1.も う 一 度
1月11日

1月11日   〜 2.も う 一 度 〜

真っ直ぐ家に帰ろうかと思い、表の道に出たらハンドルを左にきった。しかし、思いとどまり、バックし右に切り返す。あの美しい九十浜を見に来れる機会が減ると思うと、もう一度見たくなった。

九十浜の海は今日も綺麗
いつもの駐車場に車を停める。そして浜へと向かう。今日も寒いが、風が昨日ほどではない。近道である階段ではなく、ちょっと遠回りの坂道にまわる。
うーにーは元気のない表情だ。海辺の遊歩道に出ると、足が速くなった。「海の匂いを感じて元気になったのかな」と思ったらオシッコだった。
今日は昨日よりも波が穏やかで更に綺麗な海だ。私も泳ぎたいと思った。「もちろんうーにーも入りたいんだろうな」と思ったが、表情を見るとそのような感じはない。何故だろう。やはり歳だからだろうか。

海辺の道を歩いていると、今まで気が付かなかった道を見付けた。岩場を登って行き、その先にも道が続いていそうだ。うーにーを連れて登ってみる。うーにーの足腰のことを考えて、道選びを慎重にして登る。登りきると畳十畳くらいの芝生の場所があり、そこから先は崖だった。眺めはよかった。それ以上、何もすることがないので、今登った岩場をうーにーのために道選びを慎重にして降りる。
その時、私は躓いてしまい、転げるように岩場を降りて(落ちて?)しまった。もちろん、躓いた瞬間にうーにーのリードを放す。
うーにーはすぐ後を駆け下りて来ると思い。転げながらも、うーにーの邪魔にならないようにと考えていた。そして着地し、うーにーを待った。しかし気配はない。

あれ?、と振り返ると、うーにーはまだ私が躓いた位置にいた。そしてニヤニヤしたような表情をしている。今まで元気の無いような、不機嫌のような表情だったので、ちょっと安心したが、でも「この野郎!」と思ってしまった(笑)。
「おいで」と声をかけると、自分で選んだ道を着実に降りてきた。降りきると勝ち誇ったような表情で私を見る。私は苦笑するしかない。



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