3月16日(水)(その4)

帰ってから久野さんとポコチとピン太にハミを着けてみた。とてもよく効く。一緒に行ったOS君と久野さんはビックリしていた。僕がビックリしたのはその二人がとても上手に手綱を使えることだ。そして与那国馬がハミを受け入れたことだ。
二人は原理を教えただけで大体問題なく使えた。久野さんは何度か使ったことがあると言っていたが、OS君は全くの初めてであった。その彼はハミと言うものに感動していた。後日彼は「口にこんなものと入れるのは可哀想な気がする」とも言っていた。その辺りの気の遣いがあって上手に馬をコントロールできたのかも知れない。

最後にキノコのことを書いておく。朝、荷造り用のガムテープを借りに行ったら、修行の人がお店(ユキさんち)にいた。僕に「キノコやりますか?」みたいな事を言って来た。ユキさんは「外に出て下さい。」と何か不機嫌の様だ。僕らは外のテーブルで少し話した。僕は「絶対にやりたい!」とは思っていなかったので断った。彼が言うには「キノコをやると別の自分、すなわ本当の自分の姿が現れる。初めての人はトリップし始めるとこの状態から戻れなくなるような気がして、精神的に不安定になりやすいので、もしやるのなら私とやりましょう。初めてやる人をうまくコントロール出来ますから。」と言うことらしい。まあ、やるとしたら彼に頼もうか、くらいにしか受け止めなかった。それにこんな話を聞いて少し怖くなってしまったのも断った理由の一つだ。

夕方、久野さんが「晩御飯をどうするかな〜」と言い出した。修行の人がアヒルをつぶして水炊きにする予定だったのだが、朝、久野さんが彼を見てキノコが入っていることがわかり、中止させたと言うのだ。僕が朝、話をした時に彼にしては少し余裕が無いしゃべり方で、少しシドロモドロしているようには感じたが、それがキノコが入っているからだとは知らなかった。(晩御飯はいつものように適当に食べた。)
とにかく僕にとっては今、キノコは必要ない。

夜、OS君の家に帰り、誕生日にPN君にもらったジグゾーパズルをやってみた。と、言うのはOS君の家に引っ越してきたとき、「あのパズルの裏にはメッセージがあるんだよ。」と彼に言われ、パーティーの時のことを思いだし「あぁ、そういえば、そんなこと言っていたけど言われたときは何のことを言っているのかわからなかったな〜」と答えたのが心の中に引っかかっていた。もう帰るまで日がないし「やらなければ!」と思いやり始めた。終わったら一時半を過ぎていた。

注)
この島では、伝統的なウングイというものを使う。これは、繋牧という独特の飼育方法にも関係していると思う。手綱は一本。一般的なハミ・トウラク・手綱に慣れている人間にとっては、とても不思議な馬具である。