キビ狩りもあと少し。
十六日祭も終わり、今年のキビ狩りも終わりに近づいて来た。キビ狩りの合間の休みに島の観光をするつもりだったが、あまり出来なかった。どうすれば良いのか、自分が何を見たいのか良くわかっていないと言うのが正直なところだ。
そんな焦りを感じながら、キビ狩りを続ける。 亜熱帯のこの島で、。
2月26日
お祭りも洗管も終わったので、今日から畑が再開。お弁当屋さんでサーターアンダギー(砂糖天ぷら)と大福をもらった。サーターアンダギーは10時に、大福は3時に食べた。NSさんは大福を食べるときあんこの豆を一つ一つ「ぺっ!ぺっ!」と捨てていた。
NSさんは昨日辺りから、また風邪をひいてしまったらしい。薬を飲むのだが薬のせいで眠くなり余計に調子がでないようだ。夕方、畑から帰ってくるとNSさんは車の中で寝てしまった。よくこれをやるので風邪をひくのだと思う。
ウチに帰ると運動靴が一足盗まれていた。ショックだった。靴自体は以前勤めていた事務所で突然「同業者の集まりのソフトボール大会に出てくれ、人数が足りない。」と言われて事務所のお金で買った安物(確か3,980円)なので諦めがつくが、鍵の掛からないウチに住んでいるので不気味だ。
僕は足が小さく紳士物はサイズがないぐらいだ。そんな小さなサイズの靴を盗むのはきっと中学生ぐらいの子供だろう。この靴は一見すると格好よく防水に見えるのだが、見かけ倒しで全く防水機能はなく、濡れるとすぐにグチャグチャになる。盗んだ本人は期待はずれだったのではないだろうか。
夜、(ユキさんちにて)食事の時、写真週刊誌の記者とカメラマンが来ていた。今日半日お店で寝ていたそうだ。
僕たちが食事をしている時もいて、色々と話をした。今回はコウノトリの取材と言うことで、昨日までは宮崎学さんも一緒だったと言う。僕が「会いたかったなー。どんな人か見たかったなー。」と言うと「あー、昨日着いてくれば良かったのに」で始まり、「子供みたいな人で、動物のことがよくわからない僕に、バッタを見せて、ねーねー、ほら、羽が長いでしょ。凄いよねコレ。なんて同意を求めたりする人。」と話してくれた。彼は幾つぐらいの人か聞くと「40ちょっと過ぎ」と教えてくれた。僕は(だいぶ前から本を出していたりしていたので)もうお爺さんと思いこんでいたので驚いた。(後日、調べてみたら、私の勘違いだった。私が思い込んでいたのは宮崎学さんではなく、彼の先生の田中光常氏だった。)
話をよくしたのは記者の方の人で、小学生の子供が二人がいる。取材ばかりで家にはあまり居ないと思い、「ちゃんとお父さんしていますか?」ときくと「女房も分かっているから。」と答えが返ってきた。
比川にやたらと目立つお屋敷がある。別荘かも知れない。部落の外れの山の中腹にある。そこの主と久野さんは馬の関係で知り合いらしい。
よく喋る記者がこの屋敷を見逃すはずもなく、なんだかんだと聴いてくる。僕は「行って来れば良いじゃないですか」と言うと「行って来ましたよ。」と答えるので、(自分で鎌を掛けておきながら)「えっ、本当に行って来たんですか」と驚いてしまった。すると彼は「だって自分の好奇心を抑えたってしょうがないじゃないですか。体に悪いですよ。私は好奇心の塊のような人間だから。」と説明してくれた。
彼は僕に名刺をくれて「東京に来たら電話して下さい。」と言ってくれたが、下手に喋るとどうなるか分からない。何度か誘導尋問にかかりそうになってしまった。僕がもう少し喋っていたら、彼は滞在期間を延ばしただろう。

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