うにまいす家の夏休みは毎年9月。涼しくなってう〜に〜も大喜び・・・のはずが、何故か今年は8月が秋で9月が夏。酷暑、遭難、体調不良など数々の波乱が巻き起こった1週間の信州旅行となったのでした
9月
6 7 8 9 10 11 12

 ところで、唐突ですが季節は秋。私とう〜に〜、常に「食べる→寝る」だけを繰り返す生き物のように思われておりますが、実は文化的な一面もあるんだもんね。今回の旅行記はゲイジュツの秋ってことで、私とう〜に〜で歌を詠んでみました。ま、できた歌が全く芸術性と無縁なので、結果的に私もう〜に〜も「喰う寝る遊ぶ」な生き物であるということがかえってはっきりしてしまいましたが。
HAHAHAHA・・・(トシちゃん笑い←古い)



■1.9月6日(土)
 夜中に出たので早朝5時半に妙高の笹ヶ峰牧場に到着。ここに来るのは3度目だが、前2回は雪に埋もれていて牧場どころか道もなかった。やっと牧場と遊歩道を見ることができて感激。涼しいのでう〜に〜も元気で、やたら忙しそうにあっちへこっちへウロウロ歩く。そして突然狂ったように走り回ったり。
 牧場近くを歩いていたら、遠くにいる牛の集団がこちらに向かってやって来た。いつもそう。なんで牛って必ず集団で様子を見に来るんでしょう。う〜に〜は牛が間近に来ると、ひたすら自分の存在を消そうとしていた。そして牛軍団から離れた瞬間、いきなり得意の「クレージー走り」で気分転換を図るのだった。
遠くにいた牛を見ていたら、、、、、、何で集まるんじゃ〜
そんなに集まらんでもいい!、、、にらむなー!! これが噂のクレージー走り?


 車に戻った8時頃、急に雨が降り始めた。う〜に〜を車に乗せ、ほんの数分でどしゃ降りになった。なんと幸運なんだろう。もう少し遅ければびしょ濡れになるところだった。週間天気予報では雨が1日もなかったので、まさか降るなんて全然考えていなかったのだ。たまたま早朝に着いたおかげで、雨が降る前に散歩ができてよかった。そのまま車の中で、みんなして眠る。

 雨がやまないし、私たちは空腹を憶えたので、笹ヶ峰から下ってちょっと早いが昼食をとることにした。ガイドブックで見つけたコラーゲンたっぷりのラーメンが無性に食べたくなり、黒姫駅近くに行くが、いくら探してもその店はなし。どうやらなくなってしまったようだ。で、近くの「手打ちそば工房若月」へ。この店もちょっとわかりにくい場所にある。店主は女性、従業員も全員女性のおしゃれで家庭的雰囲気のお店。天ざるを頼んだら、おそば自体も天ぷらもなかなかのボリュームで、お腹がいっぱいになった。う〜に〜は車内で留守番。
館内の様子は
写真をクリック
 食べてる間に雨も上がったが、これではたぶん道はぐちゃぐちゃ。初日からあまり汚れたくないので、午後はおとなしく「三水アップルミュージアム」を見学。受付の女性は感じがよくて、犬にも寛容。う〜に〜は受付前のクマの剥製に気をとられていた。受付で「リンゴ並木のリンゴはご自由にどうぞ。食べごろは23番と33番の木です」と説明される。
 館内にはリンゴの品種や三水村のリンゴの歴史などの真面目な説明から、単にリンゴに関するものなら何でもありのコレクションまで、さまざまな展示物があった。「リンゴ追分」のジャケットや、アップルコンピューター、ビートルズ人形まであった。規模は小さいがなかなか楽しい博物館であった。
 見学後、リンゴ並木の道を散歩し、食べごろの23番33番を探すが結局どれだかよくわからず「どうせう〜に〜が食べるんだから」と何となく熟してそうな木からう〜に〜に1個選ばせ、もがせてもらった。その他既にたくさん落ちている中から、傷んでないのを4個ばかりいただいてきた。う〜に〜は大喜びでまず1個丸ごと完食。さらにもう1個追加。いくら朝ごはん抜いたからって。博物館の裏手にもちょっとした遊歩道があり、犬連れには嬉しい施設。う〜に〜も「リンゴ食べ放題で入館料300円はオトク!」などと抜かしている。
真似をしてはいけません! 健康にはりんご!

うーにーの後方に新郎新婦、
関係者が打ち合わせをしている
私のすぐ横後方に新郎新婦
右端は牧師様(女性でした)
 博物館のすぐ近くにあるのが「斑尾高原農場」と「サンクゼールワイナリー」。売店脇のテラス席で芝生の庭を眺めながら休憩。ジュースを飲んでふーっと一息ついていたら、何やら芝生のお庭で準備が始まり、やがて車が到着して中からドレス姿の花嫁さんにお婿さん、その家族が降りてきた。これからこの庭で結婚式が始まるのだ。しばらく見ていたら、う〜に〜は花嫁の父らしきモーニング姿の男性に撫でられた。その手には手袋を握っていたので、私は内心(う〜に〜、手袋奪うなよ)とハラハラしたが大丈夫だった。
 
 さて本日の宿は、昨秋泊まって以来、再訪の機会をずっと待っていた私のお気に入り、タングラム斑尾の「オーベルジュ ラ・プーサン」である。玄関脇にはニューフェイスの、5ヶ月になるバイクちゃんがいて、静かにこちらを見ている。5ヶ月だというのに吠えもせずはしゃぎもしない落ち着きぶり。う〜に〜の5ヶ月の時より格段にいい子!しばしバイクちゃんと遊んで、う〜に〜ともご対面。先住犬のオグリちゃんは12歳になるが、仔犬の登場で随分若返ったとか。やはり老犬の若返りには仔犬がよろしいようだが、我が家では2頭は無理だなあ。

 明るいうちにジャグジーに入り少し寝たら、待望の夕食タイム。う〜に〜は少し不満顔で部屋で留守番。この日は4組の宿泊客に1組の夕食のみの客。メニューは、
岩ガキのピカタ
甘鯛のオードブル(いくら・海老添え)
ズッキーニのスープ(松茸・キャビア入り)
桃のシャーベット
子牛のストロガノフ風
アプリコットのタルト
だった。昨年秋の旅行記でここの料理が美味しいことはさんざん書いたので、今回は詳しくはもう書かない。赤ワインを飲んで、あー満足、幸せ。最後のお皿が出た後、必ずオーナーが各テーブルに挨拶に来るのも好感が持てて好き。今のところ最後の晩は予約がうちだけなので、何か食べたいものがあれば言って下さい、と言われる。ムフフ、何にしようかな。昨夜ほとんど寝ていない私は、部屋に帰るとすぐ寝てしまい、夜更けにおもむろに起きてう〜に〜のトイレ散歩に行った後、今度は朝までぐっすり眠ってしまった。

今日の一首

笹ヶ峰 緑の牧場沢の音 牛軍団にガンとばされる

一日に リンゴ1個で医者いらず 私は今日は2個食べました(うに)

 

 
■2.9月7日(日)

 朝方は細かい雨が降っていた。朝のお散歩に行ったら、オグリちゃんバイクちゃん、向かいの宿のゴールデンのチェリーちゃん(だったような・・)に会う。若い犬に歓迎されてう〜に〜困惑気味。昨日のリンゴの効果か、ものすごくズッシリしたウン○が出る。
 朝食も充実メニュー。ハムのサンドウィッチ、トマトとツナサラダ、ソーセージにキッシュ風に焼いた卵、トウモロコシ、グレープフルーツ、ミルク、コーヒー。食べている間に空が晴れてきた。今日は天気がよさそうだ。カラッとして、爽やかな日。
 この日はまず野尻湖に向かった。象の小径遊歩道を歩く。う〜に〜は左側に湖があるのでもうウキウキ、ソワソワ。湖へ下りる道がないかと必死に探している。草の実をいっぱいくっつけた顔で何度もこちらを見ては「ねえー、下りようよ」というう〜に〜を「まだダメ〜」と制し、遊歩道の終わりまで歩いて引き返した。今度は右手の湖を気にするう〜に〜。そして湖に下りられる道に来るとピタリと止まり、目で訴えている。これは2年半前に来た時と全く同じ行動。今回もここから湖に下りて、う〜に〜を泳がせた。足場が悪いのを嫌うう〜に〜にしては珍しく、勇ましく水に飛び込んで行く。よほど楽しいのだろう。湖には釣りの船やボートが出ていて、そこから意外に大きな波が来るので、疲れるだろうと思い枝投げ10回位で終わりにした。しかしう〜に〜は思ったより元気で、というより泳いで体調がよくなったらしく、軽快な足取りで歩いているのだった。
汚れるほどイキイキする 何回だってやりますよ〜 これ食べていい〜?

 う〜に〜を拭いて車に乗せ、次に向かうは黒姫高原。コスモス園付近に来るといきなり人が多く、交通整理のおじさんが「満車ですよ」と言う。「いやコスモス園行かないんだけど。手前の蕎麦屋なんだけど」と2回ほど言い訳して「手打ちそば処うえだ」の駐車場に行き着く。ちょうど昼時で込み始めたところだが、店内より何故かテラス席が満席。テラス希望で名前を書いて、う〜に〜を乾かしつつ待つ事約10分。名前を呼ばれてテラス席へ。風が心地よく吹き渡り、ちょっと寒いくらいだ。う〜に〜には快適だろう。
うーにー様、景色を堪能す うーにー様が堪能された景色
 私は「信濃の春」という、冷やしそば、とろろ、温泉卵、天ぷらのセット。ダンナは「霧下ざんまい」という食前酒、ざるそば、天ぷら、とろろ、地玉子、小鉢のセットを注文。ここの蕎麦、細くて上品で量も少なめだけど私好みだった。天ぷらも山菜ときのこのみなのでもたれず、これがまた旨い。夕食に気合を入れる私には、昼はちょっと軽いくらいがちょうどいい。う〜に〜も連れて行けるし、すっかり満足して店を出た。

 さて、まだ時間があるので性懲りもなく笹ヶ峰方面へ。はっきり言って遠いし、たいてい向こうに行くに連れて天気が悪くなるのだ。そして今日もまた、途中から雲の中に入っているような状態に。ところが奇跡か、乙見湖に着いたらきれいに晴れているではないか。ついに、今まで雪に埋もれてわからなかった「夢見平遊歩道」の全容を知る時が来たのだ!(オーバーだな)
 この遊歩道は3コースあり、ウサギさん2時間、タヌキさん3時間、キツネさん4時間という設定になっている。どのコースも、最初に急な階段で150m登らなければならないのは同じ。この階段が嫌で行くのを躊躇したのだが、何とう〜に〜が自ら登ると主張。「大丈夫かなー」と心配しつつ登ったが、う〜に〜は足腰の調子もよく軽快だった。登って振り返ると、乙見湖とそれを囲む山々が素晴らしくよい眺めである。う〜に〜も景色を楽しんでいる・・・ように見える。
階段を登りきるとこんな景色。高所恐怖症の方にはお勧めできません。 その先は楽しく歩ける
 この日はもう時間も遅いので、適当な所まで歩いたら引き返そうということになった。歩いて行くと、随所に可愛い絵の書かれた看板があって楽しい。そろそろ帰ろうと思っても「あと3分で唄い川」などという看板を見ると「じゃ、そこまで行くか」となってつい進んでしまう。唄い川までで戻ることにした。どのコースもそんなに起伏はなく、楽しく歩けそうだった。難関は始めと終わりに必ず上り下りしなければならない、あの急な階段。しかしう〜に〜は帰りも、苦手な下り階段をとっとっと楽しそうに、あっという間に下りてしまった。今度来たときは、コースを最後まで歩いてみたいな。

 宿に着いたらもう5時近く。オーナー夫妻がバイクちゃんと遊んでいた。バイクちゃんは、オグリちゃんのリードを咥えて散歩に連れて行くのが好きらしく、オグリちゃんは嫌々ながらも付き合っていた。バイクちゃんはう〜に〜のリードも咥えて歩こうとしたが、う〜に〜は頑として動かず、バイクちゃんもさすがに27キロのう〜に〜は引っ張れなかった。
 裏庭でう〜に〜をきれいにし、おやつにリンゴを食べさせて部屋へ。今日は一日動いてう〜に〜も疲れたようで、部屋に入るとバッタリ寝てしまった。

部屋で待つうーにー
 本日のメニュー
さざえのブルギニオン
カニのサラダ仕立て
帆立と鯛のブイヤベース
夕張メロンシャーベット
鴨のロースト
桃のコンポート入りデコレーションケーキ

 今夜は2組のみ。今日到着したカップルはお誕生日の記念旅行だったようで、デザートに出たケーキは記念日用デコレーションのおすそ分けだった。ブイヤベースに浸して食べるパンもあったので、今夜はとても満腹に。赤ワインを飲みきったので白を開けてもらった。食後は部屋でしばらく倒れていたが、ジャグジーに入ったら酔いも覚め復活した。う〜に〜はといえば、私たちが部屋に戻ってもマットに寝たまま怠惰なお出迎え。

今日の一首

顔じゅうに 草の実つけて笑ってる 象の小径はう〜に〜の道

この道を さあ下りましょう野尻湖へ 枝を投げてね 取って来るから(うに)





■3.9月8日(月)

 朝から晴れ。暑くなりそうだが、風は爽やかな秋の風。う〜に〜は宿の裏庭の芝生でゴロゴロし、栗イガを見つけてゴキゲン。
 美味しい朝食をいただきながら、オーナーに斑尾山を歩く道について聞いてみた。すると地図を持って来て、手頃なコースを説明してくれた。1ヶ所急勾配があるが全部で1時間半位のものだし、初級者向けだという。ちょっと暑いがそのくらいならう〜に〜も行けそうだ。行った道を戻るのは面白くないからということで、行きはオーナーが車で入口まで送ってくれることになった。帰りは道を間違えなければ、ペンションビレッジからゲレンデへ続く道に出るので、宿まで歩いて帰れるはずであった。
 
 初めにホテルタングラムで「タングラムトレッキングコース」という地図をもらい、オーナーにコースを確認。10時頃から登り始める。人間には風が涼しくて心地よいのだが、う〜に〜にはやはり暑かった。ちょっと登っては日陰で休む、を繰り返しながらゆっくりゆっくり行った。
 見晴らしのよい場所に着き、しばし眺めを楽しんだら、そこから先はウワサの急勾配。見ただけでも「えーっ、ここ登るのぉ?」と言いたくなる。う〜に〜、大丈夫かなあ。長く休んでから、「よし!」と意を決して登り始めた。実際には一番ダメだったのはこの私で、う〜に〜の方が全然軽やかだった。
しかし歩いていればいつかは終るもので、急坂の上まで行ってしまえば後はだらだらと斑尾山の頂上についてしまった。オーナーの話では、下りは尾根づたいになだらかな道が続くとのこと。登りに比べれば7割くらいの時間で下りてしまえるだろうから、宿に着いてちょっと休んで今日のお昼は・・・などと考えていた。が、実は登りの比ではないとんでもない困難はこの後に待ち受けていたのだった。
登り始めは気分も良かった 急坂を登れば綺麗な景色 山頂まで行ってしまいました

 地図を見ながらオーナーに教わった道はどこにも見当たらず、ただ草に覆われたゲレンデがあるのみ。でも念のためダンナが携帯で確認したところ、そのゲレンデを下るのに間違いなさそうとのこと。そうでなければ、来た道を引き返すしか帰る道はないそうだ。ダンナが自信を持ってずんずん下りて行くので、私も「本当にこの道なのー?てゆーかこれ道じゃないよ」とさんざん文句を言いつつ後に続いた。しかし、自分より背の高い草が生い茂っていて、自分がどこを歩いているのかもわからないような所である。しかも棘のいっぱいついた草があって、半袖から出てる私の太い腕や、ズボンの上からも足に刺さるのだ。痛いよー。手に持った枝で草を払いのけ、足で踏み倒し、やっとのことで前に進む。だんだん泣きが入ってくるが、今さら引き返せない。だって下りならまだしも、この草を踏み倒しながら登るのは無理。いったいいつまでこの状態が続くのかわからず、私は既に半分壊れかかっていた。とにかく進むしかないのは頭ではわかっているのだが、口をついて出るのは「もう限界。歩けない。ヘリコプター呼ぼう」と泣き言ばかり。ダンナが「200万円くらいかかるよ」と言ったが「200万円払ってもいいから呼ぼう(太っ腹!)」と半分本気で答えていた。真剣に(このまま日が暮れたら遭難だな。ゲレンデで遭難なんかしたら救助の人に怒られるんだろうな)などと考えながら歩く。
ここは何処?、私は何処?、うーにーは何処?
そして更に不運なことに、私のトレッキングシューズにも異変が起きた。何だか靴用ホカロンでも入れてるみたいに爪先に違和感があり、熱い。いったい何が?
 で、う〜に〜はどうしていたかと言うと、実に淡々と後に続いていた。しかし棘が顔に当たるし、前は全く見えないしでかなり難儀だったようだ。時々じっと止まってしまうのだ。もしう〜に〜が動かなくなったら、そのときは本当にヘリを呼ぶしかなかった。私たちが前を歩いて、草を踏みつけてその後にう〜に〜を歩かせるようにした。う〜に〜は愚痴ひとつ言わず黙々と歩いていた。(当たり前か)半分壊れちゃった私に比べたらずっと大物である。あの状態が夕方まで続いたら、きっと私は完全に壊れ、泣き言を通り越して「タリラリラ〜♪」と唄い踊りながら歩いていたような気がする。 

 リフト乗り場に着き、やっと座って休憩できたのが2時。プーサンの屋根も見えるし、方向的には間違っていない。靴を脱いでみたら、中敷が剥がれ、接着剤が溶けて足にベッタリくっついていたのだった。しばし休んで気力を取り戻し再出発。当初の予定のペンション村への道は、また同じように草に覆われているかも知れないので、ホテルまでのコンクリートの道を選んだ。ホテルに着いたのが3時。迎えに来てもらって宿に帰ったのが3時10分。史上最悪のハイキングはこうして終った。
放心状態の私といつものうーにー
 私はしばらくプーサンの裏庭で放心状態。この時飲んだ缶ジュースはものすごく美味しかった。う〜に〜はリンゴを食べて、いつもどおりゴキゲン。大物ですなあ。オーナーの話では、行きがけにホテルで地図を貰った時、草刈りがされているか確認したところ「大丈夫、歩けます」との返事だったのだそうだ。ではやはり道を間違っていたのだろうか?それは未だに謎のままである。
 ジャグジーにゆっくり入って、やっと立ち直ってきた。その間ダンナとう〜に〜はまだ芝生に寝転んでいた。う〜に〜は時折、ススキをガサガサ分けて私のお風呂を覗きに来た。
 
特別に同伴を許される
 この日の夕食はうちだけだったので、う〜に〜の食堂同伴を許された。Tシャツ着せてマット持ってダイニングへ。テーブル下にマットを置いて、う〜に〜にはそこに入ってもらう。

本日のメニュー
おこぜのフリット バルサミコソース
舌平目のムニエル サラダ仕立て
コンソメスープ 天然まいたけ添え
苺シャーベット
牛フィレ肉煮込み フォアグラとトリュフのクロケット添え(下の写真)
アングレーズのムース フルーツ添え


 昨日の飲み残しの白ワインにあうメニューを考えてくれたようだ。フォアグラとトリュフのクロケットは、私がリクエストしたもの。トリュフ大奮発して作ってくれた。
 う〜に〜は最初はおとなしくテーブル下に入っていたが、オーナーの「リード放して自由にしていいですよ」との言葉に甘えて自由にしたら、オーナーと奥さんに挨拶に出てきて、しまいには体半分テーブルからはみ出したまま横になり、サービスの邪魔をしてくれた。オーナーも奥さんも犬が大好きで、う〜に〜のことをとても可愛がってくれる。う〜に〜はひとしきり挨拶して満足すると、自分からマットに戻り、本格的に眠ってしまった。

今日の一首

(遭難編)

トゲ刺さる草かき分けて進む道 行っても地獄かえっても地獄

非常食 パンにリンゴに飲料水 ホントはみんなアタシのおやつ(うに)

(ディナー編)

不良犬 最初はマットにステイしていつの間にやら半分出てる
 
あいさつをしようと顔を伸ばすうち ズリズリ進んで脱出成功(うに)






■4.9月9日(火)

ちょっとだけよ〜
 朝から晴天。暑くなりそう。う〜に〜は今日もまた芝生でゴロゴロして上機嫌なのだった。 
 朝食にもう〜に〜を同伴。ノーリード許可をいただいているので、館内完全ノーリードでまるで自分の家のように過ごしている。もちろん客がうちだけだから出来ることだが。
 最後の朝食は和食。ご飯、生海苔の味噌汁、湯豆腐、卵焼き、塩鮭、小皿にちょっとずつの明太子、貝の佃煮、梅干。そしてテーブル中央には茄子とピーマンの味噌炒め、きゅうりの浅漬けのお皿が。どれも美味しくてご飯が進み過ぎて困る。目一杯食べてしまった。う〜に〜は自主的にマットでおとなしくしている。

 10時チェックアウト。う〜に〜はオーナー夫妻に順番に挨拶し、たっぷり撫でてもらった。これから戸隠、鬼無里を通って白馬に向かう。オーナーお薦めの「奥裾花自然園」に立ち寄ることにする。
右の地図でうーにーの頭の上あたりが現在地。延々と歩いたつもりだったが、引き返したのは私の顔の横あたり。
 途中にテラス席のある喫茶店があることをガイドブックで発見したので行ってみたが、臨時休業のようであった。また、おやきで有名な「いろは堂」もオープンカフェがあるそうだが、定休日だった。奥裾花自然園は、料金所で入園料を払ってから、ずーっとずーっと先の方にあった。料金所のおじさんに犬OKか確認したら、全然問題なさそうだったので、喜んで行ってみたが行けども行けども着かないのである。途中工事をしていたりして「本当にこの先にあるの?」という気持ちになる。
 やっと観光センターの駐車場に着き、ここから先は車両進入禁止のため歩いて入るが、これが灼熱のアスファルト地獄が延々続く。「みんなここを歩いて奥のコースまで行っているのかなあ」と疑問。後でわかったことだが、駐車場入り口にバス停があり、園内はバスに乗って奥まで行けるようだった。
 この日はまさに残暑で、長野といえどもおそらく30度は超えているだろう。う〜に〜には危なくて歩かせられない。途中の芝生広場まで行き東屋で少し休んで、もう帰ることにした。入園料800円はちと勿体ないが仕方ない。人間だけで行けばきっととても素晴らしい所なのだろうが、この状況では犬連れは無理だった。やはり犬と旅する場合は、一般的なお薦めには乗らず自分で行き先をよく研究すべきである、という当たり前のことを、今さらながら強く感じた体験であった。

ふれあいの杜には
愛らしいオブジェが
温泉ではありません
川にチャプチャプです
 車に乗りこみ一路白馬へ。「ふれあいの杜」という公園を散歩し、松川河川公園で少しだけ水遊び。泳げるほどではないので、チャプチャプ入った程度だが、う〜に〜は楽しそうだった。松川の土手はとてもきれいな芝生の道になっていてゴミひとつ落ちていなかった。
 本日の宿は白馬エコーランドの別荘地にある「ログホテルミーティア」。本館のペンション(犬は不可)で受付を済ませ、部屋に案内してもらった。ログホテルはとても立派な2階建ての建物。玄関に奥さんがバケツと雑巾を用意してくれた。靴を脱いで上がると、まず大きなテーブルと椅子のあるラウンジがあり、その奥に部屋がある。2階にも立派なラウンジとテラス。部屋はフローリングで、大きめのベッドにソファとテーブル、籐の引き出し、冷蔵庫があり、バストイレ付き。ポットにお茶、コーヒーの用意もあり、タオルや浴衣などアメニティも充実。私たちが泊まった部屋にはテラスも付いていて、テーブルと椅子が置いてあった。1泊ではもったいない、ゆっくり滞在した
宿の裏手にあるドッグラン
くなる宿だ。食事は本館のペンションに食べに行くことになるが、その場合犬をケージに入れなければならない。犬だけを部屋で自由にしておくのは禁止である。ペンションの食事も食べてみたかったが、ケージを持参したくなかった私は素泊まりで予約しておいた。近くの犬と食事できる店を紹介してくれるし、コンビニもある。
 裏手には、今年7月に完成したというドッグランがあった。それほど広いというわけではないが、う〜に〜には十分。ここでう〜に〜をブラッシングして汚れを落としてから、部屋に入った。マットを敷いてう〜に〜の場所を作ると、私は早速、徒歩8分の所にある「エコーランドの湯」に出かけた。宿に割引券があったので500円。空いているし、露天風呂もあるし、こりゃいいわ。ホカホカになって宿に戻り、しばし休憩の後、夕飯を食べに車で約5分の居酒屋「呑者屋(のんじゃえ)」へ。

 テーブル席、座敷、テラス席、別室とものすごく広いこの店は、嬉しいことに店内犬OKなのである。テーブル席を案内され、う〜に〜はお約束のテーブルの下へ。店主は相当の犬好きとみえ、仕事の合い間に様子を見に来たり、水を持って来てくれた。昼はそば処として営業しているそうだ。ダンナはすぐさまざるそばを注文。その他砂肝炒め、お好み焼き、馬刺し、ブタみそサラダ、焼きおにぎりを食べて5,200円也。他にも食べてみたいメニューがいろいろあった。
 帰りがけにちょっと店主と話をした。夫婦とも犬も猫も好きで、両方飼っているとのこと。今の場所に移転する前にやっていた店では、猫が自由に店内を歩いていて、お客さんの膝に勝手に乗ったりしていたそうだ。「私、猫ダメなんです」と言うお客さんには「それならうちに来なくていいから、他行って」と答えていたと言うからスゴイ。「またどうぞ」と言われ、本当に機会があればまたぜひ来たいと思う店だった。
 帰りに明日の朝食などをコンビニで買って宿へ。夜なるとさすがに涼しい。

今日の一首

犬とゆく場所は自分で決めましょう 奥裾花に陽は照りつけて

「嫌いなら来なくていいよ」のんじゃえの大将そんなところが好きよ(うに)



公園の料金箱
うーにーも納得

■5.9月10日(水)

 朝食を済ませて出かけようとしたら、何と雨。予報では雨なんてなかったのに。特に遠くに出かける予定もないので、もう一度寝てしまう。10時半、目覚めてみたら雨は上がっていたので出かける。

 この日は「白馬47」スキー場のゴンドラに乗って、散策をする予定だったのだが、昨日になって今日が定休日であることを知った。そこで宿から5分くらいのところにある「白馬グリーンスポーツの森」に行ってみる。清掃協力金として50円を料金箱に入れるシステム。2人分100円入れてさあお散歩。
 8万坪もあるスポーツ&レジャーパークだそうな。広ーい芝生の広場やフィールドアスレチック、マレットゴルフなどがあり、川も流れている。ここから行けるハイキングコースもある。ハイキングコースを少し歩いたが、道が悪いのですぐ引き返す。「いかだ池」という遊び場があり、いかだと竿があったので乗って遊んでいたら、う〜に〜が「あたしも〜!」と乗って来てしまった。そしてそのまま池の中に入り、竿を枝とカン違いして運ぼうとするので、急いで止めさせて池から離れた。う〜に〜は少しでも水に入れて嬉しそうだったが、お腹から下が汚くなってしまった。タオルで拭いて車に乗っけて、さあお昼を食べに行こう。
写真のために、立ち位置をちょっと直してもらおうと思ったら、大胆な行動に・・・・・
 
Syoさんのテラス席 ランチプレート
 エコーランドの別荘地内には、いくつかテラスのある店があったが、何しろシーズンオフの平日なので、営業していない店が多い。その中でミーティアもお薦めの「Syo」はオープンしていた。ペンションでもあり、昼だけイタリアンのランチをやっている。テラスではなく庭にテーブル席が1卓のみ。犬がいるので外を使いたい旨告げると、天気を心配していたが、私たちさえ良ければとの返事。奥さんが出てきてテーブルと椅子を拭いてくれた。
 メニューはパスタ、ピザがそれぞれ5、6種あり、その他魚料理、肉料理、米料理、ランチプレートとなかなか充実していてどれにするか迷ってしまった。悩んだ末、ガーリックリゾット、牛肉トマト煮、ポテトグラタンが1つの皿に盛り合わせられたランチプレートを注文。ダンナはタコとガーリックのリゾット。それぞれ量もあって、2人で取り分けて食べることができた。これにサラダ、シャーベット、ドリンクがついてどれも1000円前後。満足できたランチだった。
 
 ミーティアに戻って、玄関前のホースでう〜に〜のお腹と足を洗い、テラスで乾かした。だいたい乾いたら部屋に戻ってう〜に〜は待望のおやつタイム。今日もリンゴ1個をガツガツと食べ、満足して寝てしまった。私もダンナも寝てしまった。
 夕方起きて、う〜に〜にごはんを食べさせ、私たちも夕食に出かける予定だったのだが、私の体調がどうにもすぐれず食欲なし。結局出かける気力なく、ダンナがコンビニで適当に買って来たおにぎりなどで夕食を済ませてしまった。この日はそれからずっと寝ていたので、もう書くことなし。

今日の一首

夕食は う〜に〜とレストラン行くはずが 具合悪くてコンビニで済ます

いかだ池 遊んで汚れて洗われて乾いてリンゴ食べたら寝よう(うに)





■6.9月11日(木)

 朝から晴れ、かなり暑くなりそうな予感。精算が済み、オーナー夫妻が見送りに出て来てくれた。素泊まりだったので本館に行く機会がなく、やっとお話しすることができた。オーナー夫妻は犬は好きだけど飼っていない。別荘地内で飼われている犬と遊んで楽しんでいるとのこと。でもドッグランも作ってくれるし、犬と行けるお店などもどんどん紹介してくれて、犬連れ旅に理解のある親切なオーナーだった。

 今日はこれから清里に向かう。たいへん暑い上に、具合の悪い私は車中でもずっと半分死んでいた。寄り道する余裕もなく清里へ。とりあえず清泉寮に行くが、子供の遠足で賑わっている。ちょっとだけう〜に〜を散歩させるがあまりにも暑いのですぐ車に帰る。昼食を食べていなかったので、牧場通りの「清里マチス」のテラスで私はデザート、ダンナはパニー二を食べる。3時過ぎ、今日の宿「ロッジクルト」に到着。オープンして1年、新しくて広くて快適な部屋。広いベッドが嬉しい。
 ドッグランもあるが、暑くてう〜に〜はとても遊べそうにない。部屋に入ってエアコンをつけ、みんなでまた昼寝してしまった。今日の夕食は、う〜に〜のブリーダー一家と諏訪で食べることになっていたが、私は体調不良のため留守番することにした。車中で待たされる予定だったう〜に〜は、具合の悪い私のおかげで1人で待つことなく、部屋で私とのんびり過ごすことができたのだった。
 夕方ダンナが出かけた。ドッグランではオーナー夫妻とその愛犬のゴールデン、ミニプーと、もう一組のお客さんとシーズ−が遊んでいた。私はう〜に〜に夕食をやり、まだダラダラしていた。
 夜になって調子が戻ったので、フロントに紅茶をもらいに行った。夜10時までコーヒー、紅茶、日本茶がセルフサービスで自由に飲めるようになっている。体調のよくなった私は、フロントでオーナーさんと長々と話しこんでしまった。そのうちう〜に〜も連れて来て、可愛がってもらいながらの犬談義。夕食は食べられなかったがこれもまた楽しいひとときなのだった。
 部屋に戻って「マチス」で買った焼き菓子と紅茶で夕食がわり。シャワーを浴びてだいぶ気分爽快。この宿はテレビがないので、ものすごく静かな夜をう〜に〜と過ごしていたところ10時頃ダンナが帰って来た。出迎えついでにう〜に〜のトイレ散歩を済ませ、この日は終了。

今日の一首

今ごろはダンナはイタリアン食べている ロッジクルトでう〜に〜と二人

本当は車で留守番だったのに 部屋に一緒にいられて幸せ(うに)






■7.9月12日(金)

 あっという間に旅行も最終日。体調が悪くて寝てばかりいた日があったので、余計短く感じられる。今日も朝から「残暑!」という感じの天気。う〜に〜にはちょっと暑すぎるなあ。
 朝の簡単な散歩後、フロントに行ってパンをもらう。パンもセルフになっていて、くるみの入ったパンなど種類も多く美味しい。部屋で食べていたら、コーヒーのお代わりに行ったダンナが戻って来なくなり、う〜に〜を連れて捜索に行ったらフロントでオーナーと話し込んでいた。お話し好きのオーナーとの犬談義に、やっぱりダンナもハマッたのであった。オーナーは犬に対する考えがとても真面目で純粋な人と思われた。まだ若いゴールデンのルーク君のしつけも、がんばっているようだ。清里にはあまり泊まったことのない私たちだが、これからはこちら方面の定宿はクルトにしよう!と決めた。

 チェックアウト後、ドッグランで少々遊ぶ。しかし暑過ぎて何もできない。う〜に〜は日よけパラソルの下に入って休んでいる。今度はもうちょっと寒い時季に来てみたい。
 私もすっかり元気になったので、最後に向かったのはいつもの遊び場尾白川。ここもまた高校生くらいの団体が歩いている。せっかく平日なのに、遠足シーズンにぶつかってしまったようだ。それでも川にはまだ人がいなかったので、さっそくう〜に〜を遊ばせる。今日は人間が足を入れても耐えられる水温。いつも冷たくて入れない時に来るので、こういうことは珍しい。う〜に〜もちゃぷちゃぷ入って楽しそう。泳げる深さの場所をかろうじて見つけ、枝投げを2、3回した。ここは別世界のように涼しかった。
 う〜に〜の水気を拭いて、またまたいつもの「テラス」へ。ここのコーンスープは本当に美味しい。それにサラダのオクラも。ランチの他に長門牧場のパンやクリームチーズ、ミルクまでおすそ分けしていただいて、まったりしてしまった。満腹になれば眠くなるのが自然の摂理。というわけでまたまたワンパターンでブリーダー宅へ。昼寝をしたり、可愛い盛りの仔犬と遊んで久々の仔犬の感触にウットリしたり。そして夕方になり、今日は韮崎のうどん屋に行こうということになった。
 韮崎のうどん屋「ふじ江」さんで、刺身やもつ煮、うなぎ、山芋ステーキなどいろいろ食べ、シメにうどんを食べた。みんな美味しかった。私の食欲も復活したため、今日こそはう〜に〜、車中でお留守番の憂き目にあってしまったのだった。
 ここでブリーダーさんご一行と別れ自宅へ。10時到着。う〜に〜は、長い旅のわりには過激な運動をしていないので、まだまだ元気だった。


今日の一首

残暑です オクラもトマトも旨いです 「テラス」のテラスで夏噛みしめる

ああ残暑 今ごろ残暑とは何ざんしょ 尾白の水に生き返りたり(うに)