う〜に〜と私たちは、今までに50軒以上の宿に泊まった。ペンションはもちろん、大型旅館やホテルにも泊まり、キャンプや野宿(←宿とは言いませんね)もした。
 でもまだ体験していないものがあった。それは・・・トレーラーハウス。最近広くてきれいな部屋に泊まり慣れてしまった私たちだが、一度経験しておくか・・・ってことで行ってきました、日光。
 実は宿の食事が今回の一番の目的でして、犬はトレーラーハウスにしか泊まれなかったというのが本当の理由です。



 雨の多い今年の秋。しかし予報では我々の旅行中だけ見事に晴天。
 10時過ぎに「日光わんわんの森」到着。予報どおり晴れていて思ったほど寒くない。
 入口でチケット購入。一人1500円。犬は500円だけど携帯のサイトにつなぎ愛犬無料招待券を見せればタダ。
レストラン(食堂?)には、芸達者な柴君の写真が貼ってある。
 園内にはところどころに犬が繋がれている。「みんなやさしい子だから」とオーナーさんの説明を受けるが、う〜に〜、即座に吠えられる。う〜に〜は何故か犬に吠えられたり嫌われやすいタイプなので「やっぱり」と思う。
 まず園内を散歩。犬舎の犬を見る。次にアジリティー広場へ。う〜に〜、やる気。大好きなドッグウォークはもちろん何度もやるが、今回はテーブルに乗って5秒伏せるのが気に入ったらしく、今日のブームになっていた。
 アジ広場のそばから「アロマの森ハイキングコース」という道があり、星観台という見晴らしのよい所まで続いている。その先も山に続いているようだが、道らしい道はなく、引き返すようにとの看板があった。登って下りて来るのに1時間もかからない、手頃な散歩コースだ。
 園内にはレストラン、ショップがあり、犬も中に入れる。レストランでわかめうどんを食べた。受付にいたオーナーさんがやってきて作ってくれた。「うちのばあさんがその辺で採ってきたキノコを入れてもいいか」と聞かれたので入れてもらった。どうやら家族経営のようだ。
 ショップはお土産もの主体だった。犬用のおやつなどがあればいいのに、と思った。
 ショップの裏にふれあい広場があって、ビーグルやシーズー他小型犬がいた。レンタルもやっているようだ。
 食後はドッグランでちょっと遊び、再びアジリティーをやって、約2時間の滞在。

 この後は日光市内に入る。チェックインまでの時間調整のため、日光駅にも近い所野公園を散歩。まだ時間があるので宿の場所を確認しながら霧降方面へ。お昼が軽かったのでちょっとお茶でもしたいと思い、テラスのある店を探す。
深い沢の上に建つテラスは気持ちいい
 霧降滝駐車場の少し手前に分かれ道があり、下っていくと「日光テディベアハウス」というショップ兼ティールームがあった。都合のよいことにテラス席あり。聞いてみると「お客様が寒くなければどうぞ」と席を用意してくれた。幸い暖かくて気持ちのよい天気だった。この店は通りからちょっと離れているので、目の前を車が通るということもなく、テラスの下には沢があってなかなかいい雰囲気なのだった。
 庭の隅にゴールデンが繋がれていて、う〜に〜を見つけて遊びたそうに吠えた。たぶん男の子だろう、頭がう〜に〜の倍くらいあった。  
 ケーキと紅茶でくつろいでいたら3時を回ったので今日の宿へ。

 今回の宿「インザミスト」は犬と泊まれる情報誌などには載っていない(と思う)。何故なら犬が泊まれるのは、ペンションではなくトレーラーハウスのみだから。トレーラーは中庭に1台、ペンションから少し離れたミニキャンプ場に2台ある。中庭の方は2食付も可能だがキャンプ場は素泊まりのみだ。私の場合完全に料理目当てで決めたので、もちろん中庭の方。
テラスはとても雰囲気がいい
向かって右がガーデン風呂、左がアロマジャグジー
 ペンションで鍵をもらって説明を受ける。最初テーブルとソファーがダブルベッドにメイキングしてあったが、窮屈そうなのでもう1つのソファーもベッドに直した。こうすると通路がかなり狭くなるが仕方ない。2段ベッドを荷物置場にしたが、クローゼットや棚もたくさんあったので荷物で通路がふさがることはなかった。しかしう〜に〜の寝床でふさがってしまった。
 設備はシャワー、トイレ、洗面、キッチン。備品は電子レンジ、ポット、トースター、歯ブラシ、バスタオルと充実していた。しょせん車だから宿の部屋に比べたら狭いし不便でもある。しかし隣室などが気にならない分、慣れてしまえば気楽。う〜に〜は寝場所がうまく定まらず最初落ち着かなかったが、トイレの前あたりが一番気に入ったらしいので、そこに布団を置いた。

 トレーラーハウスの前は雰囲気のよい中庭にテラスがあり、暖かい季節ならここでお茶やワインを飲んだりするのも気持ちよさそうだ。そしてテラスの向こうには、ガーデン風呂とアロマジャグジーという2つの貸切風呂がある。
 さっそくガーデン風呂へ。きれいで広々としていて、とても気持ちがよい。天井が高いのがいい。トレーラーのシャワーではちょっと狭くてイヤだけど、このお風呂に入れるなら満足。
 身体も暖まりう〜に〜にごはんを食べさせたら、待望の人間の夕食。う〜に〜留守番。
 ペンション1階のダイニングに行くと、2階客室からもぞろぞろ集まってきた。驚いたことにテーブルは全て埋まっており、平日だというのに8組17人の宿泊客がいたのである。こんな宿、礼文島の「ペンションう〜に〜」以来初めて。
 「う〜に〜」の時は、仕事で長期逗留のおじさんたちが多かったが今回は純粋に観光客のようだ。中年女性グループ、カップル、学生さんコンビとタイプもいろいろ。
 飲み物リストを見てイタリアの赤ワインハーフを注文。とても飲みやすいワインだった。価格も良心的。
 まず出てきた前菜は、スモークチキンの入ったサラダ。続いて焼きたてパンと前菜の3種盛り合わせ。熱々のうにのグラタン、やりいか墨煮、鯛とグレープフルーツのマリネ。見た目もきれいで、いろんなものを少しずつ味わえる、どちらかというと女性向きのお料理。味ももちろんよかった。
 次に出たのはコンソメロワイヤル。これは下半分が茶碗蒸し状になっており、上に湯葉で巻いたカニ肉が乗っていた。このスープは変わっていて特においしかった。
 メインはとても柔らかい牛ほほ肉のワイン煮、玄米のリゾットと温野菜添え。デザートも3種で、熱々チーズスフレ、ミルクティーアイス、栗のムース。食後はコーヒーでなくレモングラスのお茶。これがさっぱりしてよかった。
限られたフリースペースは、うーにースペースに
 味も量も見た目も、全体的に大満足であった。素人目であるがとてもバランスのよいメニューに思えた。リピーターも多かったみたいだ。
 
 寝る前にアロマジャグジーに入ってみた。こちらは洗い場がなく、さっと入るだけの半露天ジェットバスだった。
 トレーラーハウスのベッドは寝台車みたいだけど、暖房は効くし羽毛布団なので寒いということはなかった。かのじゃりん子チエも「寒いのとひもじいのだけはイヤ」と言っていたように思うが、私も同感。満腹で暖かい寝床があれば文句はなし。ぐっすりと早寝してしまったのだった。う〜に〜も自分の場所が定まってからはよく寝ていた。 




 朝食も洋食。焼きたてのパンにカレーソースのココットなど、一手間かけた料理だった。
 さて本日の予定は、天気もよいので霧降高原ハイキング。昨年と同じ駐車場に車を止め、昨年ちょっと歩いた大山コースと反対の丸山コースへ。案内板には「途中道が整備されていないのでリフトを利用したほうがよい」とある。う〜に〜はリフトに乗れないので、丸山まで行かずに途中の八平ヶ原までで引き返すこととした。
 この八平ヶ原までの道も、岩がゴロゴロしていたり、決して歩きやすい道ではなかった。特に犬の足にはあまりいいとは言えない。でもせっかくなので頑張って八平ヶ原まで歩いた。片道約1時間。八平ヶ原に着くと景色が開けて、吹いてくる風が心地よかったので地面に座り込んでしばし休んでしまった。
 帰り道もけっこう苦労しながら歩いたが、う〜に〜はうまく自分で通る道を選んで歩いていた。山歩きに関しては私よりはるかに優れている。
(左)コースの入口、霧降高原ハウス近くにあった案内板。我が家の場合、このような案内板の時間より早く歩けるのだが、ここはこの数字の1.5倍くらいかかってしまった。 (中)うーにーは自分で道を選んで進む。軽々と進んでいるように見えるが、宿に帰るとグッタリ。 (右)八平ヶ原到着。とても景色がいい。
テラスOKの Cafe アウル
テーブルにリードフックもあります
 
 車に戻るとちょうど昼時。来る途中にあった「チロリン村オートキャンプ場」に行く。「カフェアウル」「ふくろう工房」という看板を見て、フクロウ好きの私はつい惹かれてしまったのだ。
 するとラッキーなことに「カフェアウル」にはテラス席があり、ちゃんと「ペットOK」の表示とリードフックまであるではないか。昼食はここに決まった。
 「ホットサンド」「サンドウィッチ」に飲み物を注文。出来上がったら呼んでくれるのでセルフサービスで席に運ぶ仕組み。ちゃんと注文を受けてから作ってくれて、おいしかった。軽く食事をしたいときにはちょうどいい量。他にケーキ、きのこうどんなどもあった。
 ここの庭にも柵型犬舎の中にゴールデンが2頭いた。カフェのママさんの犬らしいが、ゴールデンには珍しい人嫌いなのだとか。後で近寄ってみたらしっかり「人間嫌いなので触らないで下さい」と書いてあった。
 
 午前中かなり歩いたので午後はまったり過ごそうと思っていたのだが、このキャンプ場に車を置いて、「隠れ三滝ハイキングコース」に行けるという。「ふくろう工房」にハイキングマップが置いてあったので、それを見ながら三滝を目指すことにした。
 キャンプ場を出て少し車道を下っていくと、三滝への道がある。最初はずーっと下りの階段なので、「帰りはこれを登るのね」と考えるとちょっとめげそうになった。しかし気を取り直して進んで行く。
 この階段さえ下ってしまえば、後はそれほどきつくなかった。しかし途中、う〜に〜には渡れそうもない丸太橋があり、下の川は流れが速いため、ここはダンナがう〜に〜を抱いてそろそろと渡ることになった。
 丁字滝、玉簾滝、マックラ滝、それぞれに特徴のある滝を眺めながら歩いて、約2時間弱。帰り道ではサルとかなりの至近距離で遭遇。一瞬緊張が走るも、土産物店を荒らすサルたちのように攻撃してくることはなかった。
 う〜に〜も疲れたと思うが私も疲れた。う〜に〜に水を飲ませ、私たちももう一度「カフェアウル」でジュースを飲んで休憩。

幾つもの滝が見られるコースはなかなかいいが、10歳過ぎのうーにーとは、時間をかけてゆっくり歩きたかった。お弁当をもって河原で休みながら歩くのもいいかも。

 夕方宿に到着。食事前にお風呂に入ってサッパリしたい。すぐにガーデン風呂へ。ちょうど空いていてすぐに入れてラッキーだった。
 6時過ぎ、夕食を告げる内線電話。待ってましたとばかりにダイニングに移動。おおっ、今日も満室ではないの。平日に満室続きなんて、すごいペンションである。
 今日はドイツの赤ワインハーフを飲んでみた。おいしいけど私は昨夜の方が好み。この日のメニューは、生ハムのサラダ、前菜3種(帆立のエスカルゴソース、サーモンのたたきのカクテル温泉卵添え、アスパラとベーコンのパイ包み)、きのことじゃがいものスープ、牛フィレステーキ、パン。そしてデザートはいちじくのコンポートとティラミス。それにレモングラスのお茶。あー今晩も満足。
 料理のサービスの時オーナーさんとちょっと話すことができた。食事時以外はトレーラーなので、あまり顔を合わせることがないのだ。オーナーさんは話すと面白そうな、気さくな人だった。看板犬のゴールデン母娘がいたが、今年、半年のうちに相次いで亡くなってしまったそうだ。14歳と12歳。HPの写真を見て、会えるのを楽しみにしていたので残念。

 就寝前にもう一度ガーデン風呂に行き、暖まってベッドへ。ところが・・・
 夜11時半頃、う〜に〜がいきなり吐く。ほとんど消化されていないフードだったが、それをまたすぐに食べる。そして1時間後にまた吐く。フードに混じって昼間ムシャムシャ食べた熊笹が出た。また吐くと困るので即座に片付ける。
 旅暦9年にして初めて旅先で吐くという経験をしたのであった。昼間の疲れか、熊笹による消化不良だろうと思い、お年寄りに無理させたかなと反省しつつ眠りにつく。この後は朝までよく寝ていた。ちなみにダンナはう〜に〜が2回目に吐いたのを知らずに寝ていた。




 予報は雨。チェックアウト時はまだ降っていない。昨日行ったチロリン村の「ふくろう工房」へ、きのこを買うためだけに寄る。昨日見たナメコとクリタケがとてもおいしそうだったのだ。
 雨なら普段はまっすぐ帰るところだが、この日は尚仁沢湧水の近くにあるキャンプ場「オーキャン宝島」にあるレストラン「モナベール」のランチを予約していた。予約時間より30分早く着いたが、散歩時間を見込んでいたのに雨が降り出してしまった。
 店内に入るとちゃんとウエイティング席があって、そこで待っていていいとのことなので、お言葉に甘え待たせてもらった。オーナーさんが席の用意ができるまで話し相手になってくれて楽しかった。そして12時にテーブルへ。
 このレストランは昼、夜とも完全予約制。ランチ2800円と少々お高めだが、出てきた料理はおいしくて大満足。高くても後悔しないお店だった。
 メニューはおまかせで
・前菜 スモークサーモンのカクテル・野菜、ベーコンのパイ
・スープ えびと帆立の中華風優しい味スープ(うにまいす星人命名)
・メイン 山形牛ステーキ、フランボワーズソース(レアな焼き具合がうにまいす星人好み)
・デザート アップルパイ、いちじくのムース、マンゴーとアイスクリーム
吐いてスッキリのう〜に〜

・コーヒー

 私はオーナーおすすめのイタリアワインをグラスで2杯飲んだ。今日帰るのでなければフルボトルをとって飲みたいようなワインだった。
 ベーコンは自家製、野菜は近所で採れるもの、肉は生産者のわかるもの、と素材にもこだわりを持っている。オーナーさんの話は面白くて、2時間かけて食事を楽しませていただいた。
 食事が終ってそろそろ帰ろうかという頃、テーブル下で寝ていたう〜に〜、またいきなり戻す。なんの前ぶれもなく、体勢も変えず戻すので防御できない。オーナーさんがすぐにトイレットペーパーを持って来てくれたので、それで包んでトイレに流す。固形物なので処理は非常に簡単だったが、つまり朝食べたものが2時になっても全然消化していないということだ。
 こうして犬好きなオーナーさんにご心配かけつつレストランを後にしたのだった。このキャンプ場は川に出られる散歩道もあって、ドッグランもあって楽しそうだ。天気のいい時に、ゆっくり滞在したいなー。
 帰りは雨がひどくなる中ひたすら東京へ向かい、終了時間ギリギリに病院へ駆け込む。胃薬2種類をもらって帰宅。

(後日談)
 う〜に〜はその日の夜遅くもう一度吐きましたが翌日からは通常に戻りました。しかし3回分の食事を戻したため痩せてしまいました。
 買ってきたきのこは、翌日パスタ、炒飯、きのこ鍋にして食べました。とてもおいしかったっす。