出発時、雨。9時過ぎに自宅を出る。渋滞は全然なし。途中の上里S.Aで、いつもの「かつトースト」を食べる(ワンパターンだな)。
 予報では関東は午後から晴れ、新潟は一日曇り。そこで途中の水上で遊んで、3時頃宿に着くよう計画した。
 
 水上の「道の駅水紀行館」に着いた時、雨は上がっていた。ラッキー。この施設に隣接して、利根川沿いに清流公園がある。ドッグランもあるし、諏訪峡めぐり遊歩道の入口にも続いている。
 私たちは土手を歩いて、そのまま諏訪峡めぐり遊歩道に行ったが、途中で「みなかみの森」方面に進路を変えた。
 「みなかみの森」は、直次郎の道とかいう遊歩道を進み、2つの展望台を経て戻ってくるらしかった。
 山の麓はいろんな花がいっせいに咲いていて、ピンクに白、黄色ととてもきれいだった(タイトル画像)。だがきれいな花を楽しみながら歩けたのは最初だけで、最近身体なまりっぱなしのうにまいす星人、登り斜面で早くも脱落気味。だって、車降りたとき寒かったのに、歩き始めたら予報どおり急に晴れてくるんだもん。厚着しちゃったよー。
 やっとのことで最初の展望台に着き、しばし休憩。休んでいるとやっぱり寒い、やっかいな天気。この後私は本当に脱落し、下の売店の外にある椅子で、2人の帰ってくるのを待った。
 しばらくして2人戻って来たが、ダンナの話によると地図が違っているらしく、ぐるっと回れずに結局来た道を戻ってきたのだった。私が脱落した後、登りはほんの少しだったようだ。なーんだ。
 帰りにドッグランに入ってちょっと遊んで、それから石打に向けて出発。谷川岳のトンネルをくぐったら、何とどんより曇って雨が降っている。予報を信じて、水上で遊んでおいてよかった〜。
駐車場に遊歩道マップがある 展望台からの眺め ドッグランは、細長い

(左)目立つ色の建物です (右)玄関を出ると道を挟んで石内神社
 石打のインターで下り、マウントグランビュースキー場に入ると、迷う間もなくいきなり目の前に現れた本日の宿「アンドラ・モンタ」。石打神社のすぐそばにある。
 2時半だったが、すぐにチェックインすることができた。部屋は2階のロフト付。奥さんが荷物運びを手伝いながら、館内の説明をしてくれた。

 実はこの宿、大型犬は「要相談」となっている。その理由は、部屋があまり広くないのだ。「たらふく食べてあとは部屋に行って寝るだけ」がコンセプトの宿なので、居住性は追求していない。2人部屋だと、大型犬が寝るには狭い。
 今回は予約時にいろいろ相談し、たまたま2人連れのお客さんしか入っていない時だったので、一番広い客室を使わせてもらえた。この部屋はロフト部分に3人、下にベッドを2つ入れれば5人まで寝ることができる。我が家は上と下にそれぞれベッドを1つずつ入れてもらい、ダンナがロフト、私とう〜に〜が下に寝た。これならう〜に〜のスペースは十分に広い。ロフトに2人寝てもよかったけど、お年寄りのう〜に〜さんなので、近くで眠れた方がお互い安心。
(左・中)部屋にはベッド以外に長椅子のような簡単なテーブルとハンガーくらい  (右)バス・トイレ付き
 
 昨年のクリスマスに新築オープンしたので、館内はとても新しくてきれい。部屋は木の温かい感じを活かしたシンプルな造りで、家具類は何もなく、作り付けの棚と鏡があるくらい。部屋にユニットバス、トイレがあり、嬉しいことにウォシュレット。テレビはない。タオルはあるが歯ブラシ、ティッシュなどの消耗品はなし。でもボルヴィック500mlは用意してあった。
 荷物整理をしたところで階下のダイニングに行く。ちょうど電車で来られた他の2組のお客さんが、駅までお迎えのオーナーとともに到着したところだった。全員でウェルカム水出しコーヒーをいただく。
 この後部屋でのんびりしていると、奥さんがお風呂の案内をしに来てくれた。1階に大きめの風呂があるのだ。さっそく
入浴。このお風呂は循環式ではないので、24時間自由に入れるわけではない。奥さんがその都度チェックしてから、各部屋に呼びに来てくれるようになっている。
当日のメニュー、画像をクリック!
 夕食前に、う〜に〜のトイレのため外に出る。この時シェフがう〜に〜と初対面。とても歓迎してくれた。部屋でう〜に〜のご飯を済ませ、待望の夕食タイム。 

 各テーブルに今夜のメニューが置いてある。ああ、お腹空かせといてよかった。今夜のために、今日は午前中かつトースト(2人で1つ)、午後は水上の露店で若鶏のハーブ焼き(2人で1つ)しか食べてないのだ。
 
 地下に立派なワインセラーがあり、シェフの好みで特にオーストリアワインの品揃えが多く、アイテム数はおそらく日本一とのこと。
 オーストリアワイン、飲んだことがないので、「ピノノワール種の赤」とだけ希望を言ってオーナーに選んでもらった。まだリストができていないので、お値段が不明のまま開けてもらったワインを飲む。旨い。今回は1万円位までのワインを予算としていたが、翌日聞いたらこのワインは8700円だった。まったく文句なし。 
 
 料理はアミューズからデセールまで8皿。それ以外にピカタに使ったエビの頭を揚げたものも出た。
 全部熊シェフが1人で作る。よって料理が出てくるのもゆっくり。でも全員食べるために来ている人たちなので、不満を言う者はおらず、みな飲みながら楽しみに料理が出るのを待っていた。だって食べたらもう寝るだけで、帰りの時間を気にすることもないんだからね。

 料理はすばらしかった。渋谷の「アンドラ」を知っている私は、絶対にハズレはないと確信していたけど、出てきた料理は予想以上だった。仔細に記述する味覚も表現力も持ち合わせていないので、ただひとこと「どえりゃーうみゃーてかんわ」(東海林さだお風名古屋弁)と感想を書いておく。
 いや、もうちょっと書くと、伝統的本格フランス料理ではなく、シェフが季節の食材に「おいしいものを食べさせたい、喜んでもらいたい」気持ちをいっぱい込めて作った創作フレンチである。
 ソースや香辛料がきつ過ぎない。やさしくて、目いっぱい食べてももたれない。

シェフが撮ってくれた写真。後ろにう〜に〜が踏み外す階段が見える。
 6時半に始まった夕食、「おいしー、しあわせー」と言いながら食後のお茶を飲み終わったら、なんと10時!
 3時間半もご飯食べてた旅は、今回が初めて。う〜に〜もきっと「今日はやけに戻ってくるのが遅いなー」と思っていたに違いない。
 我々はう〜に〜を待たせているから食後すぐに部屋に戻ったが、他のお客さんは食後もお酒を飲み、遅くまで楽しく盛り上がっていたようだ。
 う〜に〜の寝る前のトイレのため外に出る。宿の階段は滑りやすく犬には少し使いづらい。犬連れのための宿でないからしかたないが。う〜に〜は歩幅が合わず、いつも一段踏み外していた。外はまだ雨が降っている。

 部屋に戻ると、することもないのですぐに寝てしまった。ここのベッドは高級ホテルでも使われているテンピュール。ヘルニア持ちの私も、腰が痛くなることなく快適に夢の中へ・・・





 雨は上がり、天気がよくなりそうな気配。
 宿の近辺をう〜に〜と散歩。蛙の大合唱が素晴らしい。宿周辺は舗装道路なので、遊べるというほどの場所はない。
 8時。ダイニングにある鐘が鳴り、朝食が始まる。
 まずキャロットジュースから始まり、少し三温糖を加えたカスピ海ヨーグルト。それからたっぷりの野菜とベーコンが入ったやさしい味のスープ。さすが遅くまで食い、飲むための宿だけある。これ、飲み過ぎた翌朝には絶対よさそうだ。
 そしてパンとサラダ、エリンギのオムレツ、自家製の牛のハム。これはハムと言っても塩気が少なく、味はローストビーフのようでとても美味だった。

 さて今日はどこに遊びに行くか。
 まず行ってみたのは六日町の五十沢キャンプ場。このキャンプ場から「森林公園天竺の里」への道があるそうだ。ところが旅行に出る前に調べたところ、道が決壊して現在通行止めとか。真相を確かめるべく行ってみる。
 キャンプ場は、受付で施設利用料をいくらか払うしくみになっている。係のお兄さんに聞いてみると、やはり天竺の里へは行けない。昨年の地震で道が壊れたのに加え、今年は雪が多いため通れないという。歩くと40分位だが、その道も果たして歩けるのか、スタッフもまだ行って確認していないので危ない、とのことだった。
 「キャンプ場は散歩していいですか?」と聞くとそれはOK。まだ正式オープンしていないので、利用料も要らなかった。キャンプ場内は広く、川遊びができる場所もある。う〜に〜は足だけ水に入って喜んでいた。天竺の里への入口は、一面に雪が残っていて、ちょっとだけ歩いてみたが滑るのでやめた。
(左)天竺の里への道は雪に埋もれていました。(中)つり橋の上から景色を堪能する。(右)うーにーが眺めていた景色。
(左)とても景色のいいキャンプ場です。(中)水遊びが出来る場所もあります。(右)雪が残った広場もありました。
(注1:営業前だったので全て楽しむことが出来ました。 注2:眉毛は自前。)
 
 次の候補地「三国川ダム」はここから程近いのだが、残念なことにここも途中までで通行止めとなっていた。観光シーズンにはちと早かったみたい。さすが豪雪地帯。5月末くらいにならないと、雪はなくならないようだ。
 「次回はもうちょっと時期を考えよう」と反省しながら、六日町の坂戸山古墳群へ。ここは町からも近いので、雪に埋もれていることはなく、今はカタクリの花の季節で、「カタクリ山菜まつり」ののぼりが立っていた(でも祭りはやっていなかった)。
 カタクリの群生を見物しながら坂戸山への道を歩く。途中まで行ったら分岐点があり、「危険なので入山禁止」の看板あり。坂戸山の頂上までなら行けそうではあったが、ここからはずっと階段なので、う〜に〜の足腰のことを考えパス(本当は自分が行きたくなかった)。
(左)登り始めていきなり「クマに注意」の看板。(中)山の中にも。(右)かたくりはいたるところで咲いていた。

右奥がトンネル入口
 さて、まだ時間がある。もう山歩きはしたくないので、今度は湯沢方面へ戻って、「清津峡」という渓谷に行くことにした。温泉街をちょっと歩くと、清津峡トンネルの入口にぶつかる。ここは1人500円を支払い、トンネル内を歩きながら安全に渓谷が見られるようになっている。所要時間30分〜1時間だそうだ。
 トンネル内には4ヶ所の展望所があり、途中には動物の剥製、説明書きなどあり、真剣に全部見ると1時間位はかかりそう。歩くだけならあっという間。
 トンネル内はとても涼しいので(13度ほどだった)、これはう〜に〜にはよかった。
 展望所からの眺めはいまいち迫力がなく、やはり渓谷は外を歩きながら見るのがいいのでは?と思わずにはいられなかった。確かに歩くのは楽だけど。
 でも涼しくてう〜に〜にはちょうどよい休憩になったし、剥製のクマとシカに興味津々であったから、来て損した、ということはなく、なかなかいい時間つぶしにはなった。
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左から 1.入るとすぐにこんなヤツが天井に! 2.展望所から日本三大峡谷の一つを堪能! 3.額に傷があるツキノワグマ 4.ガラスケースに入ったカモシカ 5.小動物もいっぱい
 
 しかしここはガイドブックによると「日本三大峡谷」の1つらしいが、本当なのだろうか。あと2つはどこなのだろう。そんなに立派なのに、GWの日曜に、何故人が少ないのだろう。
 などと考えながら温泉街でまんじゅうを買い、昼食代わりにした。

 3時頃宿到着。玄関に水道があるので、汚くなったう〜に〜の足を洗って入る。「おかえりなさーい」とオーナー夫妻に迎えられた。
 そこに一番下の息子さん(中学生?)登場。大きな犬が大好きで、う〜に〜を触りたかったそうだ。う〜に〜、ひとしきり可愛がられて満足。
 夕食前にお風呂に入り、気合を入れて夕食に臨む。
シェフが撮ってくれたう〜に〜 二日のメニュー 左上にはこんな絵も!

 この日のお客はうちだけなので、夕食にはう〜に〜も同伴。う〜に〜、2日目にして階段の下り方をマスターしたらしく、踏み外さなくなった。
 昨日とテーブルが違い、窓側の、ガラス越しにシェフが料理を作る姿が見える席だった。これは楽しみ〜。
 昨日の残りの赤ワインもあるが、私は初めに白ワインをグラスで飲んでみた。これもオーストリア。キリッとした飲みやすーいワインだった。
 シェフとしゃべったり、料理を作る様子をのぞいたりしながら、この日のディナーは9時半まで。
 メニューは昨夜よりも和風テイストが盛り込まれた内容だった。嬉しかったのは、メインの鴨のロティの付けあわせのマッシュポテトが、鳥の形に作られていたこと。私はこういった遊び感覚が好き。もちろん味も、どのお皿も「なまら、うまいっしょ」といきなり北海道弁になっちゃうほど、大満足でありました。

 食後は地下のワインセラーを見せてもらったり、隠し部屋(?)や他の客室も全部見せてもらった。2人部屋は、う〜に〜連れではやはり狭い。荷物を置いたら、ほとんどベッドの上しか居場所がなくなってしまう。もともと中型犬まで受け入れ可の宿なので、大型犬を連れて行きたいときは、事前によく打ち合わせし、3〜4名のグループの予約が入っていないときを選んで、広い部屋を使わせてもらうようにした方がいいだろう。なるべくシーズンオフの、空いている時をおすすめします。
 ダンナは夜中まで熊シェフと話が弾んでいたようだが、私とう〜に〜は部屋に戻って寝てしまった。
何の料理かは、メニューを見てください
これは食べられません 中から何かがコンニチハ さて、これは何でしょう?




 晴天。う〜に〜もゴキゲン。
 朝食は形式的には昨日と同じでジュース、ヨーグルトから始まった。オーストリアの全粒粉を使い日本で焼いたパンが、数種類出た。う〜に〜に残さず、全部食べちまった。
 朝食後もう〜に〜とダンナはダイニングに残り、熊シェフと奥さんと話していた。その間に私は荷物をまとめ、部屋を掃除しチェックアウトの準備。私がダイニングに下りると今度はダンナが荷物を車に運ぶ役で、私は精算を済ませる。
 おいしいフルボトルワインを飲んで、おいしい料理をたらふく食べて、2泊して61000円だった。なんだかとても得したような、幸せな気持ちになった。

 こちらの宿は連泊すると部屋の掃除をしてくれるが、シーツ交換を断ると、お礼にオリジナル5ユーロ券をくれる。次回宿泊時に、5ユーロとして使えるそうだ。
 我が家はもちろんシーツ交換など不要なので断り、タオル交換だけお願いした。そして5ユーロ券2枚ゲット。ぜひまた来なくては。
 
 帰りに再び水上の清流公園に寄る。今度は「諏訪峡めぐり」コースを歩いた。途中でう〜に〜、川にずずっと進み、そのままちょっと泳いでいた。私はリードを持って岩場に立っていたので、う〜に〜がどんどん泳いで行ったら私も川に入って溺れるところだったが、う〜に〜は1人で遠くに行かないタイプなので、その辺をグルグル泳いでいるだけだった。
 諏訪峡めぐりの道も階段が多いので、最後までは行かず、途中で引き返した。
ちょっとだけ泳ぎました。だって暑かったんだもん。 坂道は老体にはキツイ・・・・
 時間は昼時だが、まだお腹は空かない。でも近くにテラスのある店があるので、行ってみることに。
 「カフェレストラン亜詩麻」というお店は、焼きカレーが評判だそうである。人気店なのか、続々お客さんが入って行く。テラスを使いたいと言ったら快く用意してくれた。
 テラス席は広々して犬連れでも気分よく過ごせる。目の前が道路なので風景はいまいちだが、道に面していないので危険も排ガスを浴びる心配もない。
 オリジナル焼きカレーは、いろいろな具が入ったカレーの上にチーズ、卵を乗せてオーブンで焼いたものだ。ぐちゃぐちゃ混ぜて食べるものが好きな私には、好みのカレーだった。量が少なめな割りにちょっと高いような気もするが、カレー以外にもいろいろあり、また来たいと思うお店だった。
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左から、1.駐車場から一段上がった所にテラスはある。この埒は、いつもは閉まっている。 2.道の向こうもこちらの駐車場。テラスから撮った写真です。テラスが高い位置にあるのが分かるでしょか? 3.コレが焼きカレー。思っていたよりもお皿が小さかった。 4.グッタリ(?)お疲れのうーにー


 今回の旅、とても満足感、幸福感いっぱいでした。やっぱり2泊すると、のんびり行動できてよいですねー。
 う〜に〜さんは帰りの車中ではお疲れのため爆睡していましたが、ハード過ぎる行程もなく、適度な散歩ができてよかったのでは。車中の幸せそうなムニャムニャ顔が、そう言っていました。