ここでテーマにしている昭和48年成立の「動物の保護及び管理に関する法律」では第三条に、現在の「動物の愛護及び管理に関する法律」では第四条に規定されている動物愛護週間。
昭和の時代に法律で○○週間と定められていたのは非常に少ないらしいです。それくらい意味ある存在なのかもしれません。

ここではその歩みを振り返りたいと思います。


 はじめての動物愛護週間

初めて動物愛護週間は昭和2年(1927年)の5月28日から6月3日までの一週間だったと言われています(もう少し前の年だったという資料を見た記憶もあります)。5月28は昭憲太皇太后(明治天皇の皇后)の誕生日。
昭憲太皇太后は動物愛護活動に並々ならぬ興味をもち市井の情報まで耳を傾け何かと下賜されたらしいです。

明治30年台から動き始めた日本の動物愛護活動ですが、広く啓発しようと動物愛護週間に至るまでに25年くらいかかったことになります。
バーネット大佐夫人の再来日と関係が深いことは知られていますが、このような活動が大きな行動に広がるにはなかなか難しようです。

現在も「蛇口を閉めなければ」と表現するようになり久しいですが、具体的な方策はなかなか見えてきません。


 大戦により中断 ~ 占領下(昭和20年:1945年~昭和27年:1952年)での再開

大戦下に動物愛護週間の開催がされなかったことは不思議におもうこともないでしょう。
戦時中、はじめのうちは金属の供出が法律で求められたが、戦況が悪化してくると犬や猫、うさぎも供出しなければならなくなった時代でもある。

敗戦した日本は占領され、日本の政府はあったもののGHQに監視・指示されることになる。占領する側は自分達の文化・習慣に近付けたくなるものだ。
昭和24年(1949年)から動物愛護デー(一日のみ)が行われるようになる。この時の開催日が3月20日だったので、今でもこの日が動物愛護デーとされている。
ネットで調べると「春分の日」と書かれているものがあるが1949年の春分の日は3月21日のようだ。この日は月曜日だったので日曜日の20日に開催したのではないかと想像している。

昭和29年(1954年)から動物愛護週間が再開。行われたのは(他のイベントなどとの兼ね合いかららしいのですが)秋分の日を中心とする一週間だった。


 法律により定められる

上記のような流れで秋分の日を中心に動物愛護週間が行われ、昭和48年(1973年)成立のこの法律では、9月20日から26日と定められた。

昭和の時代に○○週間を法律で定めることが珍しかったらしく、その数少ない一つとして挙げられていることがあります。
法律に日にちまで指定することとした背景には、動物愛護の精神を広めようと考える人々の強い意志を感じます。





動物愛護週間は動物愛護の精神を広く啓発に至っていないと感じることがある。
どうすればいいのか?、私には分からない。現状からして他の人も同じなのだろう。

何故そのようになるのか?、これも分からない。
ただ漠然とおもうことは、日本における動物愛護の歴史を一通り振り返る必要があるのではないか。
一歩二歩進んだ距離を再び歩むことなく確実に進むには、それが必要なのではとおもうことが度々ある。




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2023.6.222023.6.22
2023.6.26 公開
とりあえず作成。
#法律 #1973