3月1日

仕事。雨が降ったりやんだり。お昼ご飯の後、車の中で寝てた。起きたら1時半だった。NSさんに何か言われるかな、と思ったが何も言われなかった。午後はその分を取り戻すだけの仕事をしたつもりだ。

夜、ユキさんちへ行くと二人のオジサンがいた。一人はこの島の人だが、もう一人は石垣の人らしい。二人ともなかなか良い人ではあるが「自慢は腕っぷしだ!」の人達だ。とても仲間に入れない。

この島のオジサンは、朝から酒を飲んでいるとのことで、もう何を言っているのかわからない。数少ない聞き取れた言葉の中で僕の記憶に残っているのは「人の悪口は嫌いだ」と言う言葉だ。それと変に人にからまないところは立派だと思う。「素手で喧嘩をやったら絶対に負けない」と言っていたが顔は喧嘩のやりすぎでくずれているように見える。(たとえるなら、ぼこぼこに殴られた次の日のいかりや長介のようだ)

石垣のオジサンは、昔、石垣でキビ狩りを請負でやったことがあるそうだ。普通にやっていたのでは間に合わなかったので工夫をしたそうだ。シャベルの手元を切り落とし、先の方は四角く切ってそこに刃を出し手斧の代わりのしたそうだ。この改造シャベルを使うときは二人一組になって、これを持った人はひたすらこれを振り回し続けキビを倒し続ける。一振りで一株刈れるそうだ。振り回す人の後ろには倒したキビを引き出す人が着いてどんどん進んで行くそうだ。月夜の晩は12時頃までやって、朝は5時(この季節のこの地方の日の出は7時頃)頃から始めたのだそうだ。そんな日はカッパを着て畑で寝たと言っていた。
漁関係の話では一人で潜っていて流されてしまい、一晩海上を漂流したそうだ。この時「死ぬんだな」と思ったという。死んだ気になったが次の日の朝まで生きていた。そしてエンジンの音がしたので、とにかくタオルを振ってみたら船が来て助けてくれたそうだ。
もう一つ面白い話を聞いた。沖縄では海蛇の薫製が売られている。精力剤とか不老長寿とか言われて売っているそうだ。(この島では見たことはないが本島などでは良く見かけるらしい。)これがなかなかの高級料理(?)だそうだ。これを造るのに海蛇を火であぶる作業があるそうだ。その時火が海蛇に直接あたらないように、ひたすら見張っている仕事があると言う。海蛇がある程度温まってくると油が出てきて、それが火にあたると炎が大きくなって海蛇にあたってしまう。ただこれをただただ見張っているだけの仕事だという。どこだかの離島の小屋の中でずーっと海蛇を見ているだけで、人は近くにだれもいずマンガ本だけが友達だったと言っていた。

世の中色々な仕事があるものだ。