北陸旅行記 1996

6月8日(帰宅 & ダニの話)

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ブリーダー宅でも私は朝寝坊だ。家内とうーにーは散歩に行き、ブリーダー一家は犬を出し犬舎の掃除を済ませる。一段落して皆がお茶の時間に私は目を覚ます。テーブルの上のパンとコーヒーをつまみ朝ご飯は完了。色々話しをしていたら11時半になってしまった。
とりあえず出発、といっても近くの牧場へ。この牧場は私と家内との出会いの場であり、ブリーダーさんとの出会いの場所でもある。今日は偶然にも昔からの知り合いが何人か来ている。私達は昔話に花を咲かせ、今回の旅行のことを話し、うーにーのことを色々話した。
旅の疲れもあって牧場にはちょこっと顔を出して帰ろうと思っていたが、以前お世話になった牧場のオーナーや知人達の顔を見ていたら、疲れもどこかへ行ってしまった。結局、夕方まで牧場でお手伝いをして東京に帰ることになった。

お客さんがいない時にうーにーのフリスビーを披露した。風もなく投げ易かったのでうーにーも上手にキャッチすることが出来た。キャッチする度に拍手喝采。うーにーも自分が主役であることがわかっているようで、自慢げなパフォーマンスを見せてくれる。
すると観客は期待を膨らませ「何か他に芸はないの?」と言う。困ったことに無いのである。仕方が無いので「座れ、伏せ、ゴロン、ローリング」をやって見せる。「座れ」は良いのだが残りの3っがいい加減だ。観客は「おりこーねー」とか「さすが!」と言ってくれるのだが、うーにーも「えっ、これがゴロンだっけ?」と混乱している様子。まあみんなが喜んでくれているからそれでイイヤと飼い主も適当にしてしまう。それにこの手のコマンドがしっかり区別出来なければ困ることが日常生活上ある訳でもないので「これでイイヤ」である。

うーにーのことを話していると、他の人達が「私の飼っていた犬はこんな犬だった」とか「近所にこんな犬がいる」なんて話しになってくる。その中で「そうそう上から見ると真四角の犬が近所にいるの。すごいデブデブで散歩するのも苦しそう。」とよく聞く話だ。私が「それは可哀相だ。なんで飼い主さんは太らせてしまうんだろうね。食べさせることがそんなに犬にとって幸せなことと思っているのかな〜。」と答えると「えっ、肥満って飼い主の責任なの?」というので「だって犬は勝手に食べ物を食べないよ。飼い主が与えなければ食べないんじゃないの?」と答えると「へ〜、そういうことかな〜?」と納得しきれない感じだった。犬を飼った経験がある人でさえこんな考えを持っているんだ、とちょっとビックリ。もしかしたら肥満ということを簡単に考えているのではないか、と思った。確かに若いうちはまだいい。しかし足腰が弱りはじめると動けないだけでなく、色々な病気も出てくる。犬も可哀相だし重い犬の看病は大変である。そんなことを考えたことがあるのだろうか?

気が付けば夕方。後ろ髪を引かれる思いを抑えながら牧場を後にし高速へ。東京に向かう道程はどこかゴミゴミした感じがする。車の動きだろうか、周りの風景だろうか、何が原因だか分からない。荷台で眠り続けるうーにーには関係のないことだ。
高速に乗って約2時間半で自宅に着いた。予想していたよりも早かった。着いてしまうとなにか寂しいような虚しいような不思議な気持ちに襲われた。うーにーはバッタリと寝てしまう。



この時から1週間、うーにーはほとんど寝てばかりだった。そんなグ〜タラな1週間に5匹のダニを発見した。
1匹目は6月11日の朝、左肩(背中に近い所)に発見。初めてのことなのでどうしたものかと考えた。

以前、アルコールを吸わせてひるんだ隙に取ればうまく取れる、と聞いていたので実行することにした。燃料用アルコールを使ってみたがダメだった。何度やっても取れない。今考えれば焦っていただけかも知れない。もう少し根気良くやれば取れたかもしれない。
この日の夜、次の手段を試みる。それは線香を使うことだ。線香でお尻を焼けは熱さで逃げ出す、と聞いていたのでやってみる。線香をお尻にあてると確かに体は焦げていく。しかし食ついたままである。しつこく私が続けるとダニは死んでしまったようだ。仕方がないので力任せにダニの体を引っ張ってみる。人から聞いたように、皮膚に食い込んだ頭を残して体だけ取れてしまった、、、。
他にもダニはいなか、とチェックをするが見当たらない。この時、何故見つからなかったのか今でも不思議だ。

2匹目は6月15日未明、首のタプタプの所で発見。無理矢理取ろうとすると失敗することが分かったので今回はゆっくりと時間を掛けて取ってみた。アルコールや線香は使わなかった。ダニの体を軽く引っ張って、ず〜っと待っていたらうまく取れた。夜中だからダニも寝ぼけていたのだろうか。
この日の夜、3匹目を右前足の上腕部の後ろ側に発見。今回はノミ取りドライシャンプーを使ってみることにした。2匹目と同じように軽く引っ張りながらドライシャンプーをまぶしてみる。時間は掛かったがちゃんと取れた。

さらに数時間後もう一匹。今度は床に落ちていた。もうこれ以上血を吸えないといわんばかりにパンパンにふくれたダニだ。ダニを見つける度にうーにーの体をチェックするがいつも見つからない。こんなに大きなダニが見つからないのは不思議だ。何処に隠れているのだろう。
次の日、もう一匹ダニが落ちていた。昨日のものほど大きくはないがまあまあの大きさだ。何処に隠れていたのか教えて欲しいものだ。


さて長旅を共にしてきたダニ君達だが、処分に悩んでとりあえずビンの中で暮らし頂くことにした。彼らはビンの中で死にそうで死なない。彼らがビンの中で10日を過ごし、さらに2、3日経った6月28日、一番大きなダニが卵を産んだ。小さな茶色っぽい卵を幾つも頭の上に載せるように産んだ。私は怖くなってビンの蓋をきつく閉め直した。
次の日獣医さんへ行った時、ダニの話しをした。すると「うちでも血を吸って大きくなったダニを捕まえて、置いておいたことがあるのですが、何も与えなくても5〜6年生きていましたよ。」なんて話しを聞かされてしまった。さらに怖くなった私は家に帰ってビンの蓋をさらにきつく閉めたことは言うまでもない。
それから毎日ビンの中を覗いては「あ〜、まだ生きてる。」とか「また卵が増えている」とかダニ観察を(怖がりながらも)楽しんでいた。
そんな日々が2週間ほど過ぎた週末、私達は1泊のキャンプへ行った。そして帰ってきた時、家の中はサウナ状態になっていた。温度計は36℃。ビンの中を覗くと彼らは一匹も動かない。5〜6年生きるはずのダニ達もこの暑さと湿気には耐え切れなかったようだ。一件落着と思いたかったのだが卵が気になる。奇麗な卵がまだ生きているようだ。結局ビンはそのまま。(卵の色はくすんでいます。)

その後、5年も生きていられては困ると思い、ビンの中にノミとりドライシャンプーを入れた。これで完全に死んでくれたようだが、ビンの蓋はしっかりしめたままゴミにだしました。


この旅行でお金をどれくらい使ったか計算してみた。旅行期間中は\164,519。準備の時にガイドブックや犬具を多少買ったが大した金額ではありません。この金額で人間2人と犬1匹が一週間旅行出来たのだから万万歳である。(友達の店の二階にお世話になれたからだ。もしその分お金を支払っていたら、あと10万円くらいかかったのではないでしょうか。)ちなみに車の走行距離は1,532Km。

北陸にもう少し犬連れOKの宿が増えてくれれば、犬連れ旅行のメッカになるような気がするけど、地元の人は望んでいないかな?

最後まで読んで頂きありがとうございました。
 

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