3月11日(その2)
祖納の部落から坂道を登って製糖工場を右手に見る頃にはもう歩くのが嫌になった。工場を越えた下り坂の先に見える道路のまぶしさがその嫌気を倍増してくれる。半分やけくそになって歩いていた。もうすぐ坂も下りきろうとした頃、遠くに青いトラックが見えた。久野さんのトラックだ。「あー助かった」と大げさに喜んでしまった。やたらと晴れた暑い日だったので久部良まで歩くのはとにかく嫌だった。
久野さんに拾われたのは県道が比川と別れる三叉路近く、ヨナグニサンのアミのあるところだ。彼は祖納に用事があると言うことでトラックは祖納へと向かった。ちょっと虚しい気がしたが仕方がない。彼が用事を済ましている間にユキさんに電話をして「助かったー」と報告したら「子供みたい」と笑われてしまった。(自分でもその通りと思った。)とにかく久部良まで歩くことは免れた。一件落着である。
夕方はPN君と漁協の前で釣りをした。後からOS君も来た。OS君は先に帰ってしまった。僕はPN君と少し話をした。
昨日の3人と僕と久野さんの話の中で「一つのカレーの二人」が久野さんに「PN君やOS君の気持ちをどう考えているの?」と問いただした時、「それは僕と彼らの関係のことだから口をはさませたくない」と答えたことを彼に伝えたら、「そうそう広場に対しての気持ちが何か半端で去年だいぶ言ったんだけどあの人よくわかっていないみたい。その時、もう一人助っ人がいて、そいつがその辺のことを特によく言っていたんだけど、やっぱり帰ってしまった。」と言う話が返ってきた。「みんな同じように思っているんだな。」と心の中で思った。
釣りの方は6時くらいからやって9時くらいまでやった。僕は7、8匹釣った。と思う。(数えてなかった。)途中猫に魚を食べられてしまったのは悲しかった。

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