うにまいす星人は考えた(なんかいつもと違う書き出しですね)。

 今年の旅初めはどこに行くべきか。
 1泊しかできない。とすると軟弱な我々は遠出できない。車も軟弱なので雪深い所は行けない。これらの事情を総合すると私の頭に浮かんだのは「千葉県」だった。
 そうなのです。千葉県って、日頃は全然念頭にないのだけど、年に一度くらい、こうやってネタがつきたときにひっそりと「私でどうでしょう」とアピールしてくる健気な県なのです。
 こうして今年の初旅行は千葉に決定した。前回雨やら満車やらで行けなかった「マザー牧場」リベンジだっ!




 天気予報が不吉なことを言っている。午後から雨か雪、ものすごく寒いそうだ。
 8時に自宅を出る。渋滞は全くなく、10時にもならずに「マザー牧場」到着。案の定、極めて寒い。「マザー牧場」といえば「菜の花が咲き、ひと足早い春」を思い浮かべるが、なんたって山の上。風は顔を切るように冷たく、春どころかうら寂しい真冬である。それでも菜の花は咲いており、う〜に〜だけは元気なのだった。
 10時半からの牧用犬ショーを見ることにして、それまでうま広場、ドッグランなどを見学。ドッグランは1頭500円の有料で、大型犬、小型犬とエリアが分かれていたが、何故かアジリティーは小型犬のランにしかないのだった。これでは面白くないので利用せず。
 ショーの時間が近づいてきて、係の人が犬と羊をショー会場まで移動させ始めた。柵に近づけるなと書いてあるので遠巻きにして見ていたのだが、どうもハンタウェイの1頭はう〜に〜が気になって仕方ないら
ウンコたれも舞台にあがる
しい。何度もこちらに走って来かけては、呼び戻されていた。まあ呼びが効くからいいんだけどね。と思っていたが遂に柵をヒラリと越えてこちらへまっしぐら。そういえば赤城高原牧場のショーでも脱走していたな、このハンタウェイってヤツは。
 コイツはう〜に〜のお尻にしばしくっついて回っていたが、おもむろにしゃがんで大量のウンチをブリブリとした後、また柵を飛び越え帰って行った。匂いを嗅いだ後はおしっこをすると予想していた私はちょっと呆気にとられてしまった。

 ショーは最初のうちはドーム内の舞台でやる。犬は入れないので交代でちょっと覗いただけ。その後外で羊を追うが、犬は柵から20m以上離れろとの指示があるのであまりよく見えない。それにこのショー、犬の出番はごく少なく、何故かダチョウとラマが出てきて人間と追いかけっこをするという意味がよくわからないものであった。牧羊犬ショーとしては、犬連れでも近くで見られる赤城の方が面白かった。
雪がチラチラ、そして、ビュ〜ビュ〜
 それにしても寒い。しかし入場料3000円も払ってしまったので、すぐ帰ったらもったいない。意を決してハイキングコースを歩く。歩いていたら雪が舞ってきた。「すぐにやむよね」と言って引き返さずに歩き続けたらだんだん吹雪いてきた。やっとゲートまでたどり着き、車に乗り込む。12時。

 この後チェックインまで時間を潰さなければならない。しかし千葉は軽井沢や清里と違って犬が入れそうなカフェも少ない。う〜に〜は車で待ってもらうしかない。
 まず今日の宿「ホテルヴィラ勝山アヴェール」の場所を確認し、道の駅鋸南をちょっと見物し、結局浜金谷のガストが最も長居できそうなので、う〜に〜を車に残し店内へ。雪はもう雨に変わっていた。
 夕食の量が多いとの情報を得ていたので、ガストではミニかき揚げうどん、焼き鳥盛り合わせ、カキフライを2人で食べ、1時間程時間をつぶす。2時半になったので店を出て、3時チェックイン。

一階全てを利用できる
 「アヴェール」の犬OKの部屋は和室と洋室の2室で、両方とも離れ。洋室の方が新しそうだったが、車を部屋に横付けできるのと、夕食を部屋食にできる(宿代10%増し)のを重視して和室を予約した。
 部屋は6畳の2間続きで、キッチンの付いた板の間が約1畳。広い独立型のバスルームには洗濯機もあり、宿というより家一軒まるごと借りている感じ。畳はけっこう傷んでおり年季を感じさせるが、トイレやお風呂はきれいで不快な感じはない。玄関には水を入れたバケツに濡らしたタオルと乾いたタオル、スコップ、ビニール袋など犬用の備品が用意されており、板の間にはトイレ、予備のトイレシーツ、食器、ケージまであった。
 4時、私は大露天風呂へ。このお風呂は時間予約制で、チェックイン時に予約をしておいたのだ。時間は40分。空いていれば何度でも入れるようだ。
 大露天風呂は本館の2階から橋を渡って行く。外からも行けるが階段を上がらなければならず、雨天だと滑りやすく少々危険。雨が降っていたので離れからだとちょっと面倒だ。でもお風呂も脱衣場も広く、お湯は熱めで気持ちがよかった。
 
聳え立つ本館!何故か「LOVE」
 6時前に係の人が夕食の支度をしに来た。本当は本館のレストランでいただくのであるが、やっぱり部屋に運んでもらうとゆっくり食べられるし旅館気分が満喫できていいものだ。
 料理は、まず舟盛りがドーンと出てきた。今日のメインはヒラメ。それにカワハギ、サヨリ、イカ、鯛、鮪中トロ、貝など、種類が多い。それにオードブルの盛り合わせ、鉢いっぱいのサラダ、ナスの煮浸し。これらで一杯飲んで、〆にビーフシチューとご飯という段取りになっているらしい。私は日本酒をグラスで頼み、刺身を堪能した。種類が多いので飽きることなく食べられた。
 食べ終わったところでフロントに電話して次の料理を持って来てもらう。しばらくしてビーフシチューとご飯、お新香が運ばれた。電話してからちょっと時間がかかったのは、熱々にして持って来てくれたからだった。本当に芯まで熱々だったのだ。部屋食をお願いしたとき、「もしかしたら冷めてしまっているかも」という心配もあったので、この気配りは嬉しかった。
 事前の情報収集によるとここのビーフシチューは目玉料理らしい。野菜も肉もとても大きくて、スープはさらさらタイプで味は甘めだった。ズラリと並ぶ旅館料理と違い品数が少ないと思ったが、これでかなり満腹になった。
二人にはちょうどいい量だった
 最後にデザートのアイスクリームを持って来てくれて、その時に布団を敷いてくれる。明日の朝食時に布団を上げに来るが、朝食はレストランに食べに行くので、その時はう〜に〜をケージに入れておくようチェックイン時に言われていた。でも部屋係の人は、食事を運んでも自分のマットから動かずただ見ているだけのう〜に〜を見て、「部屋の襖を閉めておいていただければ放していてもいいですよ」と言ってくれた。どうしようかな。
 夕食後、本館にある内風呂に行ってみた。あまり広くなく、やはり大露天の方が開放感があって気分がよい。ちなみにもう一つ「雲上の露天風呂」というのがさらに上の方にあるそうだが、この日はお客が少ないので使っていなかった。
 私たちの布団の横にう〜に〜の布団を置いた。普段は人間の掛け布団の上にどーんと乗って寝ているう〜に〜だけど、こういうときはちゃんと自分の布団で朝まで寝るのだ。




 雨は上がった。今日はいい天気になるという。マザー牧場も今日行けばもうちょっと楽しかったかも。
 朝食をとりにレストランに行く。う〜に〜は備え付けのケージに入れて行った。長年ケージで寝ていたので、よそのケージでも落ち着くようだ。下に自分の布団を敷いてやったのですぐに寝ていた。
 朝食は、二段重ねのお重と、あじの開き、煮豆、なますなど。これにご飯と具沢山の味噌汁。お重の中身は、一段目はサラダがたっぷり、二段目には4つの小鉢が入っていて、中身はいかの煮付け、煮卵、山芋など。あじの開きが冷たくなっていたのが残念。

 チェックアウト後、車を置いたままですぐ近くの海岸に行ってみた。宿から徒歩5分で海岸に出られるのだが、踏切のない線路を通るのでちょっと怖い。この道は教えてもらわないとわからないが、部屋にある案内におススメ散歩コースとしてちゃんと書いてあった。
 う〜に〜、砂浜をちょっと走る。夏場だったら泳がせてやりたいが、今日は無理。今度海で泳ぐためにこの宿に来るのもいいかも知れない。
危険なので自己責任で ここは岩場だけど、砂浜もあるよ
 宿を出発して次に向かったのは、富津市民の森。キャンプ場、ハイキングコースなどがある。地図を見てパノラマ広場というのを目指して歩くが、この道、遊歩道でなく車道だった。いつまで登っても舗装路で全然面白くないので、引き返して車で行ったらあっという間に広場へ。今まで歩いた苦労はなんだったのか。
う〜に〜、とってもヤル気!、でも、私だけで楽しんじゃうもんね〜(と考えたのがいけなかったか)
とほほ・・・・

 広場には遊具や展望台があった。そしてここで悲劇が。ローラー滑り台を滑ったら、表面は乾いていたのに裏側が昨日の雨で濡れていて、お尻がビショビショに濡れてしまったのだった。パンツまでグッショリ。あたりに人気がなかったのでズボンはすぐに着替えたがパンツまで脱ぐ勇気はなく、濡れたパンツで東京まで帰ったのだった。


 帰る前に近くの高宕山自然動物園に寄る。動物園と言ってもいるのはニホンザルだけだった。しかも有料なので入口だけ見てパス。

 アクアラインを渡り、2時頃川崎着。お昼を食べていなかったので、3時前に尾山台駅近くの「カフェ・ド・ボヌール」に入る。この頃はパンツも乾いていた。
 このカフェは犬専用ではないがかなりドッグカフェに近いような気がした。犬雑誌が置いてあり、犬用メニューがあり、店の犬(プードル4頭)が店の奥で吠えている。
 ダンナはランチのパスタ、私はベーグルサンドを食べた。フードメニューはそんなに多くない。オーナーさんは犬連れのお客とはなるべく積極的に話したいように見え、ちょうど混んでいない時間だったのでテーブル近くに来て犬談義に花を咲かせていた。お話すること自体はいいのだけど、そばに人が来るとう〜に〜がどうしても落ち着かない。特におやつのサンプルをもらってしまったので、最近食いボケの激しいう〜に〜はソワソワしてしまう。できれば放っておいてほしいと思った。
 犬用メニューのクッキーとりんごマフィンをテイクアウトで購入し、家へ。こうして今年の初旅行は、極寒のうちに終ったのである。
 ところでう〜に〜は最近卑しくなったけれど、宿での夕食時は、目の前に料理が並んでも全く欲しがることはなかった。もらえるのかもらえないのかちゃんと状況判断をしているようで、くれそうならねだってみようという態度がありあり。感心してる場合じゃないがこういう能力は本当に大したものだ。