9月8日(月) 4.うーにーも回復

10分程で宿に着くが、棘(いばら)の道で汚くなった自分たちの服、うーにーの毛を考えると、そのまま入る訳にはいかない。だからといって、それらを処理する体力・気力もない。腑抜けになったような感じだ。うーにーも相変わらずハーハーと心配な状況だった。
そこで「芝生で寝っ転がっていいですか?」と宿の人に聞くと「はいはい、他にお客さんもいないのでご自由に、」というありがたい言葉をいただき、そのまま三人で芝生へ。こちらの芝生ととても綺麗で、寝るにはちょうどいい。恥ずかしながら持っている荷物を全て投げ出し、倒れるように寝っ転がった。
荷物を放り出し、芝生で一休み
ハーハーのうーにー と 放心状態の女房
少し落ち着いた頃、うーにーにリンゴを与えたらあっという間に食べた。水を与えたらガブガブ飲んだ。それでも辛そうなので、横になるのを付き合った。
人間も喉が渇いていたので、宿の自動販売機で缶ジュースを買い、一気に飲んだ。不思議なくらい体に入っていった。そして少し怖さを思い出した。

そんなことをしてたらオーナーさんが帰ってきた。ひたすら恐縮するオーナーさんにコースのことを聞いてみたら、山を管理している人に今朝そのコースが通れることを確認しているとのこと。そんな話を聞いてしまうと「私が間違えたのかな?」と思うが、そんなことよりも早く引き返さなかった私のミスである。
「山は危ないと思ったら引き返せばいい」と考えていたが、それに加えて「引き返せなくなる前に引き返す」ということを頭に叩き込んでおくべきだと知った。
オーナーさんと話をしているときに「今日の晩御飯は遅めにしましょうか」と言ってくれたので七時にしてもらった。たぶん、それくらいの時間がないと、心の余裕も取り戻せないだろう。ついでに「今日は他にお客さもいらっしゃらないので、うーにーちゃんも一緒にどうぞ」とお言葉をいただく。

女房は、とりあえずお風呂に入ると言い出した。汚れているので、そう思うのは当然である。ちなみにお風呂は露天で、寝っ転がっている芝生のすぐ横にある。
うーにーの体調が戻らなかったので、まだ部屋に入るのはやめた。まずは女房が風呂から出てくるのを待ってから考えようと思った。
女房が風呂に入っている間、うーにーの体力が回復してきた。そして「パンがここにありますけど、、」とパンの入っている入れ物をマズルで指す。丸ごと食べられては困るので、それを取り上げる。そうなるとうーにーは私に着いてまわる。もう体力は回復したようだ。試しに少し散歩してみる。普通に着いて来る。足腰も問題なさそうだ。幾つかのコマンドをやらせてみる。全く嫌がらない。それどころか積極的だ。草むら恐怖症になっていないかと、女房が入っている露天風呂へ(ほんの少しだけど)草むらをかき分けさせて侵入させた。これも全く嫌がることもなくて安心した。


                

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