狂犬病予防法を理解し、そのメモとしてこのサイトを作ってきた。当初から「何故、法律・施行令・施行規則に分かれるのか」疑問でならなかった。全て法律で定めてしまえばいいのに。

狂犬病予防法制定時(昭和25年)には狂犬病予防法施行令はありませんでした。
昭和28年に「地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法令の整理に関する法律 法律第二百十三号(昭二八・八・一五)」が施行され、狂犬病予防法施行令が制定された。

この法律には数多くの法律の改正が含まれている。
それらを読む限り(狂犬病予防法に限らず)これから政令を作ったり、戦前からある法律では「○○で定める」(○○は××大臣、庁、命令、事務など)となっている箇所が「政令で定める」に改められている。
どうも「政令」というものを、この時に、使うようになったようです。

なので、昭和28年の狂犬病予防法の改正内容は「政令で定める」が入るだけの事項が多く、具体的な内容の修正はありません。


施行令というものが、この頃に出来た(使われるようになった?)とおもっていますが、私は法律を学校などで学んでいないので間違っているかもしれません。戦前からあるのかも。
ちなみに、施行規則(省令)が戦前からあることは、家畜伝染病予防法(大正十一年四月八日法律第二十九号 / 大正十二年一月二十日施行)に対し、家畜伝染病予防法施行規則(大正十二年一月十九日農務省令第一号 / 家畜伝染病予防法施行の日より施行)があるので知っていました。



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約二年間かけて昭和25年の狂犬病予防法制定から、昭和28年の改正、昭和29年の改正と読んでみました。法律だけでなく施行令、施行規則も読むことになります。
その結果、なんとなく法律・施行令・施行規則の役割が分かってきました。

理解が進まない理由として、時代の違いがあることに気付くまで時間がかかりました。今生きている私が今の狂犬病予防法を読んでみたら、比較的(感覚的にですが)理解することができました。

とても簡単に言ってしまえば「絶対守らねばならない決まりごとは法律」「法律を守るための事務を行うための基本方針のようなものは施行令」「その事務を行うための現場レベルでの決まりごとは施行規則」こんな感じだと思います。
時代により何がとても大切であるかが違うようです。

実務の多くを都道府県が行う狂犬病予防法に限っていえば、以下のような感じになっていました。
法律
こういうことをやります、このようなルールを作りました。
守らねば、犬を取り上げたり、手続きをしなければ罰金など罰則があります。
施行令
国が都道府県に仕事を任せるにあたって、都道府県はこんなことは必ずしてくださいね、とお願いするようなルール。
施行規則
現場である都道府県が国民との間の作業に関するルール。

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(余談)
マイクロチップが犬鑑札の代わりにしてもいい、とした時に、一所懸命、「狂犬病予防法」の改正部分を探しました。何処にもありませんでした。
この法改正は「動物の愛護及び管理に関する法律」の改正によるものであり「狂犬病予防法」ではなんら改正がありませんでした。
改正があったのは「狂犬病予防法施行規則」でした。(法律・施行令・施行規則の違いを理解していなかったので)それに気付くまで時間がかかった記憶があります。




次ページ以降、以下の二つの視点で「法律・施行令・施行規則」の違いをメモしていきます。

法律・施行令・施行規則 の形式的な違い
 どこにより公布されるのか、交付時の形式、どこまで決めることが出来るかなど

今の狂犬病予防法で、法律・施行令・施行規則の違いをみる
 狂犬病予防法、施行令、施行規則の各々に書いてある登録事務に係る内容をみていきます






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2024.10.152024.10.15
2024.10.15 公開
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