2月28日

今日も仕事。当たり前のことである。久野さんも来た。今日は凄い雨。困った。畝と畝の間が(流れはないものの)川のようだ。風もあり作業がやりづらい。今日の風は強く、カッパの中の体温も持って行っていかれるので、体が蒸されないのは良かった。
この雨の中、野糞をした。雨をしのぐために防風林の中に入っていく。防風林と行っても、随分古いもので木の茂り方は林とは思えない。それだけ茂っている林の中では、島の雨は(島の人の感覚で言えば)雨は降ってこない。この中で、カッパのズボンを脱ぎ、作業ズボンとパンツを下ろし、野糞をした。
空は濃い雲がたちこめ、薄暗い日である。時折、凄い風が林を揺らす。木々の葉の間からこぼれ落ちる滴を受けながらする野糞は、自分の祖先が文化、文明というものと無縁で自然の中で暮らしてきた来た時間が確実にある事を実感した。
土の色、その上に敷き詰められた枯れ葉の色、無造作に立っている木の色、そして僕の糞の色、全て同じ色だ。僕も同じ色のような気がした。

今日までの賃金をNSさんから貰う事になっていたが、ミノルさんが急にお金が入り用になったと言うことで、僕の賃金はとりあえずミノルさんの方へ行ってしまった。僕の方は、今お金を貰う必要はないので困りはしないが、ちゃんとお金がもらえるかちょっと不安だ。

夜、久野さんと税金のこと(そろそろ確定申告の季節である。)、馬のこと、を話した。久野さんは鞍が手に入ったら、ハミも欲しいと言い出した。「ハミを着けて試してみたい。」と言うのだ。今頃こんな事を言っているようでは、先が長そうだ。なかなか埒が開かない、と言った感じだ。