ペンション う〜に〜 出発の朝

 北海道旅行記
   1999
 
     9月22日(水)
 
  礼文島 〜 稚内(下船)

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妻は5:20に起きて、うーにーにご飯を与える。私は6時に起床。私が起きた時は「食後の休憩」というより「ぐったり」という感じだ。

6:20、ケージからうーにーを出し、ケージをはじめ荷物を車に載せ始めた。ほとんどの荷物を車に載せガランとした感じの部屋の中を掃除すると、確かに毛があちらこちらに散らかっている。廊下や階段もチェックしてみると、うーにーの爪の跡と思われるキズが幾つかあった。(毛と爪については、何らかの対策が必要なのかもしれない。)
荷物を運び終わると、もう朝食の時間も近い。最後の大荷物として、うーにーを部屋から連れ出す。部屋に置いていては、また掃除をしなければならないからだ。船の時間の都合上、それは出来ない。外に連れ出したうーにーにオシッコをさせて車の中へ。車でお出かけと思ったら、何故か車でお留守番になり目を白黒させていたが、疲れがたまっているせいかほとんど抵抗もなく静かにお留守番してくれた。




7時から人間の食事。目玉は今朝とれたイカの刺身。今朝もイクラがある。その他、ホッケの焼き魚、刺身、などなど。最後まで楽しませてくれる。

朝食後、手回り品などをとりに部屋に戻った時、髭をそるのを忘れていることに気がついた。いつもは電動髭剃りを使っているのだが、すでに車に運び込んでしまったので、部屋に用意してあった剃刀を使った。旅先で慣れないことはするものではない。鼻と口の周りをそこらじゅう剃刀まけしてしまい、すごいことになってしまった。血をとめる時間もなく、口の周りをボツボツと血が噴出したままペンションを出発することになった。

出発前にペンションの前に車を移動し、ご主人にお願いして記念撮影をした。昨日の撮影ではちょっと不安だったからだ。
うーにーは「またおいでね、」と言われたが、ちょっと難しそうである。



私が口の周りを血だらけにして荷物を運んでいた時、妻は宿泊費の精算をしていた。その時、こんな話をきいたそうだ。

昭和30年代前半、オーナー(奥さん)は小学校に上がる前の子供だった。当時、家には大きな犬がいた。その年、犬の処分が決まり、その犬も家からいなくなった。自分はまだ何が起きたか分からなかったが、兄や両親は随分とショックだっただろう。
トド島展望台で会った女性も話してくれたが、その当時大人だった人達はその頃のことを話したがらないという。いまだに心の整理がつかないのか、対外的に理解されづらい歴史であることを経験的に知っているかの分からないが、とにかく話したがらないそうだ。それだけ大きなショックがあるのだろう。

8時ピッタリにペンションを出発し、5分でターミナルに着く。妻が簡単に手続きを済ませ(書類の記入は稚内で済ませているのですぐに終る。)車に戻ってきた。
8:15、船が入って来たので妻は人間の乗船口へ移動。私は車の乗船口(?)に車を並べて乗船の時を待つ。うーにーと車の中ですることもなくボーとしていた時、ふとルーム・ミラーから後ろに並んでいる車を見ると、ダッシュボードの上を白黒の子猫がウロウロしている。
ちなみにペンションう〜に〜はケージで持ち歩けるような小型犬、ハムスター、などの小動物は一応OKになっている。実際に連れて来る方がいるそうだ。きっと猫もOKだろう。(大型犬はNG。)

8:30、乗船。うーにーを車に置いて妻と落ち合い落ち着く場所を探すが、すでに場所はなかった。仕方なくデッキ後部で港を眺めていた。そこに若い女性2,3人が来たかと思うと、彼女達を追うように桟橋に30人程のちょっと異様な若者達がやってきた。そして歌い踊り始めた。歌はアニメや時代劇の主題歌をメドレーにしたものだ。それに応援団風の振り付けがしてある。前の方の人達は声もよく出て踊りも板についている。後ろの方の人達は嫌々やっているように見える人もいる。
8:45、出航の時刻になっても船は出ない。ロープを桟橋から外す係りの人は、その異様な団体を見守りつづけ、あるフレーズに来た時ロープを外した。するとすぐに歌と踊りはとまり、船に乗っている仲間と思われる数人が何か奇声を発した。そして桟橋、船上の両方で盛り上がり、儀式は終わったようだ。珍しいものを見せていただいた。うーにーに見せてあげられなかったのが残念。




船の中では下船まで落ち着く場所もなくウロウロしていた。季節外れだから船も空いているだろうと思ったが、観光客が多い。特に年配者の団体が多く、有名な観光スポットの一つになっているようだ。

通路の窓に寄りかかりうたた寝をしていた。ガラスの冷たさに目が覚めると利尻島が目に入った。真中に鎮座する利尻富士のその姿は、確かに富士山に似て見える。稚内を目指して北上している時、礼文島から、何度かこの山を見たが、とても富士山に似ては見えなかった。「利尻富士とは大袈裟な、」と思ったものだが、ここから見れば納得である。


10:30、車に戻る。うーにーは全く喜ぶ様子もない。私のことに気が付いても知らん振り。隣の車を見ると子猫の車だ。車中には、ご主人、奥さん、お子さんが乗っていた。(降りる時は乗っていてもいいのかな?)そして猫はご主人の肩の辺りを歩いていた。
ちなみに車の中は暑くない。甲板で風にあたっていると寒いくらいなので当然といえば当然だ。この調子なら最後の乗船、室蘭―青森も問題なさそうだ。


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