2月4日(その2)
夕方にAK君(この人が誰かは僕は知らないがOS君は知っていた)のお父さんという人が手伝いに来た。いくらか経って(もう五時になろうとする頃)、たぶん農協の人と思われる人がやって来た。
そして何やら言い合いになってすぐに大声で怒鳴りながら話し始めた。口喧嘩だ。島の言葉で言い合っているので僕には何を話しているのかさっぱり解らなかったが、解った言葉は、「土地」「領収証」「車」「出頭」などである。そんな言葉を何度か怒鳴りあっていた。
その横で僕たちはビニールハウス作りを続けていたが、お互い一通り言いたいことを言い終えたのか。今度は子供の喧嘩のように単に罵声しあっているようだ。そして「恥を知れ」と言う言葉を何度も叫び合っていた。子供の喧嘩とはこの辺が違う。この言葉に僕は驚いた。子供が使う言葉でもないが、真面目に大人が使う言葉でもないと思っていたからだ。「恥」、東京では、どうでもいいような言葉になりつつある。ここでは重要なことのようだ。これもテイゲーの一面なのだろう。
MAのおじさんが休み時間の時に「島の若い者はみんな出ていく。あんた達にこの島をやる。」としきりに言っていた。おじさんの長男は日本人なら誰でも知っているような大企業に勤めていて今は名古屋に住んでいるそうだ。内地の大学へ行ってそのまんま就職したらしい。

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