秘密の山歩き(その2)

山歩き指導を受ける

1998.6.21

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全くの無計画&無謀キャンプから、3年近くになろうとしていました。
あの時、地図を頼りに人気のなさそうな山中を歩こうと思ったのですが、いきなり「本当にこれが人間の道なのか? もしかして獣道?」というような道に出くわしてしまい、そのルートは諦め、多くの人が通る山道(登山道)を歩きました。

あれからの3年間、幾つかの山を歩きました。うーにーも幾つかの危ない目(バカな目?)にあい、リードなしでも危険を回避できるようになってきました。しかし私達は所詮素人。観光地のハイキング的なコースがほとんどでした。時に険しい所もありました。そんな場所でもうーにーは上手にクリアーし、得意になっていました。そんな顔を見る度に、「もっと山歩きをさせてあげたい、」と思うばかり。そして「家から日帰りで行けるあの場所の道を歩けたら、」と思うようになりました。

そして98年6月、日本ハイキング倶楽部の網中勝弘氏の指導のもと、あの山に入ることになりました。参加者は、網中さんと奥さん、そしてゴールデンのペック君、それと私に家内にうーにー。


網中さんとは現地近くで、9時半頃に合流しました。早速林道に向かい、3年前にテントを張った近くに車を止めて、あの時断念した道へと入っていきました。

さすがに山の達人、網中さんです。出発時にいきなり「ムムム、、」と思わせることが。
6月とはいえ、ここは肌寒いので、私達は上着を着ての出発でした。しかし網中夫婦は当然の如く半袖での出発。自分も上着を置いていこうかと思いましたが、「いやいや、いくらなんでも、、」と感じるほどの肌寒さ。しかしほんの20分くらい歩くと、もう暑くてたまりません。私と家内は上着を脱ぎ、荷物を一つ増やしたというわけです。

2頭の犬は先頭の網中隊長に付いて、ウキウキ、イソイソの足取り。私達夫婦といえば、網中さんにおいていかれないように、自分の足元を確認しながら進むことで精一杯。とても狭い山道のうえ、落ちたら助けようのない場所です。また他に人は全く入ってきません。今日ばかりは、うーにーの心配をしている余裕はありません。

私達が追いついた時に網中さんが「しっかりした道ですね」というのでビックリ。自分では「ここは獣道では?」と思っていた道をそんなふうに見えるなんて、、、。「どの辺がですか?」と聞くと、「ちゃんと整備されているじゃない。」と。
確かに危なそうな個所には橋のようなものが渡されていたり、石垣のように石を並べて道をしっかりさせていたりと、確かに人間の手が入っている。


先を行く隊長一行の中からいきなりペック君が、急斜面に飛び降りた。人間ならば遥か彼方に滑り落ちていくところだろう。ペック君の足は、柔らかい斜面の土に突き刺さるようになり、踏みとどまることが出来ていた。驚いて、網中さんを見ると「水が欲しいみたいですね。」と落ち着いた表情。確かに斜面の途中に水が湧いているところがあった。ペック君も山慣れしているみたい。
私は心配でしたが、ここで慌てて大騒ぎしたら犬が変に興奮しかねないので、私も平静を装った。それを見てかどうか分からないが、うーにーも真似して飛び降りた。「ワーイ、私だって大丈夫だもん、」という感じで目をキラキラさせながら飛び降りた。さすがにこの時はドキッとしたが心配は無用のようだ。柔らかい地面に足をめり込ませながら、上手に急斜面を走っていた。

先にも書きましたが、木の橋みたいなものが架けられている所が何ヶ所かあり、その中に古くなって下がよく見えるようなものもありました。当然犬の足はそこに入ってしまうので、ドック・ウォーク(アジリティーの長い橋)をあまり好きではないうーにーは、嫌がるだろうと思ったら「ハイハイどんどん行きましょう。」といわんばかりに私の前を進んで行きました。

ちなみにうーにーは網中隊長の先行隊で快調に進み、私達夫婦は自分の足元を確かめるので精一杯。時折、前を見るとスタスタと進むうーにーの後ろ姿がそこにありました。
もうウキウキで仕方がないうーにーは、いきなり斜面を登り始めたり、網中さんの奥さんの足に絡みついたりと、有り余るエネルギーを発散させていました。

そんな山道から林道に下りました。次の目的地まで山道で行く予定だったのですが、この辺りの道は地図に載っていない道が幾つかあり、間違えて早めに下ってしまいました。

林道は車が通るので一応リードを着けます。こんな道をテクテクと歩いて次の目的地へ。


昼食をとるための第一目的地。まずは犬をクールダウンさせるために、水浴びさせました。ここも流れが速いので、水につかる、という感じです。


左上の平らになっている所で簡単な昼食をとりました。上着が荷物になってパンパンなリュックを背負っている私達と違い、網中さんは昼食の他にコンロやシェラを持ってきており、私達も美味しいコーヒーを頂きました。慣れている人と一緒だと、何かと勉強になります。

いつ見ても貫禄のペック君ですが、人間がご飯を食べている時の落ち着き方にも貫禄を感じました。うーにーはといえば、終始落ち着かず、「ねえねえ、なんかしようよ、」という感じです。人間が落ち着いてご飯が食べられません。
人間がテーブルに着いてる時は、そこそこに落ち着いているのですが、人間が地べたに座っていると遊んでもらえると思ってしまうみたいです。

ふと家内の肩を見ると、枝が着いていました。取ろうと思ったら、端がグニャっと勝手に動いている。どうみても枝にしか見えないのですが虫なんです。取ろうとしても、しっかりと張付いて簡単には取れませんでした。取ってみて裏返したら足がついていたので、少しは虫らしく見えましたが、でも枝にも見えました。


昼食後、次の目的地に進む予定でしたが、思ったよりも時間がかかったので、ここから車の所まで引き返すことにしました。帰りはのんびりと林道を歩きました。

車の所へ戻った私達は、3年前にテントを張った所へ行ってみました。今日は雨の後で、あの時よりも水の量も勢いもあります。すぐ下流は滝です。

でも大丈夫だろうと安易に考え、枝を投げ、うーにーにそれを追わせました。するとうーにーは枝を見失いボーっとして、まるで川に流されたビニール袋のように流されています。焦って一声掛けたら、うーにーはそれに反応し、私のもとへと返ってきましたが、私は心臓が止まる思いでした。それから、リードを着けたのはいうまでもありません。

それに対しペック君はというと、これまた貫禄で「なーに子供みたいなことやってんの。水には浸かれればいいじゃない。はしゃいだら危ないよ。」という感じでした。

ここまでで今日の山歩きはオシマイです。
網中さんのお陰でとても勉強になり、次回から自分達だけでも行けるような気になりました。うーにーもペック君から色々学んだようです。


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