12月
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 「クリスマス休暇は軽井沢の別宅で過ごしますの。ヲホホホホ」
一度言ってみたいセリフである。別荘はないけど、幸い休暇ならある。今年は何故か年末にとても長い休みが取れてしまったのだ。ハイソ(?)なクリスマスを過ごしに、さあ、軽井沢へ行くザマス!!

*****  1日目(12月21日)  *****

 前日、う〜に〜は不調だった。当日の朝は元気になっていたが、あまり無理せずゆっくり出ようということで10時発。雨が降っている。関越は空いていたが、雨からみぞれ、みぞれから雪と天気が変わり、ついに「横川S.Aからチェーン規制」となる。ガソリンを入れたついでに「チェーン巻いてもらえない?」と頼むが「今3台待ちで人が少ないんで時間かかりますよー」と断られる。仕方なくダンナが説明書を見つつ雪の中でチェーン装着。その間私はう〜に〜のトイレ散歩、昼食の買出しなどをする。ようやくチェーンを巻き終わり、車の中で高崎名物だるま弁当をぼそぼそと食べて出発。う〜に〜は寒さと雪で既に上機嫌であった。
 軽井沢I.Cから北軽井沢のペンション「アウルズウッド」に向かう。去年ここのクリスマスパックを利用してその素晴らしさに感動し「クリスマスは絶対アウルズで過ごす!」と心に決めたのだった。今日から2泊、友人のかすがさん夫妻と愛犬の諭吉くんも一緒だ。雪道を時折スピンしながら、恐怖感たっぷりのドライブでアウルズウッドに到着したのはもう3時を回っていた。少し前に着いて部屋にいたかすがさんと、さっそくドッグランへ。今日まだ全然運動していない諭吉くんを思いっきり走らせる。諭吉くんは2歳になったばかりの元気な若者だ。う〜に〜は昨日足腰の調子が悪かったため、ボール投げなどの走らせる遊びは一切せず、好きにさせておいたら案の定、雪に身体をすりすりして満足していた。諭吉くんはう〜に〜と遊びたいので近くまで走って来るのだが、今回は特にじゃれたりする遊びは禁物であるため、近づく度に全員に「コラ〜!いけない」と阻止されてかわいそうなのであった。諭吉くんはボールを追い
う〜に〜大喜びのバナナブレッド
かけたりジャンプしたりと激しく遊んでいたが、う〜に〜の所まで来ても呼べば戻るようになっていて、1年前とは全然違う立派な成長ぶり。これもかすがさんの日々の努力の賜物だろう。

 うにまいす星人審査による「ペンションのお風呂ランキング第1位」に見事輝いたアウルズウッドの大きなお風呂に入って、夕飯まで一休み。館内のいたる所にクリスマスの飾りつけがなされ、バスルームでも楽しませてもらえた。客室ももちろんクリスマスの飾りつけがされている。そして部屋にはクリスマスプレゼントが。「セミクラウス(サンタクロースの意)」という名のビール、ひざ掛け、ラック付きワイングラス、犬柄のショルダーバッグ、そしてう〜に〜には「アウルズママのワンワンケーキ」という可愛いラベルが貼ってある手作りバナナブレッド。これはう〜に〜さん大喜びで、袋を開ける前から匂いに敏感に反応していた。そして袋から出すと何も言ってないのに「はーい!はーい!!」と手を上げまくるヤツ。味見をしたらバナナのかすかな甘味と香りで、味はほとんどないが人間にも充分イケる美味しさ。4個入りのうち1個を、う〜に〜と分け合って食べた。

 7時、う〜に〜を部屋に置いて夕食。今日はクリスマスディナーでなく普通の夕食だ。オードブルからデザートのチーズケーキまで、美味しくてボリュームたっぷりのディナーを、かすがさんとビールを飲みながら楽しんでいたらすっかりお腹がいっぱいに。食後はリビングでみんなで寛ぐ。
リビングには大きなツリーがあって、そこでう〜に〜にサンタ服を着せて写真を撮った。雪はまだ少し降っている。う〜に〜のトイレのために外に出たら、イルミネーションがきれいだった。まさにホワイトクリスマスって感じである。




****  2日目(12月22日)  ****

   
雪の白糸の滝もなかなかいいです。犬達は、関係なさそうだったけど、、
 朝になったら雪はやんでいた。軽井沢の町へ下りて行くことにして、途中の白糸の滝に寄る。雪で歩きにくいにも関わらず観光客は思ったより多く、う〜に〜と諭吉くんは注目を浴びていた。う〜に〜は犬好きな男性に雪玉を投げて遊んでもらい喜んでいた。
 旧軽銀座に近い駐車場(1回500円)に車を止めて、ここから歩いて軽井沢の町を散歩。まずはドッググッズショップのジェイ・ジョニー。ここでう〜に〜にクリスマスプレゼントを買った。丸裸に剥かれたあひる(?)のピーピーおもちゃだ。大きくてなかなかリアル、しかもクリスマスっぽい。閉じた目が、知る人ぞ知る「鶏頭水煮缶」の悲しい鶏さんの目を思い出させる。かすがさんは諭吉くんにサングラスを買っていた。それからチャーチストリート内をぶらぶら見て歩き、店内犬同伴可の店「ミカハウス」で昼食。「ミカハウス」は「ミカん家(みかんち)」と名前が変わっていて、まあ意味は同じだけれどもちょっと戸惑ってしまった。店内にはシーズ−が2匹いて、ノーリードだけど慣れたもので寄って来ない。各々つけ麺、スパゲティー、しょうが焼きなどを注文した。基本的に観光客相手の店なのか、あまり仕入れをしていなかったようで「つけ麺、チャーシューが切れちゃって100円引き」とか「しょうが焼き定食の味噌汁切れちゃってボルシチで」など謎の変則メニューがあったりしたが、店の主人(ミカさんというのだろうか)は犬好きで、店に来た犬の写真が壁にずらりと貼ってあった。
雪が積もって大滝までは行けず

 さて昼も食べたので、宿に帰ることにする。しかし朝から「小浅間山登山」を提案して3対1で却下されていたダンナはどうしても諦められなかったのか「登山がダメならせめて浅間大滝に」と主張し受け容れられる。浅間大滝は人も少なく雪深くて、犬を遊ばせるにはよかった。諭吉くんの運動欲求をしばしここで満たして、宿に帰った。う〜に〜も楽しんでいた。

お気に入りはアヒル
 ペンションに着いて、再びドッグランに行った。このドッグランは近隣のペンション数件で共同で使用しているので、他のペンションに泊まっている犬も来ている。私たちが行くと、先にシェパードが来ていて、諭吉くんと遊び出した。犬と遊ばないう〜に〜は私たちと、さっき買ったアヒルで遊んだ。う〜に〜はこのおもちゃがいたく気に入ったようで、ピーピー鳴らして私たちの手に押しつけ「引っ張りなさい」と命令するのだった。引っ張りっこや、雪の中に隠して探すゲームをしているうち、今度はラブも来て諭吉くんたちはみんなで遊んでいた。私たちは寒くなってきたので一足先に宿に戻った。
 
 今晩はお楽しみのクリスマスディナーだ。入浴を済ませお腹も空いたところでダイニングへ。コンソメスープに浮かんでいるベル形のじゃがいもや魚料理のグリーンソース、チキンの詰め物など、クリスマス色いっぱいのメニューだ。シャンパンと赤ワインで酔いも回り、デザートのチョコレートケーキを食べ終えた頃にはもうお腹も心もいっぱい。かすがさんと夜のおしゃべりを楽しみにしていたのに、結局双方とも寝てしまい、朝になって「せっかくの旅の夜が〜!」と悔やんだのだった。



***  3日目(12月23日)  ***

二人そろっての「はーい」。最後の一枚で、二人揃って一歩前にでています
特別出演:さっちゃん

 チェックアウト前にツリーの側で撮影会。う〜に〜と諭吉くんがバナナブレッドを前にして、2人そろって「はーい」と手を上げるところを撮る。そして諭吉くんのサングラスを借りて記念撮影。去年のクリスマスにも一緒だったMIXのさっちゃんも、サングラスをかけてポーズ。さっちゃんの飼い主さんと「来年もまた会いましょうね」と約束して別れる。かすがさんもアウルズのクリスマスがとても気に入り「来年のクリスマスも来ることに決めた!」と宣言していた。

 宿を出て一路、南軽井沢のあむーるへ。レマン湖の周りをちょっと散歩してから、2階店内に上がった。今日は連休の最後だからか店内は比較的空いていて静かだった。あむーるのお父さんが他のお客さんに、う〜に〜のことを「この子はねー、本物のタレントさんで、いろんな芸が出来るんですよ。今お見せしますから」と紹介する。これは誇大広告なのでちょっと恥ずかしい。しかしお父さんにササミを貰うと単純なう〜に〜はすぐに「何でもやります」モードになってしまい、「おはな」「おあご」「死んだふり」等の他愛もない芸を披露するのだった。
 
ホットスプリングのリビング
 あむーるで昼食後、階下の店でう〜に〜のおやつなどを買い、今日の宿「軽井沢ホットスプリング」に行く。軽井沢から18号を佐久方面に行った、御代田駅の方である。ライオンでおなじみ大京が経営しているレンタルコンドミニアムで、天然温泉もあり、ドッグランもある。フロントで鍵をもらい指定されたC棟の部屋に行く。部屋は一番狭い1LDKタイプだが54uあり2人なら十分広い。6畳和室にリビング、ダイニングテーブルがあり、キッチン、バス、トイレ付き。ユニットバスではなくトイレと別である。しかもトイレはウォシュレットだから「お尻がしぶしぶしちゃう(byかすが夫)」人も安心。新しいのでとてもきれいで快適だ。これで2人で1万円は安い。(但し犬は2000円)
 
 さて本日の夕食だが、かすがさんと一緒に御代田駅近くのかりん通り沿い「レストラン&バーバロン」でとることにした。18時までは犬OKそれ以降は要相談とのこと、さっそく電話してみると「全然大丈夫」と快諾される。食べたものは「蛸とモッツァレラチーズのごま生地のピザ」「旬の魚介のカレー」「地鶏の生姜焼き」「地鶏のトマト煮」「明太子スパゲティ」「ペペロンチーノ」など。ピザは生地がパリパリの私好みで、ゴマが香ばしくておせいべいみたい。ビールによく合う。鶏料理も美味しいし、カレーもなかなか。それに店の人の対応も良かった。ちょっとした行き違いで注文と違うものが来てしまったのだが、私たちは別のものでも全然構わなかったのでそれを頂いた。しかし店の人はわざわざ新しく作って「まだ食べられるようでしたらどうぞ」とサービスしてくれたのだ。もちろんたいらげましたとも。この店は地元の若いお客さんが多いようで、地域に根ざした人気の店とみた。う〜に〜はこの店が気に入ったらしく、入ってすぐにテーブルの下で寝ていたし、諭吉くんも落ち着いていた。
 店を出る時、ダンナがふと質問した。「何で犬OKにしたんですか?」するとこの答えがまたふるっていた。「ヘタな子供よりよっぽどおとなしいから」だって。日頃からレストラン等で大騒ぎし走り回る子供(とその親)を腹立たしく思っている私は思わず「拍手!!」と叫んでしまった。

 「バロン」でかすがさんと別れる。かすがさんは私たちの夕食につきあってくれたが、これから帰って明日は仕事なのである。私たちはコンビ二に寄って紅茶や牛乳など買い、ホットスプリングに帰った。そして私はすぐにフロント2階の温泉へ。温泉は10時までだ。温泉まで歩いて3、4分かかるが、照明が明るいので夜でも問題なし。サウナと温泉でぬくぬく状態になり部屋に戻った。
 就寝前のティータイムということで、昨日のディナーで出たケーキの残りを食べる。(2人に1台あるので食べ残した分はお持ち帰りとなる)素泊まりにしておいてよかった。でも「ばろん」でたくさん食べたのでさすがに全部は食べきれず明日の朝食に持ち越し。冷蔵庫もあるので安心だ。和室に布団を敷いて、う〜に〜はリビングの自分のマットの上で寝た。


* *  4日目(12月24日)  * *

泊まった建物。きれいです。
天然芝(が雪の下にある)ドッグラン
 う〜に〜の朝の散歩とごはんを済ませたら朝風呂へ。大きな風呂に昨夜は4人、今朝は2人。いやーシーズンオフっていいわ〜。客室のあるC棟では、他のお客さんの姿も車も、ついに見かけることはなかった。部屋に戻って残りのケーキにコンビ二で買ったくんせいたまごと紅茶の朝食。そして部屋を掃除。部屋には掃除機まで備えつけてあるので、抜け毛掃除もバッチリ!とにかく快適な宿である。近隣に飲食店やスーパーがあって素泊まりでも全然困らない。出前も頼めるのだ。およそ必要な備品はほとんど揃っている。軽井沢は美味しい店がたくさんありそうだから、こういう宿に泊まって外食するのも楽しそうだ。犬を車に乗せておける季節ならそういうのもいいな。
 チェックアウトして、2つのドッグランに入ってみた。大きい方は完全に元テニスコート。小さい方は天然芝と書いてあったが、雪に埋もれていてわからなかった。

 さて今日は何をするか。やはり山か・・・?近いところで離山に行ってみる。しかし、登山道近くまで行くと、雪がたくさん残っていて、チェーンを外したわが車はもはや登ることが出来ない。止める場所もなく、結局おととい駐車した軽井沢銀座に近い駐車場にまた車を置いた。今日は平日料金で1回300円であった。
迷子になっている時に通った雲場池
 ここから歩いて別荘地内を散歩し、離山登山口を目指したが、道がわからなくなってしまい辿り着けず。既に別荘地を2時間位歩いていたので山は諦めて軽井沢銀座方面に戻る。ダンナはテラス席のある蕎麦屋に惹かれていたが、外は寒いので私は今日もあむーるを主張。だって昨日ダンナが食べたカツ丼(=ただの白いご飯←かすが家限定ネタ)が旨そうだったんだもん。レマン湖前でアヒルのおもちゃで少し遊ぶ。う〜に〜はまだまだ元気。そして昨日のササミ効果で、トイレを済ますと一目散に2階へ上がって行った。あむーるは昨日にも増して静かだった。私はカツ丼(白いご飯の上に卵でとじたカツが乗ってるもの←かすが家限定ネタ)を食べ、ダンナはそばを食べ、う〜に〜はまたまたもらったササミで、もう1組のお客さんに無理やり芸を披露してみせたのだった。
うーにーの号令で演技をするカモ(ウソ)

 あむーるを出て、今日の宿「星野温泉ホテル」へ。軽井沢ではよく知られた、大正時代創業の老舗の温泉旅館である。星野リゾートというエリア内に、星野温泉ホテル、日帰り温泉施設トンボの湯、村民食堂、ホテルブレストンコート、教会などがある一大リゾートである。また、隣接して野鳥の森があり、自然とふれあうイベントも年間を通じて行っている。本館の裏手にコテージがあり、犬の泊まれる部屋が1棟ある・・・と予約時は言っていたが、私たちが泊まった時は2棟に増えていた。星野温泉ホテルは犬が泊まれることをあまり宣伝していないので、詳細について予約時にメールでいろいろ質問させてもらった。そしてすぐに、実に懇切丁寧な返事をもらったので、「さすが老舗ホテル、素晴らしいサービス!」と感激し、この日が来るのを今か今かと心待ちにしていたのであった。
こんな建物が並んでいる
裏は川をはさんで野鳥の森
ベッドの横の「ちょっとした」隙間
 車が玄関に着くと、フロント係の男性が現れ、荷物を台車に積む。車はキーを預け駐車場に持って行ってもらう。私たちとう〜に〜はロビーの隅のテーブルに着き、そこで宿帳の記入、食事時間の確認などが行われた。女性が熊笹のお茶と、胡桃のお菓子を持って来てくれた。そして本館の通路を通ってコテージへ。コテージは丸太のログハウスでベッドが4つあり、テーブルにデスク、バストイレがある。ユニットだがバスタブもなかなか広い。(温泉があるので使わないが)クローゼットに引き出しがついていて、収納力抜群。部屋が広々し過ぎて、う〜に〜のマットをどこに敷けばよいのやら迷うほどだった。
 
 その後例によって私は風呂へ。ダンナとう〜に〜はお昼寝タイムのようだ。風呂は本館の「太陽の湯」と、ちょっと離れているがこの春にオープンした日帰り温泉「トンボの湯」の2ヶ所ある。どちらに行こうか迷っていたのだが、支度をして本館に行き、1階の土産物を何となく見ていたら「トンボの湯へ行かれるお客様、バスがまいりましたー」と声をかけられたので「はーい乗ります」と乗ってしまった。本館、トンボの湯、ホテルブレストンコート間はシャトルバスが随時運行しているのである。「もし雪とか雨だったらさー、食事とかお風呂に行くの面倒だねー」「車で行くしかないな」などと2、3日前話していた我々は全くの小市民であった。星野温泉ほどの老舗リゾートに来て、そんな心配は全然要らなかった。
 トンボの湯は通常1200円也。受付で部屋番号を言えばフリーパス。ちょっと気分がいいぞ。平日でもそれなりに人が入っていたが、混んでいるというほどではなく、気持ちよく露天風呂につかってきた。風呂の隣にレストラン村民食堂とカフェハングリースポットがあり、カフェのカウンターで「本館に行きたい」と言うとすぐにシャトルバスを呼んでくれる。ま、歩いても大した距離ではないが、雪だし寒いし、カフェでバスを待った方が賢明である。

後ろの壁には広い窓があります
そこからの景色もなかなKいいです
 夕食は本館2階のレストランつつじでいただく。驚いたことに、犬の同伴も可能である。このことについては、予約時に「しつけられた犬であればレストランの同伴も可能ですので、ご相談下さい」とのメールと、パンフレットに同封して「レストランへのペット同伴について」という注意書きをもらっていた。内容は「同伴できるペットは、よくしつけられた犬を想定しており、他の客に迷惑をかけないことを飼い主が確実に実行できる場合」というもので、以下細かい注意点が箇条書きされていた。そこで私も事前に「注意事項については了承した。マナーを守れると思うのでぜひ食事時の同伴をお願いしたい」旨のメールを送っておいたのである。よって私たちの食事にう〜に〜が同伴されることは、前もってレストランへも連絡されていたようだった。
 平日で客が少なかったので、私たちのテーブルの周りには他の客はいなかった。う〜に〜はテーブル脇でぐっすり眠っていて、食事が終わるまでほとんど起きなかった。
 食事は和食のコースで、前菜、お造り、副菜、蓋物、主菜、食事、デザートのコース。副菜は5種、主菜は7種類のメニューから選べるようになっていた。ダンナは「蟹と竹の子の淡雪蒸し」「豚角煮信州味噌仕立て」、私は「そばクレープ野菜巻そぼろ味噌添え」「猪豚肉の美酒鍋」を選んだ。全体的にヘルシーな料理。今日はもちろん日本酒だ。デザートは小さな箱にアイスクリーム、わらびもち、焼きリンゴが入って、そば、よもぎ、しその3種のお茶と共に供される。なかなか楽しい演出なのだった。旅館の料理というとやたら品数が多く並んでいるが冷めている、ということもあるが、ここはコースなので温かいものが運ばれて来るし、小食な人、年配の人にもいいと思う。

 食後はダンナと交代で本館の風呂に入りに行った。本館の風呂はトンボの湯に比べると小さくて古めかしいが、さすがに趣のある湯だった。何故か両方とも風呂の深さが85〜90センチと深くて、うっかりすると溺れてしまいそうだった。そしてまた何故かすべり台があり、すべって落ちる先は水風呂なのだった。風呂から帰る時ふと空を見上げたら、星がたくさん見えた。明日も天気は良さそう。


* 5日目(12月25日) *

 朝食もう〜に〜を連れてレストランに行く。そばの実をだし汁で炊いたおかゆに、茶碗蒸し、鮭の粕漬け、おひたし、煮物など和食の朝食にリンゴジュース、ヨーグルト、コーヒーが付く。よく晴れていて窓から陽が射し暑いくらいだ。
 10時に野鳥の森に入る。野鳥の森は国の施設だが星野リゾート内にあって、たいていこういう場所は犬は入れないものだが、ここは「リードをつけること」という決まりになっていて立ち入り禁止ではない。雪は深いが風がないので寒くない。観察路を1時間ほど歩いた。う〜に〜絶好調。途中の水場に雪が次々落ちるのを興味深そうにしばし眺める。
募金箱の塗装のはげ具合に年月を感じます
(98年に来た時、とても綺麗に塗装されていました)
木から雪が落ちてくる
入りたそうだったけど我慢してもらった

広場に行くには、雪深い階段を登らなければならない 広場に着けば、おおはしゃぎ!!
 その後、今度は林道を歩いて私たちのお気に入りの広場に行ってみた。広場は行くまでに雪が深くて難儀したが、到着するとそこは一面の雪野原で誰の足跡もない。感動的な美しさだ。今日はだいぶ歩いて疲れているはずのう〜に〜も、狂ったように走り回って喜んでいた。
手伝っているつもり?
結果的に破壊魔う〜に〜
 う〜に〜を休ませ、その間に私は雪だるまを作った。耳も目も鼻も手もつけて、パンダみたいな雪だるまが出来たので、う〜に〜を呼んだ。するとう〜に〜は一目散に走って来て、何と雪だるまに体当たりし、飛びついて手で頭をガリガリ掻いて、あっという間に無残な姿にしてしまったのだ。悔しいので頭を作ってまた乗せたが、何度作ってもその度にう〜に〜が喜びいさんで壊してしまうのだった。
 この頃から雲が流れて来て、朝とはうって変わったどんよりした天気になった。いつ雪が降ってもおかしくない暗さ。私たちはちょっとあせり、ほんの少し休憩した後帰り道を急いだ。

 星野リゾートに戻って来たのが2時半。これから昼食だ。星野リゾート内に新しくできたトンボの湯の隣りの「村民食堂」に入ってみる。「犬、入れますか」と聞くと「あちらにお席をご用意しております」とのこと。ホテルから連絡があって用意してくれていたようだ。でもここは宿泊客に限らず、混雑していない時であれば犬の同伴OKだそうだ。店の入り口に、私の所に送られてきたペット同伴についての注意事項と同じものが掲示してあった。
グッタリう〜に〜
コテージにあった犬用品
手前右のタオルは持参のもの
 私は温かい牛タタキ定食を食べた。小鉢がいろいろついていて栄養面もマル。ダンナはざるそば、水餃子、チーズ春巻。私は「よなよなエール」という地ビールを飲んだので、つまみにチーズ春巻をちょっと貰ったら、これがなかなか美味しく、ビールのつまみにピッタリだった。う〜に〜はさすがに疲れていて、席に着くと同時に横たわり、そのままサナギになってしまった。
 満腹になったので歩いてコテージに帰り、たらいにお湯を汲んできてコテージの玄関前でう〜に〜の足とお腹を洗った。犬用にバスタオルも2枚用意してあったので、それで拭いて部屋に入る。部屋の入り口の引き出しの上に用意されていた、このたらいとバスタオルはとても便利だった。この他にビニール、新聞紙、コロコロが置いてあり、部屋にはトイレシーツまでセットされていたのである。犬料金3000円は私の感覚としてはちょっと高いと思うが、これだけ用意してくれていれば納得できるというものだ。部屋に入れてもらっただけで3000円、という宿も今までにあったので。
 夕食までの腹ごなしに、今日もトンボの湯へ。昨日よりずっと人が少なかった。時間があるのでサウナにも入り、露天風呂を楽しんだ。露天風呂に入っている時に雪がちらついた。今夜は雪が降りそうな気配だ。

 本日の夕食は、星野リゾートの向かいにあるホテル「ブレストンコート」のレストラン「ノーワンズレシピ」に行く。8時から予約していたので、7時50分位にフロントでシャトルバスを呼んでもらった。本格的に雪になり、サラサラの粉雪が見る間に積もっていく。シャトルバスにう〜に〜も乗って、ブレストンコートに着いた。
 今日はクリスマス。ブレストンコートはクリスマスのイルミネーションがとても綺麗だった。バスを降りるとドアマンがう〜に〜を見て「恐れ入りますが介助犬ですか?」と聞く。「いえ、星野温泉に泊まっているのですが・・・」「誠に申し訳ございませんが、ペットのご同伴はご遠慮いただいております」(内心「へっ?」と思いながら)「星野温泉で了解してもらってますが・・・」と言うとすぐに、「たいへん失礼致しました」と詫びてレストランの場所を教えてくれた。ああ良かった。ドアマンまでは話が通じていなかったらしい。レストランの案内係の女性には、ごくスムーズに迎えてもらった。
小パーティー用のテーブルに
二人&う〜に〜はちょっと寂しい
テーブルの下では、誰にも
邪魔されず熟睡のう〜に〜
そして「今日はクリスマスで、お子様のお客様が多いので、個室をご用意させていただきました」とのことで、5〜6人の食事会にちょうどよいような円テーブルの個室に案内された。テーブルの片隅に2人でポツンと座るのは何だか妙な感じ。たぶんう〜に〜は子供が騒いでも我関せずでテーブルの下で寝ていたと思うし、そういう姿をレストランの人にも一般客にも見せた方が、今後の犬の同伴可能店の拡大に一役買ったのではと思うとちょっと残念な気もしたが、レストラン側が無用なトラブルは避けたいのもよくわかるし、もし子供がう〜に〜を触りにでも来たら、こちらも落ち着いて食事ができないし、これはこれでよかったのかも知れない。

 メニューはクリスマスのコースメニューだった。前菜3種、メイン3種を選ぶコースで、それにスープとデザート、コーヒーがついて5000円という、クリスマスディナーとしては安心価格である。前菜はダンナが「クリスマス特製パレットタパス」私が「牡蠣とフォアグラとリコボウ(そういう名の茸)のロワイヤル」というのを選ぶ。6リットルのボトルに入った赤ワインをグラスで頼んだら、係の女の子が重そうに持って来て、注ぐのも大仕事。そして一度傾けたら簡単には止まらず、グラスになみなみと注がれてしまったのだ。何かとても得した気分。しかも大好物のフォアグラで幸せ。う〜に〜は持参のマットに寝かせたが、テーブルの下に体のほとんどが入ってしまい、尻尾だけ出ていた。テーブルクロスが長いのでほどよい暗さが落ち着いたのだろう、食事の間中寝ていた。
 メインは「甘鯛とずわい蟹のスフレ仕立て」にした。味をしめた私は今度は同じ6リットルボトルの白を注文。今回もやはりなみなみと注がれる。ダンナは「鹿ロース肉のスパイス焼き 木いちごソース」を食べた。
 デザートはクリスマスなのでガトーショコラ合掌小屋作り。1週間でこれほどチョコレートケーキを食べたことが今までにあっただろうか?私はなみなみワイン2杯でけっこう酔っぱらってしまい、気持ちよくレストランを後にした。う〜に〜は気持ちよく寝ていたのを起こされてボケボケしながら店を出た。
 シャトルバスが来るまでの間、外のトナカイのイルミネーションの前と、ロビーの大きなツリーの前で記念撮影。このホテルにう〜に〜と入れる機会はそうないので、気分はすっかりおのぼりさんなのだった。雪はまだまだ降り続いていた。
 コテージに帰って本館のお風呂に入り、就寝。今日は車を全く使わずして、かなりの量の散歩と、う〜に〜を連れての食事ができてしまった。これぞリゾートってところか。いやー満足。

6日目(12月26日)

 軽井沢の休日も今日で最後。雪はやみ、雲一つない晴天となったが、風が強くて寒い。最高気温が零下5度だそうだ。
 本館で朝食をとり、土産物などを見てコテージに戻る。ふくろう好きの私は、星野リゾートオリジナルのふくろうの刺繍のタオルや傘を買い込む。掃除をして台車で荷物を運んでもらい、チェックアウト。ちなみにここのチェックアウトは12時なので、朝食後、風呂にも行けるし2度寝もできる。これぞリゾートってところか。(←しつこい)
 星野温泉ホテルは我が家の旅予算としては最高ランクの宿であるが、それだけの価値は十分あったと思う。しかし、今回の宿泊費は平日の最も安い料金設定時だったので、こういう時期でなければ我が家には厳しい。さらに、星野温泉ホテルは2003年8月末日をもって閉館する。長い間親しまれてきたこのホテルも老朽化のため全て取り壊し、約2年後に新たなリゾートとして生まれ変わるのだそうな。今度は全部がコテージになるということなので、犬同伴可の部屋も増えることだろう。新しいコテージが出来たら、ぜひとも泊まってみたいと思っている。

 星野リゾートは犬を幼児扱いせず、宿泊客に同伴する大人の犬として扱ってくれた。犬を幼児と同じと考えると、騒いだり走り回ったりするのは仕方のないことだと思うしかない。それで犬連れ専用の宿の中には、館内で吠えたり走ったり、喧嘩もマーキングも自由という所ができ、そこではみんなが気を遣わなくてよいので楽だということになる。もちろんそれも犬連れ旅の楽しみ方の一つだと思うが、そこは「特別に許された限られた空間」でしかない。私はそれよりも、普通の場所に犬と出かけたい。許されるなら電車にも乗りたいし、評判のレストランやホテルにも行ってみたい。人間社会に適応するためのルールを教えられた「大人の」犬は、人間の子供よりもはるかに忍耐強く、聞き分けがいい。そのことをもっと多くの人に知ってもらいたいと思う。
 星野温泉ホテルでも、犬の受け入れについてはかなりの議論になったそうだ。しかし決め手は社長の一言「欧米ではレストランやホテルに犬を連れて入っている」だったという。
池の鳥たちは、う〜に〜を見ても神経質に逃げることはなかった。これもこちらの努力の結果だと思う。
 星野リゾートは野生動物の保護活動やエコロジーにも力を入れている。しかし、だからと言ってやみくもに犬を禁止したりはしない。野鳥の森も、普通なら犬の入場は禁止されても当然なのに、そんなことはしない。ただ、クマがよく出るので、クマを興奮させないよう犬のリードは絶対に放すなという注意があるのみだ。そういうところが私はとても好きだ。う〜に〜に対しても、宿泊客の犬としてごく当たり前に接してくれた。宿泊客とその飼い犬のマナーを信用してくれたことが、私には嬉しかった。

 チェックアウト後も車を置いて、野鳥の森を散策した。1時間位歩いて車に戻った。現在の星野温泉ホテルには、もう泊まれることはないかも知れない。泊まれてよかった。6日間の軽井沢旅行が終わったわけだが、これほどクリスマス気分を満喫したことはなかった。しかも今年最後の旅にふさわしくちょっとリッチな旅だった。星野温泉ホテル本館の屋根にそびえる巨大なフクロウのペアの置物に別れを告げる。キミたちも壊されちゃうのかな。また会えるといいね。