2月4日(その1)
今日は久野さんのつてでMAさんのビニールハウス作りを手伝うことになった。OS君と一緒だ。日当は七千円とまあまあ。
作り方は、まず外組を土に埋めながら立てて並べ置く。その屋根の部分に横の棒を渡して外組を安定させる。やることは骨組みを組み立てて行くだけで難しくはないが、これが曲がっていたり、留め具が錆びていたりして難儀した。
外組をうまく並べて埋めないと横に渡す棒をはめる時うまくはまらず、棒を無理矢理力で曲げなくてはならない。かなりの力が必要だ。これまた難儀だ。
この島の人は(ナイチャーに話す時だけかも知れないが)「難儀」と言う言葉をよく使う。難しい、面倒、疲れた、大変だ、みんな「難儀」だ。初めのうちはよく解らず「?」となったことがよくあった。
MAさんから、昼を一緒に食べないかと誘われた。「NSさんから休みの日もお弁当が出るので、」と断ると、「弁当なんかよりうまい物を食わしてやるから」と強く誘われ、興味半分でお昼をご馳走になることになった。
その「うまい物」のメニューというと、まず食紅で色づけした赤飯、そしてお新香とみかん、汁物の代わりに「赤いきつね」、それと二、三のおかずがあったような気もするが頭に焼き付いているのはこれだけだ。
島の人にしてみれば、お赤飯がご馳走なのだろう。小豆がとれないこの地方では食紅を使うのは理解できるが、小豆のものが当たり前のナイチャーとしては、素直に「うまい物」とは思えなかった。他に「うまい物」があったのかもしれないが、思い出せない。
MAさんは、島では最も大きな農家の一つらしいが、商店もやっている。農業だけで生活は出来ると思うが、彼に限らずこの島の人はよく働く。町役場の人も農業と商店をやっていたりする。

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