な海の色だ。

岬を後にして港を歩いていると、3,4歳の子供を連れたお母さんが歩いていた。子供はうーにーに興味があるようだが、うーにーが近づこうとすると恐がってしまう。東京でもよくあるパターンだ。
子供はお母さんの手を引っ張り、私達の後5mくらいの所を着いて来る。こちらが止まってもそれ以上近づいて来ない。自分でどうしていいか分からないようである。
私達が港のはずれまで来たところで、お母さんは「もう諦めなさい、」という感じで子供を抱きかかえ、もと来た方向へと去って行った。


その先はまたハイキングコースのような道だ。山にへばり付くような斜面の道を登っていると小さな畑があった。ここでも大根とキャベツが作られている。さらにカボチャもあった。ここも畑かなと思い別の場所を覗いて見ると、お墓があってビックリ。

そんな道はそれほど続かず、開けた気持ちのいい道に変わった。開けているのはいいが日当たりもよく、うーにーはハーハーと暑そうである。(この日の最高気温は15℃と発表されている。その程度である。ちなみにこの日の東京の最低気温は25℃くらいだと思う。)
懐かしい映画に出てきそうなのんびりとした風景の中を私達三人だけでゆっくり歩く。ここは8時間コースという有名なコースの一部だが、シーズン中はここに列をなして人が歩いているという。シーズンとは花の季節だが、今は確かに花は咲いていない。しかし、この景色だけで充分だ。そんな景色を私達だけで独り占めだ。


広い草原の中の一本道から車の道に出て、少し歩くと私達が車をとめた所だ。車の横でうーにーの体に着いた草の実を取っていたら、私達と同じ場所に車をとめていたオジサンが話し掛けてきた。ちょっと聞きづらかったが犬のことを聞いてみた。


オジサンの娘さんは島の外に嫁いでいるのだが、その娘さんが飼っていた犬をこの島に連れてきて、そのままおいて帰ってしまったことがあったという。娘さんも事情があり、飼い難くなったそうだ。仕方なくこの犬を飼っていたオジサンだが、近所から何かと苦情があり、娘さんに再び引き取ってもらったそうだ。苦情の具体的な内容については聞かなかったが、この島では今も犬を飼うこと、犬の存在自体、歓迎できない人はまだまだ多いらしい。




柵の向こうが海中公園
後ろに見えるのは利尻島

まだ3時前だが荷物の整理をしなければならないので、ペンションに帰ることにした。帰り道、いつも水を汲む海中公園に寄ってみる。(3:10〜3:30)
磯辺にコンクリートで道が作ってあり、その道が海に張り出している、というだけのものである。遠くから眺めた時は「なんでこれが海中公園なの?」と思ったが、実際に足を運んでみると「なるほど」と思った。ここは海がきれいなので海中がよく見える。特に海中の昆布の観察には最適である。季節によってはウニも見れるのではないだろうか、。



3:45、ペンションに着く。まずは車の中の荷物を整理、そして、うーにーの体に付いた草の実を一生懸命取った。取られているうーにーは、疲れ果てグッタリしている。先ほどまで元気にしていたのに、。

この写真を撮っている時に
声をかけられた。

そんなうーにーを引きずるようにペンションの前まで連れて行き、3人揃って記念撮影を撮ろうとした。セルフタイマーで撮ろうとするが位置がなかなか決まらない。そんなことをしていたら、後ろの方から「首輪ついている?」ときいてくる声がした。振り向くとランドセルを背負った男の子が20mくらい離れた所からこちらを見ている。「ついているよ、」と答えたが半信半疑の顔をするので、リードを握っている妻にも答えさえた。そしてリードが繋がっていることを見えるようにした。やっと信じてくれたようで「やっと帰れる〜、」と言いながら道の反対側を通って行った。何故かその時、うーにーが一言「ワン」といった。うーにーのワンは体に似合わず大きくはっきりしている。うーにーにも言いたいことはあったと思うが、ランドセルの彼には悪いことをしたと思う。

どうにか写真を撮って部屋に着くと、うーにーは水をガブ飲みしドッテンと寝てしまった。人間はシャワーを浴びて、荷物を整理し、それから一休み。(うーにーは動かない。)テレビをつけたら台湾の大地震が報道されていた。こういうニュースを見ると、東京にいると色々考えてしまうものだが、今日はそんな気は全く起こらない。
6時近くなって、うーにーにご飯をあげる。今日は自分から起きなかった。




人間のご飯は今日も美味しい。今日はカニもある。もちろんウニもある。タコのねぎ間が美味しい。味付けは塩コショウ。お土産やさんの話ではないが、この島の海産物は美味しい。
食後オーナー(奥さん)と犬連れについての話を少しした。私達が昼間出かけている間、お掃除をしてくれているのだが、うーにーは抜け毛が凄いということ。犬連れOKのペンションでは、それは承知であるところがほとんどだ。ここ、ペンションう〜に〜は大型犬NGのペンションだが、名前が同じということと、ちゃんとしつけをしてるということを話して、無理をいって泊めてもらっている。
犬を連れていることで宿に何らかの迷惑をかけないようにしたいと思っている私は、毛の対策の必要性を改めて感じた。(チェックアウト前に掃除をするが、それもどれだけ出来ているか定かではない。プロの目で見たらまだまだ至らない点があるかもしれない。)


9時頃まで最終の荷物の整理をし、その後、うーにーのオシッコ散歩。妻に誘われて珍しく私も一緒に行った。少し歩くとそこは小高い場所で海に浮かぶ利尻島がよく見える。利尻島の街の灯りがとてもきれいだ。今日、利尻富士は初冠雪したそうだ。
東京に帰れば茹だるような生活が待っている。できれば東京の気温が下がるまでここで生活したいものだ。

ペンションの玄関に戻ると、ご主人がジョギング帰りだった。島の話を色々聞かせてくれた。中にはこんな話もあった。
この島ではコンクリートが非常に高い。コンクリートを使おうと思うと、砂まで島外から買わなければならない。この島の砂は適さないらしい。砂とコンクリート、両方を買うことになると、運搬の船をチャーターしなければならないそうだ。
そんなコンクリートを使った鉄筋のこのペンションを造るにあたって、設計は練りに練った。芸術化肌のご夫婦の心意気のようなものを感じる建物だ。近くにあったら毎週末でも通いたいペンションである。

玄関に入ると、ご主人のお母さんが出迎えてくれた。ご主人とお母さんは、うーにーのことがちょっと恐いようだが、それでも可愛がってくれた。メデタシ、メデタシである。

あとは部屋に帰って寝るだけである。(私はこれを書かねばならないが、、、)



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