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(最終更新日 2022年10月 29日 )
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Trucker

1996.12   Kayさん より


国内 海外 お絵描き


タイトルは犬の名前で、私がお世話になった先生のところにいるマリノワの一頭です。
この子は先生のところで生まれて、もらわれていった先でオビディエンスのトレーニングを受けました。とっても熱心な飼い主さんで、オビディエンスのトレーニングにのめりこんでいたため、Truckerにもかなり厳しくトレーニングをしたそうです。
Trucker自身も、最初の内は楽しんでトレーニングを受けていたのですが、飼い主さんは熱心なあまり、犬を「常に」管理下におかなければいけない、と思い込んでしまいました。そして、何をするにも先に号令が必ずある、という生活を続ける内、Truckerは、号令がないとどうすればいいのか分からない、号令がないということがストレスになってしまう、という犬になってしまったのです。

ところが、飼い主さんはTruckerのストレスに気が付かないまま、オビディエンスの競技会に参加し続けました。調子の良い時のTruckerは、とても優秀なオビディエンス・ドッグで、満点の200点を軽く取ることも珍しくはなかったのですが、ストレスが最高潮に達すると、つまり飼い主さんの号令が明確でない、という様なことから受けるストレスが大き過ぎた時には、審査を受けるリングから逃げ出して行ってしまうようになりました。
この両極端を行ったり来たりするTruckerを見て、飼い主さんは「精神状態がおかしくなったに違いない」と判断しました。そして、ブリーダーである先生の所に電話をかけてきて、「頭がおかしくなったから、安楽死させる。報告だけしておこうと思って。」と言ったそうです。それを聞いて慌てた先生は、「とりあえず犬を見せて欲しい。」と頼み込んで、家まで連れてきてもらいました。
連れてこられたTruckerをしばらく見ていて、どんな生活をしてきたかは、すぐに分かったそうです。「何でもいいから、号令を出して。どうすればいいのか、分からない。」と訴えているのが手に取るように分かるのです。そこで「安楽死させるつもりならば、犬を返して欲しい」と話すと「こんな変な犬、どうするの?」と言いつつも、Truckerを置いていったそうです。

ちょうどその頃、私が先生のところでお世話になりはじめました。
私が世話をする担当犬の中に、このTruckerもいたので、「私の周りをグルグル周りながら、鼻を鳴らすんだけど、私何か悪いことしてる?」と聞くと、事のいきさつを話してくれて、「できるだけたくさん、一緒に過ごして、たくさん遊んであげて。でも号令は一切出さないでね。普通の犬でいればいいことを学べば、この子は安心して、元通りのいい子になるんだから。」と言われました。一年間、そうやって接しましたが、私が帰国する頃でもまだ、「安心」はしていなかったようなので、ず〜っと気になっていたのです。

その子のことを今回先生が話してくれました。「Truckerに、新しい飼い主が見つかりそうなのよ。」
時々先生達の土地にモーターホームでフラっとやってきては、例えば夏の間中、牛の世話を手伝ったりして、暮らす人がいます。Truckerはこの人のことがどうも気になったらしく、裏庭のフェンス越えをやってはこの人をチェックしに行くのが日課になりました。もともと男の人はどちらかと言うと苦手な犬なので、この行為自体がいわば不思議なのですが。
そして日を追うごとに、一歩ずつその人に近づいていき、最終的には「この人について行く」とTrucker自身が決めたようだったそうです。呼ばれれば必ず飛んで来る犬でしたが、この人がいる間は、その人のそばから離れたくないので、号令を無視するようになりました。(先生が呼べば来るのだそうです。他の人では全くの「無視」)ご飯を食べさせるために呼んで、来ないので無理矢理リードをつけて連れてきて、食べたと思ったらまたすぐフェンス越えをやってその人のところに戻る、という生活が始まってしまったので、Truckerを裏庭に出す事を諦め、ドッグフードの袋とTruckerの食器をその人に預けてしまったそうです。するとTruckerはもう大満足で、その人の足元に居場所を固めたそうです。

「ここまでされたら、この犬を連れて行くしかないでしょう」と先生に言われてその人は、「実は健康を害していて、時々殆ど寝たきりの状態になってしまう。そんな状態で犬が幸せでいられるとは思えない」と言うのだそうです。

短時間でも、その人が車ででかけてしまうと、Truckerは車のあった場所に寝そべって、その人が帰ってくるのを何時間でも待ち続けるのだそうです。また、その人が出掛ける素振りを見せると、こっそり車の中に入り込んで荷物のかげに隠れているのだそうです。その辺にいるはずのTruckerの姿が見えないので「Trucker, 隠れているんでしょう?わかっているよ、出ておいで」とその人が声をかけると、車の中でパタパタパタパタと、しっぽがゆれている音が聞こえるのだそうです。「その人が寝たきりになってもTruckerは幸せだ、ということにその人が気付くのは時間の問題」と先生は嬉しそうに話してくれました。


ストレスを長い間に渡って受け続け、立ち直るのに一年の年月すら充分ではなかったTruckerでしたが、「この人だ!」と、従うべき、また、守るべき人を見付けた途端に、こんなに落ち着いた、ちゃめっけまである犬に変ってしまうという話は、私にとって刺激的でした。何よりも、Truckerのために、「良かった」と胸をなで下ろした話でした。

Truckerの「恋」が成就することを願って。 

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