9月8日(月) 2.遭難への道
道が分からず山頂まで行ってしまう
別の道を下ってみたが、どうも方向が違うようだ
かすかに女房の姿が見える
もちろん、うーにーの姿は見えない

休み休み進んで、山頂近くの分かれ道に着いた。ここまでで二時間近くかかってしまったが、下りは速いだろう。うーにーの体調がちょっと心配だが、景色を楽しみながら進むことができた。うーにーもハーハーが激しいが確実に進んでくれた。
そして分かれ道。オーナーさんが教えてくれた方向に行ってみるが道らしい道はない。きっと間違えだろうと思い(こちらではないと言われた)山頂方面へ進んでみた。ヨッコラ、ヨッコラと山頂まで着いた。山頂からはまた道が分かれている。何がなんだか分からなくなり、宿に電話を入れる(携帯電話はとても便利!)。やはり「そちらではなく、山頂近くの分かれ道を進んでください。」とのこと。

オッコラ、オッコラ下りて行き、分かれ道に着く。やはりどう見ても進める状態ではないが、きっとそれは入口だけなんだろうと思い進むことにした。
しかしいくら進んでも状態はひどくなるばかり。進むことも困難になってしまった。茎が赤く根元から茎の全ての箇所にしっかりとした棘のある植物が、人間の身の丈以上に伸びていて、どこを見ても茂っている。
まともに進むと棘が足、腕、顔に刺さる。色々試してみて、この植物の根元を探し、そこを踏み潰すようにして、先に進むと、被害が少なくて済むことがわかった。それでもアチコチに棘が刺さる。行く先の長さを考えると、これは危険と判断し、引き返えそうということになった。しかし、来た道を引き返そうと斜面を登ると、傾斜がきつく、その植物を倒しながら進むことは困難(というより不可能)。他に選択の余地無く、行く先の長さに恐怖さえ覚えながら下ることを決心。文字通り決死のおもいで先に進む。

誰でもそんな状況は終わりにしたいもので、女房は「ヘリコプターを呼ぼう」といい始める。「この状況で呼んだら、二百万円くらい取られると思うよ」と言うが「それでも呼びたい」という。半分冗談だと思うが、後で「うーにーが動かなくなったら呼ぶしかなかった。」と語っていた。
そんな状況では、人間のいうことは絶対に聞くようにしつけているうーにーが、私の指示に反抗し、自分で道を選ぼうとする。はじめは不思議で仕方なかったが、たぶん、鼻に棘が刺ったのだろう。後からマズルをチェックしたら、しっかりした棘が一本刺さっていた。この植物の棘は、折れて動物に刺さることはほとんどないみたいで、人間の服や皮膚にも棘が残ることはなかった。それが毛の生えたマズルに刺さったままだということは、すごい勢いでグッサリ刺さったのだろう。

                

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