Mさん と Jちゃん  7

「しつけ?」へ戻る


前回のメールでMさんを悩ませてしまいましたが、メール中にもあったように、悩んでいる時間などないのです。子犬はどんどん大きくなっていきます。
今までは家の中にいたJちゃんも、もう外に出られるようになりました。そうなれば「外に出たらどうすればいいの?」という疑問、悩みが沸いてきます。
Mさんが次から次へとメールを送ってくるし、私は旅行中にメーラーが壊れてしまって、メールが送れず、メールのやり取りがチグハグになってしまいました。こんなことからもMさんの焦りが分かります。(読んでいる方には申し訳ありませんが、メールは日付順に並べてあります。)

疑問・悩みが増す一方のMさん。ちょっと心配ですが、Jちゃんへの熱意が失せないうちは大丈夫だと思い、頑張ってもらいます。


・犬は犬、人は人(その3)

犬と一緒にお散歩した時、犬がどんな気持ちで歩いているか考えたことがありますか?
まず、どんな景色を見てるのか、どんな臭いを感じているのか、どんな音を聞いているのか、その他、人間には想像もつかない感覚を持ってるかもしれませんね。それらから得た情報をどのように考えているのかを考えたことがありますか?
そんなことを考えながら犬と散歩をすると、自分が一緒に暮らしている犬への理解がより深まります。

その前に犬についての勉強も必要かもしれません。犬がどんな感覚器官を持ち、それらから得る情報がどのような意味を持っているのか、など、犬の人間とは違う部分を、。

相手と自分の違いをより理解することは、一緒に生活もの同士がより楽しい生活を送るのに必要なことではないでしょうか。



99/09/27          近況報告     Mさん 

無事お帰りになられたようですね。
旅行記、楽しみにしております。

(健康)
25日に獣医に行きました。
目的は、FrontLine&風呂でノミ対策を相談する事でした。

まず何時もと違う大先生(?年配)でした。
前から少しあった、痒み等を相談したら「アレルギー性かもしれない。」
「目のまわり、耳等もそれらから来ているかもしれない」
と言われ、フードをアレルギーのための物に切り換える事も
検討したらどうかといわれました。
サンプルをいただきましたので、少しずつ食べさせてます。

実はお風呂に今まで入れたことがありませんでした。
ショップや前の先生、本などからの情報でです。
それゆえに躰を拭いているとはいえ汚れているらしく、
その汚れも原因かもしれない、ということで薬用シャンプー
をいただき、家でいれてやりました。
(病院で顎から腹、腕足の内側、耳の毛をバリカンで剃られました)
この時点で結構きれいになったと思います。
(内また、腹)
消毒薬&塗り薬もいただいたのでそれもつけてやりました。
しばらく様子を見ます。
今週末にも獣医さんに行く予定です。

(お散歩)
デビューしました。
最初は恐いのでしょうね、なかなか歩きません。
クンクン、調査も沢山します。
でも、励ましてやると一緒に走ったりもします。
毎回、デッキから出る時にふんばり嫌がります。

近所では飼い主の躾がなっていないのか、
糞尿が散乱しております。Jもたぶん臭いを嗅いでおります。
あきらかに糞尿ならば、やめさせてます。
ノーリードの犬も遭遇しました。
私が威嚇して追い払いました。
Jはそんなにびびりません。

いい人もいます。かわいがってくれます。
Jもそれがわかると、「ご挨拶」します。
向こうが犬嫌いだとあまり行きません。
「ワンワン」吠えてくる犬もいます。
けどJは無視してます。
ただしどこにいるか確認したらです。
それがわからないと警戒します。(あたり前ですね)
一度も人間や犬に吠えたことはないです。
いい子です!

(渓流)
山に遊びにいきました。とてもうれしそうに走りました。
下界と違って他の犬の糞尿がないせいであまりクンクン調査しません。
しかし、マーキングらしき事をしました。
少しずつチッコをするのです。(女の子もするのでしょうか?)
広い空き地で安全確認をし、ノーリードにしてみました。
私と彼女の間3〜40mを走って
行き来してました。とても生き生きしてました。
これが本来なのだろうなと思いました。
いつも狭い所が長いので。。

(ウンチ)
休みの日に一緒にいるとウンチは
寝起きに一回、
昼前後と17〜18時の2回に大きいのをします。
これはいつも私が見てやれない時間ですね。。
最悪のサイクルです。
現在食事は、
起床
お散歩
60g:朝  6:30
60g:夜  18:30〜19:00前後
お散歩
40g:夜食 22:00〜22:30前後
という感じです。




> 大小便の臭いには意味があります。さらに子犬の場合は、自分が
> したくもないのに何回もしてしまう、ということもあります。さらに
> 精神的にも充分に発育していませんから、臭いをどう感じ取るべきか
> 悩むというジレンマもあるでしょう。
お散歩時のクンクンはよくないのでしょうか?
衛生面でも大変気になります。
まだあまり散歩に対する執着心が芽生えてないので
「禁止」はよほどでないと発してません。

> ポジティブの方向を見定めるために、考えて考えて、ノイローゼの
> ようになることがあります。このようなことを起こさないように、
> 常に「分かりやすい」対応をとってください。
心掛けます。
「おかしな人」と思われない程度にですね。


> 犬の思考の方向性は単純ですが、思考そのもの、精神構造は複雑です。
> さらに共に暮らしている人間が、犬の思考の方向性と矛盾する指導を
> 行うと、どうすればよいか分からず、とんでもない結果をだす(=
> 学習する)ことになるのです。
なるほど、これがこちらが期待しない結果のメカニズムですね。
基本の理解が急務ですね。

> メールのご返事を書きます。それ以降は、ここ2,3回のメールの
> ことは頭の隅に引っ掛けておくくらいにしてください。随分と難しい
> 事も書いていますから、悩まないで下さいね。悩んでいる時間など
> 無いのですから、。
すでに悩みました。
でもおっしゃるとおり、忙しいので結論や見解は明確に
出てませんが。。

> いつかMさんもじゅりちゃんとこんな旅行が出来るように、今は
> Jちゃんをどんどん理解してあげてくださいね。簡単に言えば
> どんどん仲良くなってくださいね。
躾に過敏にならぬように、まず一緒の生活を楽しみます。



99/09/28     Re:日常を見つめて下さい    弓削

弓削です。以前にいただいたメールの返事を書きます。
重複することも書きますが、それはご勘弁下さい。
また、大急ぎで書いたので変な事を書いているかも知れません。
疑問に感じた箇所はどんどん質問して下さい。


》> 「無視」は、「そんなの面白くないよ、」ということを伝えることです。
》> 「無視」を具体的に説明すると、耳に齧りつきそうになったらすっく
》> と立って、静かに(まるでJちゃんが見えなくなったように)
》> その場を立ち去ることです。
》それだけで、「やってはいけない事」という所まで理解できるのでしょうか?
》たんに「面白くないから、やらない」というのと「禁止」とは違うと
》思いますがどうなのでしょうか?

これはすでに書いた、思考は常にポジティブである、ということから
「禁止」そのものではない(と人間は考える)かもしれないが、犬の
理解の中では禁止と同じくらいの意味を持つ結果になるはずです。
学校教育の中で「無視=いじめ」というのが問題になっていますよね。
それくらい親しい仲間からの無視は、ダメージをもちます。


》> 2.「そんなことより、こっちの方が面白いよ、」という遊びを
》>  用意する。走って近づいてきたら、耳ではなく、他の面白い
》>  オモチャを用意し、積極Iに遊んであげる。Mさんは寝転がった
》>  ままでいいです。この遊びの中にトレーニングの要素を入れると、
》>  コミュニケーションの発達が早くなります。
》遊ぶ中でJが興奮し、「ガルル」となる時があります。
》とくに物を取り上げる場合に多いのです。これは所有欲を刺激する
》ため当たり前だと思うのですが、あまり良いことではないのでしょうか?
》(狩猟本能を刺激:ボールを追いかけ、それをカジカジ)

「ガルル」といったくらいで、悩まなくていいです。「ガルル」という
ことの何が悪いのでしょうか? これを気にするのはMさんの先入観
です。私は「ガルル」ということだけで、Jちゃんがどんな気持
ちになっているかは、全く想像はできません。

ちなみにうーにーが「う〜〜」と低い声でうなる時は嬉しい時です。
以前、犬が嫌いな人が遊びに来て、この声を聞いて「あっ、唸った、
次は噛み付かれるー!」と逃げ回ったことがありました。
私と女房は大笑いです。


》最近は無理に取り上げるのではなく、他のおもちゃ等で気をそらし
》とっています。しかしこれでは私に「くれた」事にはならないですよね?
》取り上げる理由は、
》直接的:ボール遊びのため、また投げたい
》真意的:私への服従心の育成(行動制御)
》です。

他のオモチャで気をそらすではなく、取り替えるようにして下さい。
お互いが向き合ったコミュニケーションをとって下さい。

遊びをするためのしつけは、とても必要なことです。どんどんやり
ましょう。ただし、服従心を育成することを目的としてもうまく
いかないことが多いです。服従心は信頼関係の結果であり、そのもの
を目的としても素直に受け容れてもらえないことが多いと思います。
犬に「私に服従しなさい」と願うのではなく、自分に「犬にが頼りにでき
て言うことを聞くに値する人間になろう。」と言い聞かせて下さい。


》「叱る、注意」の態度をJにとることがあります。
》特に「厳重」の場合には通常の声(こら、だめ)で行う方法に加え
》私は母犬になったつもりで、「ウッ、ガッ」と言う感じで低くドス
》の聞いた声でJを威嚇します。(至近距離でやや上位で睨み付き)
》大概Jはひれ伏し、「怒られた」という顔をします。
》時には人間の子供がすねるように「わん」ともいえぬ声を発します。
》大人しくなれば、その後褒め、撫でてあげます。
》逃げる時もありますが、追いかけて行ってます。
》この行為は人間不信などになる可能性、
》つまり私の問題行為でしょうか?

低くドスのきいた声で対応し、それに対しての反応を把握している
Mさんは、きっとJちゃんとうまくやっていけるでしょう。
ただここにも先入観があります。「私は母犬になったつもりで、」と
ありますが、犬は成犬になっても「低くドスのきいた声」は聞き易い
ようです。つまり「母犬が叱る」ときだけに使うものでもありません。
この時はMさんの「叱る」が通じたように、褒める時、一緒に喜ぶ
時にも有効な場面があります。映画で男が女を口説く時を思い出して
下さい。(<これじゃ、納得できないかな?)


》> 犬ではどこですか?」これは「口」ですよね。ですから犬が口を使う
》> ことを頭ごなしに「攻撃」とは思わないでください。(この考えは
》> MさんとJちゃんの時だけにしてくださいね。外で、そんな
》> ことを言っトもほとんどの人は理解してくれないでしょう。)
》甘噛みとの違いがわかりません。
》今は強く噛むと「痛い、だめ」と躾たので、強くは噛みません。
》しかしこれは私にだけで、その他の人には若干噛むようです。
》昨晩も友人に相手をしていただいて、「注意して」とは御願い
》したのですが、さすがに徹底できません。
》かわいいらしく、あえて噛ませているような行為もありました。
》これは知人の協力なしでは、躾は不可能ですか?
》目的は「無暗に人間に対して、噛まない」です。
》(うまく表現できてませんね「犬の常識を人間に適用するな!」
》でしょうか?)

考えている通りで、いいと思います。
甘噛みもコミュニケーションの一種だと思ってみて下さい。人間が
手で「ねえねえ、ちょっと、」とやるようなものです。子供ですから
その力の入れ具合が分からないという訳です。
出来れば、友人に協力していただくのが一番です。もし友人の体に
歯が当たったのが分かったならば、Mさんが叱るのも一つの方法
だし、一緒に無視するのも一つの方法でしょう。

それが出来なければ我が家の様に1年くらい苦労して下さい。突き放す
ような文面ですが、そうではありません。このパターンが普通だと思い
ます。


》実は似たような事を母犬になったつもりでやってました。
》耳もですが、髪の毛にも大変興味があるようです。(説明不足でした)
》頭を向けて押したり、頭を振って対抗したりしました。
》その時Jが、たまたま頭にクリーンヒットし飛ばされたりした
》事もありびっくりしてました。(動きが止まる)
》ここで違うのは、その後無視モードをやってません。。

うーにーもよく女房の髪の毛のじゃれていました。なんだか懐かしい
です。
Mさんは母犬をイメージして行動をしているようですが、それは
それで良いことです。しかし、それ以外もやってみて下さい。何を
やるかはアイデア次第です。先入観、固定観念にとらわれず、色々
なアプローチを試みて下さい。
そして大事なのは、その時のJちゃんの反応です。Mさん
が何をすれば、Jちゃんはどのような反応をするのか、その
積み重ねがコミュニケーションをスムーズにしていく訳です。

人間は犬の言葉は話せません。犬は人の言葉を理解できません。
だとすると犬と人間は、お互いが歩み寄って「犬対人の間だけで
使える言葉(コミュニケーション手段)」を探さなければならないと
いうことです。

Mさんが何かしらのアプローチをする、それに対して、Jちゃんが
(Mさんの行動を受け止め)反応する。これがコミュニケーションの
部品のようなもので、人間でいえば短い文章のようなものでしょう。

        




99/09/28  Re: 日常を見つめて下さい     Mさん

幾つかの謎がとけ、すこしですが楽になりました。
積極的にJとの会話を行いたいと思います。

> これはすでに書いた、思考は常にポジティブである、ということから
> 「禁止」そのものではない(と人間は考える)かもしれないが、犬の
> 理解の中では禁止と同じくらいの意味を持つ結果になるはずです。
> 学校教育の中で「無視=いじめ」というのが問題になっていますよね。
> それくらい親しい仲間からの無視は、ダメージをもちます。
いい例えだと思います。理解してきました。

> 「ガルル」といったくらいで、悩まなくていいです。「ガルル」という
> ことの何が悪いのでしょうか? これを気にするのはMさんの先入観
> です。私は「ガルル」ということだけで、Jちゃんがどんな気持
> ちになっているかは、全く想像はできません。
補足します、
状況は唸りながら、おもちゃにかぶりついたまま
頭を左右に振ります。
まるで獲物にトドメをさす風にもみえたので
相談させていただきました。
(そういうことが表記してある情報もありました)
しかし、そういう反面
私にはとても楽しく、遊んでいる風にも見えます。
ただ、興奮して周りが見えなくなってはいるようですが。。

> 他のオモチャで気をそらすではなく、取り替えるようにして下さい。
> お互いが向き合ったコミュニケーションをとって下さい。
そのようにやっているつもりですが、Jの反応を
みていると「とられる〜」という感じです。
最初はくれても数回後には、学習し交換に応じては
くれない雰囲気になります。

> 遊びをするためのしつけは、とても必要なことです。どんどんやり
> ましょう。ただし、服従心を育成することを目的としてもうまく
> いかないことが多いです。服従心は信頼関係の結果であり、そのもの
> を目的としても素直に受け容れてもらえないことが多いと思います。
> 犬に「私に服従しなさい」と願うのではなく、自分に「犬にが頼でき
> て言うことを聞くに値する人間になろう。」と言い聞かせて下さい。
これを聞くと、納得してきます。
まだまだ信頼されてないのですね。

> この時はMさんの「叱る」が通じたように、褒める時、一緒に喜ぶ
> 時にも有効な場面があります。映画で男が女を口説く時を思い出して
> 下さい。(<これじゃ、納得できないかな?)
これも理解しました。巷の情報に左右されるのは問題ですね。
初心者ゆえに盲信している方々が私以外にもいそうです。
最初、躾の情報を見たときには、たんに声の高い低いではなく
いわゆる「声色」なのでは?とも思ったりしてました。


最近、身長が伸びたせいか椅子に前足が届くように
なりました。私がごはんを食べている間は足下で
大人しくしてもらっているのですが、食べ物が気に
なるらしく、椅子に前足を掛けてきます。
加えて、他人様に「ご挨拶」って感じで膝辺りにも
同様なことをします。
これが「マウント」なのですか?

椅子の場合は無視or注意しておりますが、他人様へ
のはJもうれしくて興奮しており、こっちに
集中しないのでなかなか注意できません。
他人様の場合は、
「おすわり」「ふせ」「まて」をさせますが、
まだ完全ではないですし、落ち着かせてから
「よし」と解除するとまた興奮します。
(これは始めたばかりですが。。)
こういう

        



変なところで終わったメールです。ここにも焦りが、?

読み直してみると、書き忘れたことを思い出したりもします。
私も「Mさんのメールに追いつかなくては、」と焦っていたのかも
しれません。

一般的なことでは、オモチャの交換の説明。
「基本は、オヤツと交換」、食べ終わったら、そのオモチャを
返してあげる、が第一歩です。

メールでの説明は、犬や人、環境を見ていないこと、
文字だけのコミュニケーションであること、などから危ういものを
感じます。

犬と暮らすことを相談できる人や信頼できるインストラクターさんが
身近にいるような環境に、日本もなってくれたらいいな、と思って
おります。

99.12.7



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