北陸旅行記 1996

6月5日(上:千里浜)

うーにーのページに戻る   下へ

朝起きるといつものように、うーにーと家内は散歩を済ませていた。家内は「昨日は涼しかったから、うーにーのハーハーに起されずに良く眠れた。」と元気が良い。ハーハーしなかったうーにーも元気だ。
喫茶店の2階でお世話になり始めてから毎日私が起きる前に散歩をしているようだが、うーにーも家内も散歩の後はダラーとしていた。でも今日は元気みたい。

今日から1泊で能登半島方面への旅行。今夜の宿は曽々木海岸にある観光ホテル。今まで犬連れで利用した宿泊施設はペンションばかりだったので「ホテル」とはどんな所か不安と期待でいっぱいである。
うーにーの朝ご飯を済ませ、1階で朝ご飯をご馳走になり、荷物を車に運び入れて出発。車には一泊分の荷物だけだから身軽で楽だ。

出発は9時。第一の目的地である千里浜には11時頃着いた。千里浜とは砂浜の国道である。これだけでは何のことだかさっぱり分からないと思うが、長い砂浜が国道になっているのだ。深く考えずに文字通りに捉えて頂けばきっと間違いないと思う。結婚前に家内に免許を取ってもらい、ついでに車も買ってもらった。もちろん家内も自分で運転するつもりで免許を取り車を買ったのだ。この頃の夢が千里浜を車で走ることだった。しかし車を買ってみると結局私ばかり運転する羽目になってしまった。今回の旅行でも家内はほとんど運転しない。
千里浜に着いて「お前の夢だろ」と急かすように運転をさせようとすると「え〜、別にいいよ〜、」とどうでもいいような返事。それでもとりあえず運転したがつまらない様子だった。つまらないというよりも困った感じ。砂浜の道にはセンターラインもなければ、どこまでが道かも分からない。そんな千里浜でどう運転して良いのか戸惑ってしまっていた。

折角砂浜に来たのでうーにーを遊ばせることにした。しかし車が通る砂浜なのでちょっと怖い。海側には車を停めて記念撮影をする人や休んでいる人がいて車の出入りがある。それにここでうーにーに海に入られては困るので、海とは道路をはさんだ反対側で遊ぶことにした。こちら側は砂地ではあるが浜辺特有の植物が生えていて地面がしっかりしている所がある。そこと植物の生えていない完全な砂浜とは段差があって腰の弱いうーにーには心配であった。しかしそこまで行かなければ車が来る可能性があったので段差に注意しながら遊ぶことにした。
そこへ行く途中、フリスビーらしきものが落ちていた。「これは丁度いい」と拾ってみると赤いポリバケツの蓋。蓋でも飛べば良い。それで遊ぶことにした。
段差に気を付けながらバケツの蓋を投げる。ヒュッと私の手を離れた蓋は浜風に引きずられるようにとんでもない方向へと流されていってしまった。うーにーはフライングキャッチどころか見失わないようにするのが精いっぱい。それでもうーにーは蓋を嬉しそうに回収してきてくれる。何回か投げている時に着地した蓋が風で道の方へと転がっていってしまった。この時は何事も無かったが、危ないので仕方なく段差の上へと移動した。

段差は1.5mくらいある。段差の上はあまり広くない。腰が弱いうーにーには子犬の時から「登る/降りる」はやらせていないので、もしも蓋が下に飛んでいっても取りに行かないだろうと思っていた。しかし蓋を投げると思わぬ事態に。私達がいる一段高くなっている場所に谷(雨の時に水が流れる場所と思う)がある。そこには行かない様に気を付けて蓋を投げたのだが浜風のいたずらで谷の向こう側の高い所へと飛んでいってしまった。するとうーにーは降りれそうな場所を探し飛び降り、登れそうな場所を探し駆け上がった。私の目は点になった。こんなうーにーを見るのは初めてだ。今までやらせなかったのだから見たことがあるわけない。器用に登り降りするうーにーを見てただただ驚くばかりであった。
うーにーの腰が心配であるが、元気に段差を登り降りするのをもう一度見たかった。帰ってきたうーにーを少し歩かせて痛がっていないことを確認してもう一度投げる。今度は谷の向こうへは行かなかった。着地した場所は谷の手前だった。しかしうーにーはわざわざ一度降りてまた登って取ってきた。うーにー自身も登り降りが楽しいらしい。結局、5、6回やってしまった。あまり回数をやるのは良くないと思いここでやめたが、本当はもう少しやりたい気分だった。

もう帰ろうと車に乗って砂浜の道を走る。砂浜の道が終わる曲がり角の先は車の来ない砂浜だ。ここなら遊ばせるに丁度良いと思い再度車を停めてうーにーを遊ばせる。まずはまっすぐ歩かせて足の踏みしめ具合を確かめる。調子は良さそうだ。自由にさせると私達から少し離れた所をフンフンと臭いを嗅ぎながら歩いてはいきなり走り出したりしていた。とっても楽しそうなのでクリッカーを試してみたくなった。気が付かれないようにうーにーから離れてクリッカーを鳴らしてみる。1回目、聞こえないようだ。いや聞こえているはずだ。とにかく来ない。もう一度鳴らしてみる。顔を上げてこっちを見る。さらにもう一度鳴らしてやっと手元に来た。しかもいつもの様に全力疾走ではない。きっと余程楽しいのであろう。
思い出してみれば一泊目の上宝村の別荘地で遊ばせて以来、広い所で遊ばせていない気がする。それに人間恐怖症になったり、長時間の駐車場での留守番などうーにーにとってつまらない事ばかりだったのかも知れない。


うーにーのページに戻る   下へ