Mさん と Jちゃん  19

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・挨拶

飛びつきをしないようにする、しつけの方法の簡単なテキストです。「名前」と同じ先生が作って、私なりに書きなおしていますが、(自分で言いたくないけれど、)出来は悪いです。

これと同じようなことは多くのインストラクターさんがしつけ教室でやっています。
見せ所は、1回のお教室の中で犬がお行儀良くなっていくというものですが、家に帰ったら元に戻っていたりするんです。理由を簡単に言ってしまえば、教室中と帰ってからでは同じ対応をとれていない、ということがあります。まず環境が違います。環境が違ってくれば、文中にあるように「犬を見る目」とか「反射神経」(集中力を含む)なども変わってきます。

それでは効果が期待できないではないか、ということになってしまいます。それでは困りますよね。それなら、まずは「犬を見る目」を鍛えましょう。「犬を見る目」なんていうと、ちょっと息苦しく聞こえる方もいると思うので「犬の気持ちを察する目」とでも言い換えた方が良いかもしれません。



99/12/11      挨拶    弓削

00220/00220 PXF02503 弓削明久 挨拶
( 1) 98/01/16 23:52

(目的)お散歩中、行儀良く挨拶ができるように。というより、飛びつかな
いように。
ラブ&ゴルは、人間が好きなので少々乱暴な挨拶をしがちです。これをやめ
てもらおうと言うわけです。しかし、それは無理な注文である気もします。
ラブ&ゴルなのですから。
しかしそれをそのままにしておけば、事故が起こっても不思議はありません。
ここでの目標は「事故の起こらない程度」とします。(練習する余裕のある
場合は、完璧を目指して下さい。)

(まずは飼い主さんがオトリです。)
誰かにリードを持ってもらって、犬に脚側辺りの位置にいてもらう。正確な
位置でなくても良いし、立っていても座っていても良いです。ただし、犬が
動かないようにして下さい。または、動かなくなるまで待って下さい。動き
回るのは落ち着かないからです。そのような状態で新しい練習を始めること
はやめて下さい。
練習し始めは、リードを持つ役の人は家族の方が良いでしょう。犬がリラッ
クスした状態で新しい練習を始められるようにしてあげて下さい。

犬が落ち着いたと思ったら、飼い主さんは犬に近づいて下さい。犬があなた
に飛びつきそうになったら、背中を向けて数歩あるいて(=離れて)下さい。
この間、犬は「あれ、行ってしまった、、、」と思うでしょう。この時犬が
立っていたなら、リードを持っている人は犬を座らせて下さい。(位置は脚
側が理想ですが、リードを持っている人よりも前でなければ、適当で良いで
す。)
そこですかさず、飼い主さんは再び犬に近づいて下さい。この時、少し無愛
想、またはちょっと緊張した感じで(心の中で「お願いだから動かないくれ
〜」と真剣に念じるのも良いでしょう。)に近づくと効果的です。犬が「ム
ム、何かがおかしい。」と考え込んでいる隙に、すなわち犬が動き始める前
(=座っているうち)に、犬に近づいて下さい。そして、褒めちぎって、オ
ヤツ攻撃です。さらに褒め褒め攻撃を加えると効果はアップします。

(飼い主さんで復習)
上記の練習で「座って待っていれば、褒められるしオヤツももらえる」と犬
は信じます。でも「もしかしたら、もっと楽しいことがあるかも、」とか
「なんだか雰囲気がいつもと違うぞ。」と思っているかもしれません。
そこで、飼い主さんがいつも接するように上記の練習をしてみて下さい。更
には、楽しそうに近づいていみる。更に楽しさをどんどんグレードアップし
ましょう。最後は歌って踊ってオモチャを振り回して、近づくくらいやって
みましょう。

(他の方にもやってもらいましょう)
今迄飼い主さんがやっていた役を他の人にやってもらいましょう。飼い主さ
んは、リードを持つ役です。
飼い主さんがまずやらなければいけないことは、協力者にどのように近づい
て欲しいかを説明することです。自分の犬が何の誘惑に弱いかをちゃんと説
明して、楽しさのグレードをどのようにアップさせるかを協力者に教えてあ
げて下さい。協力者の方も「これくらいなら大丈夫かな?」と遊び心を忘れ
ずに色々試してみましょう。
ただし、練習ですので「犬が出来る」ようにしてあげましょう。失敗は出来
るだけさせないようにしてあげて下さい。それと練習の回数を出来るだけ減
らすな、やり方を考えて下さい。

(実用的に)
散歩の途中、近所の人に協力してもらってやってみましょう。
ここで今迄通りに出来ないこともあるでしょう。ここでは「実用的」に考え
ます。もし、犬が動いてしまったら飼い主さん(=リードを持っている人)
はリードを用いて、または何かしらのコマンドで、犬を制して下さい。
ここでは犬だけでなく、リードを持っている人の練習もあるわけです。犬と
一緒に頑張りましょう。
「制する」と言っても、色々な方法があることを忘れないで下さい。一番お
手軽なのは、チョークに等しい「短く力強くリードを持つ」方法でしょう。
これは基本なので練習する価値はあると思います。それ以外の方法といえば、
オスワリなどのコマンドをかける方法もありますが、近寄ってくる人よりも
リードを持っているあなたが、楽しそうな人に変身することも有効な手段で
す。とにかく色々やってみることが大事です。
犬との関係の理想は「ノーリードでもコミニケーションがとれる」ことだと
思います。出来るだけリードに頼らないことを考えてみましょう。(ただし、
「実用的」なことも忘れないで下さいね。)


この科目については私は不得手です。それが故、明文化なんて出来ません。
個人的には(文頭にも書きましたが)完璧を要求できないと思っています。
目的は「人に飛びつかないようにする」ことですから、犬にそうしないこと
を練習させると同時に、リードを持っている人の練習((実用的に)のとこ
ろの練習)をして身に付けることです。

挨拶の練習が上手くいかない理由の一つに「近寄る人」の「犬を見る目」と
「反射神経」の問題があります。誰でもが「近寄る人役」を上手にできるわ
けではありませんが、犬の表情を積極的に見ていくうちに出来るようになっ
ていきます。そうなると犬との時間がもっと楽しくなってゆくはずです。


弓削明久


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00222/00222 PXF02503 弓削明久 挨拶(対犬連れ)
( 1) 98/01/19 21:54 00220へのコメント

(目的)今迄は、自分は犬を連れていて、相手は人間のみの練習でした。
今度は、相手も犬連れで練習してみましょう。
この項目に付いては、人それぞれ答えが違ってくると思います。落ち着きき
った犬には何も必要ないし、まだまだやんちゃ坊主な子には、色々工夫が必
要でしょう。その辺りまでまだ研究していないので「平均的」な場合を書き
ます。

(まずは近くで、一人は動かず。)
犬を連れた人同士が10mくらいの間隔で向い合い、一人は動かず、もう一
人の人が近づいていくようにしましょう。
動かない人は、自分の犬が動かないようにしましょう。(オスワリをさせて
おくのが一般的。しかも楽。落ち着いていられるのなら、立っていても構わ
ないし、逆であればフセをさせるのも良いでしょう。しかしフセの必要のあ
る犬は前の項目の練習に戻って下さい。)
近づく人は、相手との距離が3mくらいになったら一旦停まり、犬も停めて
見て下さい。この時、犬の姿勢はどうでも良いですが、待っている犬と同じ
ように、動きを止めて下さい(=落ち着かせて下さい。)そして人間同士が
挨拶をして下さい。

それでも犬(2頭とも)が動かなかったら、さらに近づいて下さい。まずは
自分の犬を気にしながら。握手できるくらいに近づいたら、相手の犬にも注
意をはらい、必要であれば犬同士の挨拶をさせましょう。犬同士の挨拶は、
無理にさせる必要はありません。犬は人間の理解の超える方法で相手の犬を
知る方法を持っているようです。例えば、相手の体に自分の鼻をくっつけな
くても相手の体の臭いを嗅ぐことが出来るようです。だだし相手の犬が友好
的であるならば、その犬の行動を拒むのも礼儀に反するというものです。ま
た逆に「私はあなたと挨拶をしたくないのよ。」といっている犬のお尻に無
理やり鼻をくっつけようとする犬も礼儀に反するといえるでしょう。(挨拶
は必要なことですが、挨拶は挨拶であり、お尻を嗅ぎ合うなどの「形式」で
はありません。)

人間同士挨拶をする時から、犬が落ち着かないようであれば、まずは犬が落
ち着くまで待ってみましょう。(これも30秒くらい見てみましょう。)落
ちかないようであれば、あなたなりの方法で犬を落ち着かせて下さい。あな
たが知っている方法で落ち着きそうもなければ、犬と一緒に振り返り相手の
犬を背にして歩いて元の位置に戻って下さい。そして、前の項目(=相手が
犬を連れていない人の練習)に戻って下さい。


(大きなコースを回りましょう。)
1周2〜300mくらいの周回コースを犬&人のペア数組で二手(「右回り
組」と「左回り組」)に分かれてまわりましょう。コースの途中で他のペア
に出会ったら上記の練習を行ってみて下さい。余裕があったら「人と犬」の
挨拶にも挑戦してみましょう。


前の発言で「制する」という言葉を使いましたが、あまり感じが良くないの
で、今回は「落ち着かせる」にしました。「制する」の説明のところで「ア
゛ッ!」を書き忘れたようです。それもレパートリーに加えておいて下さい。

だいたいこんな感じで如何でしょうか?
弓削明久





基本的な部分は、しつけ教室でよく使われる科目のようですが、
この方法のミソはなんでしょう。

この方法は、単純に「短時間で効果が出る」ということを
生徒さんに見せるだけの先生もいるようですが、
「あなたが、犬のことをよく見てあげれば、犬だって
あなたのことをよく見て、人間が考えていることを
分かろうとするんですよ。」ということなんです。

私は時々、思うことがあります。
犬は、お行儀よくしたい、お行儀よくしたほうが格好いい!
と、思っているのでは、と。

00.3.22



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