「今月はどこ行こうかなあ」と関東近郊、1泊旅行先を探していたうにまいす星人。昨年末会員になった「イサイズじゃらん」のサイトを漠然と見ていて、関東甲信越方面の一番初めに出てきた宿を発作的に予約。そんなわけで4月の旅は河口湖に決定しました。そういえばう〜に〜、山中湖の宿は2ヶ所泊まったけど河口湖は初めてなのでありました。


風情のある縁側
 前日の夜、某牛タン料理店で生ビールとウーロンハイをしこたま飲み、酔っぱらってぐっすり寝ちゃったせいか、朝5時の目覚ましが鳴る前に気分よく目覚める。7時前には出発。途中の足柄S.Aのドッグランでちょっとの休憩の後、河口湖へ。
 今回私にはどうしても行きたい所があった。御坂峠の「天下茶屋」である。9時から営業だとガイドブックに書いてあったので、朝食をここで食べるため足柄では何も食べず。9時15分天下茶屋着。

 天下茶屋は太宰治が逗留して富嶽百景などの作品を執筆したことで知られている。実はうにまいす星人、高校時代「太宰治研究サークル」に入っていたほどの太宰ファン。そこでぜひこの機会に、天下茶屋の2階にある太宰治記念館を見学したかったのだ。
 天下茶屋は富士山の撮影ポイントとしても有名。たしかにここから見る富士は圧巻であった。朝からたくさんの人が写真を撮りに来ていた。天下茶屋の外テーブルは勝手に写真撮影場所に利用されているようでもあった。
 煮こみおでんに芋だんご、甘酒を注文。おでんはすぐに出たが芋だんごは揚げるので少々時間がかかった。晴れて暖かい日だと言っても、さすが山の上、外の席にじっと座っているのは少々寒い。
 食べ終わってからダンナとう〜に〜にちょっと待っていてもらい、2階の記念館へ。太宰さんの写真などいろいろあり興味深かったが、畳がものすごーく底冷えがして足が冷えきってしまい、すぐに逃げ帰って来たのだった。
 茶屋のすぐ向かいから、旧御坂峠への山道が続いている。階段をちょっと登ると「富士には月見草がよく似合ふ」の文字を彫った太宰治の碑がある。そのまましばらく山道を登ったのだが、ずーっと続く階段はう〜に〜の足に悪いし、私も食後で苦しいので即中断。車に戻る。それにつけてもここからの富士の眺めは最高だと、つくづく思った。

 次に向かったのは西湖。釣り人のいない所でう〜に〜を遊ばせる。雲ひとつない晴天で気温も高いので、宿に着く頃にはすっかり乾いてしまうだろう。
 水はまだ冷たかったが、う〜に〜は嬉々として入っていった。
 「まだやる〜」と主張するう〜に〜を「もうお年なんだからあまり無理しないように」となだめすかして、湖の周辺を散歩。まだう〜に〜が若い頃よく利用した「キャンピングリゾートワン」を久々にのぞいてみる。他人がキャンプしているのを見ると楽しそうで自分もやりたくなるけど、ショボイ道具しかない我が家だけでは惨めなので、もうここ数年キャンプはやっていない。

西湖を臨むテラス ここにも富士山が!
 12時の開店と同時に、西湖をのぞむテラス席のある「CAFE M」に一番乗りで入る。私は自家製チャーシューのピタパン、ダンナはパスタを食べる。風が強かったので、気をつけないとナプキンやパスタに乗ったネギ、ピタパンのパクチーなどが飛んで行くのだった。気持ちはよいがあまり強風なのも困りものである。
 デザートまで食べて、ここには1時間半くらい長居してしまった。その間にう〜に〜の身体はすっかり乾いていた。隣席のご夫婦(推定)に、とっても可愛がってもらったう〜に〜はいたくご満悦の様子だったが、気がつくと旦那さんのジャージに抜け毛が大量に!車にコロコロを入れていたので助かった。
 「CAFE M」は料理もたいへんおいしく、景色もよくて気に入った。お値段が若干高めなのが少々イタイ点であるが、それでもまた行きたいと思う店だった。

ここにも富士山が!
 食後は河口湖に戻り、八木崎公園、小海公園でまったりと過ごす。小海公園では犬好きの子供がう〜に〜のために枝を拾いまくってプレゼントしてくれた。その女の子は犬が大好きなようで、周辺の全ての犬のところに行き「触ってもいいですか?」と聞きまくっていた。でも結局子供好きのう〜に〜が一番面白いらしく、何度も戻って来るのだった。
 
 3時半、本日の宿「クースクース」チェックイン。木立の中にレストラン、コテージ、ティピー、プチホテルがあり、それらを木道が結んでいる。今日泊まるのはプチホテル。じゃらんで予約した「うららかな春に創作料理を楽しむプラン」というやつ。ちなみにじゃらんで予約するとポイントはつくが特別安くはないようである。
 ログハウスのレストランで受付して部屋に案内される。プチホテルは1棟の建物が3室に縦割りになっていて、私たちは真ん中のBの部屋だった。階段を上がると広めのテラスがあり椅子とテーブルがある。隅に水を入れた犬用バケツとタオルが用意してあった。ここでう〜に〜にブラシをかけ、きれいにして部屋に入ろうとしたのだが、あまりにも涼しくて心地よいものだからしばらく椅子に座ってボーっとしてしまった。う〜に〜も床が冷たくて気持ちよいらしく、横になって寝ていた。
テラスがお気に入り 床に置かれた照明がお洒落 ベッドはこんな感じ(人間用)
お風呂の窓から玉砂利の小さな庭に出られる。
↑こんなオブジェも
 部屋は25uということなので16畳ほどか。う〜に〜の寝床スペースは十分にあった。部屋の床もテラコッタなのでう〜に〜は冷たくて喜んでいた。全体的に非常にセンスよくまとめられた部屋で居心地がよい。ちょっとした置物がさりげなく飾ってあったり、植物が置いてあったり。また天井が高いので実際の面積よりも広く感じられた。私が特に気に入ったのはバスルームで、窓から小さい庭に出られるようになっており、玉砂利を敷いて腰掛けを設置してありちょっとした露天風呂の雰囲気が味わえるのだった。水着で入るジャグジーもあるが、水着を忘れたので利用しなかった。しかし部屋のお風呂で十分楽しめたと思う。バスローブの用意もあった。冷蔵庫にはサービスのお茶2本、棚にはポットやティーバッグ、チョコレートまで。さすがプチホテル。ペンションとは一味違うリッチな気分に浸ることができた。

 夕食前、敷地内を散歩してみる。今日は犬猫同伴客がほとんどだそうで、こんな日はめったにないとか。でもそれぞれに玄関が別なこともあり、犬どうし、客どうしの交流といったものはなかった。 
 夕食はレストランに行ってとる。犬は留守番。隣の部屋の人はテラスでBBQをしていた。コース料理のほか、BBQも
選べるのだ。しかしテラスでのBBQ、寒かったのではないだろうか?
 
 コース料理は以下のようなメニューであった。
・馬刺しのカルパッチョ
・山菜の天ぷら
・クース風鴨鍋(ニンニクの効いたトマト味イタリアン風)
・ミックスグリル(ハラミ・鶏肉香草焼き・ポークウィンナー)
・フルーツ、コーヒー

 鍋のあとに残ったスープにご飯を入れリゾットにして食べたので、ミックスグリルのときは相当お腹が苦しかった。おいしかったし量もたっぷりだけど、料理そのものはそれほど手の込んだものという感じはしない。キャンプで作ったらみんなに喜ばれそうな料理だと思った。施設全体アウトドア色が強いので、よく合っていると思う。昨年できたプチホテルだけが、高級感あるリゾートのイメージを醸し出しているのだった。
 食後は満腹でしばし動けない状態だったが、う〜に〜のトイレを済ませ、もう一度お風呂に入って気分よく眠りについた。
  


外からテラスに入るまで、階段を10段ほど昇らなければならないのが難点


 爽やかに目覚め、朝の散歩に出かける。ホテルの裏手にオーナーさんの自宅ログハウスがあり、そこに山羊が2頭飼われている。とてもきれいに手入れされたペットの山羊だ。う〜に〜を見て、2人して近づいてきた。勝手に「山羊太郎・山羊次郎」と命名したが、後に「トノ・ヒメ」であることが判明。宿の周辺は松の木が多くて、松ぼっくりがたくさん落ちていた。う〜に〜はそれを拾ってご機嫌であった。
 朝食は「クースクース名物のうどん」。鴨でとっただしに、ダイナミックに切ったいろんな野菜とうどんが入っていた。野菜が大きいのがなかなかよい。これもキャンプでの朝食に、前の晩の鴨鍋の残り汁を使って作ったら喜ばれそうだと思った。
 チェックアウトし、奥さんに見送られて宿を出る。オーナーさんはあまり出てこなかったが、奥さんとは話をすることができた。もうお孫さんもいるが若々しく気さくな奥さんだ。12歳と7歳のチワワがいるけど吠えるので自宅に置いているとのこと。ここの宿は犬中心ではないが、細かい注意は一切言わず全て飼主の常識に任せるという態度なのが潔くて気に入った。金銭的余裕があれば夏に1週間くらい避暑に訪れてみたいが、まあ夢のようなお話ですな。 

 この日もまた西湖に行き、水遊び少々。しかし昨日と違い曇っていて、すぐには乾きそうもない。水も冷たいので短めに切り上げて、濡れたままのう〜に〜を車に乗せ、道志村を抜けて帰ることにした。途中の「かんとりーきっちん クライス」で昼食をとる予定で、ちょうど11時半頃に到着したのだが・・・ 日曜だというのに「本日休業」!
オレンジ・ツリー、向かって左がテラス うーにーもゆっくり
 仕方なく、途中で遊ぶ所やテラスのある飲食店を見つけたら寄ることにして先へ進む。しかし全然そんなもの見つけられないうちにだんだん街なかっぽくなってきてしまった。そこでふと目にした「宮ヶ瀬湖方面」の看板。ようし宮ヶ瀬湖行こう!ってことでナビを頼りに進む。そして無事着いたものの、お花見のせいか?駐車場が満車なのであった。
 そこでたまたま発見した宮ヶ瀬湖畔のカフェレストランに入る。「オレンジツリー」という名の店で、テラス席あり。犬連れは他にいなかったが、テラス席は人気なようだった。
 私はこの店で最も高いメニュー「フォアグラハンバーグ」2,000円也を注文。ダンナは和風ハンバーグ。普通のカフェかと思いきや、フォアグラやエスカルゴのメニューがあるところがちょっと変わっている。どんなフォアグラが出るのか少々不安だったが、ちゃんとソテーしたフォアグラ以外の何ものでもないものが、ちゃんとハンバーグの上に乗っかって出てきたので嬉しかった。味もよし。パンが3つ出てきたがこのパンもおいしかった。ダンナは鴨とサーモンのオープンサンドまで追加して食べていたが、これもおいしかった。ちゃんとした料理を出す、なかなか侮れない店なのであった。 
お店の裏手から行ける遊歩道を歩くと、展望台〜鳥居原園地があった
 食後、この店の裏手にある階段を登って行くと、展望台を経て、宮ヶ瀬湖を望む鳥居原園地という所に出た。ここの芝生でちょっと休憩してから、来た道を戻り車へ。宮ヶ瀬湖にはもう一度ゆっくり散歩しに来たいと思う。その時はまた、ここのお店で食事をしたい。
 
 河口湖1泊旅行は、近場だがいろんな店に行くことができ、宿ではリッチな気分も味わい、充実の内容だったと思う。う〜に〜も満足してくれたようで、めでたしメデタシ。