・何故この法律を扱うか
現在の狂犬病予防法は成立時(昭和25年)と比べても狂犬病対策の基本的な部分(狂犬病の予防、発生時の対策など)は大きく変わったことを感じませんが幾つかの点が変わっています。その変わった部分を調べてみると、この昭和29年の改正で行われたものがほとんどでした。
また現在でも何かと話題になる「犬の引取り」はこの改正により作られたものであり、それが動物の保護及び管理に関する法律(現:動物の愛護及び管理に関する法律)成立時にそちらに移りました。
更に注目すべき点として、この改正後、昭和31年(1956年)に人と犬、昭和32年(1957年)に猫の狂犬病発生を確認したのを最後に国内での発生の記録はなく、この改正後三年で日本における狂犬病は撲滅したことになります。
もう一点注目すべき点は、明治・大正から熱心に活動してきた「動物愛護会」「日本人道会」が共に昭和33年(1958年)に活動を終えます。敗戦による占領から日本文化に大きな変化があったことは確かですが、昭和より前からの活動の一つに狂犬病対策時の犬の扱いがあったことが大きく影響していると私は考えています。
このような日本における動物愛護活動の節目となる狂犬病の撲滅に寄与したこの改正は、今の日本の動物愛護活動そのものや犬の扱いについて理解するために知っておかなければならないことだと考えて、この改正を取り上げます。
・このサイト内の記事の紹介
前述の通り、動物愛護活動と関連していると考えていますので、このサイト内で明治~昭和初期の関連活動について取り上げた記事を紹介しておきます。
タイトルの通り、江戸時代やそれより前にあった動物を守る法律と思われるものを少しだけとりあげました
遠い昔にあった動物関係の法律など
江戸時代まででも狂犬病は日本にありました。その辺りも含めて、日本の狂犬病の歴史的資料をまとめた(外部の)ページを紹介します。
とてもボリュームのある資料もありますが、読めば読むほど「ずっと撲滅はできなかったんだな」と感じ、現在の狂犬病対策の手を緩めるべきではないと思えてなりません。
この法律が成立した背景
このサイト内の狂犬病予防法(昭和25年成立時)の目次ページの紹介
昭和25年(1950年)狂犬病予防法
(次回)
法律の改正は法律により行われます。今回のタイトル「狂犬病の一部を改正する法律」がその法律。
次回はその法律全文を載せたいと思います(それほど長くないので)。
もし内容に間違いがあることをお気づきの場合、疑問点がおありの場合等、以下の「こちらから」ご連絡いただければ幸いです。
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