旅を始めてはや7年。北海道、東北、関東甲信越の中で、まだう〜に〜が旅の草鞋を脱いだことのない地があった!!

それは東京都と茨城県。東京都は、宿に泊まりこそしないが、毎日自分の家で草鞋を脱ぎ、下僕に足を洗わせているのでわざわざ行くこともなし。茨城には若年の頃、歌手○山○一のPV出演のため、どこかの海岸に行ったことがあるらしいが(私は行ってないのでよく知らない)泊まったことはないので、これはぜひとも行かねばなるまい。


という理由をこじつけて、真の目的アンコウを食すため、大洗に行ってまいりました。



 今回は近いので金曜の夜出発。出張先から直帰し、大急ぎで支度をして6時に家を出た。都内は渋滞、そして30分ほど行った渋谷あたりでダンナが携帯電話を忘れたことに気づき、
うーにーも不満の気持ちを
残しながら眠りにつく
引き返す。7時過ぎに再度出発。一所懸命早く帰って浮かせた時間は一体何だったのか。できれば高速に乗ってから気づいてほしかった。
 またまた渋滞の道を走り、8時半にやっと三郷。しかしここからは早く、9時40分頃には本日の宿「ファミリーロッジ旅籠屋水戸大洗店」に到着。時間がないので夕食は途中の友部S.Aでちょっと食べただけ。宿にレンジでチンして食べる夜食用の小さいお弁当があったので購入し、部屋で食べて空腹を満たす。夕食に関して大きな不満の気持ちを残したまま、眠りにつく。




 よく晴れて暖かくなりそうな気配。宿の周りは畑なので、ちょうどいい農道の散歩道があり、そこでう〜に〜のトイレ散歩を済ます。
 朝はフロントでパン、ジュースが用意されるので(コーヒー、紅茶はいつでもあり)部屋に持ち帰って朝食。部屋の造りは他の旅籠屋と同じだが、今まで泊まった鬼怒川、那須と違ってここはバスとトイレが別々なのが嬉しい。しかもウォームレットだし。
 さて今日はまず、岩間にある愛宕山にハイキングに行くことにした。山頂まで片道1時間とのこと。目的地に向かって走っていると、道路に猫の死体発見。「かわいそうに」と言いつつしばらく行くと、ダンナが免許証を忘れたことに気づく。そういえば私も持ってない。これは携帯電話を忘れるより問題が大きいので、さっさと宿に取りに戻る。そしてまた猫の死体を見る。宿で免許証を持って、再出発。またまた猫さんの所を通る。これも何かの因縁と思い、車を降りて猫さんをう〜に〜のバスタオルにくるんで道の端に置いてやった。うちのまいすよりも立派な体格。轢かれたのではなくぶつかったものらしく、きれいな身体だったので「もしやまだ息が」と思ったが、もう生きてはいなかった。成仏するんだよ。な〜む〜。
 愛宕山に到着してみると、周辺一体は「あたご天狗の森自然公園」という大きな公園になっており、愛宕山への登山道以外にも、野鳥の森や遊歩道や桜の広場、難台山へのハイキングコース入り口など、遊ぶ所満載。私たちはたまたま会ったおじさんのアドバイスに従い、一番奥の駐車場に車を止めて、難台山へのハイキングコースを途中の展望台まで歩いた。晴れた朝にはここから筑波山と並んで富士山が見えるそうな。しばし眺めを楽しんで引き返した。なかなかよい道だったので、機会があったら1日かけて難台山まで行ってみるのもいいかも。

駐車場にあった地図の一部
左上に「至 難台山」の文字

展望台/ここまで来る間
きつい傾斜の道もありました

天狗の散歩道で一休み
トシにはかないません
 
 公園内に戻り遊歩道を散歩していたら、12時を告げる音楽が。そろそろ昼ごはんの時間だ。今日の昼食は、水戸市内のドッグカフェ。「カフェmontante(モンタント)」というその店は、水戸南インターの近く、動物病院隣りである。店内はグッズ売り場とカフェ。う〜に〜、入るなり店の看板犬ウエスティーに吠えられるも、テーブルが広いのでとりあえず落ち着く。3卓のみのこじんまりしたカフェだ。メニューは焼きサンド、キッシュ、グラタン等軽食とケーキ類。人、犬兼用メニューというのが数種あり、犬用は人用から砂糖など調味料を抜いたもの。ダンナが卵の焼きサンド、私はキッシュ、そして兼用メニューのさつまいものクレープ巻きをオーダー。犬用のものは、一口大に輪切りにしてあって見た目も可愛い。私が食べたクレープ巻きも甘さ控えめ、ほとんどサツマイモの甘さだけという感じ。自分たちの食事が終ってから、う〜に〜の番。サツマイモはう〜に〜大好物、もちろん「食べたい人」「は〜い!」の手が上がる。私たちはちょっともの足りない量だったが、今夜はたらふくアンコウ鍋の予定なのでガマン。

うーにーのすぐ後ろが
兼用メニューの
さつまいものクレープ巻

拡大写真/犬用は輪切りに
なっているので与え易い

思わずウットリの味

 私たちに遅れて入って来たチビ犬、どう見てもペットショップに並んでいるくらいの柴の子犬。聞いてみると生後8週間だそうで。3ヶ月の、ワクチン終ったばかりで旅行に連れて行く人もいるが、これほどのパピーをカフェなどに連れ歩いているのは見たことがない。正直言って驚いてしまった。「ワクチンは・・・?」と気になったが、東京ほどショップがないから、パルボなどの伝染病も少ないのだろうか。 
 
 食事を終え、午後の散歩は偕楽園と千波湖公園。偕楽園は梅で有名な本園には犬は入れないが、周囲も広々としてのんびり散歩に最適。千波湖は周囲に遊歩道があるが、水鳥の羽根や糞が落ちていて、鳥猟犬の血が騒ぐう〜に〜、気もそぞろになる。どちらも家族連れ、犬の散歩、ジョギングなどに人気のようであった。黄門様の銅像の前で写真を撮ろうとしたところ、何故かう〜に〜、黄門様の顔を見上げオドオドする。何か後ろめたいことがあるのか?
池には水鳥がいっぱい
足元にはその羽や糞が、
水鳥以外にも何かが!
二人の見ている先はに小川
黄門様の銅像に
ビビリまくりのうーにー


部屋の裏窓から見える夕日
うーにーの気持ちを映しているのか
 夕刻、宿にいったん戻り少し休んでから、本日のメインイベント、アンコウ鍋!既に私の頭の中では「ハッピー、ハーッピー♪アンコウお、や、こー♪」という某CMソング(知ってる人は東京近郊在住で私と同年代かも)が流れまくり。そして大洗海岸方面「たけちゃん」へ。旅籠屋のオーナーが「地元の漁師も食べに来る」と絶対オススメの店。オーナーお手製のものすごく詳しい周辺案内図を貰い、さらに口頭で行き方を逐一説明していただいたので迷わずに着いたが、教えてもらわなかったら確実に辿り着かなかったであろう、とんでもなく辺鄙な場所にありながら地元の人には大人気。この日も既に座敷は近所の中高年男女の集いで満席、私たちはカウンターの一番隅にちんまり座り、とりあえずビール1本、刺身にアンコウ供酢を注文。刺身はひらめにまぐろ、太刀魚、蛸。どれも新鮮で旨かった。供酢は量もたっぷり、特に肝は今まで見たこともない特大サイズスライス。これにはかの小泉氏も「感動した!」と呻き、キムタクも「感動!」とFAXを送ったとか。(嘘)
 今回はアンコウにかける意気込みから酒を控え、どぶ汁へ突入。どぶ汁は地元の漁師料理で、アンコウの肝をすりつぶし、だしに酒に味噌などを入れてアンコウの身と野菜をみないっぺんに投入しグタグタ煮るという豪快な鍋。肝の入った味噌味のスープがたまりません。これは何としても最後は雑炊で締めなければならない。てなわけでかなり満腹になりつつも、最後に雑炊セットを1人前だけ注文、きれいにたいらげ、ほぼ喉元まで食べ物に満たされながら店を出たのであった。ちなみに勘定は8100円也。かつて神田須田町で1時間半並んで食べた「いせ源」と比べたら、涙が出るほどのバカ安価格。しかも「いせ源」下足番のオバチャン怖いけど、「たけちゃん」の店の人みんな優しいし・・・
幸福気分で車に戻ると、そこには「ふんっ、何してたのよ」という顔のう〜に〜が待っていた。 
 予報どおり、夜になって大雨。しかし満腹な私たちと遊び疲れたう〜に〜は「もうどこにも行かんから雨降ったっていいもんね」と余裕であった。




 朝から快晴。さすがう〜に〜さんだね。今日は昼食を那珂湊でとることになっているので、それまでの時間、国営ひたち海浜公園に行く。入園料1人400円。入り口で犬を連れて入る際の注意書きと、黒いビニール袋が1枚配布された。この公園はとにかく広い。半日ではとても全部を見ることはできない。もっとも遊園地部分は原則犬禁止なので、砂丘エリアを散歩して、草原エリアを通って戻ることにした。
他に人がいないので
ちょっと寂しい
何故かウサギとキツネの銅像
しっかりとお尻を嗅いだり、耳を舐めたり
草原エリアはものすごーく広い芝生の広場。周囲を見渡しても、人っ子一人見えない。いや正確にいうと、豆粒ほどの、凧揚げをしている人が2人位見える。
 ところで私はノーリード推奨派ではないが、何がなんでも絶対反対というわけでもない。何故なら私は、赤信号でも車がいないときは信号無視をして横断歩道を渡る人間だからだ。2年ほど前なら、きっと私はここでう〜に〜を放してフリスビーをしただろう。しかし最近はそうした遊びはあまりやらなくなったので、かくれんぼを1回だけして、あとはう〜に〜恒例行事の「芝生ゴロゴロ」となった。
定点からグルリと一周写真を撮るとこんな感じ
うーにーのすることは「芝生ゴロゴロ」のみ

 1時間半ほどの散歩をして、那珂湊へ向かった。那珂湊の魚市場は有名なので週末は大賑わい、11時半には着いた方がいいとのアドバイスをもらっていたからだ。私の後輩の実家がここで魚屋をしているとのことで、帰省の折にアンコウを送ってもらったりしたものだが、行ってみるとそこは那珂湊でも一番大きいと言える店で、販売店がズラリと並ぶ1列に3店舗もあり、黄色く目立っているのだった。私たちはその1つ「ヤマサ水産おさかなセンター」の2階、「和風レストランやまさ」で席を予約してもらっていた。既に入り口には「本日満席のためお食事は13時から・・・」の貼り紙が。13時までは予約でいっぱいなのだった。確かに観光バスでお買い物ツアーの団体が来るような所であるからして、個人で行くなら、いっそ朝イチで行って食べるのが得策かも知れない。後輩のおかげで私たちはスムーズに座敷に通され、ヤマサ浜膳、特上にぎり、アンコウ供酢、アジたたきを食す。むろん私は生中ジョッキ。ダンナが飲まないので気の毒に思ったのか、店の人が食事中にメロンソーダを持って来てくれた。(しかし何故メロンソーダ?)そして昨晩同様お腹がパンパンに膨れた状態で会計を済ませ、階下の店で干物、アン肝、焼きうになど土産品を購入。生鮮品はちゃんと発砲スチロールの箱に氷を詰めてパックしてくれるので安心。車に戻るとう〜に〜が「昨日より早かったね」という顔をしていた。

 茨城は初めてだったが、犬の散歩場所はたくさんありそうである。ハイキングコースもいろいろあるし、有名どころの奥久慈方面へ足を延ばしてもよいかも知れない。個人的には、アンコウの季節は旅籠屋水戸大洗店に決まりだな、と思っている。