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(犬及びねこの繁殖制限)第九条

2023.6.222023.6.22


(犬及びねこの繁殖制限)

第九条 犬又はねこの所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするように努めなければならない。




日本で避妊去勢手術が一般的になったのは、1990年台後半2000年も近くなった頃です。それよりも20年以上前に「手術」について言及しています。

その他のことを考えても、この条文はあまりにも時代を先取りし過ぎていると感じます。





 1970年台の日本

日本においては、大都市圏の方が室内飼育、避妊去勢手術、排泄物の管理などの飼養意識が進んでいると考えられています。

現在の大都市圏でも、猫は外を自由に出歩いている姿を目にしますが、この法律が成立した頃の日本は大都市圏でも深夜になれば犬が一人で散歩している姿を見ることがありました。

リード(当時は「ひも」とか「引き綱」とか呼んでいました)をつけた散歩をしても排泄物の処理をしないことは珍しいことではありませんでした。

人間の男性も公の場で小便をする人がいて、それをやめて欲しい意思表示として鳥居マークを書いたものです。
そのような時代に出来た法律です。


 外飼い、自由散歩

当時の日本は外飼い(玄関の前などに繋いで飼育し番犬という仕事を与えたことにしたりしていた)が当たり前で、室内飼育の犬は「お座敷犬」などと呼ばれ奇異の目で見られていました。
前述にもある通り、犬でさえ自由に散歩していることがあり、まだ狂犬病の恐ろしさを記憶している人も多い時代で、私も大人からその恐ろしさを教えられた世代だったので、自由に出歩く犬を怖いと感じたことがありました。

この法律が出来た当時はそのようなことがありましたが、今でも地方では自由に散歩している犬がいることもあります。そのような犬が原因で望まれぬ繁殖が起こることもあります。
信じられないとは思いますが、雌犬を檻の中に入れておいても受胎した例もあります(個人的に幾例もきいています)。

猫については今も多々あり問題になっていることをご存知の方も多いと思いますが、1973年(昭和48年)に成立した法律にこのようなことが書かれています。


 獣医療の発展

何故、法律が成立してから多くの飼い主さん手術をするようになるまで20年以上の時間が必要だったのか。

1990年台前半までの町中の動物病院では、レントゲンがなくても当たり前だったし、血液検査も全て外注に出していたと思います。そもそも(ペットを扱う)動物病院の数はもしかしたら今の10分の1くらいだったかもしれません。とにかく少なかったです。

現在ペットでもガス麻酔が一般的ですが、1990年台の町の動物病院では外科手術をしない病院も(元々少ないのに)少なくありませんでした。なのでガス麻酔の設備もない病院がほとんどだったと思います。

そのことと飼い主側の意識とどちらが大きな要因になっていたのか分かりませんが、ペットを取り巻く世情として「リスクを冒して、また高額の手術代を負担してまで行う必要を感じない」が一般的な感覚だったのでしょう。

そして望まれない仔犬仔猫が産まれた場合のことも、当時の日本にはその土地毎にルールがあったようです。それで解決とされていた時代です。
そのルールが残っている地域が2010年台にもあったことを個人的には確認しています。




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