北陸旅行記 1996

6月2日(下:喫茶店着〜トラウマ)

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友達が経営している喫茶店。
富山では、ここの2階で寝泊まりさせてもらう。

友達の実家から約一時間で田圃の中の喫茶店に着いた。富山での宿はここの2階。喫茶店に着くとお迎えが待っていた。私達を砂田さんの牧場へ案内してくれるということだ。とりあえず荷物を二階に運び込み出発。

砂田さんとは馬のスタントをやる人で最近の時代劇(特にテレビ)のスタントは大体彼が手がけているようだ。彼のスタイルの原点はウエスタンである。簡単に言えば西部劇のスタイルだ。乗馬のスタイルは大きく分けてこのウエスタンとブリティッシュがある。日本では今までブリティッシュが主流であった。どちらのスタイルにしろ、格式張っていたり、ワイルドだったりして、恐いとさえ感じるクラブが多いのが現状のようだ。(恐くて人の噂を耳にするだけにしているが、最近一ヶ所だけ行った。ここでも恐い思いをして帰ってきた。)
しかし彼はウエスタンの馬術を主に勉強し、ブリティッシュの技術も勉強し、「乗りに来た人に楽しんで馬と接してもらいたい、」と彼は言う。
私が行った時も会員さんがハイレベルなことをやっていたが当の本人達は心から楽しんでいる様子であった。「ここで馬に乗り始めたので自分達がどれだけ凄いことをしているのか分からない。」と彼らは言っていた。

彼の乗馬指導の考え方を聞いていて「犬と同じだな」と思った。ただ犬の方がまだまだ進んでいるのは確かだ。また、犬の方が動きに幅がある。
もし10年前に自分の犬に訓練を入れてもらおうと思いプロの方の手を借りたとすれば、多くの飼い主はそのやり方を(目にすれば)理解出来なかったり、預けた犬が家に帰ってきてある程度の期間が過ぎると犬が元に戻ってしまい「払ったお金は何だったの?」となってしまったり、、(勿論、全ての人がそうだったとは言いませんが、そんな人の話しをよく耳にするもので、、、)
今は(家庭犬に於いては)犬を訓練するよりも飼い主に犬との接し方を教える方が主流になりつつあります。訓練を教える人にとっては大変な苦労であることは察しがつく。今までは「犬」だけを相手にしていれば良かった訳だが、これからは色々な考えを持った「人」も教えなければならない。しかも「嫌な思いをさせないで」である。お金も安くて、人の扱いもうまい訓練士さんが多く登場することを期待してやまない。
と、乗馬指導のあるべき姿を熱く語る彼の前で頭の中では犬のことを考えていた失礼な私であった。

馬の水をがぶ飲みするうーにー

ここに着いてからのうーにーは馬にビクビクで落着きがなかった。緊張からか馬の水をがぶ飲みしていた。そんなうーにーを家内に預けて砂田さんと馬具の話しをしていた。その時に事件は起こった。馬に囲まれてビクビクしていたうーにーは馬にばかり気を取られて、人間のことは安心しきっていた。その時いきなり背後から蹴る真似をされたのだ。(真似だけで蹴られてはいない。)ただそれだけのことなのだが、何故かこれが心の傷として残ってしまった。

   木に繋がれる。予想外の扱い
   にあっけにとられる。

砂田さんの所を後にし、そこにいたメンバーと喫茶店のマスター(この人も砂田さんの所で馬に乗っている)とで私達の歓迎会をやってくれた。うーにーは毛が抜けるとの理由で同席は出来なかった。皆が見える芝生の中の木に繋ぐことにした。「皆が楽しそうにしているのに私だけが、、」と感じた腹いせかどうかは知らないが木の周りの芝生を見事に掘ってくれて参った。仕方がないので店内が見える所へ車を移動し、うーにーを車の中に入れておいた。芝生を掘る元気があるのだからさっきのことは忘れているかと思ったら、そうでもなかった。

左から、マスター、砂田さん、
家内、私。  後ろ姿は犯人。


歓迎会が終わって皆が外に出てうーにーに触ろうとすると、うーにーはひたすら私の後ろに回り込もうとする。誰にでもへらへらするうーにーがだ。特に脅かされた犯人には警戒していた。しかし彼だけではなかった。いつも仲良くしている喫茶店のマスターも特に相手をしなかった砂田さんも怖がる。特に砂田さんは犯人以上に怖がっているように見えた。きっと彼に染み付いた馬の臭いがうーにーの恐怖の体験を呼び起こさせてしまうのだろう。
とくかく困ったことになってしまった。

 
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