(犬及びねこの引取り)
第七条 都道府県又は政令で定める市(以下「都道府県等」という。)は、犬又はねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。この場合において、都道府県知事又は当該政令で定める市の長(以下「都道府県知事等」という。)は、その犬又はねこを引き取るべき場所を指定することができる。
2 前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又はねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。
3 都道府県知事は、市町村長(第一項の政令で定める市の長を除き、特別区の区長を含む。)に対し、第一項(前項において準用する場合を含む。以下第六項及び第七項において同じ。)の規定による犬又はねこの引取りに関し、必要な協力を求めることができる。
4 都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする公益法人その他の者に犬及びねこの引取りを委託することができる。
5 都道府県等は、第一項の引取りに関し、条例で定めるところにより、手数料を徴収することができる。
6 内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項の規定により引取りを求められた場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。
7 国は、都道府県等に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第一項の引取りに関し、費用の一部を補助することができる。
文字数が多いですが、時間をかけてゆっくり読めば理解できると思います。
犬又は猫の引取りについての条文です。
現場の実務は「都道府県等」が行うことなっています。
私の理解を以下に(とても簡略化したものを)書いておきます。
1~2
1.
都道府県等は、犬や猫の所有者から引取りを求められた引き取らなければならない。
引き取るべき場所は指定できる。
他の条文のほとんどの部分は「所有者又は占有者」ですが、ここは所有者だけです。基本的な権利である所有権に関わるのでそうなります。
条文の表現が「引き取らなければならない」となっていて、但し書きなどがないために、長い間問題になっていました。
当時の引取り数などが分かる資料としてこちらのページを紹介しておく。
犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況
2.
所有者の判明しない犬又はねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた場合、1と同じように扱いましょう。
「準用する」は法律を読んでいるとよく出てきます。基本的に同じルールを使う、くらいのことです。
基本的に同じだけど、少し変わることもあります。
例として、現在(2023年)施行されている、この条文の現在バージョンである第三十五条の3があります。準用して一部分は「読み替えるものとする」ことがあります。
現在の法律はこちら
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)
3~7
3.都道府県知事は市町村長に協力を求めることができる。
4.都道府県知事等は、公益法人などに委託することができる。
5.都道府県等は、手数料を徴収することができる。
6.内閣総理大臣は(関係機関と協議して)措置に関して何かと定めることができる。
7.国は都道府県等に費用の一部を補助することができる。
6.からして「まだまだ決まっていない」感じがしています。6.以外にも1~2、3~7 を読んでもとても大雑把な気がする。
この引取り業務はどのように決まったのだろうと遠い昔調べたことがありましたが、インターネットが普及していない頃だったので全く分かりませんでした。
それらしいこととして、この法律の附則の4に「狂犬病予防法の第五条の二を削る」とあるのですが、これがなかなか見つからない。
これは、昭和二十九年の改正で追加され、この法律が出来た時に削除されたもので、狂犬病予防法が出来た時の条文には書かれていないし、現在の狂犬病予防法には削除されたことすら書いていない。
これを探し出すと、この第七条は削除された狂犬病予防法の第五条の二に替わるものであることがわかります。
もし内容に間違いがあることをお気づきの場合、疑問点がおありの場合等、以下の「こちらから」ご連絡いただければ幸いです。
とりあえず作成。
使い勝手の確認も含めて。
#法律 #1973