裏磐梯は大好きな場所で、う〜に〜とはもう何度も訪れている。が、冬の裏磐梯は未体験。もともとウィンタースポーツをしない当家は雪道も苦手、昨年の冬は伊豆や館山に逃げていたのだった。
しかし!雪大好きなう〜に〜のため、ついに今年はチェーン装着の覚悟を決め、裏磐梯へと旅立ったのであった。めでたしめでたし。(←終わるな!!)



 6時発。まだ暗いうちに出発して、だんだん空が白んでくるのを見るのは旅情あふれてなかなかよろしい。途中の上河内で朝食をとり、10時桧原湖着。天気は快晴、高速道路は雪もなくノーマルタイヤで絶好調に進んだのだが、桧原湖周遊道路はやはり凍っていた・・・泣く泣く
道路のほとんどは、雪で覆われている
湖畔の駐車場でチェーンを巻く。私はう〜に〜を降ろして散歩。先月巻いたけどやはり手間取っているうちに、工事の車が続々登場、ギャラリーが増えてしまった。う〜に〜は工事のおじさんたちに愛想をふりまき、特にう〜に〜好みの太ったお兄さんがことさら可愛がってくれたので至極ご満悦であった。
 やっとこさチェーンを装着、桧原湖の北にある今回の宿「わんだふる」方面へ。宿の近くまで来るとちょうど昼時。宿の周辺は食事のできる店などほとんどなく、頼みの綱は「桧原歴史館」に併設する食堂だけである。ここは夏場は外に出されたテーブルで犬と一緒に食事ができるので、わんだふるの宿泊客はよく利用しているようだが、私たちは初めて。う〜に〜を車に残して店内に入ると、靴を脱いで上がって左側に歴史館、右に座敷があり正面は土産物売り場となっていた。
 座敷に座ると隣席のおじさんに「釣れた?」と聞かれる。どうやら私たち以外の客は、みなワカサギ釣りに来た人だったようだ。まだ時期がちょっと早いそうだが、湖上にはワカサギ釣りの小さなテントが点々としていた。
 温かい天ぷらそばで身体もほかほかして満足していたら、店のお姉さんが「今日は鏡開きなのでよろしかったら」とお汁粉をふるまってくれた。酒も好きだが甘いものも大好きな私は、もちろん喜んでごちそうになる。そばも素朴な味で美味しかったし、お店の人も感じがよかった。

 さて、やっとう〜に〜の散歩の時間。わんだふる近くのトレッキングコースに行ってみるが、雪が深くて、何の装備もない私たちにはとてもじゃないが歩けない。諦めて近くの木道コースを歩いた。ここでも膝上まで雪に埋まってしまうが、まだ何とか歩ける。雪上にはいろんな動物の足跡があって楽しい。う〜に〜には、とても気になる匂いの足跡と、そうでもないのがあるようだった。う〜に〜の写真を撮ろうとして後ろに下がった私は、木道からそれてズボッと片足がほぼ全部雪の中に落下。それを見たう〜に〜、「ご主人様の危機!」と助けるかと思いきや、急いで走って来て私の毛糸の帽子を奪い「わーいわーい取ってごらん」と見せびらかして喜んでいる。嗚呼・・・

足はズボズボ入ってゆく

木道は、少しは歩き易い

このニヤリ顔をクリック
雪玉がいっぱい
 1時間も遊んでいたら、う〜に〜の胸や足の飾り毛にびっしりと雪玉がついたので、車へ戻りわんだふるにチェックイン。犬用シャワー室で雪玉を流して(ここのシャワールームは汚れた犬を洗うのにとても便利)コーヒーをいただき休憩した。オーナーに聞いたところ、う〜に〜が気にしていた足跡はカモシカのようだった。

 部屋に入ってう〜に〜の居場所を作り、私はさっそく入浴。ここのお風呂はいつもお湯がいっぱいに満たされているので、昭和1ケタ生れの人はお湯を汲み置きしたくなってしまうかも知れない。(遠い昔そんなテレビCMがあったことを知っているアナタはもしや私と同年代かも)私は昭和1ケタ生まれではないので、ざんぶと湯船につかって、こぼれるお湯に自分の体の重さを見るのだった。
元祖看板犬、アフちゃん
 夕食はう〜に〜を連れて1階の食堂へ。4室だけのこじんまりした宿、気さくなオーナー夫婦なのでアットホームな雰囲気である。食事は季節感あふれる工夫を凝らした和風創作料理。そばがきのすいとん風、ワカサギ天ぷらなどの前菜3種、おもちのグラタン、それにメインのすり身や挽肉の重ね焼きにご飯、赤だし、アップルパイ。生ビールを飲みながら食べていた私はかなり満腹になり苦しかった。食後は部屋に帰らずそのままオーナー夫妻や他のお客さんと話し込み、水割りへと突入。この日の宿泊犬はアメリカンコッカ−、ラブ、イングリッシュセッター2頭。わんだふるにも新たな看板犬、イングリッシュセッターのイフちゃんが加わっていた。まだ子供なのでやんちゃで可愛い。よく見るセッターとは全然違うタイプの、トライカラー、英国系フィールドタイプの子とのこと。妹分ができたアフちゃんも相変わらずの貫禄と顔に似合わない甘えん坊な態度で挨拶に来てくれた。




アフちゃん、イフちゃんの朝の散歩
 快晴、絶好の雪遊び日和。今日は一日、宿の周辺でスノーハイク(但しかんじき)の予定。かんじきは宿で貸してもらえるが、オーナーに事前にお願いしてマイかんじきを購入してもらっておいた。かんじきを履くのは初めてなのでとても楽しみだ。
 朝食後、さっそく散歩へ出発。まずはかんじきを使わずに、凍った湖へ出てみることにした。湖が凍って、だだっ広いドッグランとなるのは例年2月のことだとか。しかし今年は凍るのが早くて、まだ完全ではないがほとんど大丈夫だという。宿の前の県道を渡れば、後は湖までノーリードでOK。わんだふるのオーナーが除雪して湖までの道を作ってくれているのだ。オーナーに一緒に行ってもらい、遊んでも大丈夫な所、行かない方がよい所の説明を受けた。湖の上から見渡す景色が素晴らしかった。いつもは湖の方を見ているので、逆から見ると新鮮な感じ。晴れているので山がとてもよく見える。う〜に〜は今日も絶好調。ものすごく広い雪上ドッグランであるから、ボール投げやフリスビーが大好きな若い犬だったらとても楽しめるだろう。う〜に〜には今はもうフリスビーはやらせないけど、投げたらきっと大喜びで取りに走ったことだろう。
湖までの道は、歩き易い 湖の上は、積雪も少ない 障害物も無いので走り易い
 
 さて、待望のかんじき初体験。ワンタッチかんじきという、ゴムベルトに付いたフックをリングに引っ掛けるだけの単純な作り。最初は歩いているうちにベルトがはずれたりしたものの、すぐに慣れてきた。まず宿の裏手を歩いてみる。うん、確かに足が沈まず歩きやすい。調子に乗って昨日すぐに引き返したトレッキングコースに再挑戦。昨日とは全く違い楽々歩ける。しかし今度は雪に埋まりながら歩いているう〜に〜の方が辛そうなので、またも引き返す。そして昨日歩いた木道を今日も散歩。かんじきを履いて歩くのは何だか妙に嬉しい。う〜に〜、今日も気になる足跡を発見したらしく、木道をそれて鼻を雪にすりつけるようにして足跡を辿る。後をついて行こうとした私、またもや木道を踏み外し穴に落下。そんなふうにして午前中の散歩は終了した。
ワンタッチかんじき
かんじき効果はこちら
ほとんど沈むことはない
もちろん、う〜に〜は沈む
獣の足跡がきになる
かんじきがあるのでついて行ける
今日も雪玉がいっぱい 川沿いのダムへと続く道

 宿に帰ってう〜に〜の雪玉を流し、コーヒーを飲んで休憩している間にオーナーが昼食の支度をしてくれた。わんだふるでは3食付1万円プランもあり、宿の周辺で一日のんびり散歩を楽しむ常連客に人気。本日の昼食は天ぷらそばといくら丼で満腹まんぞく。
 午後はオーナーに教えてもらった、宿の近くの除雪していない道を歩く。川に沿って歩きながら、ダムが見えるという場所を目指す。あまりにも静かで、幻想的な風景が続く。歩きながら、時々足が上がらなくなるので振り返ると、う〜に〜がかんじきを踏んでいるのだった。
ひそかに背後から近寄り、 かんじきを踏んでニヤリ 帽子を持って元気に歩く
 かんじきのないう〜に〜は、沈んだ足を必死に上げて歩くのでさぞ疲れただろうと思ったが、帰り道も私の帽子を取って最後まで持って歩いたり、意外に元気な様子。そして3時すぎ、宿に到着。夕食の時間まで、昨日と同じく風呂や爆睡と各自勝手に過ごす。そして夕食。この日はイングリッシュセッターと入れ替えにアイリッシュセッターが来た他は、昨日からの連泊。昨晩同様の美味夕食に、学習しない私は今日も生ビールを飲み、動けないほど苦しくなるのだった。




 さらに快晴。オーナーが言うにはもう湖はほぼ全部凍っているとのこと。朝食後、いち早く湖に繰り出す。湖上を歩いていたら、オーナーとアフちゃんイフちゃん、ラブラドールと飼い主さん、アイリッシュセッターと飼い主さんが遊んでいるのが遠くに見えたので合流。オーナーに「もう少し歩いて行くと磐梯山がとてもきれいに見えるよ」と方向を教えてもらい、アイリッシュセッターのバディちゃん家族と一緒に歩いて行った。バディちゃんは3歳の元気盛りで、時々お父さんの投げたフリスビーを追いかけたりしながら、楽しそうに歩いていた。う〜に〜と同じで、やっぱり帽子が好きなんだそうな。
帽子を持って湖畔を歩く 帽子を持ってオスワリ 帽子を持って氷の薄い所へ
宿に帰ってグッタリ

 磐梯山が見える所まで来ると、足もとがメキメキ音を立てたりしてちょっと恐ろしかった。宿に帰った時にはう〜に〜もバディちゃんも雪玉だらけ。雪玉を落としてコーヒーで温まり、荷物を片付けてチェックアウト。帰りに桧原歴史館に寄り、う〜に〜のためにメシマコブ、アガリクスパウダーを購入。お茶を出していただき、少し世間話をして出発した。
 この冬の雪遊びはたぶんこれで最後になると思うが、せっかく買ったかんじき、他の場所でも使ってみたい。来シーズンはもっとたくさん雪遊びをするために、できればスタッドレスタイヤが欲しいなあ・・・