北陸旅行記 1996

6月4日(金沢:人間が楽しむ)

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今日は喫茶店が定休日なので、マスターと金沢の友達(2日目に実家に立ち寄らしてもらった友達。)を訪ねる予定。その友達が仕事柄夜が遅いこともあって、今日も出発はゆっくり。マスターの車(5ナンバーの乗用車)だけで行動したかったが食事の時などうーにーを留守番させることを考えると我が家の軽自動車を使わざるをえない。仕方がないので2台で行動することにした。
富山から金沢までは思ったよりも近く友達宅まで1時間くらいで着いてしまった。一時間くらい話しをしてお昼ご飯に出掛けた。案内されたお店は1階が駐車場、2階がお店になっている。ファミリーレストランによくあるパターンだ。今日も暑いので駐車場に屋根があるのはありがたい。うーにーを車の中に残して昼食。最近食事くらいの時間なら車に残しても心配しなくなってきた自分がちょっと恐い。以前は10分くらいでも心配だったが人間大抵の事には慣れてしまうようだ。(犬もかな?)
再び駐車場に戻ってきたのは1時間後くらいだった。まず私達ではなく、金沢の友達が車を覗き込む。私達が覗き込むとすぐに起き上がるのだがこの時は伏せたまま顔だけ上げた。うーにーなりに警戒しているのかも知れない。私達が顔を出すとすぐにオスワリをして嬉しそうな顔をした。しかしその喜びも束の間、、、。
「もう少し待っててね。」と声を掛けると車をそのままに少し歩いた所にある飴やさんへ行くことにした。20分ほどで戻ったら(きっととっても喜ぶと思っていたのだが)無表情にオスワリをして私達を見るだけだった。すねていたのかも知れない。すぐに車をだしたらすぐに伏せてしまった。うーにーも車で待つことに慣れてくれたようだ。この時空は曇り始めていた。うーにーにとってはありがたいことだ(と思う)。さて、うーにーにも楽しい思いをさせてあげよう。

車を15分ほど走らせて卯辰山公園の展望台で少々の散歩。今日は少しもやがかかっていて遠くが見えないのが残念。うーにーはここでオシッコをすませ、人間達が景色に飽きるのを待っていた。うーにーと遊ぶために奥卯辰県民公園という公園に行ってみることにした。元ゴルフ場の広い公園と書いてあったので期待して車を走らせる。公園の入り口の少し手前で前を走るマスターの車がいきなり止まった。すると車から降りてきて「うーちゃん駄目だって〜」と。彼に言われて少し手前の看板を見てみるとこんな内容のことが書かれていた。「犬を入れないで下さい。苦情が多く寄せられています。」仕方がないので友達宅に帰ることにした。


犀川の河原

友達宅の近くに犀川という川が流れている。その河原でうーにーを遊ばせることにした。(友達とマスターは部屋に戻った。)そこは広くはないが芝生がきれいで花を咲かせたクローバーが所々に群生している。私は河原に着くなり寝てしまった。家内はクローバーの花の中にうーにーを伏せさせて写真を撮ったり、クローバーの草むらにオモチャを隠して遊んでいた。二人は楽しんだ様子。私はひたすら寝ていた。目が覚めると寒かった。

友達宅に帰って「河原で寝ちゃった。眠いよ〜。」なんて言っていたら「この季節でも風邪ひくぞ〜」などと子供扱いされながらもグータラする。すると電話が入り、少しして一人のお客さんがやって来た。体ががっしりしている中年の男性だ。何かスポーツでもやっているような感じだが、ただの中年太りのような気もした。
実はこの人、大の犬好きで今年9才になる雄のアエデールテリアを飼っているそうだ。6ヶ月から訓練所に預けて躾は入れてもらったが「便の躾が失敗したこと」と現在住んでいる家が借家で「外で飼う(家の中に入れない)こと」を条件で借りているので仕方なく外飼いにしている。外飼いといっても犬のために色々な施設を作ったそうだ。(家に入れないことよりも庭に色々なものを作ってしまう方が問題があるような気もする。きっと出て行く時に現状に戻すことを条件にやっているのだろう。)

この人は話し好きで犬の話しを色々してくれた。その中で面白かった(?)話を一つ紹介します。
ある日、人と待ち合わせていて車を走らせていると公園にハスキーの子犬を連れている人を見付けた。見付けてしまうとその犬を無性に撫ぜたくなってしまう性分でこの時も車を停めてその犬に近づいた。犬を飼っているので犬の怖さは知っている。一応気をつけながら近づいて行くと飼い主さんも彼の気持ちを察してか「大丈夫ですよ」と言ったそうだ。彼は喜んで手を出したらイキナリ「ガブ!」とやられた。親指と人差し指の間の水掻きのような部分をパクッとやられた。犬のことを良く分かっている彼は騒がずに犬が放してくれるのを待った。じっとしているその様子を見ていた飼い主さんは事の次第を理解し、とっさに怒鳴って叱りつけ頭を殴った。その時犬が一瞬ひるんだのを見てとっさに手を引き、犬の口から解放されたという。
傷口を見ると見事に穴が開いていた。手の平側には黄色っぽい鶏肉に着いている脂肪のようなものがポコッと見えたので、ちょっと引っ張ったら、ズズズズ〜と繋がって手の平から出て来たので「こりゃ、ヤベ〜」と公園の水道まで走り、水できれいに洗ってそれを押し込んだ。そしてティッシュでくるんで一目散に近くの病院へ駆け込んだ。病院では順番待ちの人が何人かいたが、事情を話すとすぐに診察室へと案内された。ほっとしたのも束の間、先生は麻酔もかけずに「結構深いな〜」とか言いながら傷口をいじくりまわした。「なんで麻酔をかけないんだ〜」と思いながらじっと我慢(声も出ないくらい痛かったらしい)していた。そしてやっと「こりゃ、縫わなあかん。」とはじめて麻酔をかけた。そして6針も縫った。「やれやれこれで待ち合わせの場所に行ける」と思ったら今度は「お尻を出して〜」と言われた。何のことかと思ったら、狂犬病と破傷風の予防注射をうたれた。そしてやっと解放された。
とんでもなく時間に遅れて待ち合わせの場所に行き、手の包帯を見せながら「犬に噛まれて大変だった。」と言うと「もう少しましな嘘をついたら?」と言われてしまったそうだ。
犬に噛まれることはとっても大変なことだと分かった話しであった。

仕事の途中で犬の話しをするために来たお客さんが帰る頃には日もだいぶ傾いていた。「折角、金沢に来たのだから魚の美味しい店へ行こう。」とありがちな展開になった。マスターの車に着いていくと立体駐車場へ入っていった。この時7時。私達もそれに続いていった。うーにーをここに置いていくのはちょっと不安であったが、この旅行で車での留守番に慣れたようなので思い切ってお留守番させてみることにした。


美味しさのあまり、鼻血を
だしてしまった。

しばしうーにーを忘れて美味しい料理を楽しむ。一部を紹介すると、まず驚いたのがトリガイの刺し身。トリガイがこんな味とは知らなかった。ふぐの白子は生姜の汁を付けて食る。食べてみて「な〜るほど」と納得。同じような感動をしたのが、唐津の生雲丹(うーにー御免!)を塩で食べる。これも思わず「ほ〜」。それにキジエビは味と歯ごたえの見事さに「へ〜」。その他、毛がにの刺し身、平目の刺し身(勿論、エンガワ付き)、ジュンサイ、ノドグロ(焼き魚)などなど、それとアルコールも飲んで1人1万円ちょっと。
あ〜、金沢って最高!。冬に来たら凄いんだろうななんて思いながらもうーにーのことが頭の隅に(ちょこっとね)。
そんでは次のお店(と言っても金沢の友達が経営しているスタンドバーです)へまずは移動。でも気になるので店に入ってすぐに駐車場にチェックに行く。

     友達のスタンドバーにて。
     手前の方も友達です。この方は、
     この後すぐにゴールデンを飼いました。

車に近づいてもすぐには顔を出さなかった。顔を出しても何だかボ〜としている。これなら大丈夫と思い車の外からのチェックだけして私達はお店に戻った。みんなで昔話で大笑いして1時間半ほどでこの店をでた。金沢の友達とはここでお別れ。喫茶店のマスターと駐車場に戻ったのが11時。入ったのは7時だからうーにーは4時間のお留守番をしたことになる。よくできました。犬を飼いはじめた頃はこんなことは絶対出来ないと思っていましたが何でも慣れですね。人も犬も。

富山の喫茶店に戻れば後は寝るだけ。富山に入ってから暑い日が続いたが今日は随分涼しい。(次の日に聞いた話しだが、この季節ではこれが普通でここ3、4日の暑さは異常。)
昼間、普段家では留守番(=昼寝)のうーにーが旅行中は昼はしっかり起きている。車の中では寝ているかも知れないが、しっかり眠れはしないだろう。そして富山の連日の暑さで夜も眠れなかったようだ。夜中にうーにーのハーハー音で何度起されたことか。今日はよく眠れそうだ。


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