軽井沢旅行記 1997

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●9月17日

3日目。今日も雨。途方に暮れる。

昨日、喫茶店での犬の長話の中で「犬を泳がすのならあそこがいい」と幾つかの池や湖の名前を聞いた。その中で水がとてもきれいと評判の野反湖なる湖を見に行くことにした。かなり遠くのようだがどうせ雨。雨のドライブを決め込もう。天気予報では午後から雨は上がるということなので、着く頃には雨が上がり軽い散歩くらいできるだろうという計算だ。

車で走ってみるとやはり遠い。幾つかの街を過ぎて山へと入っていった。湖はこの山の上にある。山道に入るとクネクネ道が続く。うーにーもさぞかし気分が悪いだろう。山道を登るにつれ、雨と霧がひどくなってきた。人間の方も気分が悪くなりそうだ。看板を見る限り、もう湖に着いているはずなのに湖が見えない。霧がすごいのだ。仕方なくどんどん進む。これ以上進めないというところまできて、やっと湖を拝むことができた。時間はちょうど正午。空はどんより雲の色、遠くは白い霧。雨はやみそうにない。
標高が高いためか寒い。(湖畔には「水温が低いので泳がないこと」と注意を促す看板が立っていた。)ここまで来たのに何かしないと腹立たしく思えてきた。とりあえず車を止める。入山者やキャンプを行う人達が、車を止める所のようだが、今は工事中でここに止まっている車は工事の車だけ。私達はその車の中の一台の隣に車を止めた。隣の車の中では工事のおじさん達がお弁当を食べている。工事現場の中によそ者が迷い込んだような状態だ。
そんな状況の中ふと気がついた。うーにーは朝のウンコをしていない。工事のオジサン達が食事中だったのでちょっと気が引けたし、家内は私を制止しようとしたが、どうにもうーにーにウンコをさせたくなった。それを分かってくれたのか、うーにーは車から降ろすとすぐにしてくれた。私はかすかな満足感。うーにーはどうでもいいような顔をして湖に下りて行きたがった。雨は本格的に降っている。ここでずぶ濡れになって狭い軽自動車の中に収まるわけもいかず、うーにーに諦めてもらった。犬というものは雨をどのように感じているのだろうか。ちょっと疑問に思った。

犬に限らず動物は雨をどう感じているのだろうか。
湖も間近な山道で「猿に餌をやらないで下さい。」という看板をしつこいくらい見た。その看板に飽きた頃、一頭の猿が道端で無気力に私達の車を目で追っていた。冷たい雨の中でである。映画なら絶望の底にいる主人公のようだ。「これだけ看板があるのに餌をあげちゃう人がいるのかな〜」なんて話しながら彼を見送った。
帰り道、きつめのコーナーをゆっくり曲がると、一台の高級車が道の真ん中で停まっていた。驚いてブレーキを踏むと相手も私達に気づき、すぐに車を走らせた。車の陰から見えたものは散乱しているスナック菓子と先程見たと思われる猿。「やっぱり、餌あげちゃう人っているんだね〜。日本人って、餌あげるの好きだもんね〜。」なんて話しをして再び彼を見送った。

くねくねした山の一本道を下り、その先もひたすら来た道を引き返し、と思ったが迷ってしまった。雨はやまず車の中はなんだかよどんだ雰囲気。どうにか見たことのある場所に出てきたのは午後2時。昼食を食べようと道沿いの店を覗くのだが、みな「本日休業」「準備中」。結局、いつもの喫茶店へ行くことになった。(なんだかヤケクソ気味)

湖畔の駐車場に着く頃には雨はやんでいた。駐車場では一昨日の晩、室内運動会をしていた家族の車を発見。喫茶店まで歩く途中、昨日のシェパードを連れた女の子を発見。みなさん、ここに来てしまうようだ。
朝、ペンションを出てからここに着くまで100kmくらい走っている。「もしや、ここには雨が降っていなかったのでは?」と変なことを考え、お店に着くなりお兄さんに「雨はいつ頃やみましたか?」ときいてみた。「少し前ですよ。」との答えに、思わず「良かった。」と意味不明な言葉を発し、その後のフォローに一苦労。

とりあえず食事を、ということで喫茶店へ。そこで運動会一家と再開。一家は雨がやむのを待っていたようで、雨がやんでいることを告げると程なく外に出ていった。
食事を済ませお土産やさんの方へ行くと、今日は暇なようだ。平日だから当然のような気もする。(でも昨日の旧軽は、、?)私達夫婦とうーにー、そしてお兄さんとでフリスビーで遊ぶことにした。しかし、うーにーはすぐに飽きてしまい、人間のフリスビーの練習をすることにした。そうすると時々うーにーは乱入してフリスビーをくわえて走る。それは参加しているというよりは「もう終わりにしようよ。」と言いたいみたいだった。雨上がりの芝生でうーにーがクレージーになり始めると始末が悪いので、(芝生の中には水溜まりあり。)適当にフリスビーは終わりにした。
また喫茶店に戻り、うーにーの芸の披露となった。お客さんはお店の方々。芸といっても大した芸はもっていないが、うーにーの場合、オヤツさえ持っていれば、誰が指示をだしてもやるところがウケる。一家全員に色々な芸を披露したうーにーは頭の中がオーバーヒートしたようでボーっとしてしまった。普段の日は昼間はずーっとひたすら寝ているだけの生活なので当然といえば当然だろう。人間で言えば、知恵熱が出るくらいのことを徹夜でやり続けたようなものかも知れない。うーにーご苦労様。

ペンションに帰り、一休みするとすぐに食事の時間。今日もうーにーはケージで食事をとり、そのあとゆっくり一休み。人間はその間ゆっくり食事。今晩は、私達夫婦とシェパード連れの女性だけ。
毎日通っている喫茶店やこのペンションが紹介されている本が最近出版された。その本の話しから犬連れ旅行の話しになった。この本は犬連れ旅行の体験記のような(>それだけではない、という意味)内容で、実に多くの体験談から、犬、人ともにどう行動するべきか考えさせられる本である。
その本の中に食事中に犬を同伴させ、騒ぎが起きたことが幾つか書かれている。私の感覚では「とんでもない!」だが、そう思わない人もいるようだ。本の話しはさておき、このペンションは「食事に同伴させない」(食堂に犬は立入禁止)が原則である。来させてしまうと一頭でも騒ぐ犬がいると、全体が大騒ぎになるのでお部屋で待っていてもらうことにしている、ということです。

食事時に同伴OKの経験は何度かあるが、やってみると落ち着いて食事ができない。うーにーはそこまで落ち着いていられないのだ。それを見張りながらでは食事を味わうことなどできないのだ。
犬も食事の時間があるのだから時間を一緒にした方が良いし、食事の前後の時間を慣れない食堂で過ごすよりもいつものケージの中でゆっくり過ごす方が落ち着いていられると思う。
「同伴させない」ことで旅行全体が落ち着けるというのが私の結論。また、むやみに他の犬と接触させることは何かと問題もあるので気が引ける。

しかし、全ての人達が私と同じ考えでないことは知っています。この旅行中も「あっちのペンションは同伴OKで食事中も犬と楽しく過ごせる。」という話しを聞きました。話しを聞く限り、そういう人の方が多いようですが、私は「のんびり」が好きです。だからこのペンションがお気に入り。

このペンションでは食事時、犬は部屋でお留守番をすることになるわけですが、その時どうしても鳴き続けてしまう犬がいるという。オーナーさんは、そんな時どうすれば犬が静かになるか、今までの経験から大体分かるようになったという。実際、オーナーさんのちょっとしたアドバイスで静かになることが多いということだ。オーナーさんは犬を飼っていない。犬のこと全体について良く知っているわけではない。「お客さんが少しでも不愉快にならないように、」と常に心がけているオーナーさんの努力の賜物のようだ。

最近、犬の行動に関する本をよく見掛ける。しかし、それらを読んで自分の犬との関係が飛躍的に向上し、問題行動を解消できたという話しはほとんど聞かない。このオーナーさんは本などで勉強したことはないという。それでもお留守番の犬を静かにすることができる。犬と人との関係について考えてしまうお話でした。
そんな話しから犬、猫の「飼い主」の話しをしていたら、一時間半がすぐに過ぎてしまった。うーにーの休憩タイムが長くなってしまったので部屋に戻ることにした。

 私の膝の上に乗り、うーにーに
 猫パンチを繰り出す銭形君(仮名)と
 おすましのお雪さん(仮名)。

  

食後、今日もリビングでうーにーとくつろいでいると猫達がやってきた。はじめのうちは猫の動きを目で追ううーにーであったが疲れているのか、その場で寝てしまった。しばらくすると一匹の猫がうーにーの尻尾で遊び始めた。一度は起きたうーにーだが猫をチラッと見て知らん振り。猫もたいしたものだがうーにーもたいしたものだ。(ただ疲れているだけだと思うが、、)

  うーにーのシッポで遊び始める
  銭形君(仮名)。

そんな状態なのであとは寝るだけ。部屋に戻ってもダラダラしている。しかし、おやすみ前のビスケットを見せるとシャキッと起きてケージへ入って行った。ビスケットを渡すと寝ぼけた感じでボリボリ食べて二回まわってドテッと着地。そのままおやすみでした。


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