元来私は1泊旅行が嫌いだ。行ったと思ったら翌日には帰らないといけないので、ゆっくり遊んだ気がしない。だから同じ宿に2泊以上というのが、私の旅行に対する基本姿勢である。そうは言っても、毎回毎回職場に「犬と旅行行くので休みマース!」とばかり言ってはいられない。帰ったら机がなくなっていたりするかも知れない。机がなくなっても今までどおり給料が振り込まれるならむしろその方が有難いが、そんなことはある筈がない。したがって顰蹙を買わないよう気を遣いつつ、なおかつ休暇の完全消化はきっちりと目指さなければならない。

 ・・・と、どうでもいい書き出しで始まりましたが、今回はトートツに蓼科1泊旅行です。


 土曜の朝、6時半に自宅を出る。いつもの通り双葉SAで休憩兼たこ焼き等のジャンク朝食。9時半蓼科着。竜源橋の駐車場に車を止めて蓼科山に登る。去年も同じ時期に来たのだが、登り始めてすぐにかなりの積雪だった。ところが今年はほとんど雪はなく、ところどころ凍っているくらいだ。ちょっとガッカリ。しかし登って行くうちにだんだん雪が深くなり、足がズボッとひざ上くらいまで落ちるようになった。
 去年は鹿のように軽やかに岩場を登っていたう〜に〜が、今年は熟考して登りやすいルートを探している。やっぱり年なのかなあ。それでも少し開けた所に出ると、雪原を子犬の頃からやっている「クレージー走り」で駆け回った。まだまだ元気だ。
 ゆっくりゆっくり、時々雪の中に足を落としながら進んで1時間半。急に視界が開けて、一面の雪野原に出た。去年はここでUターンした。今年もそうしよう。元気なう〜に〜をここで少し遊ばせる。おやつ入れを隠して探させるゲーム。歩いた跡におやつ入れを落とせば、もう自分でもどこに置いたかわからない。でも何といってもモノはう〜に〜の大好きなおやつ入れである。3回とも見事に見つけて意気揚揚と戻って来た。
 下山して車に乗る時、う〜に〜の後足が震えていた。元気だったのでつい遊んでしまったが、足腰には負担がかかっていたのだろう。ちょっと心配。よっこいしょと車に乗せて、さて人間は昼食、う〜に〜は休憩。

 昼食は大好きな「みつ蔵」という蕎麦屋に今朝から決めていた。しかしこのお店、雑誌やテレビによく出る有名店なので、いつも込んでいる。多少待つのは覚悟の上だが、今日は時間も遅いからそろそろ空いて・・・と店の近くまで来ると、あろうことか前に来たときより並んでいるではないか!前は店内で待ったのに今日は店の外まで!!私たちは「並んでまで食べなくてもいい」と考える性質なのでそのまま店を通り過ぎ、他を探すことにした。
 結局別な蕎麦屋(既に頭が蕎麦モードになっているのであくまでも蕎麦)に入る。う〜に〜留守番。私はとろろざるそばを食べた。そしてダンナが普段はあまり食べないのに、急にとろろざるそばの他に「もつ煮」を頼む。ここの蕎麦には山菜の佃煮などの小皿が3種類ほどついていて、蕎麦の量も多めだった。なおかつダンナがもつ煮を食べきれないのでくれるという。私はもつ煮は好物だけどそれだけでは食べたくない。もつ煮というものは、「もつ煮定食」や「もつ煮とビール」のように、誰かと組んで初めてその力を発揮できるヤツなのだ。ということでビールも注文し、死ぬほど腹一杯になって宿に向かった。宿に着く頃、何と雪が降ってきた!

 今日のお宿「ログハウスふくろうの宿」は、蓼科ピラタスの丘にあって我が家が年1、2回は利用する宿である。今回で4度目になる。初めて行った時はまだ犬連れOKということを宣伝していなかったが、今は情報誌にも載っているので犬連れ客は増えたそうだ。この日は我々を含め3組が全員犬連れだった。まだ子犬の柴犬と8歳のビアディー。全員リピーターだ。
 部屋はロフト付きの和室。いつも一番広い部屋を用意して下さる。館内いたる所にフクロウグッズがあり、見てるだけでも楽しい。もちろん部屋にも。荷物を置いてう〜に〜を休ませて、私たちはダイニングでウェルカム和菓子を頂いた。オーナーはもと和菓子職人なので、季節の和生菓子とお抹茶がサービスされるのだ。これも私のお気に入りの一つ。そして窓の外にある餌台にはウソなどの野鳥やリスがやって来る。夜にはキツネもやって来る。部屋からの眺めもとても良く、窓辺に置いたゆり椅子に座ってボーっと山を眺めていたい気分になる。
 夕食の前に風呂を済ませ、食堂にう〜に〜を同伴した。ここでは宿泊客全員が犬連れの場合に限り食事に同伴できる。う〜に〜を連れて行ったのは今回が初めてだった。

 開業10周年とのことで、カムイビール(ふくろうラベルの地ビール)がサービスされた。食事はコース料理だがさすが和菓子職人、和のテイストがふんだんに盛り込まれたオリジナル料理である。職人気質のオーナーは本当に料理を作るのが好きなのだろう、過去の私たちの宿泊記録を見て、同じメニューを出さないよう献立を考えたそうだ。今回は特にれんこんのスープが気に入った。

 う〜に〜は疲れたようではあるが、足は大丈夫なようでホッとした。夕食後は他のわんちゃんと挨拶(う〜に〜は半分逃げ腰)したりオーナー夫妻に甘えておやつをゲットしたりしていた。寝る時は人間はロフト、う〜に〜は下で寝る。朝私が起きて下に降りるまで、う〜に〜は寝ていた。




犬と寝泊りするのによさそう 出入り口も犬連れサイズ

 翌日は尖石遺跡に行った。周囲は遊歩道になっていて軽いお散歩向きだ。昨日と打って変わった暑さに、う〜に〜バテ気味のため早めに退散する。


 帰りは富士見を通って、カントリーキッチンのテラスでステーキランチを食べた。150gステーキにサラダ、スープ、デザート、ハーブティーのセットで2500円也。我が家の昼食にしてはちとお高めだったが、デザートのアイスもたっぷりあったから、たまにはいいか。1泊2日の旅はあっという間に終わったが、雪山にも行けたし充実した旅行だった。