9月8日(月) 5.そこにいるのは誰ですか?

女房が風呂から出たので、散らかした荷物を持って部屋に戻ることにした。その前にうーにーはオシッコ。部屋に帰って一眠りするつもりのようだ。ふと時計を見るともう五時だ。
部屋は少し蒸し暑く(他にお客さんもいないので)窓とドアの両方を開けた。うーにーが勝手にドアから出てゆくことはないと思うので問題はないだろう。(そんな心配は必要なく、きっと寝るだろう。)

そう思い込み、私は荷物の整理で車まで行き来していた。車の近くにはバイクちゃんがいるので車に行く度にちょっと遊んでいた。ある時、バイクちゃんが遠くを見るので、その方向を見るとご近所の犬が散歩をしていた。私はバイクちゃんの相手をするのをやめて車に戻ると、少し離れた所にある玄関の網戸の向こうに見慣れた影が?、何故かうーにーが一人で玄関の内側に立っているのだ。急いで玄関に行き「そこにいるのは誰ですか?」と言うと、スタコラと部屋の方へと逃げるように戻って行く。うーにーはこういう悪戯をする犬ではない。ましてやこのように疲れている時は、。何かおかしいと感じ、後姿を追いかけると、部屋の前を過ぎて、露天風呂や芝生へ出る裏口へと向かって行った。そしてすぐに部屋へと戻って行った。
私が部屋に戻ると女房は洗面に入り、うーにーを見ていなかった。きっと私と同じように「まさかうーにーが、」と考えていたのだろう。うーにーが玄関まで来たことを話すと、やはり驚いた。「なんでだろう」と考えて、きっとトイレに行きたいんだ、という結論になった。早速裏口から外に出すとウンコをした。リンゴを食べさせるとよくウンコが出るが、出すぎも困ったものだ。

もうこれでうーにーも落ち着いてくれるだろうと思い、私もお風呂へ。入って気がついたことは、脚も腕も小さな傷だらけ。シャワーをあてるとそこいらじゅうしみる。あの棘(いばら)の道を思い出すが、もう充分に思い出になっている。大きなため息をつきながら露天のジャグジーに入る。体のあちこちの小さな傷はもう過去のこと、この痛みは思い出、とまたため息をつく。

部屋に戻る。うーにーは「ご飯はまだか」部屋の中をウロウロしている。どこにそんな元気があるのか分からないが、とにかく要求している。六時になったら女房がうーにーにご飯を与えた。そうしたら、全く別の犬になったようにバッタリ寝てしまった。生き物として正しい行動である。

そんなうーにーを見て、私はこれを書き始め、七時のご飯を待つ。


                  

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