東北旅行記 1999
 

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●4月28日(5日目)


朝、起きてみると、今日も雨。全8日のうち、半分以上の日が雨だったことになる。我が家はそんなに行いが悪いのだろうか。

お部屋係の人は、人間が食事に行っている間に来てくれた。そしてそれをうーにーは出迎えによって教えてくれる。

今日は山歩きをしようと思ったが、ホテルの人の話だと登山道などはまだ除雪がされていないので、行くことはできないという。どこでもいいから、うーにーを雪の上で遊ばせたいと思い、ホテルよりも山奥にある、乳頭温泉に行ってみた。
幾つかの大きな駐車場があり、遠くから音楽が聞こえる。何処がかけているのか気になるが、今日も霧が濃く30m先も見えないので分からない。(後で聞いた話だが、スキー場が営業していてそこがかけているらしい。)一番奥と思われる駐車場に車を止め、車道を歩いてさらに奥へと進む。
車から降りてすぐに、うーにーはウンコをした。量も多く、硬さもなかなか良い。焼き芋のお陰だろうか。

道路脇にはまだまだ雪が積もっている

車道の両脇には雪が積もっている。そこへ入り込んで、うーにーを遊ばせる。初めのうち、うーにーも大はしゃぎだったが、すぐに飽きたようだ。それでも雪の上で枝を見つけては、嬉しそうにガシガシかじっていた。
所々に沢があり、その周りは雪が解けている。雪が解けているのは、流れに沿ってではなく、所々ポッカリと穴があいている、という感じだ。流れが遅いところには水芭蕉がある所もあった。ゆっくり水芭蕉を見たい気持ちもあったが、こんな日に沢に落ちては大変、と避けて歩くことにした。

帰り道(下り道)、うーにーの後ろ足の調子がおかしい。走ると完全にうさぎ跳びになってしまう。まだ旅行は何日も残っているので心配だ。



清水までの道。結構荒れている

車に戻り、別の場所を探しに行く。鶴の湯という離れたところにある温泉に行くための林道から伸びる遊歩道があるらしいので、そこへ行ってみる。ホテル人の話の通り、最低限の林道以外は雪で埋まっていて、その遊歩道も歩くことはできなかった。折角、ここまで来たのだからと、林道から30mくらい入った所にある清水を見て帰ることにした。
この林道の道端にはタラノメが異様に多い。他の場所でも幾つかは見たが、ここは見ているだけでゲップが出るくらい顔を出している。


まだ時間があるので、どこに行こうかとウロウロしていると雪に埋もれたキャンプ場があった。もちろん閉鎖中である。ここなら沢に落ちることはないと思い、みんなで入っていった。少し歩くと施設の案内図があった。これを見て初めて、ここがとても大きなキャンプ場であることが分かった。
まずは案内図で広場となっているところに行ってみる。広場なんだから危ない所はないだとうと歩いていると、女房が「きゃー!」と奇声を上げながら片足を穴に落としている。「この穴は?」と覗き込むと、雪がテーブルの高さ以上に積もっているのだが、テーブルの天板の下は雪が積もらないものだから、そこが空洞になっている。表面上は分からないが、テーブルの周りを歩くとビンゴ!してしまう。
私は大笑いして「気を付けなくちゃ駄目だよ。」と言いながら妻を引き上げて間もなく、自分も落ちた。そしてうーにーも落ちた。
よーく見ると、雪の模様でテーブルの位置が推測できる。テーブルと思われる所は避けて歩いたが、その後も皆、落ちた。ちなみに一番多く落ちたのは、うーにーである。

こんなに広いと思っていなかったのでオモチャを持ってこなかった。ここならフリスビーもオモチャ探しもできたのに。ただただ歩くだけだが、うーにーは思い出したように走り始めたり、枝をガシガシかじったり。忘れた頃に穴にはまったり。穴に落ちても照れ隠しをするだけで足腰はそれはど問題なさそうだ(うさぎ跳びは相変わらず)。とにかく足やお腹をドロドロにしながら、元気に楽しんでいた。

汚れ具合を確かめようと、うーにーの足をよく見ると、指と指の間に雪の固まりが着いていた。これが原因で左後ろ脚の動きが悪かったのかも? とりあえず取ってあげたら普通に戻った。動きのことはメデタシであるが、雪の固まりを着けながら素足で歩くなんて、大した足である。シモヤケにならないのかな。

ドロドロのうーにーと共に車に戻る。時計はまだ11時。雨はかろうじてやんでくれているが、移動すると、すぐに降ってくるので何処へ行こうか悩んでしまう。
それにしてもこの雪深い地面に鉛のような重い雲、そして低い気温。人間は不愉快であるが、うーにーは快適のようだ。もし雨や雪が降っていても全く気にしないだろう。うーにーにとっては、決して悪天候ではないようだ。

行き先は田沢湖にした。少しだけ湖で遊ばせて、汚れを落とそうという計画だ。キャンプ場から田沢湖までの間、霧が濃くて前が見えなかったり、雨が降っていたりしていたが、着いてしまえば、ドンヨリの雲とパラパラの雨程度。遊ぶには充分だ。



水底のものまで拾い食いするのか?

湖畔に出ると、遠くで激しく水しぶきが上がっている。それが気になり確かめに行くことにした。そこまでの距離は500m位だが、途中、砂の所、こぶし大の石がゴロゴロしている所、丈の低い(人間の足首くらい)植物が生えている沼地のようなところ、などの所があった。沼地のような所では、すすんで水に入り、マズルまで水に入れて何かを確かめていたようだ。私にはとても理解できないが、とにかく楽しそうだ。

鳥に逃げられ、戻ってきた

突然、間近から鳥が一羽飛び立った。うーにーは一瞬何が起こったか分からず、呆気に取られ「鳥だ」と分かってから追いかけ始めた。鳥は既に飛んでいるので、追いつくことはなく早々に諦める。うーにーはごくたまに動物を追いかけるが、捕まる動物は見たことはない。(弱った昆虫は捕まえたことがある。気持ちが悪いからか、すぐに出す。虫がいつも無傷であることには感心する。)

水しぶきの前で

水しぶきの所に着いてみると、川から流れ込む水のしぶきだった。遠くから見ると温泉でも噴き出しているかの様に見えたが、ここ数日の雨で川から凄い量の水が流れ込んでいるだけだった。なかなかの迫力だったので、その前で一枚写真を撮ってきた。

目的は達成できたので車へと戻ることにした。いつまた雨が強く降り始めるかわからないからだ。車に戻る前に、うーにーを湖に入れようと人間二人で話し合っていたら、結論を出す前に、目を盗むように「何にも言われないから、入っていいんだよね〜」と、こちらを伺いながらも水辺に向かううーにーの姿があった。これを呼び戻すと「勝手に入ろうなんて考えていませんよ。」といい子ぶるように、きちんとこちらに戻ってくる。しかしその目は「入っていいよ、って言ってよー」と訴えている。

耳で空を飛ぶ勢いではしゃぐ

面白がって、わざと見て見ぬふりをすると、何度でも水辺に行って、こちらを伺い、こちらに呼び戻された。これを何度かやった後、湖に入ることを許してあげたら、じらされた分、うーにーは大はしゃぎで湖で遊んだ。そんなうーにーを見ていると、家で毎日昼寝をさせているのが何か申し訳ないような気がしてきた。

帰ろうかと人間が話をしていたら、雨が強くなってきた。100mくらい離れた所に東屋を見つけたので、そこでうーにーを少し拭き、車に戻ることにした。
目的の東屋は、湖畔から少し高い所にある。1mくらいの段差の上にあるのだが、登る階段が見つからない。比較的低い(といっても80cmくらい)のコンクリートの段差を見つけて、人間は登ってしまった。うーにーはうーにーなりに考えて、回り込んででも登るだろうと思ったら、なんと、コンクリートに爪をガジガジ引っ掛けながら登ってしまった。ちょっと心配していた左後脚は全然大丈夫のようだ。
予定通り、東屋でうーにーの体を拭き、車へと戻った。車に乗せようとした時、ダニを発見。まだ食いついていなかったので、ほっとした。この旅行で初めてだ。




少し早いがホテルへと戻る。まだ3時前だったので、ルームサービスの人が作業をしていて少し待たされた。そんな時間だったが、うーにーの汚れを考えると、これくらいにの時間は必要だ。

部屋に入って、まずうーにーの体を拭く。目の上にまたダニを発見。こいつはもう食い付いている。出発前にフロントラインをしてきたのに、、、。念のために持って来たスプレータイプのものをダニに吹きかけたら、死んだようではあるが食い付いたままだった。

このコテージには洗濯機がある。ユニット・バスは乾燥室にもなる。うーにーの脚やお腹の汚れをユニット・バスで流し、タオルで拭いて、そのタオルは洗濯機で洗い、ユニット・バスで乾燥させるということが出来て便利だ。

うーにーの汚れを落として、すこし休んでいると、もう食事の時間だ。今晩も本館で炉辺焼き。
晩御飯の時に、子供が食堂をウロウロ走っていた。何故かすぐに厨房に入って行く。たまりかねた配膳の人が抱き上げ「いくつ〜」と聞くと「2才」と答えていた。ここにうーにーがいたら、あの子よりも御行儀が良かっただろう。善いも悪いも、犬があんなことやったら許されることではない。そう考えると、やはり成犬の知能は3才くらいなのだろうか。(うーにーも名前と歳くらい、しゃべってくれればいいのに、。)


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