1月21日(2日目) その3
その他に動物のことや島のことを話したが、移住するかどうか悩んでいる僕には久野さんの12年間の思いを聞いただけで、頭はいっぱいになってしまった。
ユキさんちからの帰り際に、お米とカップヌードル等簡単に食べれる物を買った。お米を一合だけ炊いてみた。うまく炊けたようだ。晩御飯はユキさんちで食べてきたので、明日の朝食にすることにした。
ちなみに、ユキさんちの晩御飯のメインディッシュは水餃子であった。あそこへ行けば食べる楽しみを思い出させてくれそうだ。
夜、美奈子へ電話した。昨日と同じようにいくつか物を送るように頼んだ。頼んだ物はレトルトカレー、ふりかけ、海苔の佃煮、ウーロン茶の茶葉である。
そして、久野さんの「情熱」の話をした。とりあえずの二人の結論は、彼ほど与那国馬に対して情熱を持っていない。馬をメインに考えた生活は出来ない。ならば馬を傍らに置いた夢を持ちたい。と、また「絵を描こう」になってしまった。
僕は美奈子と二人で仲良く暮らしていけたらそれでいいと思っている。美奈子もそうだと思う。美奈子は「東京にいて明久が楽な会社で働いて、二人で遊ぶ時間がもっとできればそれもいいな」と言っていたこともある。
二人のだすべき結論はこの島に来るかどうかではなく、仲良く暮らすためには、どんなカタチにするか。与那国はその候補の一つに過ぎない。
久野さんの話や美奈子との話を考えると頭を抱えたくなってしまうが、こちらで生活を始めると「そんなことはどうでもいい」「ここなら気持ちよく生きていけそうだ」「住んでもいいんじゃないか」と、単純に思えてくる。純粋にまっすぐな気持ちで生きていけそうな土地である。

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