(「犬は凶器に」の続き)
だからこそ、
触らせてもらう前に飼い主に一言尋ねるのは、
私にとっては自分の保身の為です。
ただ人の持ち物に無断で触れるわけにはいかない、ということ以上に
「知らない人間が触っても、大丈夫ですか?
噛んだりすることはありませんか?」
と尋ねているつもりです。
断りなしにいきなり触っちゃう…これは、噛まれてもしょうがない。
いや、実際は「しょうがない」では済まないことになるのでしょうが、私はそ
う思っております。
しかし、中には犬に触られるのが大好きな飼い主さんもいらっしゃるようで。
昨日、郵便局に行った時、ダックスフントを連れた中年の女性が窓口で小包を
送る手続きをしていました。
後ろに並んだ私に、犬が興味を持ち、近付いてきましたので、私は(犬に)
「こんにちは。」と言いました。
すると、犬は私の足に前足をかけましたので、私は「おやおや。」と言いました。
飼い主の女性は用事が終わったらしく、やっと振り返り、「ああ、また甘えち
ゃって。この子は女の人が大好きでね。」と、嬉しそうに言いました。
尚もそのままの状態なので、私は半ばしかたなく犬の頭を撫で、
「ほら、おかあさんは用事終わったみたいだから、行きなさいよ。」と言いま
した。
犬が足にひっかかっていると、私が窓口に進めませんから。
しかし、飼い主は犬ごとそこを動かず、「男の子だからねぇ、女の人が好きな
のよ。」と言い続けました。
私は「はい、バイバイ。」と言い続けました。
この犬の場合、全然凶器ではなく可愛いもんでしたが、そして私は犬が好きで
はありますが、それでも誰もがどんな場合でも可愛がってくれて当然、という
飼い主の態度には疑問があります。
まず最初に犬が足をかけた時に「すみません」の一言があってもよかったのに
…と、いささか憮然とした私でした。
犬と人と…いろいろで難しいですね。

|