Mさん と Jちゃん  8

「しつけ?」へ戻る


今回は私からのメールだけです。並べて読むと「何だか同じようなことがダラダラ書いてある。」と読めると思います。そこが分かって欲しいところなのですが、実際に会ったこともない彼らに上手く伝えることができません。また、文章で表現できたとしても、それをMさんが心から理解できるか、と言えば、それは無理というものでしょう。そのために謎掛けのような話をしなければなりません。

Mさんは、この同道巡りのようなメールを受け止めるか。次回をご期待して下さい。


・犬を「褒める」「叱る」って?

最近「犬はこう褒めましょう」とか「こう叱ってはいけない」と言うことが本で書かれたりしています。しかし私は疑問に感じます。褒め方や叱り方を画一的に語ることが可能なのでしょうか?
人間の子供でも、同じように褒めても、同じように喜ばないし、叱ることについても同様なはずです。犬種、血統で性格なども大きく変る犬という動物に画一的なコミュニケーションの方法があるのではないでしょうか?

ところで、あなたは犬が「褒められた」「叱られた」と感じたか否か、をどう判断していますか?
「褒める」「叱る」について、考え直して見ませんか?



99/09/28      Re: 日常を見つめて下さい     弓削 

弓削です。続けて書いてしまいます。


》なにか兆しがあるように思います。
》まず、「J」の呼びに完全には反応しません。
》無視されることもしばしばです。
》次に、最近ボールを追いかける時に「わんわん」吠える
》事があります。
》攻撃性は感じません。

これは、家の中の配置を変えたら何らかの変化はあったでしょうか?
それとも何も変わりませんか?


》ほめられた方がやる気にはなったと思います。少ないですけど。
》ひねくれる方が多いと思います。
》父は元もと、そんなに言わない質でした。
》偶に怒ると恐い、そんな存在です。

褒められることはあまり慣れていないということでしょうか?
叱られると、ひねくれるということですか? もし、そうなら
どう叱ればひねくれないかも分かり易いのではないでしょうか?
「有効な」褒め方・叱り方を常に考えて下さい。


》> 2.1の答えの根拠(そう感じた例でもいいです。)を
》>   書いてください。
》褒められる:目をみる、凛とした姿勢、態度
》叱られる :ひれ伏す、すね声、表情

「褒める」「叱る」の目的はなんでしょうか?
犬の表情を見るのはとても大切なことですが、これだけでは、
「褒める」「叱る」の目的は、犬を喜ばせたり、嫌な思いを
させるだけで終わってしまいそうで怖くありませんか?

犬が「褒められた」と感じれば、褒められた行為を繰り返すように
なります。「叱られた」と感じれば、叱られた行為を(少なくとも
叱った人の前では)しなくなります。

「褒める」「叱る」だけでなく、犬とのコミュニケーションの結果
により、犬は何らかの行動を起こします。それは、Mさんが書か
れているような、その時の表情や態度でもあり、私が書いたような
「学習」でもあります。

良い学習をさせることは飼い主の義務です。自分の犬に対して、
そして、これから参加する社会に対してです。


》> それともう一つ、何故「体罰は厳禁」とお考えですか?
》前に甘噛みの矯正のため、「指を口におし込む」を行い
》ました。その後指に対する攻撃性や性格に悪影響(すねる)
》脅えなどを感じやめました。
》ゆえにJには体罰は合ってないと判断してます。
》「おしりをポン」程度は許容範囲です。。

旅行中のメールで体罰に付いて書きましたが、この程度は体罰とは
(私は)考えていません。私の考える体罰は、「犬が確かな身体的
苦痛、傷害を受ける可能性を感じること」が最低限の条件です。
人間以外の動物の多くは(人間に比べれば)痛みに対して過敏に
反応しません。(痛く感じないのかもしれません。)故に体罰と
いえるほど強烈なコミュニケーションは、その使い方がとても
難しいのです。

体罰の話としてではなく、コミュニケーションの経過とタイミング
ということで、Mさんが書かれていている「指を口におし込む」に
ついて、気になった事があるので書いておきます。

「指を口におし込む」のは、Jちゃんが甘噛みしたその
「瞬間」だけにすれば充分に効果的な方法です。何度もやるよう
だったら、何度でも同じ対応をして下さい。
これをやるとJちゃんは悩みます。Mさんの行動を体罰などとは
受け止めていません。でも楽しい遊びとも違う。それを
確かめるためにJちゃんは、一時的に甘噛みを執拗なほど
行う時期がでてきます。それは悪影響ではなくJちゃんが
確かめているだけです。
ネガティブなコミュニケーションにより、しつけを行った場合、
このように、矯正しようと思っている行為をエスカレートさせる
ことがあります。その後に「これは遊びじゃないみたい。楽しく
ないからもうやめよう。」となります。
エスカレートした時点で止めれば、それはエスカレートしたまま
になります。

絶対にやってはいけないことは、
1.Jちゃんが甘噛みする
2.指を口におし込む
3.Jちゃんが甘噛みを一瞬でもやめる
4.止めても「指を口におし込む」を続ける

4.は絶対にやってはいけないことです。これはただの嫌がらせ
になってしまいます。
犬とのコミュニケーションは犬を信じることから始まります。
Jちゃんに対し「すきあらば、また噛もうと思っているな」
とは決して考えないで下さい。実際にそうだとしても、そう考え
ないで下さい。そう考えているうちは、犬はその期待(=また
噛もうとする)に応える可能性が大きいのです。

勘ぐった仲のまま成犬になると、悪い意味での服従関係にしか
ならず、旅行などに出た時、裏切られることになります。


》> 友達が教えてくれたのですが、ここの飼い主さんは陽性強化法を
》> 信じてしつけをした結果、特にお父さんのオーバーアクションが
》> 理解できずに、褒められるタイミングになると逃げ腰になって
》> しまうということです。
》この犬の行動原理が理解できません。

この犬は、その場の状況や飼い主の表情などから「自分がこれをやる
ことで全体が楽しくなれる。だけど、自分にはちょっと嫌な仕打ちが
待っている」と感じているようです。


》というのは、私も褒める時同時に頭、喉、背中あたりをグリグリ
》までいきませんが、結構撫でます。時に嫌がり、逃げるような
》仕草を行います。
》撫で方が強いのでしょうか?

撫で方が強いのか、その時のMさんの声や表情が好きになれない
のか、それは分かりません。しかし、Jちゃんが逃げる、
すなわち「私はこの時間が嫌いよ、」といっているのですから、
何らかの改善をしなければなりませんね。


》> こういうこともありますので、「褒める」「叱る」は、ちゃんと
》> 「褒められている」「叱られている」と犬が感じているかどうかを
》> 確かめなければならないというわけです。
》「褒める」を感じている例をお教えいただけませんか?

先にも書きましたが、犬が「褒められた」と感じれば、褒められた
行為を繰り返すようになります。
その過程としてその時々の表情を読むことを大切ですが、特定の
行動を褒めても、その行動を褒められたと認識しているか、他の
行動を褒められたと勘違いしているか、それを見極めなければ、
褒めたことにはなりません。


》> もしもしっぽふりふり、おしりふりふりをして欲しいのなら、
》> Jちゃんが知らない、でも「楽しそう、面白そう」と思う
》> 行動をすれば良いだけです。
》なるほど、それを探せということですね。
》かつ、躾などのご褒美とすればいいと。。

その通りです。日々実験して下さい。色々なコミュニケーションを
試みて下さい。


》> 体に触ることは抵抗がないようで良かったです。
》> これも触りすぎて、触られることが嫌いにならないように気を
》> つけてください。
》最初嫌がらなかったブラシを最近嫌がります。
》毛が生え変わったあたりからです。

何故嫌がっているのかは、何とも言えません。毛が生え変わったから
かもしれないし、自分に力が付いてきて反抗すると許してもらえる
(逃げることができるようになった)と認識し始めたのかも知れな
いし、その他の原因があるのかもしれません。
この原因もJちゃんと色々なコミュニケーションをとってみて
模索して下さい。


》> 我が家では、私は「絶対に」飛びつくことを許しませんでした。それ
》> に対し、他の家族は「そんな時期から、」と許していました。結果と
》> して私には絶対に飛びつかなくなりました。他の家族は、飛びつき+
》弓削様以外の方にはどうですか?
》もし、他人に飛び付いてしまうとすれば、どのような対処を
》なされてますか?

私以外の者には飛びつくし、噛り付いていました。家族以外の人間
に、それをやられてはこまるので、一生懸命「フセ」か「スワレ」
をさせました。それはそれは必死でした。ときにはリードで引き
ずりたおしてフセさせました。


》> 悪いことは悪いこと、と理性で判断し、理性で指導してあげてくださ
》> い。善いも悪いも何も知らないJちちゃんに、その判断基準を
》> 教え込むのはMさんです。その責任は常に感じてくださいね。
》わかりました。
》私の常識の無さは、そのままJに響くと。。
》最近の人間の子供も同様な気がします。

そうですね。人間はどんどん外に出ていって、家族以外の人と話を
して、色々な価値観を身に付けますが、犬はその価値観を家族が
教えてあげるしかありません。頑張ってくださいね。


》これが重要な事は理解してました。しかし、
》完全には注目しません。たまに無視します。
》なにか効果的な方法はありますか?

「名前」のトレーニングに付いては(ラブ&ゴル用にですが)私が
書いたものがあるのでそれを後日別メールで送ります。(今から
探します。)


》ちなみにすでに教えた事は(早まりました?)
》(1)御飯時の「待て」
》ふせの姿勢で、私の姿が見えなくても待ちます。
》(2)おすわり
》完全には理解できてませんが、姿勢によっては
》座ります。私のそばにきてオートで座りもします。
》伏せ状態からはしません。
》(3)ふせ
》ほぼできます。(特におすわりの姿勢から)
》(4)伏せ+まて+おいで
》姿がみえなくなると成功率はさがりますが、
》数回目であればそれなりに成功します。

いやいや、充分早まっていますよ。
Jちゃんってすごいですね。うーにーは4ヶ月時に
(1)、(2)くらいしか出来ませんでした。
MさんがJちゃんと接している時間を考えると
すごいことだと思います。

しかし、やはり大事なのは「名前」です。どんなに出来ることが
あっても、やらなければ意味がありません。

名前を呼ばれたら反応する
その後は人間の命令を実行する時間

と、なると「その時間はいつ終わるの?」という疑問が湧いて
きますね。簡単です。その時間が終わったことを告げるコマンド
作れば良いだけです。残念な事に日本のしつけ本にはこれについて
触れている本があまりありません。

私は一時期、犬のトレーナーに色々なことを教わりました。でも
気が付いてみると、2つのことだけで充分なんです。そのうちの
1つが「名前」なんです。もう一つは、まだ内緒にしておきます。
自分とうーにーの関係を振り返って、確かに2つしかなかった、
思います。


》> Priciple というフードがどんなものなのか分かりませんが
》変な質問とは思いますが、
》おすすめのフード等はあるのでしょうか?
》フードの判断が出来ないのです。

残念な事にありません。輸入物は運搬の関係上、品質の劣化が考え
られます。日本のものは極々一部を除いて、品質そのものに疑問が
あります。
最近、輸入物で空輸している(しかもアメリカで真空パックにして)
という噂のものがありますが、確かに良さそうですが高いです。
また、開封後の保存方法も気を遣わないと意味がないようです。

個人的には、フードは「それを食べて害がなければいい」と思って
います。うーにーの場合、フードによって、湿疹が激しくなったり
下痢し易くなったりしています。
Jちゃんの場合は、耳や目のこと、最近のメールで書いて
あった皮膚のこと、などを考えて使ってあげるといいと思います。

発育に関しては、フードよりも日光に当てられる時間、土や砂利の
上での自由運動の時間、がどれだけ取れるかが重要だと思っていま
す。(余程、ひどいフードを使えば話しは別ですが、最近はその手
のフードを探すのは難しいくらいではないでしょうか、)


》> それがパピー用であるのなら、粉ミルク+カルシュウムは、
》> カルシュウムの与え過ぎにならないかな、と気になりました。
》最近、カルシュウムを与えるのは必ずしも良いことではない
》という情報を聞きました。その後カルシュウム添加は止めて
》ます。

別のメールで書きましたが、食糞と関係することがあります。
食糞の状態、獣医さんの意見などを考慮の上、判断してください。


》最初からかはわかりませんが、目ヤニが出てきました。
》くわえて耳に垢みたなものがでてきました。
》獣医さんで相談した結果、目薬と耳の消毒をしてます。
》前にためしに、2〜3日耳掃除をしなかった時にやはり
》垢がでてきて臭いも若干あったので毎日続けてます。

ちょっと心配ですね。うーにーも耳垢が出てくるのですが、正直に
いうと面倒です。原因が分かって、根治できればいいですね。


》歯磨きはコットンで歯を拭いてます。ほぼ無抵抗です。
》最近、歯ブラシもチャレンジしてますが
》これはなかなか簡単にはさせてくれません。
》目薬も大人しいです。ほう酸水で洗った後、
》1滴点眼してます。
》耳掃除は気持がいいみたいです。(ウットリしてます)
》耳はコットンに消毒液をつけたものを指に巻いて中を
》グリグリしてます。

本当にいい子ですね。時間さえとれれば、なにも問題なく
暮らせると思います。でも現実はそうもいかないのが残念です。
Mさんととどんなに上手く暮らしていても、Mさんがいない
間に、もっと面白いものを発見してしまうかもしれません。
そうならないうように頑張って下さい。

そう考えると、しつけとは「いつも自分を見ていてもらうため」
のものでもあるわけです。


》親ばかモードですが、とてもよい子だと思います。
》家にきたころは無駄吠えなどほとんどありません
》でしたし。。
》最近はさみしいのか、よく訴えます。
》それとウンチをすると吠えて教えてくれます。
》全部ではありませんが。。

良いところを、どんどん定着させて、どんどん伸ばしていきましょう!
それには、何が良くて、何が悪いのか、時々立ち止まって考えて
みて下さい。


》> どんどん会わせてあげてください。この時、不躾な犬とは絶対に
》> 遊ばせないで下さい。たった一度のことで、Jちゃんの一生を
》> 台無しにしてしまうこともあります。気をつけてください。
》「不躾な犬」を見分ける方法はありますか?
》いきなりでも失敗したくないですから。。

ノーリード集会をやっている犬は要注意です。その集会のメンバーが
複数で行動している時(集会の行き帰りなど)は特に注意して下さい。


》> この褒める・叱るでもレベルのようなものはありますよね。
》> 「ちょっと叱られた」「きつく叱られた」、叱られたほうとしては、
》> この2つは大違いです。犬だってこれくらいのことは分かります。
》わかってくれていると思います。特に「叱る」。
》どうも私の育った環境のせいでしょうか、叱るのはできるみたいです。。

無理せず、自分が何ができて(=自分の褒め方・叱り方が、どのように
受け止められるだろうか考えて)、それに対してJちゃんがどう
感じているかを常に考えれば、MさんとJちゃんの間だけで
通じるコミュニケーションが確立できるはずです。



99/09/29     Re:近況報告    弓削

毎度、弓削です。

獣医さんからの「アレルギーかも、」というお話は、飼い主としては
気持ちのいいものでは、ありませんね。我が家もそれをいわれた時、
落胆しました。
対応としては、フード選びを含めて、環境を考えてあげるしかないと
思います。うーにーがお世話になっている病院では、アレルゲンの
特定がある程度できる検査があるのですが、主治医の先生曰く「もし
特定できても対応できないものも多いですから、あまり薦めません。」
ということで検査はしていません。

皮膚の調子が早くよくなるといいですね。
これも日光浴の時間をとってあげるといいみたいですよ。


》(お散歩)
》デビューしました。
》最初は恐いのでしょうね、なかなか歩きません。
》クンクン、調査も沢山します。
》でも、励ましてやると一緒に走ったりもします。
》毎回、デッキから出る時にふんばり嫌がります。

お散歩の出始めは、クンクンはさせないで下さい。
まずは、Mさんと一緒に歩く事が楽しい、と思ってもらえる
ように努力して下さい。
初めて外に出る犬は、それが幼犬であろうが、成犬であろうが、
とても怖がります。そんな時、怖いもの(外にある知らないもの)
の臭いを嗅がせるのではなく、どんなに怖いものがあっても
それを気にせず、Mさんと一緒に歩く事が楽しい事であり
安心して外に行ける事だと思ってもらって下さい。


》近所では飼い主の躾がなっていないのか、
》糞尿が散乱しております。Jもたぶん
》臭いを嗅いでおります。
》あきらかに糞尿ならば、やめさせてます。

先に書いた通り、糞尿でなくても、今は臭いを嗅がせないで
下さい。


》ノーリードの犬も遭遇しました。
》私が威嚇して追い払いました。
》Jはそんなにびびりません。

Mさんと一緒であることに、安心しているのでしょう。
Jちゃんが、他の犬に対していつも落ち着いていられる
(=理想は全く無関心でいられる)ように、第一の挨拶担当は
常にMさんが行うように心がけて下さい。


》いい人もいます。かわいがってくれます。
》Jもそれがわかると、「ご挨拶」

この時もまずはMさんが挨拶をして下さいね。
ほんの一言でもいいです。相手の方と言葉を交わして下さい。
その前にJちゃんが行こうとしたら、引きずってでも
行かせないようにして下さい。


》します。向こうが犬嫌いだとあまり行きません。
》「ワンワン」吠えてくる犬もいます。
》けどJは無視してます。
》ただしどこにいるか確認したらです。
》それがわからないと警戒します。(あたり前ですね)
》一度も人間や犬に吠えたことはないです。
》いい子です!

本当にいい子だと思います。
つまらないことで、要らぬ警戒心を持たないように、
まずは自分が相手(人も犬も)に対応することを心がけて
下さい。


》(渓流)
》山に遊びにいきました。
》とてもうれしそうに走りました。
》下界と違って他の犬の糞尿がないせいで
》あまりクンクン調査しません。
》しかし、マーキングらしき事をしました。
》少しずつチッコをするのです。
》(女の子もするのでしょうか?)

クンクン調査をしないのは、楽しい、そして開けている場所
なので、安心していたんだと思います。街中では、どこから
どんな犬が出てくるか分からないし、そう思えるくらい尿の
臭いが散りばめられています。
つまり臭いを嗅がせる事は、犬に不安、しかも飼い主が分から
ない(飼い主は尿の臭いがどれくらいするか分からない)不安
を生じさせてしまいます。この不安は散歩を重ねる度に敏感に
なっていきます。そして「臭いを嗅がないと落ち着かない」、
「自分もマーキングしないと落ち着かない」となってしまう
こともあります。

ちなみに、女の子でもマーキングをする子はいます。
足まで上げてしまう子もいます。そうならないように気を
つけて下さい。


》広い空き地で安全確認をし、
》ノーリードにしてみました。
》私と彼女の間3〜40mを走って
》行き来してました。とても生き生きしてました。
》これが本来なのだろうなと思いました。
》いつも狭い所が長いので。。

とても楽しそうですね。そういう時間をいっぱい持てると
いいですね。

ちょっと気になったのは、
「これが本来なのだろうなと思いました。」というところ。
それでは人間の本来は? Mさんの本来は?
人間の、Mさんの、本来がそういう所で走り回るものだと
思いますか?
Jちゃんの本来は、Mさんとの日常生活で、広い所で
走り回るのは、たまのレジャーのようなものだと思います。

Jちゃんは、Jちゃん以外の何者でもありません。
単なる犬でもなければ、コーギーでもないのです。

》(ウンチ)
》休みの日に一緒にいるとウンチは
》寝起きに一回、
》昼前後と17〜18時の2回に大きいのをします。
》これはいつも私が見てやれない時間ですね。。
》最悪のサイクルです。
》現在食事は、
》起床
》お散歩
》60g:朝  6:30
》60g:夜  18:30〜19:00前後
》お散歩
》40g:夜食 22:00〜22:30前後
》という感じです。

これを見る限り、ウンチのサイクルは仕方ないという感じですね。
これは成長を待ちましょう。

ところで食糞は相変わらずですか? それとオシッコのことが
ほとんど書かれていないようですが、トイレが失敗するのは、
オシッコも含めてのことですか? もしそうだとすると「成長
を待ちましょう」と言えない部分もあると思います。
また対応の仕方も変わってきますので、その辺りを教えて下さい。


》お散歩時のクンクンはよくないのでしょうか?

既に書きましたが、よくありません。

》衛生面でも大変気になります。

衛生面よりも、しつけや精神的な面を考えてあげて下さい。

》まだあまり散歩に対する執着心が芽生えてないので
》「禁止」はよほどでないと発してません。

「禁止」を発しなくても、力ずくで(できればポップ程度で)
やめさせてあげて下さい。まだ回数も少ないようなので、
無理に止めさせても負担にならないと思います。
止めさせたら、Jちゃんが「なんで、なんで?」と
顔を見上げると思います。そしたら優しい顔をして「それじゃ
行こうか、」という感じで、再び歩き始めればいいです。


》> ポジティブの方向を見定めるために、考えて考えて、ノイローゼの
》> ようになることがあります。このようなことを起こさないように、
》> 常に「分かりやすい」対応をとってください。
》心掛けます。
》「おかしな人」と思われない程度にですね。

おかしな人、と思われるくらいに「分かりやすい」表現をして下さい。
日本人の平均的な表現では、犬は悩んでしまうでしょう。
「分かりやすい」対応、とは、表現だけでなく、「禁止することは、
いつでもどこでも禁止する」とか「これをやれば、いつでも何回でも
とっても褒めてもらえる」などのことも含みます。
犬にとって「この時はいいけど、この時はダメ」は、とても理解が
難しいのです。人間同士でも「この時ってどんな時?」ということを
言葉を使わず伝えるのって難しくありませんか?


》> 犬の思考の方向性は単純ですが、思考そのもの、精神構造は複雑です。
》> さらに共に暮らしている人間が、犬の思考の方向性と矛盾する指導を
》> 行うと、どうすればよいか分からず、とんでもない結果をだす(=
》> 学習する)ことになるのです。
》なるほど、これがこちらが期待しない結果の
》メカニズムですね。
》基本の理解が急務ですね。

こればかりは、勉強が必要かもしれません。しかし、常に、自分が
行った犬への働き掛けと、それに対する犬の反応について見て考え
続ければ、だいたいどのように考えているのか理解できるようになり
ます。


》> メールのご返事を書きます。それ以降は、ここ2,3回のメールの
》> ことは頭の隅に引っ掛けておくくらいにしてください。随分と難しい
》> 事も書いていますから、悩まないで下さいね。悩んでいる時間など
》> 無いのですから、。
》すでに悩みました。
》でもおっしゃるとおり、忙しいので結論や見解は明確に
》出てませんが。。

私のメールや本などに書いてある事は悩む必要はありません。
答えは、Jちゃんの行動そのものです。そして答えを出す
過程はMさんとの生活です。二人の生活の中で何があったのか、
そしてJちゃんがどう変わったのか(さらにはMさんが
どう変わったのか、)を考えてみると、Jちゃんが何故
そのような行動をとるのか(答えを出したのか)分かってくるはず
です。
確かに多少の勉強が必要ですが、勉強しなくても上手に犬と付き
合っている人はいっぱいいます。犬と人間はそういう仲なんです。


》> いつかMさんもJちゃんとこんな旅行が出来るように、今は
》> Jちゃんをどんどん理解してあげてくださいね。簡単に言えば
》> どんどん仲良くなってくださいね。
》躾に過敏にならぬように、まず一緒の生活を楽しみます。

躾には過敏になってもいいと思います。トレーニングには過敏に
なる必要はないと思います。
確かに第一は「一緒の生活を楽しむ」ということです。
そしてそのために、しつけ、すなわち生活していく上でのルールと
いうものが必要になってくるわけです。

        




99/09/30  Re: 日常を見つめて下さい     弓削

弓削です。やっとMさんのメールに追いつきそうです。


》幾つかの謎がとけ、すこしですが楽になりました。
》積極的にJとの会話を行いたいと思います。

そうですね。会話なくして、しつけはありません。
会話なくして行動を規制すれば、それは強制的な命令でしか
ありません。


》> 「ガルル」といったくらいで、悩まなくていいです。「ガルル」という
》> ことの何が悪いのでしょうか? これを気にするのはMさんの先入観
》> です。私は「ガルル」ということだけで、Jちゃんがどんな気持
》> ちになっているかは、全く想像はできません。
》補足します、
》状況は唸りながら、おもちゃにかぶりついたまま
》頭を左右に振ります。
》まるで獲物にトドメをさす風にもみえたので
》相談させていただきました。
》(そういうことが表記してある情報もありました)
》しかし、そういう反面
》私にはとても楽しく、遊んでいる風にも見えます。
》ただ、興奮して周りが見えなくなってはいるようですが。。

うーにーも同じようなことをやります。それをやり始めたら
ケラケラ笑いながらみんなではやしたてます。そして止めよう
とすると「もっともっと、」とさらにはやしたてます。そうする
と、はたと我にかえって止めてしまいます。
これを繰り返しても、この行動がエスカレートしたり、人間や
他の動物に及ぶ事はないようです。

こう考えて下さい。もしMさんがJちゃんだったら、。
人間もヤケクソになって暴力的になりたい時もあると思います。
そんな時、周りが妙に気遣ったり、ピリピリしたりした雰囲気に
したらどうでしょうか? 周りの人に当たり散らしたりしたく
なりませんか?

Jちゃんから見れば、人間は大きな存在です。それがまるで
相手にするでもなく、その行動を許してはいるけど真剣には相手を
しなければどう感じるでしょうか? 逆に気遣ったりしてくれたら
どうなるでしょうか?

もし、Mさんや噛み付いてはいけないものを噛み付いたら、即、
はやしたてるのを止めて無視モードに入って下さい。今まで
はやしたてていたのを冷ややかな目で見て下さい。

今まで書いたことが、Jちゃんに通用するかどうかは、
実際にやってみないとわかりません。とにかく試してみて下さい。


》> 他のオモチャで気をそらすではなく、取り替えるようにして下さい。
》> お互いが向き合ったコミュニケーションをとって下さい。
》そのようにやっているつもりですが、Jの反応を
》みていると「とられる〜」という感じです。
》最初はくれても数回後には、学習し交換に応じては
》くれない雰囲気になります。

この取引に関しては、Jちゃんの方が上手みたいですね。

しつけのキーワードに「ギャンブル効果」という言葉があります。
褒める時にご褒美(オヤツでも交換するオモチャでも何でもいい
です)を渡す方法がありますが、このご褒美のランクを変えたり、
たまには渡しもしないのです。とってもいいものをもらえたり、
時にはもらえないこともある。毎回もらえるよりも、「今回は
どんなものがもらえるのかな、それとももらえないのかな、」と
ワクワクしながらコミュニケーションがとれるわけです。

オヤツを使うしつけ方法・トレーニング方法に否定的な考えを
持っている方々はこの効果を知らない人がほとんどです。(と
いうか、1つの方法で満足している人がほとんどなんです。他の
方法を勉強せずに批判的なことをいう人が多いのが残念です。)


》> 遊びをするためのしつけは、とても必要なことです。どんどんやり
》> ましょう。ただし、服従心を育成することを目的としてもうまく
》> いかないことが多いです。服従心は信頼関係の結果であり、そのもの
》> を目的としても素直に受け容れてもらえないことが多いと思います。
》> 犬に「私に服従しなさい」と願うのではなく、自分に「犬にが頼でき
》> て言うことを聞くに値する人間になろう。」と言い聞かせて下さい。
》これを聞くと、納得してきます。
》まだまだ信頼されてないのですね。

そうかも知れません。お散歩の時の感じからすると信頼しているの
かも知れません。ただ、まだMさんからのコミュニケーションを
よく理解できずに悩んでいるのかもしれません。また、これから
どんどん外に出ると、他のものに気をとられてMさんの言葉も
上の空になってしまうかも知れませんね。その辺は上手にコント
ロールしてあげて下さい。


》> この時はMさんの「叱る」が通じたように、褒める時、一緒に喜ぶ
》> 時にも有効な場面があります。映画で男が女を口説く時を思い出して
》> 下さい。(<これじゃ、納得できないかな?)
》これも理解しました。巷の情報に左右されるのは問題ですね。
》初心者ゆえに盲信している方々が私以外にもいそうです。
》最初、躾の情報を見たときには、たんに声の高い低いではなく
》いわゆる「声色」なのでは?とも思ったりしてました。

そうなんですね。単なる高い低いではなく、声の雰囲気くらいは
犬は分かります。残念というか、不思議なのは、Mさんと同じ
ように巷の情報に左右されている人も多いし、さらにその手の
情報が盲信するに値するくらい多く流れていることです。
その結果、陽性強化法でうまくしつけが出来ない、というケース
も出てきてしまうわけです。


》最近、身長が伸びたせいか椅子に前足が届くように
》なりました。私がごはんを食べている間は足下で
》大人しくしてもらっているのですが、食べ物が気に
》なるらしく、椅子に前足を掛けてきます。
》加えて、他人様に「ご挨拶」って感じで膝辺りにも
》同様なことをします。
》これが「マウント」なのですか?

マウントは抱き着いて腰を動かします。手を掛けるくらいは
マウントとはいいません。

ちょっと別の話になりますが、特にしつけやトレーニングを意識
しなくてもできるコマンドって何だと思いますか?
「お手」と「オスワリ」です。

手を掛ける事は積極的な要求です。「ねえねえ、私の言いたい事
分かっている? ねえねえ、これが欲しいって分かっている?」
という感じです。これは公の場に出た時、はしたない行動に繋がり
ますので、その要求がなんであるか確かめて、必要があればそれを
行ってあげて、不必要ならば「絶対にやりません」という確固たる
態度をとり、手を掛ける事をやめさせて下さい。

オスワリはもう少し、コミュニケーションが進むと多くの場所で
行うようになります。基本的にはお手と変わらないのですが、
人間と犬の間に阿吽の呼吸があると、突然犬が人間の前でオスワリ
するのです。それが要求なのです。
Mさんもこれに似た経験をしていますよね。その時、Jちゃんは
何を要求しているのでしょうね。犬が要求するのは食べ物や
オモチャだけではないのです。何を要求しているか考えて
みて下さい。


》椅子の場合は無視or注意しておりますが、他人様へ
》のはJもうれしくて興奮しており、こっちに
》集中しないのでなかなか注意できません。
》他人様の場合は、
》「おすわり」「ふせ」「まて」をさせますが、
》まだ完全ではないですし、落ち着かせてから
》「よし」と解除するとまた興奮します。
》(これは始めたばかりですが。。)
》こういう

あれ、変なところで終わっていますが、まだ書いていた
途中なのでしょうか。それでもとりあえず、Mさんに
追いついてしまいたいので書いてしまいます。

完成していないコマンドは、実践では使わないというのが、
トレーニングの基本です。その理由は、
1.ちゃんと出来なかった時にどう対応するべきか、(出来ない
  と分かっていることが、出来なくて叱るべきではないし、
  そのままにしておくと、2.になってしまうし、)
2.出来ないこと(しないこと=コマンドを無視すること)
  を認めることになる、
からです。

まず「おしわり」を完璧にできるように工夫してみて下さい。
ただひたすら、同じトレーニングを繰り返したら、Jちゃん
だって飽きてしまいますよね。Mさんだって飽きますよね。
それでは学習能力が上がりません。だから工夫なんです。

その完璧な「おすわり」ができるようになったら、このような
場面で使いましょう。Jちゃんのお利口振りを披露したい
気持ちはとても分かりますが、焦らず確実に進まないと、人を
無視することが当たり前、さらには何に対しても中途半端な
ことをする犬になってしまいます。

解除のコマンドを作ったのはとても良いことですが、褒める時の
言葉と区別ができるような言葉の方が望ましいです。一所懸命
「おすわり」しているJちゃんに対して、他の人が「いい
子だね、ヨシヨシ」といったら、Jちゃんは解除のコマンド
と勘違いし、再び興奮してしまうかもしれません。これでは困り
ます。

解除のコマンドの後、興奮するのは、それ自体は問題ないと考えて
います。重要なのは、興奮しているJちゃんにMさんが
ちゃんとコミュニケーションがとれればいいわけです。
それには「名前」が重要になってくるのです。



何だか同じ所をぐるぐる周っているような感じだと思います。
その全体像が見えればもう悩むこともないでしょう。

おっと、名前のトレーニングの資料を探すのを忘れていました。

        



犬のしつけに必要なことは、2つだけ。
「名前」ともう一つ。それはここを読んでいる皆さんにも
内緒にしておきます。

今それをここで書いても、その意味が分からない
方も多いと思います。
Mさんもそうだと思います。


それに気がつく前に、犬という動物、犬と人間の関係、
について、巷の情報などによる先入観を捨てて、
自分なりに考えていただきたいと思います。

理解がなければ、伝え方もはっきりしないでしょう。
はっきりしないコミュニケーションは誤解の元です。
つまらぬ誤解を招かないように、犬にしっかり伝えるために
これから伝えることを考える前に、人と犬について常に
考えて見れ下さい。

(注)
ここで書いている「人」とは、あなた個人であり、「犬」とは
あなたの家族である特定の個体です。
「一般」にとらわれず、「個別」を考えましょう。
ただし、それを言い訳には使わないで下さいね。

99.12.24



前へ   「しつけ?」へ戻る  次へ