今年に入ってからの「うに旅」は近場で1泊ばかり。たまにはゆっくり連泊したいなーと思っていたら、G.Wさんがやって来た。そこで今回は1泊ではなかなか行けない北信州のうにまいす家お気に入りの常宿でゆっくり過ごすことにしました。


ペット専用ゴミ入れ と ペット専用水飲み場
 5時40分発。う〜に〜はおでこのホットスポットを掻き壊してこじらせてから、完治しないまま3ヶ月が経とうとしていた。痒みが治まらないのでいつまでも傷跡はハゲたまま。ついに「うに旅」史上初の「エリカラ」持参となってしまったのである。
 途中の横川S.Aで小休憩&軽い朝食。お散歩向きの芝生部分あり。そしてなんと犬のフン用ゴミ箱が設置されているのには驚いてしまった。苦肉の策なのか。たいへんありがたいことではあるが、しかしそのすぐ側にも放置ウンチがあり、せっかくの好意を無にしているのだった。

 さらに先の小布施ハイウェイオアシスで休憩。ここは整備された広い公園があるので散歩に最適。しかしこの日はとても寒く、しかもちょうど1周して車に戻る直前に雨が降り出してきたので滞在時間は短かった。
リンゴを持ったピカチュー

 次に以前も行った「三水アップルミュージアム」へ。犬も入れる施設なので雨天には最適。展示物が前回来た半年前と少し変わっていた。ここにはボタンを押すと動いてお話を始めるミミズや鳥の人形がいるのだが、前回は見ていないムクドリやハチがあったので見てみる。普段からTVをよく見るう〜に〜は、動く人形を興味深そうに見ていた。

 ここではリンゴを自由にもいでよいことになっていて、う〜に〜は大喜びだったのだが、よくよく考えたら今は花の咲いている季節。リンゴが生っている筈はないのだ。リンゴ並木を散歩して、う〜に〜には納得してもらった。

もちろんアップルコンピューターもある
左から、ムクドリ、リンゴモンハマキ、マメコバチ 後ろにはリンゴに関係する本がズラリ

藁屋はログハウスの二階
大型の老犬には、ちとキツイ
 早めの昼食は黒姫の「ログコテージ&レストラン藁屋」にて。11時の開店とほぼ同時に入店。犬は「待て」ができれば同伴OKとのこと。今日のような雨がちで寒い日には店内OKはありがたい。店は靴を脱いで上がるようになっていて、すぐに犬の足拭き用ぞうきんを渡してくれた。メニューは洋食が多いが和食、おつまみなんかもある。私はタンシチュー、ダンナは玄米炒飯を注文。私の食べたタンシチューはご飯に合う食べやすい味。コーヒーもおいしかった。
 コテージは1棟のみで、平日は1万円から泊まれる。食事はこのレストランで2,300円の予約のコースを食べてもいいし、もちろん単品でもよい。なかなか安くて魅力的である。何よりも周囲にあまり建物がなく、林の中の一軒家という感じで環境がいいのが気に入った。

 ここで「黒姫ドッグラン」の10%割引券をもらい、すぐ近くなので行ってみるが、着いたとたんに雨が降り出し、しかも強風。1,200円の入場料を払ってもいったい何分遊んでいられるのか・・・と考え今日のところは中止。どうせ雨で遊べないのならと、笹ヶ峰の様子を見にドライブすることに。数年前のこの時期、笹ヶ峰ではスキーをしているくらいの積雪だったが今年はどうなのか。
車の中で待つうーにーの頭、後方に見える
緑のフェンスがドッグランのものらしい
雪、それは擦り付けるもの
あぁ・・・・うっとり

 笹ヶ峰に行くと、雨ではなく吹雪だった。めちゃくちゃ寒い!しかし雪の量はまるっきり少ない。ちょっとだけ吹雪の中でう〜に〜を遊ばせる。しかしう〜に〜は走り回るよりもおでこを雪に擦りつけて掻く方に専念してしまい、すぐに車に戻されてしまった。

 今日はもう遊ぶのを諦め、おとなしく宿に入ることにする。宿はうにまいす星人の目下一番のお気に入り、タングラム斑尾にある「オーベルジュ ラ・プーサン」。3度目の宿泊だが、来るたびに3泊しているので既に今回で9泊。もうすっかり常宿という感じの居心地のよさなのだ。
 前にも書いたかも知れないが、この宿は犬中心の宿ではない。宿泊客に同伴する飼い犬として、入室のみ許されているという姿勢で利用するのが正しい。犬のための設備・サービスは皆無なので、宿にそういったものを期待する人には不満だろう。だからいくら私のお気に入りでも、どなたにでもおすすめできる宿ではない。
 フロントで鍵をもらうと、大きくなったバイクちゃんが出てきた。バイクちゃん、う〜に〜にじゃれつきゴローンとお腹を出して誘っていたが、う〜に〜あまり相手にせず。
 部屋に入って落ち着いたら、夕食前の明るいうちに露天ジャグジーに入り、う〜に〜に食事をさせて自分たちの夕食を待った。

 この日は貸切だったので、う〜に〜もダイニングへの同伴を許される。こんな日もあるかも知れない、と持参したこの日のための「プーさんポニー用ゴム」でTシャツの裾をしばり、テーブル下のマットで待機・・・するはずのう〜に〜は、やはり顔だけ出してオーナーさんと奥さんへの挨拶のチャンスを窺っているのだった。
 さて今晩のメニューは
・地鶏とりんごのスモークサラダ仕立て
・うどとヤリイカのソテー
・あいなめと大アサリのスープ
・メロンシャーベット
・ルアーデン(挽肉を肉で巻いた、ドイツに近い方のフランスの料理だそうですがかなりドイツ料理っぽい)
・チーズムース
 という内容だった。もちろんどれもとても美味。日本の季節の素材をたくさん使い、素材の味を活かした味つけの「身体にやさしいフレンチ」という感じなのだ。
 この日のデザートは、暖炉前のラウンジに用意してくれたので、場所を移してゆっくりいただいた。
 その後オーナーさんが「貸切でゆっくりしていただけるのは今日だけなので、よかったらご一緒させてください」とチーズを切ってきてくれて、スパークリングワインを開け、4人で乾杯して夜更けまでいろいろおしゃべりさせていただいた。この時は宿のオグリちゃんバイクちゃんも一緒、う〜に〜も含めみんなノーリードだったが、いつもの家の中とまったく同じように、思い思いの場所でくつろいでいた。う〜に〜は自分のマット。バイクちゃんはソファの私の隣りに座っていて、まるで私の犬みたいだった。
 いいなあ、こんな光景。おいしい物食べてお酒飲んで、傍らに犬たちがのんびりしてて・・・とても平和で幸福なひと時を過ごさせていただいたのだった。
サービス精神旺盛なバイクちゃん いつもでマイペースなう〜に〜 Tシャツ留めはプーさんポニー用ゴム





 朝食もう〜に〜ご同伴。パン、ツナとシリアル入りサラダ、アイスバイン(ドイツの豚肉塩漬け)、ザワークラウト、オムレツ、ミルク、フルーツ、コーヒーと充実の内容。天気はすっかり回復し雲ひとつない晴天だが、風の冷たさが東京と違う。
 食後は戸隠方面へ。戸隠は前に一度行ったものの、その時は吹雪のため蕎麦だけ食べて帰ってきたので、ゆっくり歩いてみたかったのだ。
 いろんなコースがあるようだが、今回は戸隠神社の中社から、有名な観光名所「鏡池」まで遊歩道を歩くことにした。中社にはそこそこの観光客がいたが遊歩道を行く人はほとんどなく、楽しい散歩だった。途中の硯石あたりは山の眺めがたいへん素晴らしい。道はところどころ雪が残っているが比較的平坦なので楽。
 鏡池に着くといきなり人が多くなった。鏡池にも駐車場があるので、そこに車を止め写真を撮って帰る人が多いらしく、池の周りを1周歩く人も少なかった。
硯石。天気がいいと後ろに山が見える。 鏡池。カメラを持った人がいっぱいいた。 鏡池の近くにはこんな所も。

 私たちも一応写真スポットで記念撮影。静かでとても美しい風景だ。そして周りを歩いてみる。雪が残っている場所もあり、う〜に〜がおでこを雪に擦りつけようとするのを必死に阻止しながら歩いた。
 ここからは来た道をまた戻ることになる。風が涼しいが気温は高いのでう〜に〜は暑そう。水を飲ませて休憩しながら戻った。行きには寄らなかった「小鳥ヶ池」にも寄ってみる。ここもまた静かな森に抱かれた、鏡池にも負けないほどきれいな景色だった。
観光客はほとんど来ない遊歩道 小鳥ヶ池は、雰囲気も景色もグッド

 車に帰ってきたのは既に1時半。3時間以上歩いていたことになる。遅い昼食をとるため、駐車場の隣の「洋菓子と欧風料理の店やまぼうし」へ。ガイドブックには外にテーブルがあると書いてあったが見当たらない。店に入って「外で食べられますか?」と聞くと「あら、ワンちゃんがいるのね。ちょっと待ってて」と言って、テーブルと椅子を裏の芝生の庭にセットしてくれた。昨日雨が降ったし、数日前に雪も降ったので片付けていたそうだ。
 奥さんが店内から出てくると同時に、「犬がいる」と聞いてぞろぞろ人が出てきたのには驚いた。お母さんと子供が「触ってもいいですか」と聞きう〜に〜をなでる。父親だと思ったら実は赤の他人だったおじさんが私たちには無言のまま「ステイ、ステイ」と言ってう〜に〜のお尻をグイっと押すのは正直腹が立った。それはステイじゃなくてシットだろ!もっともうちは「座れ」だけどさっ! 
雰囲気のいい芝生です
 さて無事に席に着く事ができ、う〜に〜は芝生でおでこを掻いて怒られたりしつつようやく昼食にこぎつけた。なかなかおいしそうなメニューでして、時間があれば昼間からワインでも飲みたくなるのだ。でも夕食のことを考えて軽めにしておく。エゾ鹿のカルパッチョとこごみと鰯の和風パスタを注文。ビールが旨い!う〜に〜は水をガブガブ飲んで、その後はすやすや寝ていた。
 外の席は風が吹くと寒いくらいで、上着を着たほどだ。う〜に〜にはとても気持ちよかったのではないかと思う。しかし食事中も店内からさっきのおじさんがまたやって来て、う〜に〜をずーっと撫でていたのはちょっと不気味だった。慣れてきたら私たちにちょっと話しかけてきた。きっとシャイで寂しいヒトに違いない(と私が勝手に決めた)。
  
 4時前に宿に帰る。今晩はリピーターの犬連れ客ばかり3組とのこと(犬の泊まれる部屋は3室のみ)。いつものように夕食前の明るいうちにジャグジーに入り、出てきた頃他のお客さんも到着。
 今夜の食事時はう〜に〜部屋で留守番なので、おでこを掻かないようエリカラを着けられ不満顔でマットで待機。
 さて今晩のメニューは
・キジエビのグリエ(フリットのようだが衣が違うそうです)
・鰆の梅ソース
・豆と野菜のスープ
・イチゴシャーベット
・ラムのロースト
・シフォンケーキ
 この日は全員がリピーターということもあり、オーナーさんは遊び心を発揮してメニューを考えたらしい。あまり作らないメニューだと言っていた。何が出てくるかわからないところも連泊のお楽しみ・・・

 夜のトイレ散歩に出たら、隣室の方とバッタリ出くわした。部屋でお留守番中の犬は1月で10歳になったオスのゴールデンとのこと。う〜に〜と年も近くて親しみを感じてしまいしばし廊下で歓談。う〜に〜のことを「可愛い可愛い」ととても可愛がってくれた。そして出てきたゴールデン君とご対面。おっとりしたよい子で、大きな犬が苦手なう〜に〜も逃げることなく挨拶。
 この方は関西方面から7時間もかけて来るのだそうだ。思わず感心したら「ここ以外に泊まる気にならない。ここの料理はすごい!」ということを関西弁で力説していた。
 





 初日に「朝食は1日は和食が食べたい」と言ってあったので、食堂に行くと和食の支度がしてあった。
 ご飯、味噌汁の他、玉子焼きに鮭、湯豆腐、めかぶ、小皿に梅干と塩こぶとタラコ、ひじき、漬物など。ついついご飯を食べ過ぎてしまう。食後にコーヒー。

 この日もまた戸隠方面へ。歩けそうな所がまだたくさんあって1日では足りなかったから。
 散策していると水遊びができそうな場所を見つけたのでちょっとだけ泳がせる。そして周辺を散歩。この泳ぐ→散歩のパターンを3度繰り返す。う〜に〜は明らかに昨日より楽しそう。散歩の足取りも昨日よりウキウキしている。涼しいからだろうか。途中の小さな橋では、渡った私の所に来る時は駆け足、ダンナの所に戻る時は速足というルールを自分で作って何度も往復して遊んでいた。雪のある所にコングを投げると、やる気満々で取りに行き気合の入った走りをしている。こんなところを見るとまだまだ若い、ようにも思える。
水があれば泳ぎます! 橋があれば走ります! 雪があれば、尚更走ります!

 12時になったので散歩を切り上げ、車に戻る。ちょっと車で走って、戸隠バードライン沿いにある「オーガニックカフェ・チェンバロ」で昼食。犬はテラス席のみOKで、広いテラスに2卓しかないのでかなり広々と使える。素材にこだわったパンとケーキ、ハーブティーなどが中心のお店だ。
チェンバロのテラスは広くて気持ちいい
 砂糖や卵などを使用していないマクロビオテックケーキというのを食べてみた。やさしい味で10個くらい食べられそうな気がする。ダンナが食べたピタパンとトマト味のドリアのセットも、全然しつこくないシンプルな味が心地よかった。
 この後途中の「夢浪漫」というアイス屋で熊笹アイスを食べ、飯綱高原経由で斑尾へ。まだまだ遊べそうな場所がたくさんありそうで、しかもテラスのある店が多い戸隠は、私たちのお気に入りスポットになった。
 
 いつものように4時頃宿到着。今晩はお客が多いと聞いていたので、みんなが到着する前にゆっくりジャグジーに入る。部屋に帰ろうとしたらオーナーが出てきて、リンゴを1つ手渡してくれた。部屋に入るとう〜に〜がさっそく目を輝かせている。半分に切っておやつに食べさせ、残りは冷蔵庫にしまった。
 この日のダイニングルームは壮観だった。ほとんど全部のテーブルがセッティングされていた。20人以上はいるだろう。こんなにたくさんなのは初めて。スタッフも2人増えていた。前夜一緒だった犬連れリピーターさんは2組とも1泊だったようで、姿が見えなかった。 
 さて最後の夜のメニューは
・蛤のチーズ焼き
・サクラマスのカルパッチョ
・オマール海老のビスク風
・りんごシャーベット
・牛ヒレ肉のコートレット
・チョコレートのスフレ

 この日のメニューはオーソドックスな定番という感じがした。でも初めてこの季節に訪れた私には、どれも初めてのお皿。こちらのお料理は、いつもオードブル2品メイン1品のコースなのだが、今夜は最初のお皿がアミューズのような感じだったのでちょっと量が少ない気がした。でも濃厚な海老のうまみたっぷりのスープや柔らかいお肉、温かいチョコケーキにアイスの乗ったデザートに大満足。昨日で赤ワインのフルボトルを空けたので、シャブリのハーフとともに楽しんだ。





居心地のいい芝生。後ろは食堂。 出発前の一眠り
 朝の散歩に行ったら、車は4台になっていた。昨夜のお客の半分くらいは食事だけの人だったようだ。犬連れ客は私たちと、小型犬2頭を連れた1組だけだった。
 朝食も定番の洋食。ハム・チーズ・リンゴの焼きサンド、サラダ、スクランブルエッグ、ソーセージ、フルーツ、ミルク、コーヒー。
 朝食後、う〜に〜に昨日の残りのリンゴをやり、部屋の掃除と荷物のまとめをして、チェックアウト。
 斑尾高原方面に行き、「マザーグースの森」で何か安い犬グッズでもないかと探してみたが、う〜に〜に使えそうなものは見つからなかった。
 今回初めて知ったのだがショップに隣接してホテルがあり、犬も泊まれるそうだ。今日もたくさん予約が入っているとのこと。ホテルのカフェラウンジはショップにつながっていて、主に宿泊客用だけど予約すれば犬連れで食事ができるそうだ。今度泊まってみようかな。でもマザーグースのお得意さんは小型犬が多そうなので、たぶん泊まることはないだろう(←小型犬に対する偏見的発言。いや、マナーのいい飼い主さんもたくさんいるってことは重々承知なんだけど、最近あまりにヒドイのが目立っちゃってるもんでつい・・・)。それにここまで来るならやっぱりプーサンに泊まっちゃうし。レストランだけでも利用できるのなら、機会があれば利用してみたいと思った。
 
 周辺をちょっと散歩しようと思ったが霧のかかったような天気でとても寒いのでやめた。途中でどこかで散歩しようと思って帰路についたのだが、思いのほか道路が空いていたのでまっすぐ家に帰ってしまった。
 もう若くはないう〜に〜は、2日間目いっぱい遊んで十分疲れたようだ。私は毎日おいしい食事をいただいて幸せだった。そしてう〜に〜のおでこのハゲは、出発前より大きく広がった・・・