舌なめずり

東北旅行記 1999
 

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●4月25日(2日目)

人間の布団に入って来ることを心配した前夜から明けてみると、うーにーはちゃんと自分のマットの上で寝ていた。疲れて夜中に動き回る元気もなかったのかもしれない。旅行一夜目は上々のスタートだ。

朝食もうーにー同伴。昨日のことがあったので、あらかじめテーブルの下にマットを置いてみた。すると当然のようにその上に横になった。気が抜けるほどいい子で驚いてしまう。
ちなみに、ここのペンションの食事は和風。メニューは奇抜なものはなく家庭料理といった感じだが、味の基本を押さえていてとても美味しかった。


さて今日も雨。雨の中、何処へ行こうか、と妻と最終の話し合い。昨日の段階では太平洋側へ出て美味しい魚でも食べようか、という案がでていた。どうせ雨なので、うーにーには昨日のように車でお留守番してもらい、人間が楽しもう、という考えだ。しかし、天気予報を見ると太平洋側には大雨警報がでている。仕方なくこの案は断念。太平洋側が駄目なら、もしかしたら雨がやんでいるかもしれない山形方面へ。そのまま今日の宿泊地の鬼首へと向かへばいいだろう、ということになった。




山を越えて山形に入ると、空も明るく雨の降りも弱かった。時間が経てば雨がやむかも、と期待できるくらいだ。とにかく車を鬼首方向である北へ向けて走らせる。
とりあえず何処かで人間が食事をして時間を稼ぎ、その間に雨があがることを期待した。しかし、街中の街道沿いにもかかわらず、車で入れそうな店がほとんどない。ラーメン屋さんやお蕎麦屋さんを1,2件見かけたが「折角の旅行なんだから東京でも入れそうな店はパスしよう。」なんて贅沢を言い見送った。そんなことを言っていたら、もう街中とは呼べないような所まで来てしまった。この辺りだとお店と呼ばれるものが少ない。あとは小さな町を抜けて、その先にある峠一つこえれば目的地という所まで来てしまった。結局、昼食はとれず。雨足は強まる一方。
うーにーは朝から車に乗りっぱなしで、今朝オシッコはしたものの、ウンコは出発の朝したきりだ。もう24時間以上経っている。これが気がかりだったが、ウンコの時間だけでも外に出ていたらずぶ濡れになってしまう。(<これが理由で昨日も出来なかった。)困った。

人里を離れ、峠へ向かう細い道に入っていった。そんな道を1Kmくらい走ったところにゲートがあった。ゲートは閉まっている。大雨で閉めたかと思いきや「冬季閉鎖」の文字。今は4月の末近く。これは何かの間違いだろう、きっと風でゲートが勝手に動いてしまったのだろう、と思いゲートに近づいて確認すると、ちゃんと大きな南京錠がかかっている。カーナビの目的地への距離は10Kmを切っているのに、、、。仕方なく今来た道を戻り、山を大きく回り込むように行くしかない。この道をカーナビ君に指定すると、目的地までの距離は50Kmくらいになってしまった。しかし時間を見ればまだ午後1時過ぎ。他に行く所もないのでのんびり行くことにしよう。

道を戻っていくと雨は弱くなっていく。人家が増えてき始めた頃、道の脇に小さな林があるのを見つけそこでうーにーの排便を試みることにした。妻がうーにーを連れて林の中に小走りで入っていく。するとうーにーは自分のすべきことが分かっているかのように、すぐにしゃがみこみウンコを始めた。車に残った私は一安心し、それを眺めていた。そして「そろそろ終わるかな、」という頃、うーにーを迎えに行った。排便終了後、すぐに車に戻ってもらおうと思ったからだ。(妻がウンコを取っている間も雨に濡れては、後で困ることになる。)私が二人の所に到着しても、うーにーはまだ踏ん張っている。結局いつもの3倍以上の時間がかかった。とにくかく終わるまで私達はじっと待っていた。そしてやっとうーにーの腰が上がると、予想通りそこにはこんもりと大量のものが、。きっと我慢していたのだろう。


みんなで車に戻って、再出発。一度南に進み、そこから東に進み始めると雨がまた強くなってきた。そんな中、人間の昼食が食べられるお店を探す。相変わらず、お店自体見つからない。やっと見つかったと思ったら、日曜日のせいか休みの店ばかり。入り組んだ細い道ばかりの温泉地にも入って行ったがどこも閉まっていた。今日も車に乗っているだけなので(絶えられないほどの空腹感もないので)、諦めようかなと思い始めた頃のことである。
山の中の広い道を走っていると、ドライブインのような店構えの建物が見える。看板をみると「○○○牧場」。牧場?、と思ったが食事が出来るみたいなので、のぞいてみることにした。
雨が強い中、車にうーにーを待たせ、駐車場から建物まで走ると、その中には20人程のお客さんがいた。強雨の中、人気のない道を走ってきたので、目の前にこれだけの人がいるのが不思議に思える。
メニューは色々な定食とラーメンが数種。ラーメンのメニューの中に興味を引くものがあったので、それを注文した。(ラーメンなんて東京で食べられるといっておいて結局ラーメンを食べる自分であった、、、。)出てきたものは、麺の上に豚肉がのり、麺とは別にキムチが付いてるもの。これがなかなか美味しくて、ラーメンを馬鹿にしていたことを反省。




うーにーの排泄も、人間達の昼食も済んだので、後はのんびり宿を目指すだけ。のんびり走ったつもりだが、3時頃には宿に着いてしまった。この宿はちょっと入口が狭い。今回の旅行は荷物が多いので、それを運び込むのと、濡れてしまったうーにーを拭くのには狭く感じた。
私達を出迎えてくれたのは、奥さんとここの犬(ピレの男の子)。うーにーは彼の大きさに腰が引けていた。このピレ君、なかなか紳士的な犬で腰が引けたうーにーのことを気遣ってくれて、どうにか挨拶が出来た。

写真を撮ろうとすると、
何故かオスワリをする

宿に着いてしまうとやることがない。私とうーにーは昼寝。女房はお風呂。そんな感じで時間をつぶす。
6時半、夕食。今日も他にお客さんがいないので、うーにーの同伴が許された。今日もテーブルの下でいい子のうーにーである。(<親ばかモード)
夕食のメインはステーキ。なんと280g。量は別にして味の方だが、なんとも美味しい、食べやすい。日本人向けのステーキだ。当然残さず食べたが、今迄280gという量のステーキなんて食べたことがない。食べ終わってからも「ホントにそんなにあるのかな。」と思うくらい軽く食べられるステーキだ。
秘密は、肉がいいことと炭火焼であることだとオーナーさんはいうが、それだけではないと思い、秘密を聞き出そうとしたら「毎日のようにステーキ焼いていますから。」と謙遜。以前、ステーキやさんに勤めていたかと思ったら「このペンションをやるまではサラリーマンをしていました、」とのこと。オーナーさんはきっと前向きで勤勉な性格なのだと思った。

そんなオーナーさんに犬連れOKにしていることについて聞いてみたくなった。
というのは、このペンションは犬連れOKであることをあまり宣伝していないのだ。最近、経営戦略の一つ(集客目的)として犬連れOKにしていると思われる宿泊施設が多い中、珍しい。オーナーさんの考えはこうであった。「犬を連れてくる方は、それぞれ考えを持っている。それが違う方同士が一緒になることは、いいものではない。予約も犬連れを1組入れたら、その時は(空室があっても)他に犬連れの方は入れないようにしている。」私達もそのような経験をしてきているだけにとても納得。

で、でかい、、、


そんな話をしながら食事が進んでいく。テーブルの下のうーにーはオーナーさんがお皿を運んでくる時に、ちょっと顔を出す程度で、「いい子ですね。」と誉められる。こちらの一家も犬連れで旅行をするとのことですが、この子をテーブルの下に入れたことはないという。何故なら入らないから。入ったとしても、もしお皿を運んで来た人に挨拶をしようとしたら、テーブルごと動いてしまうでしょう。ちなみにここのピレ君の体重は70Kg。ちなみにうーにーの体重は27Kg。

食後のワインを飲んでいると、ペンションの方々の姿が消えた。たぶん、自分達の食事をしているのだろう。食堂に誰もいなくなったことをいいことに、うーにーにワインを少し舐めさせた。(<真似しないように!)


ワインのおこぼれをもらう、うーにー。
この直後の写真がタイトル横の写真

くれぐれも真似しないように!

部屋に戻って、ドッテンと寝てしまった、酔っ払いのうーにー

部屋に帰ると、うーにーは水をがぶ飲みし、酔っ払ってマットをホリホリし(<うーにーの場合、余程のことがないとやらない行動)、ドッテンと寝てしまった。これだけ水を飲んで朝までオシッコを我慢できるか心配だったので、少し寝かした後に、オシッコに連れて行くことにした。




9時過ぎ、うーにーを起こし、オシッコのため玄関へと向かう。玄関近くのリビング入口にピレ君がいた。落ち着いた感じのピレ君に対し、うーにーは恐々という感じ。うーにーは自分より大きな犬が苦手だ。ピレ君は貫禄の体をゆっくりと動かす。彼とは到着した時に挨拶をしているので、逃げ出すことはないが「なんだか嫌だな〜」という感じ。ピレ君はというと、動きは落ち着いているが、息遣いや顔の表情から動揺していることが分かる。それでもうーにーへの心配りを忘れず、少々の挨拶の後、うーにーの前を横切り、背中を向けてドッテンと横になった。

顔がひきつるうーにー

女房は面白がって、うーにーをピレ君の横に伏せさせて写真を撮った。うーにーが横に来た彼は興味があるようだが「なんだか嫌われちゃったみたいだな〜。ちょっと距離をとった方がいいんだろうな〜。」という感じで立ち上がり、少し距離をとって横たわり直した。
その後、うーにーはオシッコ済ませ、またピレ君のいるリビングへと戻る。女房はリビングに置いてある漫画を読みふけり、うーにーはその横で寝ていた。ピレ君は先ほどと同じように少し距離をとり、横たわる。

リビングから戻り、後は寝るだけ、、、、と思ったら、うーにーがまた水をがぶ飲み。朝までもつか心配だが、本人は「もう寝る時間ね。」という感じで早々と寝てしまった。今日は洋間(ベッド)なので、うーにーが寝具に乗ってしまう心配はないが、オシッコの合図を人間が見逃しはしないかと心配だ。

とにかく雨の2日目も終わりである。


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