職 務

2002/12  R さん より


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当時私が勤務していたのは、保健所です。そこには、動物管理事務所へ移す前に
一時的に犬たちを収容しておく犬舎がありました。収容される犬は、野犬だけで
なく、飼養放棄犬(飼主に不要だとされて連れてこられた)、放浪犬(迷子の犬)な ど。


子犬には、すべてではないが、「里親」制度がありました。成犬には無く、一部の
職員が自発的に(つまり個人的に)、一部のおとなしい犬を選んで里親を見つける
ことをしてました。もちろん、書類上は「死亡」扱いで。
(自治体によっては、成犬譲渡という制度があるが、そこには無かった。)

里親に出された子犬以外は(私が知る限り)「処分」されています。
里親に出される候補の子犬も、ある程度まで大きくなっても引き取り手がないと、
「処分」のようです。

ごくまれに、性格、運共に恵まれた成犬が『しつけモデル犬』として助命される
ことがあった。でも、本当にまれ、だった。


収容された犬たち用のフードは、一応、用意はされていた。
再終目的地へいくまで、世話をしてもらうことにはなっていた・・・が・・・

収容された犬を犬舎から出すのは「脱走」の恐れあり、と言うので良い顔はされ
ませんし、出した人間は他の保健所でも珍しい(私を含めて数人)でしょう。
基本的には出さない、のです。
私は管理している担当と仲が良かったので、かなり自由にできたのです。
管理する担当者がまともなら、餌や水、掃除等もちゃんとするのですが・・・・。
(私を含め、ポケットマネーを出す人もいましたが)
私が外に連れ出した犬は、他にも何頭かいました。当然、おとなしい犬ばかり
なので、何とか引き取り手を見つけようと捜しまわり、特別に収容期間をかなり
延長したのですがほとんど駄目でした。