北海道旅行記
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すごい数のカラスに囲まれてしまった |
林道からはゆるい上り坂が続く。森の中の遊歩道という感じの道だ。20分ほど歩いただろうか、林道から1kmであることを示す立て札があった。この札を過ぎた頃、30羽ほどのカラスの群れに囲まれた。私達が進むとカラス達も一緒についてくる。私達のことが気に入らないようだ。中には歩いている私達の後ろから、頭上1mくらいのところを飛んでいくことを繰り返すヤツまでいる。それくらいまで近づくと羽音も大きく、その羽音にビクビクしながら進んだ。
カラスに囲まれたのは、5分くらいだったか10分くらいか定かではないが、ある地点にきたら、彼らは私達を追わなくなり姿は見えなくなった。
カラス達が消えて少し進むと目の前がぱっと開けた。今までは森の中を進むという感じだったが、今度は谷間へと下りてゆく道だ。山を無理矢理削って作った道ではないと思うが、東アジアの山岳地帯を思わせるような道だ。急な下り坂が終わると、宇遠内はすぐそこだった。
9時半には宇遠内に着いた。ここは岩がゴロゴロした山と海の間にある。こんな痩せているだろう土地にも(ほんの少しだが)畑があった。そこには大根とキャベツができていた。
カラスに囲まれた緊張もあってか喉が乾いて仕方がない。自動販売機を探したが見つからなかった。1つだけ見つけたが動いていなかった。ここは自動販売機が似合わないくらい静かなところだ。
自動販売機を探している時に昆布を干している3人のオバサンに会った。その中の一人が持っていたカリントウをうーにーに差し出した。当然うーにーは一瞬のうちに食べてしまう。私達は一瞬戸惑ったが、それを察知してか、他の二人のオバサンが「そういうことしていいの〜?」といい始めた。当のオバサンも「ウチにもダックスがいるのだけれど、人間の食べ物をあげると叱られる。だから自分が食べる振りして、こぼして食べさせてやっている」といっていた。そういいながらカリントウの袋をギュッと握った。
いきなりカリントウを差し出されたことについては内心気分を害したが、犬に人間の食べ物を与えることが良くない、ということが多くの人に広まっていることが分かり嬉しくなった。
落ちている昆布を食べる |
カリントウを食べたうーにーは辛いものが欲しくなったのか、落ちている昆布を食べ始めた。それを見たオバサンの一人が「赤っぱじゃ可哀想だから、こっちをあげよう」と色の濃い昆布を持ってきてくれた。このオバサンは私達が近寄って行った時、犬は苦手といっていたが、別れ際にはうーにーを撫でてくれた。
昆布をバリバリ食べたうーにーは、その後、水をガブガブと飲む。うーにー用の水は持って歩いているのだが人間用はない。自動販売機で買えると思ったからだ。うーにーの水を分けてもらおうかと思ったが、もうほとんど無くなってしまった。
帰りはカラスに囲まれることもなく順調に車まで戻ることができた。
10:30、ちょっと早いが香深に戻り、人間の昼食を食べようということになった。
香深までの道でトラックに煽られるままにスピードを出したら、100キロくらいになってしまった。やはりここも北海道である。
そんなことがあり、香深にはすぐについてしまった。
昼食にはあまりに早過ぎるので、食事の前にウニを扱っているお店に行ってみることにした。ガイドブックなどでは、生きているウニの殻を割って食べさせてくれる、と書いてあったので期待して行ったのだが、時季が過ぎてしまいもうやっていない。瓶詰めなどのその他の商品も少なく、何も買わずに出てきてしまった。
ちなみに、ウニ(バフンウニ)の漁期は8月いっぱいまで。今は漁が許されているのはノナ(ムラサキウニ)だけ。ノナはウニに比べ身が小さく、例えば瓶詰め1つ作るにも多くの殻を割らなくてはならなくて大変だという。そのせいか陳列していある棚はガランとした感じがした。
昨日、トド島展望台で会った女性から、ターミナルの上の食堂も美味しいと聞いたので、今日の昼食はここで食べることにする。まだ11時を過ぎたばかりだったので落ち着いて食べられると思ったが、団体が来ているらしく混んでいた。
最近、ウニやイクラの食べ過ぎと感じている私は、カニイクラ丼を頼んだ。同じものを食べているはずの妻は、それでも生ウニ丼を頼んでいた。
食後にターミナル前にあるお土産やさんをのぞいたら、ヌカボッケがあった。これが何物であるか内緒にしておきます。(どうせ手に入るものでもないし、。)
この店のオバサン曰く「礼文の海産物は最高!」。同感である。この店には札幌から来た女の子が働いている。この娘曰く「札幌でウニは食べられなかったが、ここではウニが美味しいと思う、」。同じ、北海道といえどもこれくらい違いがあるようだ。