Kさん と Nちゃん  16

・・・・・・・・10・・・・・16・・・・・・・・・・           「しつけ?」へ戻る





■ いい子になったと思ったら・・・ ■

いい感じのNちゃんですが、このまま「いい子街道まっしぐら」
とは、いきません。一進一退という感じになってきます。
犬との生活というのは、そういうものです。

こんな時に基本中の基本である「名前」の重要性をひしひしと
感じるはずです。

01.03.26 春が来たみたいですね。      弓削

先日の旅行は、うーにーが暑がるくらいの陽気でした。
もう3月も下旬、春ですね、


しつけ教室に通うようになり、今まで見えなかったものが見えて
来た、というか、今まで闇の中だったのが明かりが見えてきた、
という感じだと思います。
メールでのやりとりは、実際に見ることが出来ない分、Kさんは
私に、Nちゃんのことを一生懸命見て伝えてくださいました。
それは、Nちゃんをより理解する助けになったことは、確かだと
思います。
実際に見えれば、「この犬はこの様にに接しれば、大人しくなる」
と指導できるかもしれません。しかしそれでは、そこに大人しい、
だけど何を考えているか分からない犬が、居ることになります。
そんな犬が増えても、犬が電車に乗れる社会はやってこないと
思います。KさんがNちゃんをよく見てきたことが、いい関係
を作ったのだと確信しています。

今までKさんが苦労した分、これからのしつけ教室は、楽に
こなせることと思います。でも、たまには苦労してくださいね。
言い換えれば、Nちゃんに対して「思い込み」を持たないで
ください。犬だって、日々の気分の、健康の、抑揚もあるで
しょう。年齢とか、経験を積んだ結果というのもあるでしょう。
同じアプローチに対して、同じ行動・気分である、と決め付け
ない様に気を付けてください。


ご実家への旅行がNちゃんを含めたK家の自信になったことは、
私も嬉しく思います。なんでも体験です。失敗することもです。
これからも、どんどん色々なことにチャレンジしてみましょう!


トイレを庭でしないようでしたら、庭にトイレセットを持っていく
という手もあります。でも、そろそろするかもしれませんね。
とりあえず庭でしてもらうには、庭の臭いをよく嗅がせてあげると
いいでしょう。もちろんその前に、危ないものが落ちていないか、
チェックしてくださいね。


躾教室が順調でなによりです。確実に進歩することが大切です。
本当は進歩しなくてもいいと思ってます。ただ「昨日と同じ」だけ
は、よくない(面白くない)と思います。たまには進歩だけじゃ
なくて、横道に外れたり、後退したり、それも楽しい犬との生活
というものです。
犬にものを教えるのは、楽しいものです。後退すれば、またその
楽しみを味わえるのです。(こんなことをいう、先生はいません
よね。だから私は先生になりません(笑)。)


「待たせたまま、傍を人に通ってもらう」も順調なようですね。
もしかしたら、出来がよすぎて先生は困っているかもしれませんよ。
どんどん課題を考えなくっちゃ!、ってね。
(家族全員が楽しめているが、私は一番嬉しいです。)

本心をいうなら(個人的には)何かの課題を達成することよりも、
何かの課題に向かって、人と犬とが一緒になって努力するのが楽しい
と感じています。
以前「幸せ」について、似た様なことを書いたことがありますが、
何か楽しいことに一生懸命になれることが幸せであり、その積み
重ねで、集中力が養われ、強さになり、次のステップに進むことが
出来るし、自分で次の目標を見付けることが出来るようになるで
しょう。前進の過程、それが幸せなんだと思います。


離れた所から「待て」をかけて、さらに色々と場所を変えたり、
リードを引いたり、というトレーニングですが、たぶん先生は、
声でコマンドをかけるように指導なさったと思いますが、「遊び」
だと思って、声を一切使わずやってみてください。
それには、声に変わるゼスチャーが必要になります。これも考えて
みてください。

一連の「待て」のトレーニングの中で、私が一番ちゃんとやって
欲しいのは「遊んだ後」の「座れ」「待て」です。「後」よりも
「最中」(つまり興奮していても)に出来るようになって欲しい
と思います。

さてさて、躾教室で色々なトレーニングのパターンを学びました。
それらを使って、朝晩のトレーニングの時間を楽しんでください。


クレートに入ることに抵抗がなくなってよかったですね。
でもNちゃんは、初めから抵抗なかったと思います。犬は
クレートのような場所を嫌うことは、ないでしょう。もし嫌うと
すれば、それは人間が嫌いな場所にしてしまった場合です。
お仕置き小屋にしたとか、閉じ込めっぱなしでウンチ・オシッコ
まみれになってしまったとか、嫌な思い出を人間が作ってしまった
場合がほとんどです。それと、人間は狭い所が苦手な人が多いので
その感覚を無意識に犬に植え付ける場合もあります。お仕置き小屋
に使うというのもその例です。

ご飯の時、夜寝る時、ケージに入っていてくれると、人間は楽です
よね。こんなことを書いたら、お叱りを受けるかもしれませんが、
子犬時代は飼い主は大変です。「もう少し休ませて欲しい。食事時
くらいは解放されたい。寝る時くらいは、、」となるのが本当だと
思います。でも、それくらいが健全な子犬だと思います。

食糞が解決されそうなのも大きな収穫ですね。


》私たちが強い叱り方をしているのを見て、Tが自らやり始めま
》した。

これは、良いことだと思いますが、次の点に注意してください。
T君が、全ての犬がNちゃんと同じだと勘違いして、他の
犬に同じように対応した場合、大怪我をする可能性があります。
くれぐれも、これは「家族であるNちゃん」に対する接し方で
あり、犬一般にすることではない、と教えてあげてください。

Nちゃんに対して行うことは、問題ありません。問題があれば
それをKさんなり、ご主人なりが指導してあげてください。させて
はいけないのは、理不尽な対応です。必要がないのに、強い叱り方を
するようなことがないように、教えてあげてください。
犬は学習する動物です。ですから、人間の表現でいえば「根に持つ」
ということもします。少し奇麗に表現すれば「トラウマ」ということ
です。こういうことにならないように気を付けてあげてください。

場合によっては、Nちゃんの反撃が考えられます。Nちゃんは、
自分が(相手がT君であれば)反撃出来ることは薄々分かって
いると思います。実際に反撃にでて、そして、それが成功すると、
二人の関係作りは、0(ゼロ)からではなく、マイナスからの
再スタートになってしまいます。これにならないように気を付けて
ください。

もう一つ付け加えておくと、強く叱った後は、簡単なトレーニング
をするなどして褒める機会を作ってあげて、気分転換をしてあげま
しょう。(これをT君にも、するように教えてください。)


T君、自転車に載れるようになって良かったですね。私も
自転車に乗れるようになった時の感動は、覚えています。
こういうことがあると、何でも頑張ろう!、と思うようになる
ものです。達成感が次に繋がります。
犬も同じです。褒めるということは「達成したんだよ」と伝える
ことです。ですから、その時の事柄を褒めるというだけではなく
次のことの意欲を培う上でも非常に大切になってきます。
(なんて書かなくても、もう実感していると思います。)

T君が犬になる時は、ほとんどT君が勝っているのですね。
それならよかったです。まずは本気で競って、それでT君が
ほとんど勝てるようなら、それをNちゃんが理解した頃(もう
理解していると思います。)わざと負けてあげるといいでしょう。
NちゃんがT君を見る目が変わってくるでしょう。


トレーニングの最中(というか日常生活で)に「あ、次どうしよう
・・」と考えるのは、初めのうちは皆同じです。何もすることが
思い付かない時は、基本の「スワレ」をして誤魔化すのが私の常套
手段。時間が余るなら、その体勢から「マテ」状態です。

躾教室に通われて分かったと思いますが、色々情報を集めれば、
(「マテ」のトレーニング一つにしても)色々なパターンを知る
ことが出来て、日常で使えるレパートリーが増えます。

一つは情報を集めること、もう一つは「どんな犬になってもらい
たいか」を具体的に考えること。その二つから、どんなトレーング
が必要で、どんなレパートリーを持って出来るかを考えることです。
それを夜の(家族全員の)しつけの時間にやるのがいいと思います。
さらに(出来ることなら)、家族以外の人が参加してもらっても、
上手にこなすようになれれば、さらにいいですね。


お散歩中に他の犬連れ飼い主さんとお話する余裕があるようになった
とは、すごいではないですか。Nちゃんも結構落ち着いている
みたいですね。
同犬種の飼い主さんからは、多くの情報を得られます。色々話を
聞けることでしょう。
ただし、聞いても聞き流した方がいいこともあります。それは、
「ビーグルには、これは出来ない」という類の話です。それは、
一般論では正しいかもしれません。しかし、Nちゃんに必ずしも
当てはまるものでもありません。
Nちゃんは、他のビーグルと違う「スーパー・ビーグル」だと
思ってあげてくださいね。


小学生の女の子が6ヶ月のビーグル男の子を連れていたというのは、
すごいですね。しかも、くんくんも引っ張りもあまりせず、というのも。
個人的な思い込みかもしれませんが、顔に皺の多い(ある?)子の
中には、とても頭のいい子がいます。信じられないほど、人間の
ことを理解します。しかし(これまた個人的な思い込みかもしれ
ませんが)私は「暗い」と感じてしまいます。周りのことに気を使い
過ぎ、と感じてしまい「そこまで、できた犬じゃなくても」と思って
しまいます。
子犬は手におえないものというのが、私の感覚。初めから「いい子」
では「子犬らしくない」と感じてしまうのです。


犬を連れている、連れていないに関わらず、ちゃんと挨拶の出来ない
人がいますね。子供も大人も。
なんでこんな世の中になってしまったのか嘆いても仕方ありません
から、私達だけでもちゃんと挨拶していきましょう。そうしないと
連れている犬が不躾な犬になるし。


今年の春は、明るい春になったみたいですね。T君の、N
ちゃんの、これからが楽しみです。Nちゃんは、K家にとって、
本当の意味での家族になれそうですね。
二人の現在の歳から考えると、旅立ちの日は、同じくらいになる
ことでしょう。そしてT君は独立した後も、彼の中の「家族像」
には、きっとNちゃんがいることでしょう。


01.04.06 Re: 春が来たみたいですね。        Kさん

お返事が遅くなってしまってすみません。
もうすっかり春ですね。今日は小学校の始業式です。
1年生は黄色い帽子をかぶっていたのですが、今日からはかぶって
いったら1年生と間違えられちゃうと、玄関に置いていきました。

前回のメールは、読んでいてとてもジーンとしました。
やっとここまできたんだなあと。
その頃はとても順調だったのでいい気持ちになっていました。


> しつけ教室に通うようになり、今まで見えなかったものが見えて
> 来た、というか、今まで闇の中だったのが明かりが見えてきた、
> という感じだと思います。

そうですね。折角褒めていただいて、私も気持ちが変わってきたと
ころだったのですが・・・
先週の躾教室では、「スランプかも」と言われてしまいました。
「待て」のトレーニングはどんどん進み、「Nを残して退室す
る」をしています。
おやつを床に落とし、「待て」をかけ退室します。すぐに戻り待て
たら褒めてから「よし」でおやつを食べさせます。そのトレーニン
グのあたりから待てなくなってきました。私の姿が見えなくなると
おやつを食べてしまうのです。もっと簡単な、リードをつけたまま
Nの周りをまわって待たせるのも注目さえしなくなってきてしま
いました。(家の前の道でやっています。)
最近風が強くて、葉っぱが飛んできたり桜の花びらが飛んできた
り、そんなものにも反応して動いてしまいます。

・・・ですから、今思いっきり後退してしまっているところです。
「後退する楽しみ」は、あまり長く続くと悩みます。
しつけ教室の先生には、そういう時は遊びを多くして、気分転換を
してあげてくださいと言われました。あまり悩まないようにとも言
われました。

> 言い換えれば、Nちゃんに対して「思い込み」を持たないで
> ください。犬だって、日々の気分の、健康の、抑揚もあるで
> しょう。年齢とか、経験を積んだ結果というのもあるでしょう。

そういうことですね。

> 同じアプローチに対して、同じ行動・気分である、と決め付け
> ない様に気を付けてください。

決め付けていたかも。

課題がどんどんでてきて、それなりに出来ていたので、これで良い
と思い込んでいましたが、全てが中途半端だったのかもしれませ
ん。
それから、「おやつを床に落とす」を始めてから、Nの目がおや
つに行ってしまっていて、人を注目することを忘れてしまったのか
も。遊びの要素が少なかったのかもとも思いますし・・・色々考え
てしまいます。
いきなり外の道でやらせたりというのも良くなかったです。

後戻りしてまたやり直しです。

でも、人にあった時に「座れ」は少し出来るようになってきていま
す。とりあえず座るまではバタバタしながらですが、します。その
後待っていられるかどうかは相手の動きによってで、静かにしてい
れば、そのまま待っていてくれるときもあります。たいがいは「お
利巧ね」と言われて手でも出されるとダメですけど。

> 離れた所から「待て」をかけて、さらに色々と場所を変えたり、
> リードを引いたり、というトレーニングですが、たぶん先生は、
> 声でコマンドをかけるように指導なさったと思いますが、「遊び」
> だと思って、声を一切使わずやってみてください。
> それには、声に変わるゼスチャーが必要になります。これも考えて
> みてください。

それは、Nが私を見ていないと、出来ない事ですね。簡単な「待
て」からやってみましたが、私が声かけに頼っていたのが良く分か
りました。

>
> 一連の「待て」のトレーニングの中で、私が一番ちゃんとやって
> 欲しいのは「遊んだ後」の「座れ」「待て」です。「後」よりも
> 「最中」(つまり興奮していても)に出来るようになって欲しい
> と思います。

遊んだあとはできると思います。遊びの終わりの時は「おしまい」
と言っておもちゃをしまいます。それは分かっているようで、多少
はねたりすることもありますが、終わりを理解して大人しくなりま
す。そして、ハウスでサークルに戻ります。
でも、「最中」は出来つつあると思っていたのですが、今あまり出
来なくなってきていて、反対に手に噛み付いてきたりもするので
す。怪我をするような噛みかたではないですが、叱るとエスカレー
トしてきます。
主人と、「噛んでくるのはいけないことだと分かっていなくて、遊
びのつもりなのかも。」と話しましたが、どうなのでしょうか。


クレートトレーニングは仰るとおり順調です。
とてもお利巧にしていてくれるので、安心して寝れるし、夕飯時も
とても静かになりました。ゆとりが出来ました。
毎朝、クレートから出るとすぐにうんちとおしっこをするので、コ
マンドとのタイミングも合っていい事ばかりです。目覚まし吠えも
殆どなくなりました。このまま忘れてくれるといいのですが。


Tが強く叱ることですが、
> 場合によっては、Nちゃんの反撃が考えられます。Nちゃんは、
> 自分が(相手がT君であれば)反撃出来ることは薄々分かって
> いると思います。実際に反撃にでて、そして、それが成功すると、

心配です。Tの気持ちにも波がありますから、ちょっと弱気に
なっているときなどは気をつけなければと思います。最近のNは
強気な感じがします。

>
> T君が犬になる時は、ほとんどT君が勝っているのですね。

勝っているのですが、Nから無理やり取り上げたり、取り上げる
時も後ろ足を掴んだり尻尾を掴んだりしているんですけど、やっぱ
りよくないでしょうか?Nは、いやだと思いますがTが寝転
んでいるとやられるのを分かっていて、T の所まで来て捕まってい
ます。尻尾は良くないですよね。


6ヶ月の、大人しいビーグル君の話はしつけ教室でもしました。ト
レーナーの方は見たわけではないから分からないけど、ビーグルに
翳らず、6ヶ月でそんなに大人しい子だと、何か厳しすぎる扱いを
受けたのではないかと思ってしまう、と言っていました。ビクビクし
ていませんでしたか?と聞かれましたが、私にはそのようには見え
ませんでした。
でも、とてもめずらしい子だったんですね。


今回お返事が遅れてすみませんでした。
順調に進んでいると思っていたら「あれ、あれ、」という間に、お
かしくなってしまって私も戸惑いました。もう一度Nと楽しむと
ころからやり直してみます。


01.04.08 RE:Re: 春が来たみたいですね。     弓削

返事が遅いのは、もう全然問題無いと思います。Kさんご自身
も知識が色々ついていると思います。焦らず基本に戻って考えれば
答えは見えてくるはずです。
ちょっと後退してしまったよですが、そんなものです。一般には
「自我の目覚め」というそうです。

子犬の時は、人も犬もコミュニケーションの方法がよく分からず
お互い自分勝手にやってしまうわけですが、これが6〜8ヶ月
くらいで、試行錯誤の結果、コミュニケーションが取れるように
なります。
しかしその後、人間が安心してしまって、手抜きをし始めます。
犬の方もそうかもしれません。「声でいうこと聞くようになった
から声で済まそう」という感じです。
今までの生活の中で苦労して見つけ出してきた、その家族固有の
(つまり人にも犬にもストレスの少ない)方法を捨ててしまい
ます。

そうなると犬は、子犬の頃と同じく「自分の世界」に入っていき
ます。これは、閉じこもるという意味だけではなくて、良し悪しの
判断なども、自分でしようとします。つまり、人間の判断を受け
入れ難くなります。
これを客観的に見ると、自分勝手な行動・判断に見えるので
「自我の目覚め」と呼ばれています。


さて、具体的なことを書きましょう。

まず「オヤツを落として退室」ですが、これが出きる必要がある
のでしょうか? 出来たことに越したことはありませんが、よく
犬を連れて旅行に出かけたり、飲食店で食事する私としては、
全く必要を感じません。
その先生には申し訳ありませんが、このトレーニングに関しては、
真面目にやることないです。出来なくても落ち込まないでくださ
い。

道に落とすトレーニングも日常のメイントレーニングにするべき
ものではありません。トレーニングには準備が必要ですが、この
類のものは、罠を仕掛けることが準備になります。「今からやる
ぞ〜」では、しつけとしては意味がないのです。自分でオヤツを
落としておいて、それに気が付かない振りをして、そこを通る。
Nちゃんが反応したら、それを止める(叱る?)、という感じ
でやらなければ、準備がされている場合は拾い食いしないけど、
リードを持っている人が気が付かなければ、食べてしまいます。

また、以前も書きましたが、オヤツは「報酬」になってはいけま
せん。あくまでも「確認」、つまり「そう、それが私の伝えたい
ことなのよ」という意味であげましょう。つまりコミュニケー
ションの補助です。
床に落ちたオヤツを食べるのに、飼い主とのコミュニケーションは
ありますか? ないですよね。ただ我慢させるだけですね。そう
いうオヤツの上げ方は、訓練にしかならないのです。
もしNちゃんが「ねぇねぇ、ここに落ちているもの食べていい?」
とKさんの顔を見上げて聞くのならいいでしょう。でも今は、
そういう時にKさんの顔を見上げるような状態ではないわけです
から、あまり勧められる方法ではありません。


お教室の運営などもちょっと勉強したことあるので、この科目を
やるのは理解できます。しかし、これは「しつけ」としては一般
の範疇を越えていると思います。

また、こういうことが出きるようになると、犬の管理がおろそかに
なりがちです。こういうことを含めて「拒食」と「マテ」がキッチリ
出来るようになったからといって、店先に犬を繋いで店内で買物を
する人がいます。
犬が嫌いな人がその店に入ろうといたらどうでしょうか。その犬に
悪戯する子供がいないと言い切れるでしょうか。
外では、犬は常に飼い主が目の届くところで管理し、周りに気を
配るべきだと思います。もし待たせるのであれば、誰かにリードを
持ってもらいましょう。


さらに申し訳ないのですが、その先生の考えは、私の知識の中から
すると一昔前の考えです。現在日本では、これが比較的前衛的と言わ
れていますが、訓練としては、充分な成果を上げますが、しつけと
しては、無理があると思います。
Kさんが感じているように、飼い主に「思い込み」を植え付けて
しまう方法なんです。これにならないように気をつけてください。

もちろん、その先生から教わることは、いっぱいあるはずです。
もっともっと色々教わってください。
しかし、それだけでは足りないということです。足りない部分は、
きっと今までを振り返れば、答えがあるはずです。

このトレーニングが出来ないなくても落ち込まず、先生から
「ちゃんと家でもやっていますか!」なんて聞かれても適当に
誤魔化してください。その程度のものだと思ってください。


クレート・トレーニングも順調みたいだし、人に会った時の「座れ」
も、出来始めているようだし、ちゃんと出来てきているものもある
ので、心配はしなくていいみたいですね。

人に会った時に「座れ」は、あと5秒くらい出来るといいですね。
まずは、それくらいを目標にしてください。


声を使わない、というのは、犬が人を見る必要性が出てくる、と
いうことを考えますが、何故それが必要なのかを考えてください。
それは、犬は人の声で何かをやるかを判断するよりも、人の動きを
見て判断する方が自然なんです。
また、集中し易いんです。人間だって、ジェスチャーで伝言ゲームを
やれば相手に集中しますよね。

声を使わないで、色々やる前には「これからやるよ」というモードに
入るために名前を呼びます。声はここまで。あとは、ジェスチャー
で頑張ってください。どのようなジェスチャーがNちゃんに分かり
易いかを試してみてください。
犬に対して「試す」ことをしなくなったとき、マンネリが始まります。


遊びの最中での「待て」のことですが、Kさんの書いているのを
見て「?」と思いました。「おしまい」は、ちゃんと理解している
のならそれを使えばいいのに、と思いました。一度「おしまい」
にして、再び始める。

しかし、これを使って失敗する人は多いです。「オシマイ」の効果
がなくなってしまうのです。
なくならないようにするには、どうするか。
再開までの時間を初めは長くとり、少しづつ短くしてゆくのです。
「オシマイ」にしても「もっとやろうよ」と言い始めたら、当分の
間、再開はしないでください。

噛み付くことは、しっかりと叱ってください。「強い叱り方」は
Nちゃんの出方を見ながら、使う力を少しづつ抜いていって
ください。力が少なくても観念するようになります。いつも同じ
強さや、時には(感情に任せて)強くするようなことは絶対に
やらないでください。
力を抜いていった結果、とてもシンプルに出来るようになります。
見ている人には「叱っている」なんて見えないくらいです。

「叱る」という大事なコミュニケーションは、早めにしっかり確立
しておきましょう。ご自分が子供だった時のことを思い出してくだ
さい。上手に叱ってくれていたら、と思うことありますよね。


T君の気持ちの波と強気Nなちゃんの関係ですが、理想は、
T君にそれを乗り越えて欲しいと思います。しかし、私の
知る限り、人間の子供が10〜12歳くらいにならないと、犬を
充分にコントロール出来ない(<悪いことをやらせない、という
意味)のが普通です。
今するべきことは、Nちゃんに「噛むことはいけないこと」と
理解してもらうことです。それとT君には、気持ちの波を
小さく、つまりいつも堂々としていられるように、頑張ってもらい
ましょう。


》勝っているのですが、Nから無理やり取り上げたり、取り上げる
》時も後ろ足を掴んだり尻尾を掴んだりしているんですけど、やっぱ
》りよくないでしょうか?Nは、いやだと思いますがTが寝転
》んでいるとやられるのを分かっていて、T の所まで来て捕まってい
》ます。尻尾は良くないですよね。

これを読んだ感想は「NちゃんがT君に勝たせてあげて
いるのでは?」ということ。Nちゃんの方が精神的に上のよう
ですね。
尻尾が嫌ならば、Nちゃんは、噛み付くなどしてそれを表現
するはずです。それがなければ問題ありません。尻尾を持って
引きずっても怒らない犬は、いっぱいいます。


6ヶ月の、大人しいビーグル君の話ですが、先生のおっしゃる通り
の場合もあります。しかし、元々そういう犬であることもあります。
(つまり血統。)また6ヶ月ということだと、上手くしつけが出来た
ことも考えられます。
単純な確率としては、先生のおっしゃったことが一番高いと思い
ますが、Kさんの見え方からすると違う可能性もありますね。
今度会ったら、しつけの方法、日常生活など、色々聞いてみると
いいと思います。そのご家庭では「そんなことは、改めてしつけと
いうほどのことではない」というようなことが、しつけになって
いる場合もあるからです。

しつけって、そういうものですよね。


01.04.12 :Re: RE:Re: 春が来たみたいですね。     Kさん

そうですよね。春は来ているんですよね。
訓練所で「スランプ」とチラッと言われた事が、どこかで引っかかって
いたのかもしれません。

朝のトレーニングでは、「待て」が多かったのですが、「つけ」の課題も
始まったので、それも交えてやっています。途中に「持って来い」を入
れたり(まだ、楽しいモードになってないと成功率は低いです。)布のフ
リスビーで遊んでみたり、Nがやりたいという気持ちになっているかど
うかを意識しながらするようにしています。

とっても良くなってきていると思います。
トレーニング中、私の顔をよく見るようになってきました。おやつを使う
回数を減らしてみても、よくやる事が多くなりました。今は家の前の道
路でする事が多いです。そこでよく出来たら、近くのグラウンド(河川
敷の)へ足を延ばしています。そこではまだまだですが。

「つけ」の課題とは、
「つけ」と言って歩き始めます。2〜3歩、歩いてすぐ「待て」でリード
をチョンと曳きます。それを繰り返します。2〜3回に1回おやつをあげ
ます。「つけ」の間も、「待て」の間も、褒める事を続けます。
始めてやってみた時、「待て」でリードを曳くのが難しくて、止まってい
るのに曳きっぱなしになっていたり、引くタイミングが遅かったりなかな
かうまくいきませんでした。でもそういうテクニック(なんて大袈裟かし
ら)がうまくなると、Nもちゃんといい位置で止まってくれて、「これ
は飼い主次第だわ」と改めて思ったのでした。
今は、「待て」でちゃんと止まるようになってきたので、リードを曳かず
にできるように頑張ってます。

「つけ」の課題が始まってからチェーンカラーを使い始めています。
今までのカラーだとリードを曳いてからNに伝わるまでに時間差がある
ようで、出来ればチェーンカラーを使ってみたらと進められました。しつ
け教室では1回使いました。朝のトレーニングの時も夕方のお散歩でも
使っています。そのほかの時間はいつものカラーです。

これがなかなかいい感じで、お散歩の時の引っ張りが殆どなくなりまし
た。カラーのせいなのか、トレーニングの成果が出ているのか分かりませ
んが、凄いです。においとりもぐーんと減りました。
「引っ張る事が分かっている所では使わないように」「初めはお散歩コー
スの一部分だけチェーンカラーを使ってみて」と言われていましたが、い
つものお散歩コースなら殆ど大丈夫でした。
「のんびりお散歩」気分がちょっと味わえてます。

「待て」で躓いている事をしつけ教室で伝えたら、「待て」のトレーニン
グは簡単な事をちょっとしただけで終わりにして、家でのトレーニングも
遊びを沢山にしてくださいと言われました。ですから前回は「つけ」「待
て」がメインでした。


>ちょっと後退してしまったよですが、そんなものです。一般には
> 「自我の目覚め」というそうです。

そういう時期ってやはりあるのですね。

> 今までの生活の中で苦労して見つけ出してきた、その家族固有の
> (つまり人にも犬にもストレスの少ない)方法を捨ててしまい
> ます。

別に楽しようなんて考えているわけではないのですが、気が抜けてしまっ
たのですね。早めに気付いて良かったです。最近「楽になったねー」って
言葉よく使っていました。

> そうなると犬は、子犬の頃と同じく「自分の世界」に入っていき
> ます。これは、閉じこもるという意味だけではなくて、良し悪しの
> 判断なども、自分でしようとします。つまり、人間の判断を受け
> 入れ難くなります。

今まで一番気をつけなければと思ってきたところですよね。

> これを客観的に見ると、自分勝手な行動・判断に見えるので
> 「自我の目覚め」と呼ばれています。

「反抗期」なんていう人もいますよね。それはワンちゃんに失礼なのか
な。


「おやつを落として退室」は、しつけ教室でも家でもやってません。
先生も、今はそのトレーニングは有効ではないと判断したのだと思いま
す。時々やって見ようかと思っていたのですが、弓削さんの仰るような事
であれば、無理にそこまでもっていかなくていいのですね。


次のしつけ教室では「伏せ」をやってみようかと言われました。
そこで伏せをさせた時に脚の話になりました。
座れの時、Nの脚は、普通のワンちゃんよりも外側に開いているそうで
す。歩いたりする時はおかしくないので病的にではないそうです。
家で「伏せ」をさせると後ろ足をぺタっと後ろに投げ出してしまってなんと
もかっこ悪いです。その場ではその姿勢にならなかったので先生は問題
にはしていませんでしたが、Nはもともと関節が柔らかい(過ぎる)の
かも、後ろ足にもっと筋肉をつけた方がいいと言われました。


声を出さずに伝えるのは、いろんな所で試してみます。
散歩をしていると声が聞こえないような騒がしい道路とかもありますか
ら、そんなところでもコミニュケーションが取れるようにしなければなり
ませんね。


> T君の気持ちの波と強気Nなちゃんの関係ですが、理想は、
> T君にそれを乗り越えて欲しいと思います。しかし、私の
> 知る限り、人間の子供が10〜12歳くらいにならないと、犬を
> 充分にコントロール出来ない(<悪いことをやらせない、という
> 意味)のが普通です。

Tがワンちゃんを扱うには幼すぎるのは本などにも書いてあったの
で意識していました。
夜のトレーニングでも、NはTをなめ始めているというのが分か
ります。Tにばかり突っかかっていきます。ちょっと隙を見せると、すぐ
に跳びかかって手のおやつを取ろうとしたり、手足に歯を立ててきたりし
ます。今日もそうでした。最近それが気になっていたので毎日Tに
「気持ちで負けないように。Nちゃんにそれが悪い事だと分かってもら
うように、一緒に頑張ろう。」と言っていました。
波はあると思いますが、私もフォローして頑張っていこうと思います。
毎日めげずに夜のトレーニングを一生懸命しています。一時期の情けな
い声も出さなくなりました。きっと頑張ってくれると思います。


今、Tは自転車が楽しくて仕方がないようで、学童から帰ると自転車
の練習です。日が延びたのでそんなことも出来るようになりました。
今日も、いつもNを連れて行く河川敷のグラウンドに行くと、ゴールデ
ンレトリバーがボール遊びをしているのと一緒になりました。

ノーリードでした。
Tに気を取られることも無くボール遊びを続けていました。
きっと良く躾られているのだと思います。Tは自転車で走り回る。ワ
ンちゃんはボール遊びを続けている。T とワンちゃんの遊ぶ範囲は重な
っているのに全く動じずです。Tが走る前や後ろをワンちゃんが走っ
ているんです。(Nはいませんでした。)
やっぱりおかしいですよね。
Tが怖がっていればやめたのでしょうか?
その場では初めは跳びつかれないかと心配で注意してみていましたが、安
全なワンちゃんなのだなと思えたらそれが反対にほほえましい光景のよう
に思えてしまいました。でもやっぱりノーリードはいけない。・・・なん
だか分からなくなってしまいました。


Nとの散歩の時、こんな事がありました。
クリーニング屋さんの前を通った時、中から小型犬が出てきて吠えられま
した。私は知らんふりをして(Nは後ろを振り返りながら)歩いていき
ましたが、更に追いかけてきて、吠えられました。こちらが歩き始めると
更に追ってくるので止まってじっとしていたら、そこで飼い主さんが言っ
た言葉が、「こら、だめだよ。ほら気を使ってくれてるじゃないの。やめ
なさい。噛まれるよ」
「はあ〜?」ですよ。噛む勢いだったのは向こう側なのに。
Nはもちろん興奮していましたけど、リードをちょっと引っ張っていた
だけで「待て」と言ったら一生懸命こらえていたんですよ。
「噛みませんよ!」と言えばよかった。とっさにでなくて後になって大後
悔です。とっても悔しい。


> 6ヶ月の、大人しいビーグル君の話ですが、先生のおっしゃる通り・・・・
> 今度会ったら、しつけの方法、日常生活など、色々聞いてみると
> いいと思います。そのご家庭では「そんなことは、改めてしつけと

ほんとに聞いてみたいですが、車で行った公園なのでまた会えるかどうか
は?です。
ビーグル君、たくさん見ます。またお友達を作りたいです。



しつけ教室に通い、幾つかのコマンドや課題をやったKさん。
これらを教えていただく時、タイミングが重要になりますが、
今回のメールを読む限り、Nちゃんの表情とのタイミングが
書かれていないことがひっかかりました。

幾つかの課題がきちんとできないことをお悩みのようですが、
前述のひっかかりに関連して、名前(こちらに注目させること)が
疎かになっているのでは、と心配していました。

さてさて、どうなることか・・・・


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