東北旅行記 1999
 

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●4月27日(4日目)

朝、うーにーの簡単な散歩をしていた時、布団上げ担当の人がやってきた。やって来たといっても、隣のコテージの布団を上げに来たのだ。私はてっきり女性だと思っていたらオジサンだった。
隣の部屋の布団上げが終わった後、テラスで休んでいる私達を見つけ、「差し支えなければ、上げましょうか?」と声をかけてきた。うーにーが一人で留守番中に来られるとちょっと不安があるので、お願いした。昨日、布団を敷いてくれたのもこの人だと分かり、うーにーがどうしていたか聞いてみた。

犬連れのお客さんの場合、フロントから「犬がいる」ということを教えてもらえるが、どうゆう状態(ケージに入っているか、など)で、どういう対応をする犬なのか(吠えたり、噛み付いたりしないのか、など)は全く分からないので、正直なところちょっと恐いという。
昨日は部屋に入ると、うーにーがオモチャを持って出迎えたそうだ。そして作業の間、ず〜っと和室の入口に座り作業を見ていたそうだ。(和室は当然畳みなので、勝手には入らないようにさせている。)この人の話によると、この種類の犬(ゴールデン)にはよく吠えられるそうですが、うーにーは全く吠えなかったという。そして「帰る時には鳴いてくれた。」そうです。
こんなことも言って下さいました。「こんなに大人しいと何処へでも連れて行けますね。」現場の人にこう言われることはど、嬉しいものはありません。

うーにーに朝食を食べさせて、私達の朝食のため本館へ。朝食は東北らしいご飯中心のメニュー(漬物や塩辛など)なので、ついついオカワリしてしまう。おかずも美味しいが、ご飯も美味しいのでなお更だ。ちなみにオカワリは自由なので、大食漢の方にはお勧めです。

部屋に戻ると、うーにーはいつも通り、私達が出て行く時に寝ていたマットの上に寝ていた。出迎えてくれることはなかった。(これがうーにーの普通。)


今日は小岩井農場に行き、その後近くの温泉地でも歩こうと思った。雨は、どうにかあがっているという感じ。
車を走らせ始めてから「時間もあるし、角館の桜を見に行こうか、」と話し始めたら雨が降り始めた。昨日はうーにーを車に留守番させて、観光地を見る計画を立てたが、今日はうーにーも一緒に土手を歩こうという計画だ。
今までのことを考えると、うーにーが天気をコントロールしているようなので、うーにーに「車で留守番させないよ、一緒に土手を歩こう。」と説得し始めると雨はどんどん小降りになっていく。駐車場に車を止めた時は、ちょっと雨が落ちてくる程度だった。車から降りて3人で歩き始めると雨がやんだ。やはりうーにーが雨を降らせているのだろうか。

胸グショグショに気がついた直後

土手に着くと焼き芋やさんが出ていた。この焼き芋やさん、試食が出来るという珍しいお芋やさん。まだ時間も早く、他に人も少なかったのでどんどん試食させていただいた。もちろん、うーにーもだ。ここのお芋はとっても甘くしっとりしている。不思議なくらいだ。
よく話を聞いてみると、いつもは東京で店を出しているそうだ。今日は巡業。東京では渋谷や広尾辺りで営業しているという。その辺りで、プリクラ好きで字の上手な焼き芋やさんが出ていたら、きっとこの人です。甘い焼き芋がお好きな方は一度ためてみることをお勧めします。

試食だけでは失礼なので、焼き芋を買って川辺に下りた。うーにーに見せびらかせて芸をやらせると、なんでもやってくれる。面白がって色々とやらせた。それに(人間が)飽きたら、私と女房が3mくらい離れたところに向かい合わせに座り、焼き芋をエサにうーにーを呼んでみる。面白いようにあっちへこっちへ行ってはお行儀よく座り、焼き芋をもらうために芸をしたり、待たされたり。
これにも(人間が)飽きて歩き始めた時、うーにーの胸の毛がヨダレでグショグショになっていることに気が付いた。

芋を持っているので、人間によく注目する

そんなうーにーを連れて、奇麗な桜のトンネルを1Kmくらい歩いた。人出も少しづつ増えてきた。ちょっと歩きづらくなってきたので、来た道を戻ることにした。
うーにーを連れていると「大きい犬だー。」と言われることはよくあるが、東京ではそれほど怖がられることはない。しかし、こちらでは(全ての人がそうではないが、)とても恐がる人がいる。中年以上の男性に多いようだ。自分が連れている犬が恐がられるのは気持ちのいいものではないが、どんな犬であるか分からないのなら、恐がるのは正しいことだと思う。
角館の桜は有名らしい。(ここに来るまで知らなかった。)そんな場所なのでカメラやビデオを持っている人が多い。そういう人達の中に、いきなりカメラを向けて私達(特にうーにー)を撮っては去って行く人がいる。一言くらいあってもいいようなものだが、とにかくやられた方は気分が悪い。そんなことが数回あった。

焼き芋やさんまで戻ると、うーにーはいてもたってもいられなくなった。単純な奴だ。焼き芋やさんの周りに人がいなかったので、あと10mくらいの所でリードを持っている手を放した。うーにーは焼き芋やさん目掛けて走って行った。焼き芋やさんも待っていてくれたようで、うーにー用の芋を用意してくれていた。しかし、焼き芋やさんは私達の方を見て、うーにーに芋をあげようとしない。そこで私達が芋をあげてもいいですよ、と伝えると、初めて芋を与えた。(こういう対応は嬉しい。)
うーにーは大喜び。この時もらった芋の総量は大きな焼き芋半分くらい。今日食べた焼き芋の総量は、いつもの1ヶ月分くらいに相当しそうだ。(うーにーのオヤツの多くは焼き芋。)うーにー大喜び。飼い主、ちょっと不安、、。そしてさらに焼き芋を買って、次の場所へと移動だ。


車に戻り、小岩井農場へと向かう。少し走ると、また雨が降ってきた。まるでうーにーが降らせているかのようだ。
もし、うーにーと話が出来たら、こんな感じかも知れない。


人:なんでこんな天気にするの?
う:晴れると暑いから。
人:こんな天気だと、外で遊ぶこともできないよ。
う:私は全然平気よ。私達ゴールデンの発祥の地ではいつもこんな天気らしいわ。これくらいが調子がいいの。
人:確かに雨や水の中で楽しそうに遊んでいるね。その後、お前を洗うのが大変なんだぞ。
う:そんなこと知らないわ。洗われるのだって好きじゃないし。とにかくこんな天気が好きなのよ。



国道の長いトンネルを抜けると雨は小降りになり、現地に着くと雨はやんでいた。空は晴れ、風がないと暑いくらいだ。ちなみに風はとても冷たい。うーにーが「そんなに晴れているのがいいのなら、こんな感じは如何?」といっているような天気だ。

一口に小岩井農場と言っても広く、幾つもの施設がある。特に目的を持って来たわけでもなく、近くまで来て「何処に行こうか」と会議を開く。うーにーは「私には関係ないわ、」と言いたいのか、すねたように丸くなって寝ている。
「とりあえず、大きな駐車場に車を入れよう。」ということになった。大きな駐車場に車をとめると「シープ&ドッグショーが始まります。」という放送が聞こえてきた。駐車場の近くに大きなゲートがあり、その横には発券所がある。迷うことなく、犬を連れての入場がOKか確かめて、券を買い、入場。
そしてショーの会場へ行くと、犬は入場できないとのこと。外からでも見えるので、会場の外で見させてもらうことにした。

ショーのお兄さんに続いて、1頭のボーダーコリーが出てきた。するとその犬は50mくらい離れた場所にいるうーにーのことを凝視している。ショーのお兄さんも何事かと思い、その視線の先を確かめると、そこにはうーにーが。
「あっちにワンちゃんがいて気になるみたいですねー。」なんてアナウンスしていたが、うーにーの体型とモコモコの毛を見て「ムム、柵から1頭小さな羊が出ている。きっとあれを連れて来いと命令が下るのだな。」と考えているのでは、と私は思った。

ボーダー君はうーにーに向かって来ることなくショーは進められた。ショーの内容は羊の大群を集めて誘導することと、三頭の羊を使った競技の一部を披露してくれるというものだった。ボーダーコリーの静と動の切り替え、正確なターンなど、うーにーにはないものばかりだ。これらを一言で表現すれば「作業への集中力」ということだが、確かにうーにーにはそれがない。動きがキビキビしているだけでなく、1mくらいの柵を軽く飛び越えたり、30cmもないような柵の下をくぐったりと単純に性能的にも凄いものがある。これを見ていて「街中で飼うのは大変だろうな、」なんてことを考えた。

この会場以外にもペット入場不可の個所が多いので、牛乳を飲んで、アイスクリームを食べて退場することにした。このまま車に戻るのもつまらないので、駐車場の周りをブラブラしていると、小道を見つけた。その先には大きな駐車場があった。私達が車をとめた駐車場が満車の時に使うようだが、今日は誰も使っていない。車もいなければ人もいない。ただの広い空き地だ。
地面は小さ目ながら角は立っている砂利だ。裸足でここに立てと言われれば断りたくなるような所だ。人間は嫌でもうーにーはきっと大丈夫だろうと少し遊ばせることにした。うーにーは、この旅行ではまだほとんど遊んでいない。遊ばせるのには絶好の機会だ。何をさせたかというとフリスビー。今日は風があるので5,6回失敗したが、ショーの間、そして牛乳・アイスクリームの間、と、待たされ続けたうーにーは元気爆発だ。投げる方向を調節してやっと取れた時には息が切れていた。取れたご褒美はもちろん焼き芋。
うーにーの運動もできたし、今日はもう宿に帰るとしうよう。(この時、午後3時)

帰り道、宿に近づくに連れて、雨が強くなってくる。もしかして、うーにー様が小岩井農場だけを晴れさせていたのだろうか。

宿に着いたら、まずうーにーの汚れを落とした。タオルで拭いたがとても汚い。こういう時、滞在型のコテージは何かと設備があって便利である。また、ここは部屋も広いので、汚れたうーにーを寝かせ、その周りにタオルやブラシなどを広げても困ることもない。
外が暗くなった頃、うーにーの耳の中が異様に汚いのに気が付いた。少しただれていた。昨日くらいから耳を地面に擦り付けるようなことをしていたのだが、これが原因だったようだ。耳の薬も持ってきているので、これをつけてあげて様子をみることにした。

そして人間の晩御飯。うーにーは一人で留守番。その間、今日も布団敷きの人がやってきた。それをうーにーが出迎えることにより知る。何故そうするかは分からないが、とにかくうーにーはそうするべきだと考えているらしい。


今夜も雨。天気予報では降らないといっていたのに、、、。明日はどうなることやら。



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