北陸旅行記 1996

6月3日(上:雨晴海岸〜能登島)

うーにーのページに戻る   下へ

朝ゆっくりと起きる。(うーにーと家内は朝の早いうちに散歩に行ったが私はゆっくり寝ている。家にいる時も旅行の時もいつもそうだ。)今日も暑くなりそうだ。こんな日のために持ってきたポーラーマットとやら(もしかしたら名前が違うかも?)を使ってみることにした。これは水に浸すと冷たくなるというマットだ。
とにかくお風呂でこれを水に浸けてみる。持ち上げようとした時「失敗した」と思った。お風呂(2階にある)から車まで運ぶのが結構大変なのだ。車の近くでやれば良かったと後悔した。水に浸すと結構重いし、何かに包んで運ばなければそこらじゅう水浸しになってしまう。しかしこれくらいの苦労でうーにーの暑さ対策が出来ればお安い御用だ。

そんなことをしていたら10時になってしまった。まずは雨晴海岸に向けて出発。富山の街中を抜けるのに少々時間が掛かったが11時には海岸に着いた。この季節海岸で遊んでいる人はいない。遠くで漁師さんがなにやら作業しているのが見えるくらいだ。私達が浜に出ると上から声が聞こえる。ヘリコプターから「漁業権のない人は魚介類を取ってはいけません。」なんて内容のことをいっている。こんな季節の平日に浜に出るのはそんな人しかいないのかも知れない。


一人運動会状態

海はとてもきれいで場所を選ぶのに苦労はしなかった。適当な場所を選ぶとうーにーを放した。「海に入っていいの?」とこちらを見るので落ちていた木の枝を海に向かって投げてやった。それからはおおはしゃぎである。自分で何かを見付けて興奮したり、海草を体に巻き付けるようして海から上がってきたり、わざわざ私達の所へ来てブルブルとやってくれたり、一人運動会状態だ。悠々と泳いでいたと思ったら、何を思ったか急に方向を変えて浜にあがってきた。するといきなりしゃがみこみ「う〜ん」と排便。終わるとこちらをちらっと見て(「処理はよろしくね」と言っているようだ。)、ド〜ンと水しぶきをあげて海へ入っていった。

あまり遊びすぎると下痢もするし、どんどん暑くなってきそうなので30分くらいで一人運動会は終わりにしてもらうことにした。


御満悦


海の中のうーにーを浜に呼び寄せ砂をまぶし乾かす。駐車場に水飲み用の水道があったので、そこから水筒に水をくみ、それでうーにーの砂を一通り流した。砂が完全にはとれなかったのでちょっと心配したが、乾いてみれば砂は勝手に落ちるし、塩もほとんど落ちて毛はサラサラしていた。

軽く流してタオルで拭き終わると12時になってしまった。次は能登島を目指す。地図上では遠く感じたが信号も少なく1時をまわった頃、能登島への大橋を渡っていた。昼食をとる店を探していた時、田圃の畦道に「俺を見てくれ!」と言わんばかりの雄キジの姿があった。観光地化された島かと思っていたがそうでもないようだ。うーにーを思いっきり遊ばせる場所もありそうだ。
店内から駐車場の見える店を探し昼食を食べる。やはり魚が美味しい。この店で水族館の割引券を頂いたので行ってみることにした。うーにーをお留守番させなければならない(犬が入れないことは旅行前に電話で確認済み)のでちょっと気が引けたがこれも練習の内、と言い訳して水族館に向かう。着いてみると周りにキャンプ場や遊園地などがあり大規模な施設だ。能登島臨海公園というらしい。(私の記憶なのであてにはならない。)

まずは水族館へ。空は曇りはじめているが蒸し暑い。車の中に置いていくのはちょっと可哀相な気もしたが、死ぬほどの暑さではないので我慢してもらうことにした。入館すると平日なのに人が多い。後で分かったことだが修学旅行の生徒達が来ているからだ。水族館としてのコレといった目玉は見つけられなかったが、ホテイウオの稚魚はお茶目で何時までも記憶に残っている。一通り見て、ホテイウオをもう一度見て、1時間弱で駐車場に戻った。うーにーはちょっと暑そうだったが特に問題はなさそうだ。

うーにーを連れて遊園地の方へ行くと誰もいない。修学旅行の一団はまだ水族館の中だ。誰も見ていないので童心に戻ってゴーカートに乗ってみた。つまらなかった。でも緊張したのか喉が渇いてしまったので、かき氷を食べることにした。私達がかき氷を食べていると修学旅行生達がポツポツ水族館から出てくる。その内何人かが私達の前を通ったが、うーにーは異常なほどに警戒している。今までは人間が通れば尾をブンブン振って喜んでいたが今日は尾を中に入れて私の後ろに隠れようとする。二人連れの女の子が近づいてきた。いつまでも人間を怖がっていては困るので脚側で座らせたら、一人の女の子がうーにーを触った。しかし喜ぶ様子はなく体は硬直している。そんなうーにーをつまらないと思ったのかもう一人の女の子がワワワッといきなり近づいてきた。うーにーは私から離れてでも逃げようとした。今までのうーにーからは考えられないことである。思ったよりも重症だ。

帰りがけに芝生の広場を見付けた。いくつも遊具があり家族連れが遊ぶ所の様がだ今日は誰もいない。他のお客さんといえば修学旅行生だが一人も来ていない。私は昼寝をした。家内はうーにーの砂を掃っていた。砂も塩もほとんど取れて毛はフワフワになっていた。あの洗い方は思ったよりも効果があるようだ。
大きな遊具に私が登り「おいで〜」と呼ぶと、それに登れないうーにーは、まずは寂しそうな顔をして、さらに呼ぶと愛想笑いをしていた。先ほどの怖がり犬の表情はどこにもない。


家内が100円の電気自動車に乗る。新幹線や消防車の形をしていてお金を入れるとゆっくり動く幼児の乗り物だ。家内が楽しそうに乗っているのを見てうーにーは訳も分からず(分かっているのかも知れない)嬉しそうに着いてまわっていた。その状況が家内をさらに楽しい気分にさせて何回も100円電気自動車に乗った。誰もいない遊園地は最高だ!、と家内は思ったに違いない。
芝生が広く誰もいないのでフリスビーを少しやったが風があってうまく出来なかった。誰もいないので人間は童心に返って色々な遊具で遊んでみる。こんな時うーにーは嬉しいような寂しいような複雑な顔をする。それを見て私も複雑な気持ちになる。


うーにーのページに戻る
   下へ