知人から「ラニッシュホテル那須」の1名様宿泊券を頂いた。期限は3月末。これで今月の旅は那須に決定!う〜に〜の大好きな雪遊びができそう。
 だけど老犬う〜に〜には、できれば2泊して「少ーし遊んであとはゆっくりまったり」の旅が好ましい。
 ということで、今回は那須に2泊してきました。





 8時半発。出発前にラニッシュホテルのオーナーから「こちらは朝から雪が降っています。途中からチェーンが必要だと思います」との連絡が入る。早めに着いてもよいとのこと。親切なオーナーさんだ。
 道中雲ひとつない快晴なのに、那須に着くと同時にどんより曇って雪がちらついている。やっぱり雪なのね。でも那須街道など主要な道路は除雪されていて問題なし。
 11時半、「田舎のレストランはしもと」到着。犬も店内OK。オープンして2年とのことで、まだ新しくてきれい。
テーブル下が広いのが嬉しい
 こちらは流行の「カフェ」ではなく、しっかり食事のできるレストランであった。席がファミレスのようなベンチシートになっていて、大型犬もゆっくり休むことができる。犬OKと言われても、大型犬はどこに置けばいいの?という店も多いので、これは本当にありがたい。数種類のランチの中から、私は「うどんと角煮」ダンナは「天ぷら」を注文。ランチは他にも数種あって、みな1260円だった。カウンターにかぼちゃや里芋の煮物などが並んでいて、これはセルフサービスで好きなだけ食べられる。それ以外にも出来立ての風呂吹き大根を出してくれた。私が食べたうどんと角煮には、茶碗に3口分ほどのご飯が付いてきた。このご飯の量が、ちょうど食べたいと思う絶妙な量なのだった。
 ご主人も奥さんも犬好きで、犬を連れて食事できる店が少ないことからこのお店を始めたのだとか。だから設計の段階から、大型犬がゆっくりできるようなテーブルの配置にしたのだそうだ。無添加の手作り犬用クッキーも販売しているが、今はオフシーズンなので販売用はなく、自宅用のをう〜に〜に少し分けてくれた。う〜に〜大喜びでご夫婦に愛想を振りまく。
 このお店、犬連れにはたいへんありがたい1軒だが、営業は金、土、日の昼のみなのでご注意。夜は予約で営業するそうだ。

 12時半、宿に向け出発。南が丘牧場を過ぎ、別荘地へ右折したところで、積雪のため進めなくなり、チェーン装着。この時雪はけっこう強く降っており、吹雪の中チェーンを着けるという悲しいことに。車外でモタモタとチェーンを着ける我々を、う〜に〜は運転席まで身を乗り出しながら見物。その顔は「なんか楽しそうなことやってるね」と言っていた。
 1時半「ラニッシュホテル那須」着。広々としたロビーで館内の説明を受ける。もと保養所だったという建物はさすがに古いけれど、ロビーも食堂もすごく広い。おまけに高台にあって眺めがよい。お風呂は温泉ではなく、午後10時までと朝7〜9時までとのことで、とりあえず5時に予約を入れてもらった。
 部屋は和室だが、畳の上にすぐ交換できるタイプのカーペットが敷いてある。トイレ、洗面付きで広さは十分。廊下には粗相したときのためのタオルや消臭剤が置いてある。そういえば説明時にオーナーから「館内に入ったら原則ノーリードで」と言われ、一瞬聞き間違いかと思った。だって玄関に「館内はリード着用で」という貼り紙があるんだもん。聞いてみると「まず犬を自由にして、落ち着くまで好きなように匂いを嗅がせて下さい」とのこと。それは十分マーキングを誘発する行為だと思うので、マーキングに対してはかなり寛容だと思われる。とりあえずの処理をして、その場所にタオルでもかけておけば、後は宿側で始末をするとのことであった。
年甲斐も無くはしゃぐ
 部屋に荷物を運び入れたら、さっそく裏手のドッグランで雪遊び。ドッグランは雪に覆われていてその全貌はよくわからなかったが、柵は設けておらず、斜面になっていた。雪質がかなりサラサラの粉雪なので、う〜に〜がスリスリしてもあまり顔に付かず、ハゲが悪化することもなかった。雪遊びには最適だけど、雪だるまを作るのは無理。
 う〜に〜は久々の深い積雪に大はしゃぎ。何度もフリスビーを取りに走っては投げろとせがむ。犬に「自分の年を少しは考えろ」と言ってもやはり無理か。
 ところで今回はお年を召したう〜に〜のために、初めてフリースを着せて雪遊びをしてみたが、なかなか具合がよろしい。脇の下の雪玉はこれでかなり防ぐことができた。
 ホテルは玄関を入るとすぐに犬の足洗い場になっている。ここもかなり広い。ほとんど汚れていないので、シャワーのお湯で雪玉を溶かせば後始末も簡単。ここにもタオルがたくさん用意されておりドライヤーもある。
 館内に入り、オーナーの言うとおりリードを外す。しかしう〜に〜は私が手に持っているタオルと毛糸の帽子を奪い取ることにご執心で、ほとんど私の横にくっついていた。
 
 3時、部屋に入って一休み。テーブルにはティーバッグ数種とお菓子類が用意してある。
 ダンナがさっそくお茶を入れ(自分のだけ)、何か食べて「まずいっ!」と叫んでいる。そんな不味いお付きを出してるのか?と思ってお膳の上をよく見たら、ダンナが食べたのは犬用のクッキーだった。フツーわかるよね?骨型だし。
 5時、階下のお風呂に行く。夕食は6時から。客が2組だけだったので、夕食は部屋に運んでくれることになった。
 夕食はオーナー夫婦が運んできた。オーナーの料理の説明がいまいち覚束ないので奥さんが全部作っているのかと思ったら、料理は専属の板前さんを雇っているそうだ。この日の献立は、岩魚の刺身、那須牛と野菜の陶板焼、セリや湯葉の天ぷら、山芋明太和え、湯葉とカニの蒸し物など。私としては好きな方だ。デザートはコーヒーゼリー。天ぷらもステーキも熱いうちに食べようとあせったので、何だか大急ぎで食べてしまったが、食後はしばらく動けないほど満腹になった。
料理は、よくある和食 (中)私が歌うとアイコンタクトで不思議そうな顔
(右)旦那が歌うとお尻を向けて怒った顔になる
 さて、このホテルには他にも楽しめるものがある。それは「カラオケルーム」。1人1時間1000円で歌い放題。犬連れでカラオケは未体験なので10時から予約。カラオケルームはお風呂の手前にあって、「BAR」と看板がかかっている。保養所時代はカラオケスナックとして利用していたのだろう。カウンターとテーブル席がある。奥さんがウーロン茶をサービスしてくれた。
 カラオケは通信でなくディスクだったが、これが何故かフルコーラス演奏せず1コーラスでいきなり終ってしまったりするので、滅多にカラオケなどしない私たちは曲を選ぶのに大忙しだった。う〜に〜はマイクを持って歌っている私が珍しかったのか、私の正面にお座りして「なにやってんの?」という顔で私を凝視するので、私は歌の途中でつい笑ってしまった。1時間真剣に歌ったせいで、ダンナは気持ちが悪くなり、私は気が昂ぶって眠れなくなるという事態になって、一日目は終った。 






レストラン(ロビーの続き)
からの景色は山々が綺麗
 雪が止んで晴れた。暖かくなりそうだ。
 朝食はレストランで。卵焼きに納豆にブリ大根、湯豆腐、ご飯に味噌汁という正統派和朝食。
 食事中、もう一組のお客のチワワをオーナーが抱いて、う〜に〜のところに連れてきた。挨拶させたいらしいのだが、う〜に〜は特に興味なし。私は食事中は、う〜に〜に静かに伏せていてほしいのだが、こちらのオーナーは犬が自由に遊ぶところを見たいらしい(推測)。やむなく「うちの犬は犬にはあまり関心がなく、遊んだりもしない」と言って諦めてもらった。
 「食後のコーヒーはどうなさいますか」と奥さんに言われたので「いただきます」と答えると、ロビーにあるソファの方に用意してくれた。このコーヒーはしっかり有料であった(笑)。
 チェックアウト前に、昨日遊ばなかったプレイルームに行った。ここは「娯楽室」と書いてあり、広いカーペット敷きの部屋である。雨天時は室内ドッグランとして利用できる。また、団体で宿泊し、ここをセミナー会場やトレーニング会場として使うことができる。訓練やトレーニングの勉強をしている人には、単に遊ぶだけでない、有意義な利用ができそうだ。 う〜に〜もここで久々に訓練のまね事をちょっとだけしてみた。
プレイルームは広い。天気が悪くてもここで遊べるのは嬉しい。
  
 精算を済ませ、帰る前にもう一度ドッグランで遊ばせてもらうことにした。オーナーは「ゆっくり遊んで行って。洗い場やタオルもどんどん使ってください」ととても親切なのだった。
 昨日と違い雪は降っていないし、暖かくて絶好の雪遊び日和だ。う〜に〜は今日も絶好調。雪に埋もれたり、フリスビーを追いかけて走ったり。遊んだ後はお湯で雪玉を流し、タオルで拭いて完了。オーナー夫妻にお礼を言って、出発。
 別荘地から板室街道に出る手前でチェーンを外した。
 
アフタヌーンティーセット
いたる所に高価な茶器が展示されている
 お昼にはちょっと早いが、南が丘牧場とサファリパークの間の別荘地にある「英国伝統紅茶館アンティーズ」に入った。静かな大人の雰囲気の店だが犬も店内OK。しかしドッグカフェではないし、店内には高価な茶器類が展示してあるので、犬をきちんと管理しておくことはとても重要。
 ランチメニューとしてキッシュなどもあるのだが、本当の英国の伝統を知りたかったので、「アフタヌーンティーセット」2000円を注文。これはサンドウィッチの他に、イギリスの伝統的なティーケーキが4種類に紅茶というセット。ケーキはスコーン、カレンツ(黒スグリ)、メイドオブメナー(りんご)、季節のケーキ(茶葉を使ったプディングだった)。紅茶は店主が先にカップにミルク(無脂肪乳)を注いでから入れてくれる。この紅茶は完全無農薬で、時間をおいても渋くならないのだそうだ。お客が私たちだけだったので、マスターはずっと私たちにかかりっきりで、イギリスの紅茶やお菓子の話をしてくれた。そしてカップが空になるとすぐに注いでくれた。私はイギリスに行ったことがないし、イギリスの伝統的なお茶の飲み方やお菓子のこともちっとも知らないので、「へぇ〜」な話をたくさん聞かせていただいた。
 お茶をお代わりし、結局ここに3時間も長居してしまったのだが、マスターが言うには最長5時間だそうだ。それくらいゆったりと時の流れる、落ち着いたお店なのだった。

 時間は2時過ぎ。これから今日の宿「ザ・ハートフィールド・イン」へ向かう。
 こちらの宿は「那須動物王国」や「マウントジーンズスキー場」方面に行く途中の別荘地にあった。「ラニッシュ」方面と違い、道には全然雪がなく、チェーンは全く不要であった。聞けば板室街道の北側は「那須の北海道」と呼ばれているそうで、一軒茶屋から先は天候が全然違うらしい。
 3時、チェックイン。外観がとても立派なペンションだ。イタリアンレストラン「ルナディルナ」という名前で食事のみの営業もやっているようだ(予約制かも)。
柔らかい色調の部屋
雰囲気はイギリス風
食堂は、ポップな感じ
 部屋は101号室。客室は全部2階だと思っていたので、たいへんありがたかった。案内の女性(オーナー夫人か?)に、この日は貸し切りなので、お風呂場以外はどこもリードなしで自由に過ごしていいです、と言われた。客室は1階に3室、2階に3室。1階の部屋はお風呂にもダイニングにも近くて便利だ。部屋はそれほど広くはないが、ベッドの他にソファ、テーブル、机、引き出しを置けるスペースはある。部屋には猫足のバスタブとトイレ、洗面がある。お風呂は貸し切りで入れる内湯と露天があるので、部屋のは使わなかった。
 う〜に〜も落ち着いたところで、さっそくお風呂へ。内風呂と、そこから続く露天風呂があり、露天はちょっとぬるめで本なんか持って入ったらいつまでもいられそうな感じだった。両方ともジェットバスで、とても気持ちのよいお風呂だ。昨日の宿ではお風呂は堪能できなかったので、ここではゆっくりとお風呂を楽しんだ。

 さて夕食の時間。う〜に〜を連れてダイニングへ。広いダイニングに私たちだけなのがちょっと寂しい。
 食事はイタリアンとのことで、まずは前菜4種盛り合わせ。次はトマトソースのほうれん草のパスタ。けっこう量が多い。続いてパンと、メインの鶏肉のソテー。そしてデザート盛り合わせとコーヒー。
 ボリュームはちょっと少ない方だろうか。今日は午後ずーっとお茶しながらまったりしていたので、それほど空腹ではなかったから足りないとは思わなかったが、男性や、女性でもしっかり食べるタイプの人だと、少々物足りないかも知れないなあ。
 寝る前にまたお風呂に行って、のんびり露天につかり、ほかほかになって眠りについた。



あたま、デカいです
 晴天。朝の散歩を済ませてダイニングで朝食。パンにサラダ、ハム、ソーセージ、目玉焼きというオーソドックスな朝食メニュー。ジュース、ミルク、コーヒー、ヨーグルトはセルフサービスになっていた。
 ダイニングの窓からは、宿の看板犬のダンディディンモントテリアが見える。時々遠吠えをするけれども、気のいいやつでう〜に〜を見るとクンクン鼻を鳴らす。
 チェックアウトして、ちょっとその犬のそばに行き触らせてもらった。頭がデカくてモコモコしていた。
 見送りに出てきたオーナー夫人(推定)は、あまり愛想がいいとは言えない方だが、ちゃんと見送ってくれた。
 いい天気なのでちょっともったいないが、2日続けて雪の中ではしゃいだので、老犬う〜に〜にはもう十分だろうと、今日はこのまままっすぐ家路へ。家に帰って満足げに寝ているう〜に〜を見ると、楽しい旅だったんだな、と思う。